2017年4月11日火曜日

「こと(that)」による「名詞化」。

(01)
① 我、かの女の間者なるを知れり(古文)。
② 私は彼女がスパイであることを知ってゐる。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(02)
① 我、かの女のスパイなるを知れり。
② 私は彼女がスパイであることを知ってゐる。
に於いて、
① には、「こと」といふ語がなく、
② には、「こと」といふ語がある。
然るに、
(03)
② 私は彼女がスパイであることを知ってゐる。
に於いて、
②「こと」
といふ「語」は、「それが名詞」である。
といふ事以外に、「具体的な意味」を、持ってゐない。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
② 彼女はスパイである。
といふ「文」を「名詞化」した「結果」が、
② 彼女がスパイであること。
であって、尚且つ、「こと」は、少なくとも、「古文」であれば、「省略」できる。
(05)
③ I am aware      she is a spy.
④ I am aware that she is a spy.
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(06)
③ I am aware      she is a spy.
④ I am aware that she is a spy.
に於いて、
③ には、「that」といふ語がなく、
④ には、「that」といふ語がある。
然るに、
(07)
④ I am aware that she is a spy.
に於いて、
④「that」
といふ「単語」は、「具体的な意味」を、持ってゐない。
従って、
(07)により、
(08)
④ She is a spy.
といふ「文」を「名詞化」した「結果」が、
④ that she is a spy.
であって、尚且つ、「that」は、「省略できる」といふ風に、捉へることが出来る。
従って、
(04)(08)により、
(09)
① 我、かの女のスパイなるを知れり。
② 私は彼女がスパイであることを知ってゐる。
③ I am aware      she is a spy.
④ I am aware that she is a spy.
に於いて、
②「こと」は、
④「that」に「等しい」。
然るに、
(10)
② 私は彼女がスパイであることを知ってゐる。
⑤ 私は、彼女はスパイである。といふことを知ってゐる。
に於いて、
②「こと」は、
⑤「といふこと」に「等しい」。
従って、
(09)(10)により、
(11)
④ I am aware that she is a spy.
⑤ 私は、彼女はスパイである。といふことを知ってゐる。
に於いて、
④「that」は、
⑤「といふこと」に「等しい」。
平成29年04月11日、毛利太。

2017年4月8日土曜日

あらなく・・・と=~( )

(01)
子曰、 「巧言令色、鮮矣。」
子曰く、「巧言令色、鮮いかな仁。」と。
先生が言われた、「ことばじょうずで、顔つきがよくして、人の気に入るようにする人間は、ほとんどないものだな、仁の徳は。」
(三省堂、明解古典学習シリーズ16、1973年、5頁)
然るに、
(02)
ク語法
動詞の未然形に、準体助詞の「く」がついて、「・・・こと、・・・ところ」など名詞化した意味を表す語法。
(江連隆、漢文語法ハンドブック、1997年、199頁)
従って、
(01)(02)により、
(03)
子曰く、「巧言令色、鮮いかな仁。」と。
であれば、
先生が言ふこと、「巧言令色、鮮いかな仁。」と。
である。
然るに、
(04)
・「と」・・・最も多いのは、いわゆる引用の「と」で、「曰(いは)ク」「云(い)フ」「聞(き)く」「以為(おも)ヘラク」「聞説(きくなら)ク」などよって導かれた引用文の終結を表します。
(古田島洋介、これならわかる漢文の送り仮名、96頁)
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① 曰く AはBなりと。
② 以為くAはBなりと。
③ 聞説くAはBなりと。
であれば、
① 言ふこと=AはBなり。
② 思ふこと=AはBなり。
③ 聞くこと=AはBなり。
である。
然るに、
(06)
あら‐な-く-に【有らなくに】① ないことだなあ。
[品詞分解]動詞ラ変「あり」の未然形「あら」+打消の助動詞「ず」の古い形の未然形「な」+接尾語「く」+助詞「に」。
なくに ②(終助詞的に用いられる場合)・・・ないことだなあ。
《参考》「に」は格助詞・接続助詞・終助詞、また、断定の助動詞「なり」の連用形などとする諸説がある。
(三省堂、全訳読解古語辞典、65・885頁)
従って、
(06)により、
(07)
④ あらなく
を、「ク語法」とすることは、可能であり、それ故、
④ あらなくAはBなりと。
であれば、
④ あらざること=AはBなり。
である。
然るに、
(08)
任意の表述の否定は、その表述を’~( )’という空所にいれて書くことにしよう。
(W.O.クワイン著、杖下隆英訳、現代論理学入門、1972年、15頁)
従って、
(07)(08)により、
(09)
④ ~(AはBなり)。
といふ「それ」は、
④ あらなくAはBなりと。
といふ風に、読むことが、出来る。
然るに、
(10)
④ ~(AはBなり)。
と書いて、
④ あらなくAはBなりと。
と読むのは、「恐らク」は、私だけである。ものの、
因みに、「恐らク」といふ語は、「曰ク、以為へらク、聞説ならク」等と同じく、本来は、「ク語法」である。
(11)
⑤ AはBである。といふことはない。
といふ「それ」は、
⑤ AはBである。
といふ「表述(statement)」の「否定」である。
従って、
(08)(09)(11)により、
(12)
④ あらなくAはBなりと。
⑤ AはBである。といふことはない。
に於いて、
④=⑤ である。
然るに、
(13)
④ あらなくAはBなりと。
といふ「語順」は、
④ ~(AはBなり)。
といふ「それ」に、対応し、
⑤ AはBである。といふことはない。
といふ「語順」は、
(AはBなり)~。
といふ「それ」に、対応する。
従って、
(12)(13)により、
(14)
④ 任意の表述の否定は、その表述を’~( )’という空所にいれて書くことにしよう。
としても、
⑤ 任意の表述の否定は、その表述を’( )~’という空所にいれて書くことにしよう。
としても、要するに、「どちらでも、良い」。
従って、
(15)
④ ~( ).
⑤ ( )~。
に於いて、
④ は、「論理的に、正しい語順」であり、
⑤ は、「論理的に、正しい語順」ではない。
といふことには、ならない。
平成29年04月08日、毛利太。

