2023年10月14日土曜日

「命題計算の練習問題(E.J.レモン)」の「解答」。

(01)
5 原始的規則あるいは導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでもともに用いて、証明せよ。
5 Using primitive or deriverd rulues, together with any sequents or theorems already proved,prove.
(E.J.レモン著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、80頁)

(a)├ P∨(P→Q)
  (1)  ~P∨P  排中律
2 (2)  ~P    A
2 (3)  ~P∨Q  2∨I
2 (4)   P→Q  3含意の定義
2 (5)P∨(P→Q) 4∨I
 6(6)     P  A
 6(7)P∨(P→Q) 6∨I
  (8)P∨(P→Q) 12566∨E
(∴)(Pであるか、または(PならばQである))は「恒に真」である。

(b)├(P→Q)∨(Q→R)
  (1)   Q∨~Q     排中律
2 (2)   Q        A
2 (3)~P∨Q        2∨I
2 (4) P→Q        3含意の定義
2 (5)(P→Q)∨(Q→R) 4∨I
 6(6)      ~Q    A
 6(7)      ~Q∨R  6∨I
 6(8)       Q→R  7含意の定義
 6(9)(P→Q)∨(Q→R) 8∨I
  (ア)(P→Q)∨(Q→R) 12569∨E
(∴)((PならばQであるか)または(QならばRである))は「恒に真」である。

(c)├((P→Q)→P)→P
1   (1) (P→ Q)→P   A
 2  (2)~(P&~Q)     A
 2  (3) ~P∨ Q      2ド・モルガンの法則
 2  (4)  P→ Q      3含意の定義
12  (5)        P   14MPP
1   (6)~(P&~Q)→P   25CP
1   (7) (P&~Q)∨P   6含意の定義
  8 (8)  P&~Q      A
  8 (9)  P         8&E
   ア(ア)        P   A
1   (イ)  P         789アア∨E
    (ウ)((P→Q)→P)→P 1イCP
(∴)「パースの法則」は「恒に真」である。

(d)~Q├ P→(Q→R)
1(1)   ~Q     A
1(2)   ~Q∨R  1∨I
1(3)    Q→R  2含意の定義
1(4)~P∨(Q→R) 3∨I
1(5) P→(Q→R) 4含意の定義
(∴)Qではない。従って、Pならば(QならばRである)。

(e)P,~P├ Q
1 (1) P   A
 2(2)~P   A
 2(3)~P∨Q 2∨I
 2(4) P→Q 3含意の定義
12(5)   Q 14MPP
(∴)Pである。Pでない。従って、Qである。

(f)P∨Q├ ~P→Q
1  (1)  P∨Q A
 2 (2)  P   A
 2 (3)~~P   2DN
 2 (4)~~P∨Q 3∨I
  5(5)    Q A
  5(6)~~P∨Q 5∨I
1  (7)~~P∨Q 12456∨E
1  (8) ~P→Q 7含意の定義
(∴)Pであるか、または、Qである。従って、Pでないならば、Qである。

(g)~(P→Q)┤├ P&~Q
(α)
1 (1) ~(P→ Q) A
 2(2) ~(P&~Q) A
 2(3)  ~P∨ Q  2ド・モルガンの法則
 2(4)   P→ Q  3含意の定義
12(5) ~(P→ Q)&
       (P→ Q) 14&I
1 (6)~~(P&~Q) 25RAA
1 (7)   P&~Q  6DN
(β)
1 (1)   P&~Q  A
 2(2)   P→ Q  A
1 (3)   P     1&E
12(4)      Q  23MPP
1 (5)     ~Q  1&E
12(6)   Q&~Q  45&I
1 (7) ~(P→ Q) 26RAA
(∴)((PならばQである)といふことはない)といふことは、(Pであって、Qでない)といふことに「等しい」。

(h)
(α)(P→Q)→Q ┤├ P∨Q
1  (1)  (P→ Q)→Q A
1  (2) ~(P→ Q)∨Q 1含意の定義
 3 (3) ~(P→ Q)   A
 3 (4)~(~P∨ Q)   3含意の定義
 3 (5)   P&~Q    4ド・モルガンの法則
 3 (6)   P       5&E
 3 (7)   P∨Q     6∨I
  8(8)         Q A
  8(9)       P∨Q 8∨I
1  (ア)   P∨Q     13789∨E
(β)
1   (1)  P∨ Q    A
 2  (2)  P→ Q    A
  3 (3)  P       A
 23 (4)     Q    23MPP
  3 (5) (P→ Q)→Q 24CP
   6(6)     Q    A
   6(7)~(P→ Q)∨Q 6∨I
   6(8) (P→ Q)→Q 7含意の定義
1   (9) (P→ Q)→Q 13568∨E
(∴)((PならばQ)ならばQである)といふことは、(Pであるか、または、Qである)といふことに「等しい」。

