(01)
231 ├ α⊆β⇔α∩β=α
231 の非形式的な証明を考えよう。
(ⅰ)
最初に、
α⊆β と仮定して、
aεα としよう。すると、明らかに、
aεβ である。
従って、
(ⅰ)により、
(ⅱ)
α⊆β と仮定すると、
aεα∩β である。
然るに、
(ⅲ)
aεα∩β であるならば、固より、
aεα である。
従って、
(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)により、
(ⅳ)
α⊆β であって、
aεα ならば、
aεα∩β であって、尚且つ、
aεα∩β であるならば、
aεα である。
∴
①α⊆β→α∩β=α
然るに、
(ⅴ)
α∩β=α であるとして、
aεα であるならば、
aεβ である。
従って、
(ⅴ)により、
(ⅵ)
α∩β=α であるならば、
α⊆β である。
∴
②α∩β=α→α⊆β
従って、
(ⅳ)(ⅵ)により、
(ⅶ)
①α⊆β→α∩β=α
②α∩β=α→α⊆β
であって、それ故、
③α⊆β⇔α∩β=α
である。
(論理学初歩、E.J.レモン著、竹尾 治一郎・浅野 楢英 翻訳、1973年、269頁改)
(02)
ここで初等的クラスの理論をこれ以上展開することはしないであろう。しかし読者はこの理論と命題計算の間には多くの類似点(たとえば、231をトートロジー'P→Q⇔(P&Q⇔P)'と比較せよ)があることに気付かれたに相違なかろうし、またこの比較に基づいてクラスについての他の定理をも、望むならば考え出し、証明することが出来るであろう。
(論理学初歩、E.J.レモン著、竹尾 治一郎・浅野 楢英 翻訳、1973年、269頁)
然るに、
(03)
(ⅳ)
1 (1) P→Q A
2 (2) P&Q A
2 (3) P 2&E
(4) P&Q→P 23CP
5 (5) P A
1 5 (6) Q 15MPP
1 5 (7) P&Q 56&I
1 (8) P→P&Q 57&I
1 (9) (P&Q→P)&(P→P&Q) 48&I
(ア) (P→Q)→[(P&Q→P)&(P→P&Q)] 19CP
イ (イ) (P&Q→P)&(P→P&Q) A
イ (ウ) P→P&Q 1&E
エ(エ) P A
イエ(オ) P&Q ウエMPP
イエ(カ) Q オ&E
イ (キ) P→Q エカCP
(ク)[(P&Q→P)&(P→P&Q)]→(P→Q) イキCP
(ケ){(P→Q)→[(P&Q→P)&(P→P&Q)]}&
{[(P&Q→P)&(P→P&Q)]→(P→Q)} アク&I
(コ) (P→Q)⇔[(P&Q→P)&(P→P&Q)] ケDf.⇔
(サ) P→Q ⇔(P&Q⇔P) コDf.⇔
従って、
(02)(03)により、
(04)
確かに、「命題計算(Propositional calculus)」の「結果」が示す通り、
④ P→Q⇔(P&Q⇔P)
といふ「論理式」は、「トートロジー(恒真式)」である。
然るに、
(05)
実際、その第1の段階においては、クラスの理論は命題計算よりも難しいものではなく、また以下に見られる通リ、それに密接な類似性をもっている。
(論理学初歩、E.J.レモン著、竹尾 治一郎・浅野 楢英 翻訳、1973年、259頁)
然るに、
(06)
③ A⊆B⇔A∩B=A
④ P→Q⇔(P&Q⇔P)
に於いて、
③ は、思ふに、「高校数学の集合(ベン図)」でも、習ふはずであり(?)、確かに、
③ は、④ よりも、「分かり易い」。
令和03年10月26日、毛利太。
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