2019年1月24日木曜日

「雑説、韓愈」に於ける「連言の否定」の研究(Ⅱ)。

―「昨日の記事(23日)」を書き直します。―
(01)
◆ 不 其能千里 而食 也 この句は、別に、
 「不 其能千里 而食  也」と返り点をつけて「その能の千里なるを知らずして食ふなり。」(=その能力が千里もあるのを知らずに養っている。)と訓読することができる。例文の場合、書き下し文だけを読むと
 「知 其能千里 而不食也」(その能力が千里もあることを知りながら養わない。)と混同するおそれがあるのでじゅうぶんに注意しなければならない(赤塚忠・遠藤哲夫、漢文の基礎、1973、156頁)。
(02)
「原文」と「括弧(返り点・管到)」と「訓読(書き下し文)」は、次の通りです。
(a)
世有伯楽、然後有千里馬。
千里馬常有、而伯楽不常有。
故雖有名馬、祇辱於奴隷人之手、
駢死於槽櫪之間、不以千里称也。
馬之千里者、一食或盡粟一石。
食馬者、不知其能千里而食也。
(b)
世有(伯楽)、然後有(千里馬)。
千里馬常有、而伯楽不(常有)。
故雖有(名馬)、祇辱於(奴隷人之手)、
駢-死(於槽櫪之間)、不〔以(千里)称〕也。
馬之千里者、一食或盡(粟一石)。
食(馬)者、不〔知(其能千里)而食〕也。
(c)
世に伯楽有りて、然る後に千里の馬有り。
千里馬は常に有れども、伯楽は常には有らず。
故に名馬有りと雖も、祇だ奴隷人之手於辱かしめられ、
槽櫪之間於駢死し、千里を以て称せられ不るなり。
馬の千里なる者は、一食に或いは粟一石を盡くす。
馬を食ふ者は、其の能の千里なるを知りて食はざるなり。
然るに、
(01)(02)により、
(03)
① 食馬者、不知其能千里而食也。
といふ「原文」に対しては、
① 食(馬)者、不〔知(其能千里)而食〕也。
といふ「括弧)」に加へて、
② 食(馬)者、不〔知(其能千里〕而食〕也。
といふ「括弧」も「可能」である。
然るに、
(04)
(ⅰ)
① 食(馬)者、不〔知(其能千里)而食〕也。
に於いて、
① 食( )⇒( )食
① 不〔 〕⇒〔 〕不
① 知( )⇒( )知
といふ「移動」を行ふと、
① 食(馬)者、不〔知(其能千里)而食〕也⇒
① (馬)食者、〔(其能千里)知而食〕不也=
① (馬を)食ふ者は、〔(其の能の千里なるを)知りて食は〕ざるなり。
(ⅱ)
② 食(馬)者、不〔知(其能千里)〕而食也。
に於いて、
② 食( )⇒( )食
② 不〔 〕⇒〔 〕不
② 知( )⇒( )知
といふ「移動」を行ふと、
② 食(馬)者、不〔知(其能千里)〕而食也⇒
② (馬)食者、〔(其能千里)知〕不而食也=
② (馬を)食ふ者は、〔(其の能の千里なるを)知ら〕ずして食ふなり。
(ⅲ)
③ 食(馬)者、知(其能千里)而不(食)也。
に於いて、
③ 食( )⇒( )食
③ 知( )⇒( )知
③ 不( )⇒( )不
といふ「移動」を行ふと、
③ 食(馬)者、知(其能千里)而不(食)也⇒
③ (馬)食者、(其能千里)知而(食)不也=
③ (馬を)食ふ者は、(其の能の千里なるを)知りて(食は)ざるなり。
従って、
(01)(04)により、
(05)
① 食(馬)者、不〔知(其能千里)而食〕也。
② 食(馬)者、不〔知(其能千里)〕而食也。
③ 食(馬)者、知(其能千里)而不(食)也。
に対する、
① (馬を)食ふ者は、〔(其の能の千里なるを)知りて食は〕ざるなり。
② (馬を)食ふ者は、〔(其の能の千里なるを)知ら〕ずして食ふなり。
③ (馬を)食ふ者は、(其の能の千里なるを)知りて(食は)ざるなり。
といふ「訓読」に於いて、
① (馬を)食ふ者は、〔(其の能の千里なるを)知りて食は〕ざるなり。
③ (馬を)食ふ者は、(其の能の千里なるを)知りて(食は)ざるなり。
である所の、
① 馬を食ふ者は、其の能の千里なるを知りて食はざるなり。