2017年4月5日水曜日

( )=that=といふこと。

(01)
「活用」の無い「自立語」で「主語」になる語を「体言」といひ、「体言」とは、所謂、「名詞」である。
従って、
(02)
「名詞」以外は、原則として、「主語」になれない。
然るに、
(03)
行か 行き 行く。行く 行け 行け。
未然 連用 終止。連体 仮定 命令。
である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
「行く」のやうな、「活用する語」である「動詞」は、「主語」にはなれない。
然るに、
(05)
① 君の行く(連体)道
② 君が行く(連体)道
に於いて、
① 道 は、「体言」であり、
② 道 は、「体言」である。
従って、
(01)(05)により、
(06)
① 君の(格助詞)行く道は、果てしなく遠い。
② 君が(格助詞)行く道は、果てしなく遠い。
に於いて、
① 君の行く道 は、「主語」であって、
② 君が行く道 は、「主語」である。
然るに、
(07)
① 君の行く は、「道」を「修飾する所の、連体修飾語」であって、
② 君が行く は、「道」を「修飾する所の、連体修飾語」である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① 君の は、「連体修飾語の、主語」であって、
② 君が は、「連体修飾語の、主語」である。
然るに、
(09)
① 君の道=Your way.
② 君が道=Your way.
③ 君は道=You are way.
に於いて、
① の は、「格助詞」であって、
② が も、「格助詞」であって、
③ は は、「係助詞」である。
然るに、
(10)
① 君の(格助詞)行く道は、果てしなく遠い。
② 君が(格助詞)行く道は、果てしなく遠い。
③ 君は(係助詞)行く道は、果てしなく遠い。
に於いて、
① は、「日本語」であって、
② も、「日本語」であって、
③ は、「日本語」ではない。
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
② 君が は、「連体修飾語の、主語」に、なることが、出来、
③ 君は は、「連体修飾語の、主語」に、なることが、出来ない。
従って、
(12)
② Aが は、「連体修飾語の、主語」に、なることが、出来、
③ Aは は、「連体修飾語の、主語」に、なることが、出来ない。
従って、
(13)
② 地球が太陽の周りをまわってゐること。
③ 地球は太陽の周りをまわってゐること。
に於いて、
② は、「日本語」であって、
③ は、「日本語」ではない。
従って、
(13)により、
(14)
② 地球が太陽の周りをまわってゐることはない。
③ 地球は太陽の周りをまわってゐることはない。
に於いて、
② は、「日本語」であって、
③ は、「日本語」ではない。
然るに、
(15)
と[格助][並立語]
2.会話・心中思惟・思想・手紙文・詩句などの引用を表す。・・・と言って。・・・などと。
(三省堂、全訳読解古語辞典、1995年、834頁)
従って、
(15)により、
(16)
「・・・・・」といふこと。
に於いて、
「・・・・・」は「引用」である。
従って、
(14)(16)により、
(17)
② 地球が太陽の周りをまわってゐる。といふことはない。
③ 地球は太陽の周りをまわってゐる。といふことはない。
に於いて、
② は、「日本語」であって、
③ も、「日本語」である。
従って、
(18)
① ・・・・・。といふことはない。
といふ「日本語」は、
①「任意の命題」の、「否定」である。
従って、
(18)により、
(19)
③ 地球は太陽の周りをまわってゐる。
といふ「命題」の「否定」は、
④ 地球は太陽の周りをまわってゐる。といふことはない。
であって、
④ 地球は太陽の周りをまわってゐる。といふことはない。
といふ「命題」の「否定」は、
③ 地球は太陽の周りをまわってゐる。といふことはない。といふことはない。
である。
然るに、
(20)
任意の表述の否定は、その表述を’~( )’という空所にいれて書くことにしよう。
(W.O.クワイン著、杖下隆英訳、現代論理学入門、1972年、15頁)
従って、
(19)(20)により、
(21)
③     P  =地球は太陽の周りをまわってゐる。
④   ~(P) =地球は太陽の周りをまわってゐる。といふことはない。
③ ~(~(P))=地球は太陽の周りをまわってゐる。といふことはない。といふことはない。
である。
然るに、
(22)
例へば、
① It is not true that the earth goes around the sun.
といふ「英語」は、
① The earth goes around the sun.
といふ「命題」の「否定」であって、
① It is not true that the earth doesn't go around the sun.
といふ「英語」は、
① The earth doesn't go around the sun.
といふ「命題」の「否定」である。
従って、
(17)(20)(22)により、
(23)
① ~(・ ・ ・ ・ ・).
① ・ ・ ・ ・ 。といふことはない。
① It is not true that ・ ・ ・ ・ ・.
は、それぞれが、「任意の命題の、否定」である。
従って、
(23)により、
(24)
① ~(  )
① といふことはない
① It is not true that
であって、
① ~
①      はない
① It is not true
である。
従って、
(24)により、
(25)
①  (  )
① といふこと
①        that
である。
従って、
(25)により、
(26)
① (  )=といふこと=that
である。
平成29年04月05日、毛利太。

