2014年6月30日月曜日

英語は論理的か。

(01)
漢文は論理的な構文をたくさん含んでいる(山下正男)。
否定は文全体にかかるものとして理解するのが論理学の鉄則です(三浦俊彦)。
従って、
(01)により、
(02)
不死。
不雲。
不長。
等は、
不(死)。
不(雲)。
不(長)。
でなければ、ならない。
然るに、
(03)
無(人)不(死)。
無(日)不(雲)。
無(物)不(長)。
であるならば、
無(人)不(死)=人無し。死せず。
無(日)不(雲)=日無し。曇らず。
無(物)不(長)=物無し。長ぜず。
である。
従って、
(04)
無人不死=人無し。死せず。
無日不雲=日無し。曇らず。
無物不長=物無し。長ぜず。
ではない。のであれば、
無(人不(死))=人として死せ不るは無し。
無(日不(雲))=日として雲ら不るは無し。
無(物不(長))=物として長ぜ不るは無し。
が、「正しい」。
然るに、
(01)により、
(05)
人として死せ不るは無し。
日として雲ら不るは無し。
物として長ぜ不るは無し。
といふ「命題」の否定は、
無(人不(死))。
無(日不(雲))。
無(物不(長))。
といふ「文全体の否定」であるため、
非(無(人不(死)))=(人として死せ不るは無きに)非ず。
非(無(日不(雲)))=(日として雲ら不るは無きに)非ず。
非(無(物不(長)))=(物として長ぜ不るは無きに)非ず。
が、「正しい」。
然るに、
(06)
① 無(人不(死))。
の英訳は、
② There is no man who doesn’t die=死なない人はありません(グーグル翻訳)。
従って、
(07)
③ 非(無(人不(死)))。
の英訳は、
④ It is not true that there is no man who doesn’t die.
であると、思はれる。
然るに、
(08)
③ 非(無(人不(死)))=
③ 非(不(有(人不(死))))=
③ ~(~((∃ⅹ)(Mⅹ&~(Dⅹ)))).
と言ふ際に、
④ It is not true that there is no man who doesn’t die=
④ そのやうなことは本当ではない、すなはち、死なない人間が存在しないこと。
と言はなければならない「言語」が、
③ 非(無(人不(死)))=
③ ~(~((∃ⅹ)(Mⅹ&~(Dⅹ)))).
より以上に、「論理的」であるとは、思へない。
(08)
A非B=
A非(B)⇒
A(B)非=
Aは(Bに)非ず=
A is not B=
A で ない B=
A で(ない〔B)〕⇒
A (〔B)で〕ない。
然るに、
(09)
(〔 )〕:二  一。
のやうな「括弧:返り点」はない。
従って、
(08)(09)により、
(10)
A is  not B.
A are not B.
A can not B.
等に対して、「括弧:返り点」を付けることは、出来ない。
然るに、
(11)
何不令人謂韓公叔曰、秦之敢絶周而伐韓者、信東周也、公何不与周地、発質使之楚、秦必疑楚不信周、是韓不伐也、又謂秦曰、韓彊与周地、将以疑周於秦也、周不敢不受。
といふ「漢文」を、
何ぞ人をして韓の公叔に謂ひて「秦の敢へて周を絶つて韓を伐たんとするは東周を信ずればなり、公何ぞ周に地を与へ、質使を発して楚に之かしめざる、秦必ず楚を疑ひ、周を信ぜざらん、是れ韓伐たれざらん、」と曰ひ、又秦に謂ひて「韓彊ひて周に地を与ふるは将に以て周を秦に疑はしめんとするなり、周敢へて受けずんばあらず」と曰は令めざる(これならわかる返り点、―入門から応用まで―古田島洋介、91頁)。
とふ風に「訓読」すると、
何不〈令{人謂(韓公叔)曰[、秦之敢絶(周)而伐(韓)者、信(東周)也、公何不〔与(周地)、発(質使)之(楚)〕、秦必疑(楚)不〔信(周)〕、是韓不(伐)也]、又謂(秦)曰[、韓彊与(周地)、将〔以疑(周於秦)〕也、周不〔敢不(受)〕]}〉⇒
何〈{人(韓公叔)謂[、秦之敢(周)絶而(韓)伐者、(東周)信也、公何〔(周地)与、(質使)発(楚)之〕不、秦必(楚)疑〔(周)信〕不、是韓(伐)不也]曰、又(秦)謂[、韓彊(周地)与、将〔以(周於秦)疑〕也、周〔敢(受)不〕不]曰}令〉不=
何ぞ〈{人をして(韓の公叔に)謂ひて[、秦之敢へて(周を)絶つ而(韓を)伐とする者、(東周を)信ずれば也、公何ぞ〔(周に地を)与へ、(質使を)発して(楚に)之かしめ〕不る、秦必ず(楚を)疑ひ〔(周を)信ぜ〕不らん、是れ韓(伐たれ)不らん也と]曰ひ、又た(秦に)謂ひて[、韓彊ひて(周に地を)与ふるは、将に〔以て(周を於秦に)疑はしめんとする〕也、周〔敢へて(受け)不んば〕不ずと]曰は}令め〉不る。
従って、
(12)
何不〈令{        
人謂(韓叔)      
曰[、           
秦之敢絶(周)    
而伐(韓)者、    
信(東周)也、     
公何不〔与(周地)、  
発(質使)之(楚)〕、 
秦必疑(楚)     
不〔信(周)〕、    
是韓不(伐)也]   
又謂(秦)曰[、    
韓彊与(周地)、
将〔以疑(周於秦)〕也、
周不〔敢不(受)〕  

}〉=
〈{( )[( )( )( )〔( )( )( )〕( )〔( )〕( )]( )[( )〔( )〕〔( )〕]}〉。
に対する「返り点」は、
レ 丁 二 一 地 レ レ 二 一 下 二 一 二 一 上レ レ レ レ 天レ レ 丙 二 一 三 二 一 乙 甲レ。
である。
従って、
(10)(12)により、
(13)
A is not B.
には、「括弧:返り点」を付けることは、出来ない。が、
何不令人謂韓公叔曰、秦之敢絶周而伐韓者、信東周也、公何不与周地、発質使之楚、秦必疑楚不信周、是韓不伐也、又謂秦曰、韓彊与周地、将以疑周於秦也、周不敢不受。
に対しては、
「〈{( )[( )( )( )〔( )( )( )〕( )〔( )〕( )]( )[( )〔( )〕〔( )〕]}〉:レ 丁 二 一 地 レ レ 二 一 下 二 一 二 一 上レ レ レ レ 天レ レ 丙 二 一 三 二 一 乙 甲レ」
といふ、「括弧:返り点」を付けることが、出来る。
(14)
Who are you=
誰(である〔あなたは)〕⇒
(〔あなたは)誰〕である。
であるため、
Who are you.
にも、「括弧:返り点」を付けることは、出来ない。
(15)
子為(誰)⇒
子(誰)為=
子は(誰と)為す。
であるため、
You are who?
であれば、「括弧:返り点」を付けるこが、出来る。
(16)
A不〔為(B)〕⇒
A〔(B)為〕不=
A〔を(Bと)為さ〕不。
であるため、
A not is B.
A 不  是   B.
ならば、「括弧:返り点」を付けるこが、出来る。
平成26年06月30日、毛利太。

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