(01)
次に示す、「縦書き(02)」により、、
①
レ 二 レ 一レ 。
といふ「返り点」は、
② レ 下 二 一 中 上。
③
六 五 二 一 四 三。
④[〔( )( )〕]。
といふ、「三通り」に、「置き換へ」られる。
(02)
(03)
次に示す、「縦書き(04)」により、
何 不 令 人 謂 韓 叔 曰 秦 之 敢 絶 周 而 伐 韓 者 信 東 周
也 公 何 不 与 周 地 発 質 使 之 楚 秦 必 疑 楚 不 信 周 是
韓 不 伐 也 又 謂 秦 曰 韓 彊 与 周 地 将 以 疑 周 於 秦 也
周 不 敢 不 受。
といふ、「65字からなる漢文」に付く「返り点」は、
レ 丁 二 一 地 レ レ 二 一 下 二 一 二 一 上レ レ レ レ 天レ レ 丙 二 一 三 二 一 乙 甲レ 。
といふ、「28個」である。
(04)
然るに、
(05)
① レ 二 レ 一レ 。
といふ「返り点」が、
②
レ 下 二 一 中 上。
③
6 5 2 1 4 3。
④[〔( )( )〕]。
といふ、「三通り」に、「置き換へ」られるやうに、
何 不 令 人 謂 韓 叔 曰 秦 之 敢 絶 周 而 伐 韓 者 信 東 周
也 公 何 不 与 周 地 発 質 使 之 楚 秦 必 疑 楚 不 信 周 是
韓 不 伐 也 又 謂 秦 曰 韓 彊 与 周 地 将 以 疑 周 於 秦 也
周 不 敢 不 受。
に於ける、
レ 丁 二 一 地 レ レ 二 一 下 二 一 二 一 上レ レ レ レ 天レ レ 丙 二 一 三 二 一 乙 甲レ 。
といふ、
「①28個の返り点」は、
己 戊 二 一 人 二 一 二 一 二 一 下 二 一 二 一 中 上 二 一 三 二 一 地 天 二 一 丁 二 一 三 二 一 丙 乙 甲。
といふ、
「②レ点を含まない、36個の返り点」と、
36 35 2 1 23 4 3 6 5 8 7 15 10 9 12 11 14 13 17 16 20 19 18 22 21 25 24 34 27 26 30 29 28 33 32 31。
といふ、
「③36個の番号」と、
36〈35{2(1)23[4(3)6(5)8(7)15〔10(9)12(11)14(13)〕17(16)20〔19(18)〕22(21)]25(24)34[27(26)30〔29(28)〕33〔32(31)〕]}〉⇒
〈{(1)223[(3)4(5)6(7)8〔(9)10(11)12(13)14〕15(16)17〔(18)19〕20(21)22](24)25[(26)27〔(28)29〕30〔(31)32〕33]34}35〉36=
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36。
といふ、
「④括弧」に、「置き換へ」ることが出来る。
然るに、
(06)
己 戊 二 一 人 二 一 二 一 二 一 下 二 一 二 一 中 上 二 一 三 二 一 地 天 二 一 丁 二 一 三 二 一 丙 乙 甲。
といふ、「②レ点を含まない、36個の返り点」を「観察」すると、
①
一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・・・・・・。
② 上 中 下。
③ 天 地 人。
④
甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸。
に於いて、
① の間には、0個以上の①が有り、
② の間には、1個以上の①が有り
③
の間には、1個以上の②が有り、
④
の間には、1個以上の③が有る。
といふことが、分る。
(07)
0個以上の①が有る。
といふのは、
三 二 一=
三 # 一。
ならば、
#=二
であるが、
二 一=
二 一
の場合には、
#が、0個である。
といふ、「意味」である。
(08)
〈{( )[( )( )( )〔( )
( )( )〕( )〔( )〕( )]( )[( )〔( )〕〔( )〕]}〉。
「④括弧」を、「観察」すると、
①( )
②〔 〕
③[ ]
④{ }
⑤〈 〉
に於いて、
②
の中には、一つ以上の①が有り、
③ の中には、一つ以上の②が有り、
④ の中には、一つ以上の③が有り、
⑤
の中には、一つ以上の④が有る。
といふことが、分る。
従って、
(06)(08)により、
(09)
①
一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・・・・・・。
② 上 中 下。
③ 天 地 人。
④
甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸。