2017年4月4日火曜日

「括弧」=といふこと(Ⅱ)。

(01)
① その人は邦人であって男性でない。
② その人は男性であって邦人でない。
に於いて、
① であれば、その人は、例へば、ヤマダ・ハナコである。
② であれば、その人は、例へば、トム・ソーヤーである。
従って、
(01)により、
(02)
① AはBであってCでない。
② AはCであってBでない。
に於いて、
①=② ではない。
然るに、
(03)
③ 花子は邦人であって女性である。
④ 花子は女性であって邦人である。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(03)により、
(04)
③ AはBであってCである。
④ AはCであってBである。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(05)
③ AはBであってCである。といふことはない。
④ AはCであってBである。といふことはない。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(02)(04)(05)により、
(06)
① AはBであってCでない。
③ AはBであってCである。といふことはない。
に於いて、
① ⇒ BとCを「逆」にすると、「意味」が変はる。
③ ⇒ BとCを「逆」にしても、「意味」は変はらない。
従って、
(06)により、
(07)
① AはBであってCでない。
③ AはBであってCである。といふことはない。
に於いて、
①=③ ではない。
然るに、
(08)
① AはBであってCでない。
③ AはBであってCである。といふことはない。
といふことは、
① AはBであってAはCでない。
③ AはBであってAはCである。といふことはない。
といふことに、他ならない。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① AはBであってAはCでない。
③ AはBであってAはCである。といふことはない。
に於いて、
①=③ ではない。
然るに、
(10)
「否定」は、「論理演算子」である。
然るに、
(11)
括弧は、論理演算子のスコープ(scope)を明示する働きを持つ。スコープは、論理演算子の働きが及ぶ範囲のことをいう。
(産業図書、数理言語学辞典、2013年、四七頁:命題論理、今仁生美)
然るに、
(12)
と[格助][並立語]
2.会話・心中思惟・思想・手紙文・詩句などの引用を表す。・・・と言って。・・・などと。
(三省堂、全訳読解古語辞典、1995年、834頁)
従って、
(09)~(12)により、
(13)
③ AはBであってAはCである。といふことはない。
であるならば、
③(AはBであってAはCである。)の「否定」である。
である。
然るに、
(14)
P=AはBである。
Q=AはCである。
~=否定
&=接続詞
→=ならば
とする。
従って、
(13)(14)により、
(15)
③ AはBであってAはCである。といふことはない。
であるならば、
③ ~(P&Q)
である。
然るに、
(16)
③ ~(P&Q)=~P∨~Q=P→~Q
③ ~(Q&P)=~Q∨~P=Q→~P
は、「連言の交換法則」、「ド・モルガンの法則」、「含意の定義」である。
然るに、
(14)(16)により、
(17)
③ P→~Q=AがBであるならば、AはCでない。
③ Q→~P=AがCであるならば、AはBでない。
である。
従って、
(15)(17)により、
(18)
③ AはBであってAはCである。といふことはない。
であるならば、
③ ~(P&Q)
であって、
③ ~(P&Q)
であるならば、
③ P→~Q=AがBであるならば、AはCでない。
③ Q→~P=AがCであるならば、AはBでない。
である。
然るに、
(19)
私を含む、日本人にとって、
③ AはBであってAはCである。といふことはない。
といふ「国語」は、
③ AがBであるならば、AはCでない。
③ AがCであるならば、AはBでない。
といふ、「意味」である。
従って、
(14)(18)(19)により、
(20)
  P=AはBである。
  &=て
  Q=AはCである。
( )=といふこと
  ~=ない。
である。
従って、
(20)により、
(21)
例へば、
③ AはBであってAはCである。といふことはない。
