2018年6月5日火曜日

「述語論理」の「括弧」と「返り点」。

(a)『返り点と括弧』については、『「括弧」の「順番」(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html)』他をお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
1 (1)∀x〔∃y(xy=1)〕 A
1 (2)   ∃y(ay=1)  1UE
 3(3)      ab=1   A
 3(4)   ∃x(xb=1)  3EI
 3(5)∃y〔∃x(xy=1)  4EI
1 (6)∃y〔∃x(xy=1)  235EE
従って、
(01)により、
(02)
xとyは、「有理数」であるとして、
① ∀x〔∃y(xy=1)〕:すべての数は、ある数の「逆数」である。
② ∃y〔∃x(xy=1)〕:  ある数は、ある数の「逆数」である。
に於いて、
① は、「本当」であって、
② も、「本当」である。
然るに、
(03)
1 (1)∀x〔∃y(xy=1)〕 A
1 (2)   ∃y(ay=1)  1UE
 3()      b=1   A
 3(4)   ∀x(b=1)  UI
 3(5)∃y〔∀x(xy=1)〕 4EI
1 (6)∃y〔∀x(xy=1)〕 235EE
 に於いて、4行目の、
 3(4)   ∀x(b=1)  UI
は、「マチガイ」である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
xとyは、「有理数」であるとして、
① ∀x〔∃y(xy=1)〕:すべての数は、ある数の「逆数」である。
② ∃y〔∀x(xy=1)〕:ある数は、すべての数の「逆数」である。
に於いて、
① は、「本当」であって、
② は、「ウソ」である。
然るに、
(05)
① すべての数は、ある数の「逆数」である。
② ある数は、すべての数の「逆数」である。
といふことは、「敷衍」すると、
① xにyを掛けると、1になる数yが存在することは、すべてのxに対して、成り立つ。
② xにyを掛けると、1になるといふことが、すべてのxについて成り立つところの数yが存在する。
といふことになる。
従って、
(04)(05)により、
(06)
xとyは、「有理数」であるとして、
① ∀x〔∃y(xy=1)〕:xにyを掛けると、1になる数yが存在することは、すべてのxに対して、成り立つ。
② ∃y〔∀x(xy=1)〕:xにyを掛けると、1になるといふことが、すべてのxについて成り立つところの数yが存在する。
に於いて、
① は、「本当」であって、
② は、「ウソ」である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① ∀x〔∃y(xy=1)〕
といふ「論理式」には、
① すべての数は、ある数の「逆数」である。
① xにyを掛けると、1になる数yが存在することは、すべてのxに対して、成り立つ。
といふ「二通りの読み方」があって、
(08)
② ∃y〔∀x(xy=1)〕
といふ「論理式」にも、
② ある数は、すべての数の「逆数」である。
② xにyを掛けると、1になるといふことが、すべてのxについて成り立つところの数yが存在する。
といふ「二通りの読み方」がある。
然るに、
(09)
① ∀x〔∃y(xy=1)〕
に於いて、
① ∀x〔 〕⇒〔 〕∀x
① ∃y( )⇒( )∃y
といふ「移動」を行ふと、
① ∀x〔∃y(xy=1)〕⇒
① 〔(xy=1)∃y〕∀x=
① 〔(xにyを掛けると1になる)数yが存在することは〕すべてのxに対して、成り立つ。
といふ「訓読」が成立し、
(10)
② ∃y〔∀x(xy=1)〕
に於いて、
② ∃y〔 〕⇒〔 〕∃y
② ∀x( )⇒( )∀x
といふ「移動」を行ふと、
② ∃y〔∀x(xy=1)〕⇒
② 〔(xy=1)∀x〕∃y=
① 〔(xにyを掛けると1になる)といふことが、すべてのxについて成り立つところ〕数yが存在する。
といふ「訓読」が成立する。
然るに、
(11)
① ∀x ∃y xy=1
① xy=1 ∃y ∀x
① xにyを掛けると、1になる数yが存在することは、すべてのxに対して、成り立つ。
(12)
② ∃y ∀x xy=1
② xy=1 ∀x ∃y
② xにyを掛けると、1になるといふことが、すべてのxについて成り立つところの数yが存在する。
従って、
(09)~(12)により、
(13)
① ∀x〔∃y(xy=1)〕
② ∃y〔∀x(xy=1)〕
に於ける、
①   〔  (    )〕
②   〔  (    )〕
といふ「括弧」は、
① ∀x ∃y xy=1
② ∃y ∀x xy=1
に於ける、
①   三  二   一
②   三  二   一
といふ「返り点」に、相当する。
平成30年06月05日、毛利太。

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