③ 馬を食ふ者は、其の能の千里なるを知りて食はざるなり。
の場合は、「書き下し文」としては、「全く同じ」であるため、「区別」が付かない。
然るに、
(06)
① (馬を)食ふ者は、〔(其の能の千里なるを)知りて食は〕ざるなり。
③ (馬を)食ふ者は、(其の能の千里なるを)知りて(食は)ざるなり。
であるため、
P=馬を養ふ(者)。
Q=其の能の千里なるを知る。
とするならば、
① P,~(Q& P)
③ P,  (Q&~P)
然るに、
(07)
例へば、
① 偽,~(偽& 真)=真
③ 偽,  (偽&~真)=偽
であるため、
① P,~(Q& P)
③ P,  (Q&~P)
に於いて、
①=③ ではない。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① 偽,~(偽& 真)=真
③ 偽,  (偽&~真)=偽
に於いて、
①=③ ではないため、
① 馬を食ふ者は、其の能の千里なるを知りて食はざるなり。
③ 馬を食ふ者は、其の能の千里なるを知りて食はざるなり。
の「意味」に於いて、
①=③ ではない。
従って、
(05)~(08)により、
(09)
① 食(馬)者、不〔知(其能千里)而食〕也。
③ 食(馬)者、知(其能千里)而不(食)也。
に於いて、両者は、
① 馬を食ふ者は、其の能の千里なるを知りて食はざるなり。
③ 馬を食ふ者は、其の能の千里なるを知りて食はざるなり。
といふ「訓読(書き下し文)」に於いては、「等しい」ものの、
① P,~(Q& P)
③ P,  (Q&~P)
といふ「意味(論理式)」としては、「等しく」はない。
然るに、
(10)
① 食(馬)者、不〔知(其能千里)而食〕也。
② 食(馬)者、不〔知(其能千里)〕而食也。
③ 食(馬)者、知(其能千里)而不(食)也。
に対する、
① (馬を)食ふ者は、〔(其の能の千里なるを)知りて食は〕ざるなり。
② (馬を)食ふ者は、〔(其の能の千里なるを)知ら〕ずして食ふなり。
③ (馬を)食ふ者は、(其の能の千里なるを)知りて(食は)ざるなり。
といふ「訓読」に於いて、
① (馬を)食ふ者は、〔(其の能の千里なるを)知りて食は〕ざるなり。
② (馬を)食ふ者は、〔(其の能の千里なるを)知ら〕ずして食ふなり。
である所の、
① 馬を食ふ者は、其の能の千里なるを知りて食はざるなり。
② 馬を食ふ者は、其の能の千里なるを知らずして食ふなり。
の場合は、「書き下し文」としては、「同じ」ではなく、「区別」が付く。
然るに、
(11)


従って、
(11)により、
(12)
62年前の中西先生は、
① 食(馬)者、不〔知(其能千里)而食〕也。
② 食(馬)者、不〔知(其能千里)〕而食也。
③ 食(馬)者、知(其能千里)而不(食)也。
に於いて、「それぞれ意味は違ってくる。」といふ風に、述べられてゐる。
従って、
(10)(12)により、
(13)
中西先生は、
① 食(馬)者、不〔知(其能千里)而食〕也。
② 食(馬)者、不〔知(其能千里)〕而食也。
の場合は、
① (馬を)食ふ者は、〔(其の能の千里なるを)知りて食は〕ざるなり。
② (馬を)食ふ者は、〔(其の能の千里なるを)知ら〕ずして食ふなり。
であるため、少なくとも、
① と ② の「訓読」は、「同じ」ではないし、
① と ② の「意味」も、「同じ」ではない。といふ風に、述べられてゐる。
然るに、
(14)
「結論」から先に言ふと、中西先生の「見解」は、「マチガイ」であって、
① 食(馬)者、不〔知(其能千里)而食〕也。
② 食(馬)者、不〔知(其能千里)〕而食也。
に於いて、
① と ② の「訓読」は、「同じ」ではないが、
① と ② の「意味」は、「同じ」である。
とするのが、「正しい」。
(15)
