2021年10月13日水曜日

誰もが知ってゐる「ド・モルガンの法則」と「選言三段論法」。

(01)
①  Pか、Qの、少なくとも一方は、真(本当)である。
②(Pが、真(本当)ではなく、その上、Qも、真(本当)ではない。)といふことはない。
といふ「日本語」に於いて、
①=② である(ド・モルガンの法則)。
然るに、
(02)
②(Pが、真(本当)ではなく、その上、Qも、真(本当)ではない。)といふことはない。
③ Pが、真(本当)でないならば、  Qは、真(本当)である。
といふ「日本語」に於いて、
②=③ である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
①  Pか、Qの、少なくとも一方は、真(本当)である。
②(Pが、真(本当)ではなく、その上、Qも、真(本当)ではない。)といふことはない。
③ Pが、真(本当)でないならば、  Qは、真(本当)である。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(04)
(ⅰ)Pが、真(本当)でないならば、Qは、真(本当)である。 然るに、
(ⅱ)Pは、真(本当)ではない。 従って、
(ⅲ)Qは、Qは、真(本当)である。
といふ「推論」は、明らかに、「妥当」である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
(ⅰ)Pか、Qの、少なくとも一方は、真(本当)である。 然るに、
(ⅱ)Pは、真(本当)ではない。 従って、
(ⅲ)Qは、真(本当)である。
といふ「推論(選言三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(05)により、
(06)
「記号」で書くと、
(ⅰ) P∨Q 然るに、
(ⅱ)~P   従って、
(ⅲ)   Q
といふ「推論(選言三段論法)」は、「妥当」である。
然るに、
(07)
1      (1)   P∨ Q   A
 2     (2)  ~P&~Q   A
  3    (3)   P      A
 2     (4)  ~P      2&E
 23    (5)   P&~P   34&I
  2    (6)~(~P&~Q)  25RAA
   7   (7)      Q   A
 2     (8)     ~Q   2&E
 2 7   (9)   Q&~Q   78&I
   7   (ア)~(~P&~Q)  29RAA
1      (イ)~(~P&~Q)  1267ア∨E
    ウ  (ウ)  ~P      A
     エ (エ)     ~Q   A
    ウエ (オ)  ~P&~Q   ウエ&I
1   ウエ (カ)~(~P&~Q)&
           (~P&~Q)  6オ&I
1   ウ  (キ)    ~~Q   エカRAA
1   ウ  (ク)      Q   キDN
1      (ケ)  ~P→ Q   ウクCP
      コ(コ)  ~P      A
1     コ(サ)      Q   ケコMPP
従って、
(07)により、
(08)
果たして、「記号」で書くと、
(ⅰ) P∨Q 然るに、
(ⅱ)~P   従って、
(ⅲ)   Q
といふ「推論(選言三段論法)」は、「命題計算」として「妥当」である。
従って、
(05)~(08)により、
(09)
(ⅰ) P∨Q 然るに、
(ⅱ)~P   従って、
(ⅲ)   Q
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)Pか、Qの、少なくとも一方は、真(本当)である。 然るに、
(ⅱ)Pは、真(本当)ではない。 従って、
(ⅲ)Qは、真(本当)である。
といふ「推論(選言三段論法)」は、
日本語 」としても、
命題計算」としても、「妥当」である。
然るに、
(10)
5 練習問題5:10個の原始的規則あるいは導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理とでもともに用いて、証明せよ。
(論理学初歩、E.J.レモン著、竹尾治一郎・浅野楢英 翻訳、1973年、80頁)
(l)~Q├ P∨Q⇔P
〔私による解答〕
1    (1)   ~Q   A
 2   (2)    P∨Q A
  3  (3)    P   A(3の選言項・左)
  3  (4)~~Q∨P   3∨I
  3  (5) ~Q→P   4含意の定義
1 3  (6)    P   15MPP
   7 (7)      Q A(3の選言項・右)
   7 (8)    ~~Q 7DN
   7 (9)~~Q∨P   8∨I
   7 (ア) ~Q→P   9含意の定義
1    (イ) ~Q→P   2357ア∨E
12   (ウ)    P   1イ
1    (エ)P∨Q→P   2ウCP
    オ(オ)P       A
    オ(カ)P∨Q     オ∨I
     (キ)P→P∨Q   オカCP
1    (ク)P∨Q→P&
        P→P∨Q   エキ&I
1    (ケ)P∨Q⇔P  クDf.⇔
従って、
(10)により、
(11)
(l)~Q├ P∨Q⇔P
(〃)Qではないので、(Pであるか、または、Qである)といふことは、Pに等しい。
といふ「連式(推論)」は、「命題計算」として、「妥当」である。
然るに、
(12)
(m)├(P∨Q)&~Q→P
1    (1)   ~Q      A
 2   (2)    P∨Q    A
  3  (3)    P      A(3の選言項・左)
  3  (4)~~Q∨P      3∨I
  3  (5) ~Q→P      4含意の定義
1 3  (6)    P      15MPP
   7 (7)      Q    A(3の選言項・右)
   7 (8)    ~~Q    7DN
   7 (9)~~Q∨P      8∨I
   7 (ア) ~Q→P      9含意の定義
1    (イ) ~Q→P      2357ア∨E
12   (ウ)    P      1イ
1    (エ)P∨Q→P      2ウCP
     (オ)~Q→(P∨Q→P) 1エCP
    カ(カ)(P∨Q)&~Q   A
    カ(キ)~Q         カ&E
    カ(ク)   (P∨Q→P) オキMPP
    カ(ケ)    P∨Q    カ&E
    カ(コ)        P  クケMPP
     (サ)(P∨Q)&~Q→P カコCP
従って、
(12)により、
(13)
(m)├(P∨Q)&~Q→P
(〃)Pか、Qの、少なくとも一方は、本当であるとして、Qが、本当ではないならば、Pは本当である。
といふ「連式(選言三段論法)」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(14)
(m)Pか、Qの、少なくとも一方は、本当であるとして、Qが、本当ではないならば、Pは本当である。
といふ「論理」が「正しい」といふことは、「孩提之童(二、三才の幼児)」であっても、知ってゐる
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
二、三才の幼児(孩提之童)」であっても、あるいは、
(m)├(P∨Q)&~Q→P
1    (1)   ~Q      A
 2   (2)    P∨Q    A
  3  (3)    P      A(3の選言項・左)
  3  (4)~~Q∨P      3∨I
  3  (5) ~Q→P      4含意の定義
1 3  (6)    P      15MPP
   7 (7)      Q    A(3の選言項・右)
   7 (8)    ~~Q    7DN
   7 (9)~~Q∨P      8∨I
   7 (ア) ~Q→P      9含意の定義
1    (イ) ~Q→P      2357ア∨E
12   (ウ)    P      1イ
1    (エ)P∨Q→P      2ウCP
     (オ)~Q→(P∨Q→P) 1エCP
    カ(カ)(P∨Q)&~Q   A
    カ(キ)~Q         カ&E
    カ(ク)   (P∨Q→P) オキMPP
    カ(ケ)    P∨Q    カ&E
    カ(コ)        P  クケMPP
     (サ)(P∨Q)&~Q→P カコCP
といふ「命題計算(Prpositional calculus)」が、知ってゐるのかも知れない。
令和03年10月13日、毛利太。

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