(a)『返り点と括弧』については、『「括弧」の「順番」(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html)』他をお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
1 (1)∀x〔∃y(xy=1)〕 A
1 (2) ∃y(ay=1) 1UE
3(3) ab=1 A
3(4) ∃x(xb=1) 3EI
3(5)∃y〔∃x(xy=1) 4EI
1 (6)∃y〔∃x(xy=1) 235EE
従って、
(01)により、
(02)
xとyは、「有理数」であるとして、
① ∀x〔∃y(xy=1)〕:すべての数は、ある数の「逆数」である。
② ∃y〔∃x(xy=1)〕: ある数は、ある数の「逆数」である。
に於いて、
① は、「本当」であって、
② も、「本当」である。
然るに、
(03)
1 (1)∀x〔∃y(xy=1)〕 A
1 (2) ∃y(ay=1) 1UE
3(3) ab=1 A
3(4) ∀x(xb=1) 3UI
3(5)∃y〔∀x(xy=1)〕 4EI
1 (6)∃y〔∀x(xy=1)〕 235EE
に於いて、4行目の、
3(4) ∀x(xb=1) 3UI
は、「マチガイ」である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
xとyは、「有理数」であるとして、
① ∀x〔∃y(xy=1)〕:すべての数は、ある数の「逆数」である。
② ∃y〔∀x(xy=1)〕:ある数は、すべての数の「逆数」である。
に於いて、
① は、「本当」であって、
② は、「ウソ」である。
然るに、
(05)
① すべての数は、ある数の「逆数」である。
② ある数は、すべての数の「逆数」である。
といふことは、「敷衍」すると、
① xにyを掛けると、1になる数yが存在することは、すべてのxに対して、成り立つ。
② xにyを掛けると、1になるといふことが、すべてのxについて成り立つところの数yが存在する。
といふことになる。
従って、
(04)(05)により、
(06)
xとyは、「有理数」であるとして、
① ∀x〔∃y(xy=1)〕:xにyを掛けると、1になる数yが存在することは、すべてのxに対して、成り立つ。
② ∃y〔∀x(xy=1)〕:xにyを掛けると、1になるといふことが、すべてのxについて成り立つところの数yが存在する。
に於いて、
① は、「本当」であって、
② は、「ウソ」である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① ∀x〔∃y(xy=1)〕
といふ「論理式」には、
① すべての数は、ある数の「逆数」である。
① xにyを掛けると、1になる数yが存在することは、すべてのxに対して、成り立つ。
といふ「二通りの読み方」があって、
(08)
② ∃y〔∀x(xy=1)〕
といふ「論理式」にも、
② ある数は、すべての数の「逆数」である。
② xにyを掛けると、1になるといふことが、すべてのxについて成り立つところの数yが存在する。
といふ「二通りの読み方」がある。
然るに、
(09)
① ∀x〔∃y(xy=1)〕
に於いて、
① ∀x〔 〕⇒〔 〕∀x
① ∃y( )⇒( )∃y
といふ「移動」を行ふと、
① ∀x〔∃y(xy=1)〕⇒
① 〔(xy=1)∃y〕∀x=
① 〔(xにyを掛けると1になる)数yが存在することは〕すべてのxに対して、成り立つ。
といふ「訓読」が成立し、
(10)
② ∃y〔∀x(xy=1)〕
に於いて、
② ∃y〔 〕⇒〔 〕∃y
② ∀x( )⇒( )∀x
といふ「移動」を行ふと、
② ∃y〔∀x(xy=1)〕⇒
② 〔(xy=1)∀x〕∃y=
① 〔(xにyを掛けると1になる)といふことが、すべてのxについて成り立つところ〕数yが存在する。
といふ「訓読」が成立する。
然るに、
(11)
① ∀x三 ∃y二 xy=1一 ⇒
① xy=1一 ∃y二 ∀x三 =
① xにyを掛けると、1になる数yが存在することは、すべてのxに対して、成り立つ。
(12)
② ∃y三 ∀x二 xy=1一 ⇒
② xy=1一 ∀x二 ∃y三 =
② xにyを掛けると、1になるといふことが、すべてのxについて成り立つところの数yが存在する。
従って、
(09)~(12)により、
(13)
① ∀x〔∃y(xy=1)〕
② ∃y〔∀x(xy=1)〕
に於ける、
① 〔 ( )〕
② 〔 ( )〕
といふ「括弧」は、
① ∀x三 ∃y二 xy=1一
② ∃y三 ∀x二 xy=1一
に於ける、
① 三 二 一
② 三 二 一
といふ「返り点」に、相当する。
平成30年06月05日、毛利太。
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