2021年10月8日金曜日

「無A無B(AとしてB無きは無し。)」の「述語論理」。

(01)
(ⅰ)
1 (1) ∀x{親x→ ∃y(子yx&愛xy)} A
1 (2)    親a→ ∃y(子ya&愛ay)  1UE
 3(3)    親a&~∃y(子ya&愛ay)  A
 3(4)    親a               3&E
13(5)        ∃y(子ya&愛ay)  24MPP
 3(6)       ~∃y(子ya&愛ay)  3&E
13(7)        ∃y(子ya&愛ay)&
            ~∃y(子ya&愛ay)  56&I
1 (8)  ~{親a&~∃y(子ya&愛ay)} 37CP
1 (9)∀x~{親x&~∃y(子yx&愛xy)} 8UI
1 (ア)~∃x{親x&~∃y(子yx&愛xy)} 9量化子の関係
(ⅱ)
1 (1)~∃x{親x&~∃y(子yx&愛xy)} A
1 (2)∀x~{親x&~∃y(子yx&愛xy)} 1量化子の関係
1 (3)  ~{親a&~∃y(子ya&愛ay)} 2UE
1 (4)   ~親a∨ ∃y(子ya&愛ay)  3ド・モルガンの法則
1 (5)    親a→ ∃y(子ya&愛ay)  4含意の定義
1 (6) ∀x{親x→ ∃y(子yx&愛xy)} 5UI
従って、
(01)により、
(02)
①   ∀x{親x→ ∃y(子yx&愛xy)}
② ~∃x{親x&~∃y(子yx&愛xy)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
① すべてのxについて{xが親であるならば、あるy(はxの子であって、xはyを愛す)。}
② ある{xが親であって、あるy(がxの子であって、xがyをするといふことが)ない}といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
(ⅰ)
親皆有其所愛之子=
親皆有〔其所(愛)之子〕⇒
親皆〔其(愛)所之子〕有=
親皆〔其の(愛する)所の子〕有り。
(ⅱ)
無親無其所愛之子=
無[親無〔其所(愛)之子〕]⇒
[親〔其(愛)所之子〕無]無=
[親として〔其の(愛する)所の子〕無きは]無し。
従って、
(04)により、
(05)
① 親皆有其所愛之子。
② 無親無其所愛之子。
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 親皆有其所愛之子。
② 無親無其所愛之子。
といふ「漢文」は、
①   ∀x{親x→ ∃y(子yx&愛xy)}
② ~∃x{親x&~∃y(子yx&愛xy)}
といふ「述語論理式」の、「直訳」である。
従って、
(06)により、
(07)
② ~∃x{親x&~∃y(子yx&愛xy)}
といふ「述語論理式」に対する、
② 無親無其所愛之子。
といふ「作例」がさうであるやうに、
② 無A無B(Aとして、B無きは、無し)。
といふ『句形』が有るに、違ひない。
然るに、
(08)
② 子美無一字無来処=
② 子美無〔一字無(来処)〕⇒
② 子美〔一字(来処)無〕無=
② 子美は〔一字として(来処)無きは〕無し=
② 杜甫の詩は一字たりとも典拠の無い字は無い(どんな字にも皆典拠がある)。〈李沂・秋星閣詩話〉
従って、
(08)により、
(09)
② 無一字無来処=
② 無〔一字無(来処)〕⇒
② 〔一字(来処)無〕無=
② 〔一字として(来処)無きは〕無し=
② 一字たりとも典拠の無い字は無い(どんな字にも皆典拠がある)。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
果たして、
② 無一字無来処。
② 無親無其所愛之子。
といふ「例文」がさうであるやうに、「漢文」には、
② 無A無B(Aとして、B無きは、無し)。
といふ『句形』は、有る。
令和03年10月08日、毛利太。

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