1   (1) P      A
 2  (2)~(Q&P)  A
 2  (3)~Q∨~P   2ド・モルガンの法則
 2  (4)~P∨~Q   3交換法則
 2  (5) P→~Q   4含意の定義
12  (6)   ~Q   15MPP
∴   (7)P,~(Q&P)├ ~Q
従って、
(15)により、
(16)
① P,~(Q&P)├ ~Q
といふ「連式(sequent)」は、「妥当(valid)」である。
然るに、
(17)
1   (1) P      A
 2  (2)    P   A
  3 (3)~(Q&P)  A
   4(4)  Q     A
 2 4(5)  Q&P   24&
 234(6)~(Q&P)&
        (Q&P)  35&I
 23 (7) ~Q     46RAA
  3 (8) P→~Q   27CP
1 3 (9)   ~Q   18MPP
∴   (ア)P,~(Q&P)├ ~Q
従って、
(17)により、
(18)
① P,~(Q&P)├ ~Q
といふ「連式(sequent)」は、「妥当(valid)」である。
従って、
(15)~(18)により、
(19)
「ド・モルガンの法則、交換法則、含意の定義」といふ「定理」を用ゐても、用ゐなくとも、いづれにせよ、
① P,~(Q&P)├ ~Q
といふ「連式(sequent)」は、「妥当(valid)」である。
従って、
(19)により、
(20)
P=馬を養ふ。
Q=其の能の千里なるを知る。
であるとして、
① 馬を養ふ、~(其の能の千里なるを知る&馬を養ふ)。├ ~(其の能の千里なるを知る)。
といふ「連式(sequent)」は、「妥当(valid)」である。
従って、
(20)により、
(21)
① 馬を養ふ、其の能の千里なるを知るって馬を養ふ。といふことはない。故に、其の能の千里なるを知らない。
に於いて、
①「養ふ」の「主語」は、「馬を養ふ者」であって、
①「知る」の「主語」も、「馬を養ふ者」である。
従って、
(20)(21)により、
(22)
① 馬を養ふ者は、其の能の千里なるを知るって馬を養ふ。といふことはない。故に、馬を養ふ者は、其の能の千里なるを知らずに、馬を養ふ。
といふ「連式(sequent)」は、「妥当(valid)」である。
然るに、
(23)
② 馬を養ふ者は、其の能の千里なるを知らずに、馬を養ふ。故に、馬を養ふ者は、其の能の千里なるを知るって馬を養ふ。といふことはない。
といふ「連式(sequent)」も、「妥当(valid)」である。
従って、
(22)(23)により、
(24)
① 馬を養ふ者は、其の能の千里なるを知って養ふ。といふことはない。
② 馬を養ふ者は、其の能の千里なるを知らずに、養ふ。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(25)
「理屈」は兎も角、いづれにせよ、
① 馬を養ふ者は、其の能の千里なるを知って養ふ。といふことはない。
といふことは、
② 馬を養ふ者は、其の能の千里なるを知らずに、養ふ。
といふことであって、
② 馬を養ふ者は、其の能の千里なるを知らずに、養ふ。
といふことは、
① 馬を養ふ者は、其の能の千里なるを知って養ふ。といふことはない。
といふことである。
従って、
(04)(24)(25)により、
(26)
① (馬を)食ふ者は、〔(其の能の千里なるを)知って養ふ〕といふことはない。
② (馬を)食ふ者は、〔(其の能の千里なるを)知ら〕ずに、養ふ。
といふ、その「意味」に於いて、
①=② である。
従って、
(04)(26)により、
(27)
① (馬を)食ふ者は、〔(其の能の千里なるを)知りて食は〕ざるなり。
② (馬を)食ふ者は、〔(其の能の千里なるを)知ら〕ずして食ふなり。