といふ「日本語」に於いて、
( )=といふこと
といふ「等式」が、成立する。
平成29年04月04日、毛利太。

2017年4月3日月曜日

「対偶(transposition)」について(Ⅱ)。

(01)
① Aであるならば、Bである。
② AであってBでない。ということはない。
に於いて、
①=② である。と、
国語を知ってゐる日本人ならば、誰でもさう思ふ。
(02)
② AであってBでない。ということはない。
③ BでなくてAである。ということはない。
に於いて、
②=③ である。と、
国語を知ってゐる日本人ならば、誰でもさう思ふ。
(03)
③ BでなくてAである。ということはない。
④ BでないならばAでない。
に於いて、
③=④ である。と、
国語を知ってゐる日本人ならば、誰でもさう思ふ。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① Aであるならば、Bである。
② AであってBでない。ということはない。
③ BでなくてAである。ということはない。
④ BでないならばAでない。
に於いて、
①=②=③=④
である。
従って、
(04)により、
(05)
① Aであるならば、Bである。
④ Bでないならば、Aでない。
に於いて、
①=④ である。
といふ「証明」は、日本人であれば、小学生であっても、理解できる。
然るに、
(06)
① Aであるならば、Bである。
② AであってBでない。ということはない。
に於いて、
①=② である。
といふことを、「自然演繹(E.J.レモン)」で「証明」するならば、次のやうに、なるはずである。
(07)
  1(1)  A→ B :仮定
  2(2)  A&~B :仮定
  2(3)  A    :&消去(2)
 12(4)  B    :条件法(1)(3)
  2(5) ~B    :&消去(2)
 12(6) ~B&B  :&導入(4)(5)
 1 (7)~(A&~B):背理法(2)(6)
     (8) (A→ B)→ ~(A&~B):(1)(7)条件法
  1(1)~(A&~B):仮定
  2(2)  A    :仮定
  3(3) ~B    :仮定
 23(4)  A&~B :&導入 (3)(4)
123(5)~(A&~B)&(A&~B):&導入(1)(4)
12 (6)~(~B)  :背理法 (3)(6)
12 (7)  B    :二重否定(6)(7)
1  (8)  A→ B :条件法 (2)(7)
   (9)~(A&~B)→(A→ B):(1)(8)条件法
従って、
(07)により、
(08)
① Aであるならば、Bである。      :  A→ B 
② AであってBでない。ということはない。:~(A&~B)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(09)
「仮定、仮定、&消去、条件法、&消去、&導入、背理法、条件法」、
「仮定、仮定、仮定、&導入、&導入、背理法、二重否定、条件法、条件法」。
のやうな「理屈(理論)」は、勉強しなければ、理解できない。
従って、
(05)(08)(09)により、
(10)
① Aであるならば、Bである。
② AであってBでない。ということはない。
に於いて、
①=② である。
といふ「理屈」は、日本人であれば、小学生にも、理解できるものの、
①  (A→ B)
② ~(A&~B)
に於いて、
①=② である。
といふ「理屈」は、小学生一年生には、理解できない。
(11)
「小学生にも理解できる事柄α」と、
「小学生には理解でない事柄β」が有って、
「事柄α」=「事柄β」
といふ「等式」が成り立つことは、「不思議なこと」である。
(12)
Aであるならば、Bである=
Aであって   Bでない。ということはない。
は、「背理法」である。
然るに、
(13)
  1(1)  A→ B :仮定
  2(2)  A&~B :仮定
  2(3)  A    :&消去(2)
 12(4)  B    :条件法(1)(3)
  2(5) ~B    :&消去(2)
 12(6) ~B&B  :&導入(4)(5)
 1 (7)~(A&~B):背理法(2)(6)
     (8) (A→ B)→ ~(A&~B):(1)(7)条件法
の場合も、「背理法」を用ひなければ、「証明」できない。
平成29年04月03日、毛利太。