に於いて、
① の間には、0個以上の①が有り、
② の間には、1個以上の①が有り
③
の間には、1個以上の②が有り、
④
の間には、1個以上の③が有る。
といふことが、分かり、
①( )
②〔 〕
③[ ]
④{ }
⑤〈 〉
に於いて、
②
の中には、一つ以上の①が有り、
③ の中には、一つ以上の②が有り、
④ の中には、一つ以上の③が有り、
⑤
の中には、一つ以上の④が有る。
といふことが、分る。
従って、
(05)(09)により、
(10)
36 35 2 1 23 4 3 6 5 8 7 15 10 9 12 11 14 13 17 16 20 19 18 22 21 25 24 34 27 26 30 29 28 33 32 31=
36〈35{2(1)23[4(3)6(5)8(7)15〔10(9)12(11)14(13)〕17(16)20〔19(18)〕22(21)]25(24)34[27(26)30〔29(28)〕33〔32(31)〕]}〉⇒
〈{(1)223[(3)4(5)6(7)8〔(9)10(11)12(13)14〕15(16)17〔(18)19〕20(21)22](24)25[(26)27〔(28)29〕30〔(31)32〕33]34}35〉36=
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36。
といふ「③番号」も、そのやうな「規則性」を持った「番号」である。
といふ、ことになる。
然るに、
(11)
〔ドリル〕
次の数字の順序で読めるように返り点をつけよ。
55 49 3 1 2 33 5 4 8 6 7 10 9 11 12 23 15 13 14 17 16 18 19 20 22 21 25 24 29 28 26 27 32 30 31 36 34 35 48 40 37 38 39 43 42 41 47 46 44 45 54 53 50 51 52。
といふ「問題」の場合も、そのやうな「規則性」を持った「番号」であって、「答へ」は、
亨 人 二 一 丙 レ 二 一 レ 下 二 一 レ 上レ レ レ 二 一 乙 甲 二 一 地 二 一 レ レ 天レ 二 一 元レ 二 一。
である。が、この場合は、
①
一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・・・・・・。
② 上 中 下。
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸。
④
天 地 人。
⑤ 元 亨 利 貞。
の「順番」に、なってゐる。
cf.
元亨(利貞)点 もしくは 乾坤点
天地人点の範囲をまたぐときに用いる。「元亨利貞」は易の言葉である。
然るに、
(12)
55 49 3 1 2 33 5 4 8 6 7 10 9 11 12 23 15 13 14 17 16 18 19 20 22 21 25 24 29 28 26 27 32 30 31 36 34 35 48 40 37 38 39 43 42 41 47 46 44 45 54 53 50 51 52=
39 35 2 # 1 23 4 3 6 # 5 8 7 # # 15 10 # 09 12 11 # # # 14 13 17 16 20 19 # 18 22 # 21 25 # 24 34 27 # # 26 30 29 28 33 32 # 31 38 37 # # 36
の「括弧」は、
〈{( )[( )( )( )〔( )
( )( )〕( )〔( )〕( )]( )[( )〔( )〕〔( )〕]}〔( )〕〉。
である。
然るに、
(13)
ついでに説明しておくと、「一・二・三・ ・・・・・」「上・中・下」「甲・乙・丙・ ・・・・・」「天・地・人」と、いろいろ上級の返り点があり、それをつけることがあるが、「天・地・人」を使わなければならないような文は、実際にはほとんどない。そんな複雑な長い文は悪文である(二畳庵主人、漢文法基礎、1984年、83頁)。
従って、
(14)
①( )
②〔 〕
③[ ]
④{ }
⑤〈 〉
といふ「括弧」で、「不足」することは、事実上、有り得ない。が、ただし、
六〈五{四[三〔二(一)〕]}〉⇒
〈{[〔(一)二〕三]四}五〉六。
であるため、
①( )
②〔 〕
③[ ]
④{ }
⑤〈 〉
では、「括弧の種類」が不足し、
七 六 五 四 三 二 一。
レ レ レ レ レ レ 。
等を、表すことが、出来ない。
平成26年10月14日、毛利太。
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