(01)
① 然而不王者未之有。
① 然り而うして、王たらざる者、未だ之れ有らず。
① このやうであってしかも王にならなかった者は、今までにゐない(孟子、告上)。
従って、
(01)により、
(02)
② 不王者。
② 王たらざる者。
② 王にならない者。
従って、
(03)
③ 無不王者。
③ 王たらざる者無し。
③ 王にならない者はゐない。
然るに、
(04)
③ No person who doesn't become a king.
の「グーグル翻訳」は、
③ 王にならない人はいない。
然るに、
(05)
【非】[意味]① ・・・にあらず ・・・ではない。・・・ということではない。◇ 後にくる名詞や、事由をあらわすクローズを打ち消すことば。
(学研、漢和大辞典、1978年、1457頁改)
従って、
(03)(05)により、
(06)
③ 無不王者。
③ No person who doesn't become a king.
の「否定」は、
④ 非無不王者=
④ 非[無〔不(王)者〕]⇒
④ [〔(王)不者〕無]非=
④ [〔(王たら)不る者〕無きに]非ず=
④ 王にならない者はゐないのではない。
然るに、
(07)
任意の表述の否定は、その表述を’~( )’という空所にいれて書くことにしよう。
(W.O.クワイン著、杖下隆英訳、現代論理学入門、1972年、15頁)
従って、
(06)(07)により、
(08)
④ 非(無不王者)=(王にならない者はゐない)のではない。
⑤ ~(No person who doesn't become a king).
⑥ Not(No person who doesn't become a king).
に於いて、
④=⑤=⑥
である。
然るに、
(09)
⑥ Not no person who doesn't become a king.
⑥ Not{no[person who doesn't〔become(a king)〕]}.
といふ「三重否定」は、「英語」には無い。
然るに、
(10)
明治以前の日本人は、漢文を読むことで論理的な考えを身につけました。漢文は論理的な構文をたくさん含んでいるからです。
(山下正男、論理的に考えること、1985年、ⅲ)
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
「漢文は、論理的な構文をたくさん含んでいる。」のに対して、
「英文は、漢文のやうには、論理的な構文を、持ってはゐない。」といふ風に、言へさうである。
平成29年04月02日、毛利太。
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