2017年4月2日日曜日

「英文」には「三重否定」が無い?

(01)
① 然而不王者未之有。
① 然り而うして、王たらざる者、未だ之れ有らず。
① このやうであってしかも王にならなかった者は、今までにゐない(孟子、告上)。
従って、
(01)により、
(02)
② 不王者。
② 王たらざる者。
② 王にならない者。
従って、
(03)
③ 無不王者。
③ 王たらざる者無し。
③ 王にならない者はゐない。
然るに、
(04)
③ No person who doesn't become a king.
の「グーグル翻訳」は、
③ 王にならない人はいない。
然るに、
(05)
【非】[意味]① ・・・にあらず ・・・ではない。・・・ということではない。◇ 後にくる名詞や、事由をあらわすクローズを打ち消すことば。
(学研、漢和大辞典、1978年、1457頁改)
従って、
(03)(05)により、
(06)
③ 無不王者。
③ No person who doesn't become a king.
の「否定」は、
④ 非無不王者=
④ 非[無〔不(王)者〕]⇒
④ [〔(王)不者〕無]非=
④ [〔(王たら)不る者〕無きに]非ず=
④ 王にならない者はゐないのではない。
然るに、
(07)
任意の表述の否定は、その表述を’~( )’という空所にいれて書くことにしよう。
(W.O.クワイン著、杖下隆英訳、現代論理学入門、1972年、15頁)
従って、
(06)(07)により、
(08)
④  非(無不王者)=(王にならない者はゐない)のではない。
⑤  ~(No person who doesn't become a king).
⑥ Not(No person who doesn't become a king).
に於いて、
④=⑤=⑥
である。
然るに、
(09)
⑥ Not no person who doesn't become a king.
⑥ Not{no[person who doesn't〔become(a king)〕]}.
といふ「三重否定」は、「英語」には無い。
然るに、
(10)
明治以前の日本人は、漢文を読むことで論理的な考えを身につけました。漢文は論理的な構文をたくさん含んでいるからです。
(山下正男、論理的に考えること、1985年、ⅲ)
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
「漢文は、論理的な構文をたくさん含んでいる。」のに対して、
「英文は、漢文のやうには、論理的な構文を、持ってはゐない。」といふ風に、言へさうである。
平成29年04月02日、毛利太。

