2017年4月3日月曜日

「対偶(transposition)」について(Ⅱ)。

(01)
① Aであるならば、Bである。
② AであってBでない。ということはない。
に於いて、
①=② である。と、
国語を知ってゐる日本人ならば、誰でもさう思ふ。
(02)
② AであってBでない。ということはない。
③ BでなくてAである。ということはない。
に於いて、
②=③ である。と、
国語を知ってゐる日本人ならば、誰でもさう思ふ。
(03)
③ BでなくてAである。ということはない。
④ BでないならばAでない。
に於いて、
③=④ である。と、
国語を知ってゐる日本人ならば、誰でもさう思ふ。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① Aであるならば、Bである。
② AであってBでない。ということはない。
③ BでなくてAである。ということはない。
④ BでないならばAでない。
に於いて、
①=②=③=④
である。
従って、
(04)により、
(05)
① Aであるならば、Bである
④ Bでないならば、Aでない
に於いて、
①=④ である。
といふ「証明」は、日本人であれば、小学生であっても、理解できる。
然るに、
(06)
① Aであるならば、Bである。
② AであってBでない。ということはない。
に於いて、
①=② である。
といふことを、「自然演繹(E.J.レモン)」で「証明」するならば、次のやうに、なるはずである。
(07)
  1(1)  A→ B :仮定
  2(2)  A&~B :仮定
  2(3)  A    :&消去(2)
 12(4)  B    :条件法(1)(3)
  2(5) ~B    :&消去(2)
 12(6) ~B&B  :&導入(4)(5)
 1 (7)~(A&~B):背理法(2)(6)
     (8) (A→ B)→ ~(A&~B):(1)(7)条件法
  1(1)~(A&~B):仮定
  2(2)  A    :仮定
  3(3) ~B    :仮定
 23(4)  A&~B :&導入 (3)(4)
123(5)~(A&~B)&(A&~B):&導入(1)(4)
12 (6)~(~B)  :背理法 (3)(6)
12 (7)  B    :二重否定(6)(7)
1  (8)  A→ B :条件法 (2)(7)
   (9)~(A&~B)→(A→ B):(1)(8)条件法
従って、
(07)により、
(08)
① Aであるならば、Bである。      :  A→ B 
② AであってBでない。ということはない。:~(A&~B)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(09)
「仮定、仮定、&消去、条件法、&消去、&導入、背理法、条件法」、
「仮定、仮定、仮定、&導入、&導入、背理法、二重否定、条件法、条件法」。
のやうな「理屈(理論)」は、勉強しなければ、理解できない。
従って、
(05)(08)(09)により、
(10)
① Aであるならば、Bである。
② AであってBでない。ということはない。
に於いて、
①=② である。
といふ「理屈」は、日本人であれば、小学生にも、理解できるものの、
①  (A→ B)
② ~(A&~B)
に於いて、
①=② である。
といふ「理屈」は、小学生一年生には、理解できない。
(11)
「小学生にも理解できる事柄α」と、
「小学生には理解でない事柄β」が有って、
「事柄α」=「事柄β」
といふ「等式」が成り立つことは、「不思議なこと」である。
(12)
Aであるならば、Bである=
Aであって   Bでない。ということはない。
は、「背理法」である。
然るに、
(13)
  1(1)  A→ B :仮定
  2(2)  A&~B :仮定
  2(3)  A    :&消去(2)
 12(4)  B    :条件法(1)(3)
  2(5) ~B    :&消去(2)
 12(6) ~B&B  :&導入(4)(5)
 1 (7)~(A&~B):背理法(2)(6)
     (8) (A→ B)→ ~(A&~B):(1)(7)条件法
の場合も、「背理法」を用ひなければ、「証明」できない。
平成29年04月03日、毛利太。

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