(i)(P→Q)∨(P→R) ┤├ P→(Q∨R)
(α)
1   (1)(P→Q)∨(P→R) A
 2  (2) P→Q        A
  3 (3) P          A
 23 (4)   Q        23MPP
 23 (5)   Q∨R      4∨I
 2  (6)P→(Q∨R)     35CP
   7(7)       P→R  A
  37(8)         R  37MPP
  37(9)       Q∨R  8∨I
   7(ア)P→(Q∨R)     39CP
1   (イ)P→(Q∨R)     1267ア∨E
(β)
1    (1) P→(Q∨R)    A
1    (2)~P∨(Q∨R)    1含意の定義
 2   (3)~P          A
 2   (4)~P∨Q        3∨I
 2   (5) P→Q        4含意の定義
 2   (6)(P→Q)∨(P→R) 5∨I
  7  (7)    Q∨R     A
   8 (8)    Q       A
   8 (9) ~P∨Q       8∨I
   8 (ア)  P→Q       9含意の定義
   8 (イ)(P→Q)∨(P→R) ア∨I
    ウ(ウ)      R     A
    ウ(エ)   ~P∨R     ウ∨I
    ウ(オ)    P→R     エ含意の定義
    ウ(カ)(P→Q)∨(P→R) オ∨I
  7  (キ)(P→Q)∨(P→R) 78イウカ∨E
1    (ク)(P→Q)∨(P→R) 2367キ∨E
(∴)((Pならば、Qであるか)または(Pならば、Rである))といふことは、(Pならば(Qであるか、または、Rである))といふことに「等しい」。

(j)(P⇔Q)∨Q┤├ P→Q
(α)
1  (1)(P⇔Q)∨Q A
 2 (2)(P⇔Q)   A
 2 (3) P→Q&
       Q→P    2Df.⇔
 2 (4) P→Q    3&E
  5(5)      Q A
  5(6)   ~P∨Q 5∨I
  5(7)    P→Q 6含意の定義
1  (8) P→Q    12457∨E
(β)
1 (1)    P→Q           A
 2(2) ~{(P⇔Q)∨  Q}     A
 2(3)  ~(P⇔Q)& ~Q      2ド・モルガンの法則
 2(4)  ~(P⇔Q)          3&E
 2(5) ~{(P→Q)& (Q→ P)} 4Df.⇔
 2(6)  ~(P→Q)∨~(Q→ P)  5ド・モルガンの法則
 2(7)   (P→Q)→~(Q→ P)  6含意の定義
12(8)         ~(Q→ P)  17MPP
12(9)        ~(~Q∨ P)  8含意の定義
12(ア)            Q&~P   9ド・モルガンの法則
12(イ)           Q      ア&I
 2(ウ)          ~Q      3&E
12(エ)           Q&~Q   イウ&I
1 (オ)~~{(P⇔Q)∨  Q}     2エRAA
1 (カ)  {(P⇔Q)∨  Q}     オDN
(∴)((PとQが「等しい」か、または、Qである)といふことは、(Pならば、Qである)といふことに「等しい」。

(k)Q├ P&Q⇔P
1  (1) Q       A
 2 (2) P&Q     A
 2 (3) P       2&E
   (4)(P&Q)→P  23CP
  5(5) P       A
1 5(6) P&Q     15&I
1  (7) P→(P&Q) 56CP
1  (8)(P&Q)→P&
       P→(P&Q) 47&I
1  (9)(P&Q)⇔P  8Df.⇔
(∴)Qである。従って、(PであってQである)といふことは、(Pである)といふことに「等しい」。

(l)~Q├ P∨Q⇔P
1   (1)     ~Q    A
 2  (2)   P∨ Q    A
 2  (3)~(~P&~Q)   2ド・モルガンの法則
  4 (4)  ~P       A
1 4 (5)  ~P&~Q    14&I
124 (6)~(~P&~Q)&
        (~P&~Q)   35&I
12  (7)  ~~P      46RAA
12  (8)    P      7DN
1   (9) (P∨Q)→P   28CP
   ア(ア)  P        A
   ア(イ)  P∨Q      ア∨I
    (ウ)  P→(P∨Q)  アイCP
1   (エ) (P∨Q)→P&
         P→(P∨Q)  9ウ&I
1   (オ)  P∨Q⇔P    エDf.⇔
(∴)Qではない。従って、(Pであるか、または、Qである)といふことは、(Pである)といふことに「等しい」。

従って、
(01)により、
(02)
(a) (Pであるか、または(PならばQである))は「恒に真」である。
(b)((PならばQであるか)または(QならばRである))は「恒に真」である。
(c)「パースの法則」は「恒に真」である。
(d)Qではない。従って、Pならば(QならばRである)。
(e)Pである。Pでない。従って、Qである。
(f)Pであるか、または、Qである。従って、Pでないならば、Qである。
(g)((PならばQである)といふことはない)といふことは、(Pであって、Qでない)といふことに「等しい」。
(h)((PならばQ)ならばQである)といふことは、(Pであるか、または、Qである)といふことに「等しい」。
(i)((Pならば、Qであるか)または(Pならば、Rである))といふことは、(Pならば(Qであるか、または、Rである))といふことに「等しい」。
(j)((PとQが「等しい」か、または、Qである)といふことは、(Pならば、Qである)といふことに「等しい」。
(k)Qである。 従って、(PであってQである)といふことは、(Pである)といふことに「等しい」。
(l)Qではない。従って、(Pであるか、または、Qである)といふことは、(Pである)といふことに「等しい」。
といふ「命題」は、12個とも、「すべて、真である」。
令和5年10月14日、毛利太。

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