2017年11月15日水曜日

「PならばPでない。従って、Pでない。」は「サプライズか」?

(01)
23 P→~P├ ~P
23 PであるならばPでない。従って、Pでない
これは我々の規則によって証明された第一の驚くべき結果である(This is the first surprising result to be established by our rules.)。
(E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、34・35頁改)
cf.
(a)
 1 (1)P→~P A
  2(2)P     A
 12(3)  ~P      12MPP
 12(4)P&~P      23&I
 1 (5)~P        24RAA
   (6)(P→~P)→~P 15CP
(b)
 1 (1)~P        A
   (2)~P∨~P     1∨I
   (3) P→~P     含意の定義
   (4)~P→(P→~P) 13CP
∴ (P→~P)は(~P)に等しい。
然るに、
(02)
① PならばQでない(P→~Q)。
② PであってQである。といふことはない〔~(P&Q)〕。
といふ「日本語」に於いて、
①=② である。
といふことは、「直観」として、「正しい」。
cf.
(a)
 1  (1)  P→~Q A
  2 (2)  P&  Q  A
  2 (3)  P     2&E
  2 (4)      Q 2&E
 12 (5)     ~Q 13MPP
 12 (6)  Q&~Q 45&I
 1  (7)~(P&  Q)26RAA
(b)
 1  (1)~(P&  Q)A
  2 (2)  P     A
   3(3)      Q A
  23(4)  P& Q 23&I
 123(5)~(P& Q)
       &(P& Q)15&I
 12 (6)     ~Q 35RAA
 1  (7)  P →~Q
 ∴ (P →~Q)は(~(P&Q))に等しい。
従って、
(02)により、
(03)
① PならばPでない(P→~P)。
② PであってPである。といふことはない〔~(P&P)〕。
に於いても、
①=② である。
cf.
(a)
 1  (1)  P→~P A
  2 (2)  P&  P  A
  2 (3)  P     2&E
  2 (4)      P 2&E
 12 (5)     ~P 13MPP
 12 (6)  P&~P 45&I
 1  (7)~(P&  P)26RAA
 (b)
 1  (1)~(P&  P)A
  2 (2)  P     A
   3(3)      P A
  23(4)  P& P 23&I
 123(5)~(P& P)
       &(P& P)15&I
 12 (6)     ~P 35RAA
 1  (7)  P→~P
∴ (P →~P)は(~(P&P))に等しい。
然るに、
(04)
② Pであって、Pである
といふ場合に限らず、仮に、
② Pであって、Pであって、Pであって、Pであって、Pであって、Pであって、Pであって、Pであって、Pであって、Pである
としても、
Pである
であって、このことを、「巾等律・反復律」といふ。
cf.
(a)
 1(1) P&P A
 1(2) P   1&E
(b)
 1(1) P   A
 1(2) P&P 11&I
∴ (P&P)は(P)に等しい。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① PならばPでない(P→~P)。
② PであってPである。といふことはない〔~(P&P)〕。
③ Pである。     といふことはない〔~(P  )〕。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(06)
③ Pである。といふことはない〔~(P)〕。
といふことは、
④ Pでない(~P)。
といふことに、他ならない。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① PならばPでない(P→~P)。
② PであってPである。といふことはない〔~(P&P)〕。
③ Pである。といふことはない〔~(P)〕。
④ Pでない(~P)。
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(07)により、
(08)
① PならばPでない(P→~P)。
④ Pでない(~P)。
に於いて、
①=④ である。
従って、
(08)により、
(09)
⑤(PならばPでない。)=(Pでない。)
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(01)(09)により、
(10)
⑤(PならばPでない。) = (Pでない。)
⑤(PならばPでない。)従って(Pでない。)
といふ、
驚くべき結果(The surprising result)
が、「証明」された。としても、ヲカシクない
然るに、
(11)
② (PであってPである。)といふことはない。
② (     Pである。)といふことはない。
といふ「それ」を、
⑥ Pであって、(Pであるといふことはない)。
といふ風に、「解」すると、「記号」で書くならば、
② ~(P&P)
といふ「それ」を、
⑥ P&(~P)
といふ風に、「解釈」することになる。
然るに、
(12)
⑥ P&(~P)
といふ「それ」は、「矛盾」そのものである。
従って、
(05)(12)により、
(13)
① PならばPでない。
⑥ Pであって、(Pであるといふことはない)。
に於いて、
①=⑥ である。
とするならば、
① PならばPでない。
といふ「それ」も、「矛盾」そのものに、ならざるを得ない。
従って、
(14)
「記号」で書くならば、
① P→~P=~(P)=(PP)
であって、
① P→~P=~(P)=P&~(P)
ではない
といふことに、気付くことが出来るならば
⑤(PならばPでない。) = (Pでない。)
⑤(PならばPでない。)従って(Pでない。)
といふ、
驚くべき結果(The surprising result)
が、「証明」された。としても、驚く必要ない
といふことに、気付く、ことになる。
平成29年11月15日、毛利太。

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