といふ「意味」に於いて、
①=② である。
従って、
(04)(27)により、
(28)
① 食(馬)者、不〔知(其能千里)而食〕也。
② 食(馬)者、不〔知(其能千里)〕而食也。
といふ「漢文」の、「意味」に於いて、
①=② である。
然るに、
(20)により、
(29)
P=馬を養ふ。
Q=其の能の千里なるを知る。
であるため、
① 〔(其の能の千里なるを)知りて食は〕ざるなり。
② 〔(其の能の千里なるを)知ら〕ずして食ふなり。
であるならば、そのときに限って、
① ~(Q&P)。
② ~(Q)&P。
である。
然るに、
(30
① ~(真&真)=偽
① ~(真&偽)=真
① ~(偽&真)=真
① ~(偽&偽)=真
である。
然るに、
(31)
② ~(真)&真=偽
② ~(真)&偽=偽
② ~(偽)&真=真
② ~(偽)&偽=偽
従って、
(30)(31)により、
(32)
① ~(Q&P)。
② ~(Q)&P。
に於いて、
①=② ではない。
従って、
(29)~(32)により、
(33)
① 〔(其の能の千里なるを)知りて食は〕ざるなり。
② 〔(其の能の千里なるを)知ら〕ずして食ふなり。
に於いて、
①=② ではない。
従って、
(27)(33)により、
(34)
① (馬を)食ふ者は、〔(其の能の千里なるを)知って養ふ〕といふことはない。
② (馬を)食ふ者は、〔(其の能の千里なるを)知ら〕ずに、養ふ。
といふ、その「意味(論理)」に於いて、
①=② である。ものの、
① 〔(其の能の千里なるを)知りて食は〕ざるなり。
② 〔(其の能の千里なるを)知ら〕ずして食ふなり。
といふ、その「意味(論理)」に於いて、
①=② ではない。
従って、
(08)(34)により、
(35)
① 食(馬)者、不〔知(其能千里)而食〕也。
② 食(馬)者、不〔知(其能千里)〕而食也。
といふ、その「意味(論理)」に於いては、
①=② である。ものの、
①       不〔知(其能千里)而食〕也。
②       不〔知(其能千里)〕而食也。
といふ、その「意味(論理)」に於いては、
①=② ではない。
従って、
(11)(35)により、
(36)
中西先生の「マチガイ」は、
① 食(馬)者、不〔知(其能千里)而食〕也。
② 食(馬)者、不〔知(其能千里)〕而食也。
といふ「漢文」と、
① 不〔知(其能千里)而食〕也。
② 不〔知(其能千里)〕而食也。
といふ「漢文」を「混同」したがための、「マチガイ」である。
といふ風に、見做すことが、出来る。
(37)
さうでなければ、中西先生は、
① 食(馬)者、不〔知(其能千里)而食〕也。
② 食(馬)者、不〔知(其能千里)〕而食也。
といふ「漢文」ではなく、
① 不〔知(其能千里)而食〕也。
② 不〔知(其能千里)〕而食也。
といふ「漢文」の「違ひ」だけを、説明されたのかも、知れない。
然るに、
(38)
(a)
1   (1)  P     A
 2  (2)~(Q&P)  A
  3 (3)  P     A
   4(4)    Q   A
  34(5)  Q&P   34&I
 234(6)~(Q&P)& 
        (Q&P)  25&I
 23 (7)   ~Q   46RAA
 2  (8) P→~Q   37CP
12  (9)   ~Q   18MPP
12  (ア) P&~Q   19&I
∴   (イ)P,~(Q&P)├ P&~Q 
(b)
1   (1)  P     A
 2  (2)~(Q)&P  A
 2  (3) ~Q     2&E
12  (4)  P&~Q  13&I
∴   (5)P,~(Q)&P├ P&~Q
従って、
(38)により、
(39)
① P,~(Q&P)├ P&~Q
② P,~(Q)&P├ P&~Q
