2022年6月2日木曜日

「(両立的)選言三論法」と「(排他的)選言三段論法」。

(01)
(ⅰ)
1     (1)   P∨ Q   A
 2    (2)  ~P&~Q   A
  3   (3)   P      A
 2    (4)  ~P      2&E
 23   (5)   P&~P   34&I
  3   (6)~(~P&~Q)  25RAA
   7  (7)      Q   A
 2    (8)     ~Q   2&E
 2 7  (9)   Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(~P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(~P&~Q)  1367ア∨E(ド・モルガンの法則)
    ウ (ウ)  ~P      A
     エ(エ)     ~Q   A
    ウエ(オ)  ~P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(~P&~Q)&
          (~P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)    ~~Q   エRAA
1   ウ (ク)      Q   キDN
1     (ケ)  ~P→ Q   ウクCP
(ⅱ)
1    (1)  ~P→ Q   A
 2   (2)  ~P&~Q   A
 2   (3)  ~P      2&E
12   (4)      Q   13&I
 2   (5)     ~Q   2&E
12   (6)   Q&~Q   45&I
1    (7)~(~P&~Q)  26RAA
  8  (8) ~(P∨ Q)  A
   9 (9)   P      A
   9 (ア)   P∨ Q   9∨I
  89 (イ) ~(P∨ Q)&
          (P∨ Q)  8ア&I
  8  (ウ)  ~P      9イRAA
    エ(エ)      Q   A
    エ(オ)   P∨ Q   エ∨I
  8 エ(カ) ~(P∨ Q)&
          (P∨ Q)  8エ&I
  8  (キ)     ~Q   エカRAA
  8  (ク)  ~P&~Q   ウキ&I
1 8  (ケ)~(~P&~Q)&
         (~P&~Q)  7ク&I
1    (コ)~~(P∨ Q)  8ケRAA
1    (サ)   P∨ Q   コDN(ド・モルガンの法則)
従って、
(01)により、
(02)
①  P∨Q
② ~P→Q
に於いて、
①=② である(含意の定義)
従って、
(02)により、
(03)
1 (1)  P∨Q   A
1 (2) ~P→Q   1含意の定義
 3(3)   ~Q   A
13(4)~~P     23MTT
13(5)  P     4DN
1 (6) ~Q→P   35CP
1 (7)(~P→Q)&
      (~Q→P)  26&I
従って、
(03)により、
(04)
①   P∨Q
②(~P→Q)&(~Q→P)
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(05)
1       (1) (~P& Q)∨(~Q&P)  A
 2      (2) (~P&~Q)         A
  3     (3) (~P& Q)         A
 2      (4)     ~Q          2&E
  3     (5)      Q          3&E
 23     (6)   ~Q&Q          45&I
  3     (7)~(~P&~Q)         2RAA
   8    (8)         (~Q&P)  A
  3     (9)            ~P   2&E
   8    (ア)             P   8&E
  38    (イ)          ~P&P   9ア&I
   8    (ウ)~(~P&~Q)         38RAA
1       (エ)~(~P&~Q)         1378ウ∨E
    オ   (オ)  ~P             A
     カ  (カ)     ~Q          A
    オカ  (キ)  ~P&~Q          オカ&I
1   オカ  (ク)~(~P&~Q)&(~P&~Q) エキ&I
1   オ   (ケ)    ~~Q          カクRAA
1   オ   (コ)      Q          ケDN
1       (サ)  ~P→ Q          オコCP
      シ (シ)     ~Q          A
       ス(ス)  ~P             A
      シス(セ)  ~P&~Q          シス&I
1     シス(ソ)~(~P&~Q)&(~P&~Q) エセ&I
1     シ (タ) ~~P             スソRAA
1     シ (チ)   P             タDN
1       (ツ)  ~Q→ P          シチCP
1       (テ) (~P→ Q)&(~Q→ P) サツ&I
従って、
(05)により、
(06)
③(~P&Q)∨(~Q&P)
④(~P→Q)&(~Q→P)
に於いて、
③ ならば、④ である。
従って、
(04)(06)により、
(07)
①  P∨Q
②(~P→Q)&(~Q→P)
③(~P&Q)∨(~Q&P)
④(~P→Q)&(~Q→P)
に於いて、
① ならば、② であって、
③ ならば、④ である。
従って、
(07)により、
(08)
「番号」を付け直すと、
①   P∨Q
②(~P&Q)∨(~Q&P)
③(~P→Q)&(~Q→P)
に於いて、
① が「真」であっても、
② が「真」であっても、いづれにせよ、
③ は「真」である。
従って、
(08)により、
(09)
①   P∨Q,~P├ Q
②(~P&Q)∨(~Q&P),~P├ Q
といふ「推論」は、両方とも、「妥当」である。
然るに、
(10)
WIIS:
つまり、P∨Qと~Pがともに真であるような任意の解釈のもとでは必ずQ真になります。
これは選言三段論法(disjunctive syllogism)と呼ばれる推論規則です。
然るに、
(11)
「太郎かあるいは次郎が辞書をもっている」と言われるとき、「太郎が辞書をもっている」と「次郎が辞書をもっている」の二つの命題は同時に真になることが可能である。
このような選言は両立的選言と呼ばれる。
「太郎は3階か5階にいる」と言われるとき、「太郎は3階にいる」と「太郎は5階にいる」の二つの命題が同時に真になることはありえない。
このような選言は排他的選言である。
論理学の「・・・あるいは・・・」は両立的選言に決めてある。それは論理学の体系がよりシンプルなものになるからである。
とりわけ、∨を両立的選言の方に決めておけば、排他的選言の方は∨と&と~によって簡単に表現できる ―(P∨Q)&~(P&Q)―。
(昭和堂入門選書、論理学の基礎、1994年、11頁)
然るに、
(12)
②(~P&Q)∨(~Q&P)
といふ「論理式」は、
②(Qでなくて、Pである)か、または(Pでなくて、Qである)。
といふ「意味」である。
従って、
(08)~(12)により、
(13)
①   P∨Q,~P├ Q
②(~P&Q)∨(~Q&P),~P├ Q
といふ「推論」は、両方とも、「妥当」であって、
① は、「両立的選言三段論法」であって、
② は、「排他的選言三段論法」である。
従って、
(01)~(13)により、
(14)
③ Pまたは、Qである。然るに、Pでない。故に、Qである。
といふ「推論」は、
①   P∨Q,~P├ Q
②(~P&Q)∨(~Q&P),~P├ Q
に於ける、
① であったとしても、
② であったとしえも、いづれにせよ、「妥当」である。
然るに、
(15)
「選言三段論法」と言へば、「教科書的」には、
①   P∨Q,~P├ Q
②(~P&Q)∨(~Q&P),~P├ Q
に於ける、
① であって、固より、
② のやうな「連式」は、私自身、見たことが無い。
令和04年06月02日、毛利太。

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