「対偶(transposition)」について。

(01)
① Aであるならば、Bである。
② AであってBでない。といふことはない。
に於いて、
①=②
である。
(02)
③ Bでないならば、Aでない。
④ BでなくてAである。といふことはない。
に於いて、
③=④
である。
然るに、
(03)
②  AであってBでない。
④  BでなくてAである。
に於いて、
②=④
であるため、
②(AであってBでない。)といふことはない。
④(BでなくてAである。)といふことはない。
に於いて、
②=④
である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① Aであるならば、Bである。
② AであってBでない。といふことはない。
③ Bでないならば、Aでない。
④ BでなくてAである。といふことはない。
に於いて、
①=②
③=④
②=④
である。
従って、
(04)により、
(05)
① Aであるならば、Bである。
③ Bでないならば、Aでない。
に於いて、
①=③
である。
然るに、
(06)
対偶(たいぐう、英: Contraposition)とは、ある命題が成立する場合に、その命題の仮定と結論の両方を否定した命題も成立するという命題同士の関係性の事を言う。
命題「AならばB」の対偶は「BでないならAでない」である。 論理記号を用いて説明すると、命題「A ⇒ B」の対偶は「¬B⇒ ¬A」(¬A は命題 A の否定)である。
(ウィキペディア)
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
① Aであるならば、Bである。
② AであってBでない。といふことはない。
③ Bでないならば、Aでない。
④ BでなくてAである。といふことはない。
といふ「日本語」に於いて、
①=②
③=④
②=④
であるが故に、「対偶」は、等しい。
従って、
(07)により、
(08)
② AであってBでない。といふことはない。
④ BでなくてAである。といふことはない。
に於いて、
②=④
である以上、
① Aであるならば、Bである。
③ Bでないならば、Aでない。
といふ「対偶」が等しいことは、「当然」である。
従って、
(09)
「対偶」を理解するためには、
① Aであるならば、Bである。
② AであってBでない。といふことはない。
③ Bでないならば、Aでない。
④ BでなくてAである。といふことはない。
といふ「日本語」が理解できれば、それで、「十分」である。
従って、
(10)
例へば、
■ 条件Aを満たすものの全体を集合Aで,条件Bを満たすもの全体を集合Bで表わすとき,命題「A→B」は,A⊂Bに対応します.
 A,B あるいは A(x),B(x)が条件であるとき,この条件が成り立つかどうかはxの値しだいです.
例 条件x>1をA(x)で表わすとき,x=2ならばA(x)は真ですが,x=0ならばA(x)は偽です.
といふ「説明」を理解できないとしても、「対偶」を理解することは、可能であって、尚且つ、簡単である。


(01)
①    A→~B =Aならば、Bでない。
② ~( A& B)=AであってBである。といふことはない。
に於いて、
①=②
である。
(02)
③    B→~A =Bならば、Aでない。
④ ~( B& A)=BであってAである。といふことはない。
に於いて、
③=④
である。
(03)
② ~( A& B)=AであってBである。といふことはない。
④ ~( B& A)=BであってAである。といふことはない。
に於いて、
②=④
である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
①    A→~B =Aならば、Bでない。
③    B→~A =Bならば、Aでない。
に於いて、
①=③
である。
(05)
①    A→ B =Aならば、Bである。
② ~( A&~B)=AであってBでない。といふことはない。
に於いて、
①=②
(06)
③   ~B→~A =Bでないならば、Aでない。
④ ~(~B& A)=BでなくてAである。といふことはない。
に於いて、
③=④
である。
然るに、
(07)
② ~( A&~B)=AであってBでない。といふことはない。
④ ~(~B& A)=BでなくてAである。といふことはない。
に於いて、
②=④
である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
①    A→ B =Aならば、Bである。
③   ~B→~A =Bでないならば、Aでない。
に於いて、
①=③
である。
(09)
①   ~A→~B =Aでないならば、Bでない。
② ~(~A& B)=AでなくてBである。といふことはない。
に於いて、
①=②
である。
(10)
③    B→ A =Bならば、Aである。
④ ~( B&~A)=BであってAでない。といふことはない。
に於いて、
③=④
である。
然るに、
(11)
② ~(~A& B)=AでなくてBである。といふことはない。
④ ~( B&~A)=BであってAでない。といふことはない。
に於いて、
②=④
である。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
①   ~A→~B =Aでないならば、Bでない。
③    B→ A =Bならば、Aである。
に於いて、
①=③
である。
(13)
①   ~A→ B =Aでないならば、Bである。
② ~(~A&~B)=AでなくてBでない。といふことはない。
に於いて、
①=②
である。
(14)
③   ~B→ A =Bでないならば、Aである。
④ ~(~B&~A)=BでなくてAでない。といふことはない。
に於いて、
③=④
である。
(15)
② ~(~A&~B)=AでなくてBでない。といふことはない。
④ ~(~B&~A)=BでなくてAでない。といふことはない。
に於いて、
②=④
である。
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
① ~A→ B =Aでないならば、Bである。
③ ~B→ A =Bでないならば、Aである。
に於いて、
①=③
である。
従って、
(01)~(16)により、
(17)
①  A→~B =Aならば、Bでない。
②  B→~A =Bならば、Aでない。
③  A→ B =Aならば、Bである。
④ ~B→~A =Bでないならば、Aでない。
⑤ ~A→~B =Aでないならば、Bでない。
⑥  B→ A =Bならば、Aである。
⑦ ~A→ B =Aでないならば、Bである。
⑧ ~B→ A =Bでないならば、Aである。
に於いて、
①=②
③=④
⑤=⑥
⑦=⑧
である。
平成29年04月02日、毛利太。