といふ「連式(sequents)」は、「妥当」である。
従って、
(40)
P=馬を養ふ。
Q=其の能の千里なるを知る。
であるとして、
① P,~(Q&P)├ 馬を養ふ者は、其の馬の千里なるを知らない。
② P,~(Q)&P├ 馬を養ふ者は、其の馬の千里なるを知らない。
といふことになる。
従って、
(25)(40)により、
(41)
「理屈」は兎も角、いづれにせよ、
① 馬を養ふ者は、其の能の千里なるを知って養ふ。といふことはない。
といふことは、
② 馬を養ふ者は、其の能の千里なるを知らずに、養ふ。
といふことであって、
② 馬を養ふ者は、其の能の千里なるを知らずに、養ふ。
といふことは、
① 馬を養ふ者は、其の能の千里なるを知って養ふ。といふことはない。
といふことである。
といふ場合の、「理屈」といふのは、
① P,~(Q&P)├ 馬を養ふ者は、其の馬の千里なるを知らない。
② P,~(Q)&P├ 馬を養ふ者は、其の馬の千里なるを知らない。
である以上、結局は、
① 馬を養ふ者は、其の馬の千里なるを知らない。
② 馬を養ふ者は、其の馬の千里なるを知らない。
であるため、
① P,~(Q&P)├ P&~Q
② P,~(Q)&P├ P&~Q
といふ「二つの連式」は、「結論(P&~Q)」としては、「同じ」である。といふ「理屈」である。
然るに、
(42)
① P,~(Q&P)├ P&~Q
② P,~(Q)&P├ P&~Q
③   ~(Q&P)├ P&~Q
④   ~(Q)&P├ P&~Q
といふ「連式(sequents)」に於いて、
① は、「妥当」であって、
② も、「妥当」であって、
③ は、「妥当」ではなく、
④ は、「妥当」である。
従って、
(42)により、
(43)
③ ~(Q&P)├ P&~Q
④ ~(Q)&P├ P&~Q
といふ「連式(sequents)」に於いて、
③ は、「妥当」ではなく
④ は、「妥当」である。
従って、
(44)
③ ~(Q&P)
④ ~(Q)&P
に於いて、
③=④ ではない。
然るに、
(45)
③ ~Q&P
④ ~Q&P
のやうに、「括弧」を削除すると、
③=④ であるのか、
③=④ でないのかが、分からない。
従って、
(44)(45)により、
(46)
③ ~(Q&P)
④ ~(Q)&P
のやうな「連言」の場合は、その「括弧」に関して、
任意の表述の否定は、その表述を’~(  )’という空所にいれて書くことにしよう;しかし丸括弧はその内部が連言でないかぎり削除しよう(W.O.クワイン著、杖下隆英訳、現代論理学入門、1972年、15頁)といふ、ことになる。
従って、
(46)により、
(47)
① 不(知其能千里而食)也。
② 不(知其能千里)而食也。
のやうな「連言」から、(  )を削除することは、「論理学」の立場からすれば、「ルール違反」である。
といふ、ことになる。
従って、
(48)
(イ)不 其能千里 而食 也。
(ロ)不 其能千里 而食也。
といふ風に、「2通りの、返り点」があるのは、
① 不知其能千里而食也。
② 不知其能千里而食也。
といふ「漢文」を、
① 不(知其能千里而食)也。
② 不(知其能千里)而食也。
といふ風に、「表現」しない、「漢文の側」の「ルール違反」である。
従って、
(49)
① 不知其能千里而食。
② 不知其能千里而食。
といふ「1通りの、漢文」に対して、
① 其の能の千里なるを知りて食はざるなり。
② 其の能の千里なるを知らずして食ふなり。
といふ「2通りの、訓読」があるからと言って、そのことが、「漢文訓読」の「欠点」になってゐる。
といふわけではない。
平成31年01月24日、毛利太。

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