2017年4月1日土曜日

「漢文」の「一重否定」と「三重否定」について。

(01)
① AB=名詞+名詞。
であるならば、
① AB=AはBである。
といふ、「意味」である。
(02)
② A非B=名詞+非+名詞。
であるならば、
② A非B=AはBでない(B以外である)。
といふ、「意味」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 我王 =我は王なり。
② 我非王=我は王に非ず。
といふ、「意味」である。
然るに、
(02)(03)により、
(04)
② 我非王=我は王に非ず。
② 我非王=私は王ではない。
に於いて、
② 王 は、「名詞」であるため、
② 王 は、「動詞」でも、「形容詞」でもない。
然るに、
(05)
不は、あとの動詞や形容詞を否定して「不行(行かない)」、「不良(良くない)」のように用いる。
(学研、漢和大辞典、1978年、1457頁)
従って、
(04)(05)により、
(06)
② 我非王=我は王にあらず。
③ 我不王=我は王にあらず。
に於いて、
③ は、「正しく」はない。
然るに、
(07)
【王】〔意味〕
[一]きみ(君)国土を統べ、人民を治める君主。
[二]きみとなる「欲レ王二関中一 カンチュウにオウたらんとほっす」〈史記・項羽記〉
(旺文社、高校基礎漢和辞典、1984年、535頁改)
従って、
(08)
「王」といふ「漢字」は、「名詞」であって、尚且つ、「王になる」といふ「動詞」である。
従って、
(06)(08)により、
(09)
③ 我非王。
ではなく、
③ 我不王。
であるならば、
③ 我不王=私は王ではない。
ではなく、
③ 我不王=私は王にならない。
といふ「意味」である。
然るに、
(10)
④ 不王者=王たらざる者(王にならない者)
は、「名詞」である。
従って、
(02)(10)により、
(11)
⑤ 我不王者=我は王たらざる者なり。
⑤ 我不王者=私は王にならない者である。
であって、
⑥ 我非不王者=我は王たらざる者に非ず。
⑥ 我非不王者=私は王にならない者ではない。
であるものの、
⑥ 我非不王者=我は王たらざる者に非ず。
⑥ 我非不王者=私は王にならない者ではない。
は、「二重否定」である。
(12)
⑦ 無不王者=王たらざる者無し。      
⑦ 無不王者=王にならない者はゐない。
も、「二重否定」である。
然るに、
(13)
【非】ひ あらズ[連語] 《内容の否定》
(天野成之、漢文基本語辞典、1999年、283・293頁改)
【非】[意味]① ・・・にあらず ・・・ではない。・・・ということではない。◇ 後にくる名詞や、事由をあらわすクローズを打ち消すことば。(学研、漢和大辞典、1978年、1457頁改)
従って、
(12)(13)により、
(14)
【非】は、
⑦ 無不王者=王たらざる者無し。
⑦ 無不王者=王にならない者はゐない。
といふ「二重否定」を「否定」することが出来、
⑧ 非無不王者=王たらざる者無きに非ず。
⑧ 非無不王者=王にならない者はゐないのではない。
は、「三重否定」である。
(15)
⑨ 天下無非王土=天下王土に非ざる無し。
⑨ 天下無非王土=天下に王の土地でないところは無い。
然るに、
(16)
非=ヒ
不=フ
無=ム
(17)
一=ヒ
二=フ
三=ミ
四=ヨ
五=イツ
六=ム
従って、
(16)(17)により、
(18)
 非不= ヒフ= 一二
 非無= ヒム= 一六
 無非= ムヒ= 六一
 無不= ムフ= 六二
非無不=ヒムフ
であるため、
1216。6162。162。
である。
平成29年04月01日、毛利太。