(a)『返り点と括弧』については、『「返り点」と「括弧」(略2)(https://kannbunn.blogspot.com/2018/08/blog-post_23.html)』他もお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
従って、
(01)により、
(02)
① レ レ レ
② レ 二 一レ
③ 二 一レ 二 一
④ レ 二 レ レ 一
等の「レ点」は、
① 四 三 二 一
② 四 三 二 一
③ 四 三 二 一
④ 下 中 三 二 一 上
で、「置き換へ」ることが出来る。
従って、
(02)により、
(03)
(Ⅰ)レ点
(Ⅱ)一 二 三 四 五 ・・・・・
(Ⅲ)上 中 下
(Ⅳ)甲 乙 丙 丁 戊 ・・・・・
(Ⅴ) 天 地 人
に於いて、
(Ⅰ)レ点 は、「不要」である。
然るに、
(04)
④ 無{友[不〔如(己)〕者]}=
④ 下{中[三〔二(一)〕上]}。
に於いて、
④ 二( )⇒( )二
④ 三〔 〕⇒〔 〕三
④ 中[ ]⇒[ ]中
④ 下{ }⇒{ }下
といふ「移動」を行ふと、
④ 下{中[三〔二(一)〕上]}⇒
④ {[〔(一)二〕三上]中}下=
④ {[〔(己)如〕不者]友}無=
④ {[〔(己に)如か〕不る者を]友とする}無かれ。
といふ「漢文訓読(ソート)」が成立する。
従って、
(01)(04)により、
(05)
④ 無友不如己者=
④ 己に如かざる者を友とする無かれ。
といふ「漢文訓読」に付く、「返り点」は、
④ レ 二 レ レ 一
④ 下 中 三 二 一 上
であって、「括弧」は、
④ { [ 〔 ( ) 〕 ] }
である。
然るに、
(06)
⑤ 無{友‐人[不〔必及(自分)〕者]}=
⑤ 下{#‐中[三〔#二(#一)〕上]}。
に於いて、
⑤ 二( )⇒( )二
⑤ 三〔 〕⇒〔 〕三
⑤ 中[ ]⇒[ ]中
⑤ 下{ }⇒{ }下
といふ「移動」を行ふと、
⑤ 下{#‐中[三〔#二(#一)〕上]}⇒
⑤ {[〔#(#一)二〕三上]#‐中}下=
⑤ {[〔必(自分)及〕不者]友‐人}無=
⑤ {[〔必ずしも(自分に)及ば〕不る者を]友‐人とする}無かれ。
といふ「漢文訓読(ソート)」が成立する。
従って、
(06)により、
(07)
⑤ 無友人不必如自分者=
⑤ 必ずしも自分に及ばざる者を友人とする無かれ。
といふ「漢文訓読」に付く、「返り点」も、
⑤ 下 中 三 二 一 上
であって、「括弧」は、
⑤ { [ 〔 ( ) 〕 ] }
である。
然るに、
(08)
(3)上中下点(上・下、上・中・下)
レ点・一二点だけで示しきれない場合。必ず一二点をまたいで返る場合に用いる(数学の式における( )が一二点で、{ }が上中下点に相当するものと考えるとわかりやすい)。
(原田種成、私の漢文講義、1995年、43頁)
従って、
(08)により、
(09)
④ 無 友 不 如 己 者。
④ 下 中 三 二 一 上。
に対して、例へば、
⑥ 友 不 無 如 己 者。
⑥ 中 三 下 二 一 上。
といふ「返り点」は、有り得ない。
然るに、
(10)
④ 無 友 不 如 己 者。
に対して、固より、
⑥ 友 不 無 如 己 者。
といふ「漢文」自体が、有り得ない。
然るに、
(11)
⑥ 中 三 下 二 一 上 =
⑥ 中[三〔下{二(一)〕上]}。
に於いて、
⑥ 二( )⇒( )二
⑥ 三〔 〕⇒〔 〕三
⑥ 中[ ]⇒[ ]中
⑥ 下{ }⇒{ }下
といふ「移動」を行ふと、
⑥ 中[三〔下{二(一)〕上]}⇒
⑥ [〔{(一)二〕三上]中}下=
⑥ 一 二 三 上 中 下。
といふ「ソート」が成立する。
然るに、
(12)
⑤ { [ 〔 ( ) 〕 ] } に対して、
⑥ [ 〔 { ( ) 〕 ] } の場合は、
⑥ { ( ) 〕 であるため、「括弧」であるとは、言へない。
従って、
(09)(10)(12)により、
(13)
⑥ 友 不 無 如 己 者。
⑥ 中 三 下 二 一 上。
⑥ [ 〔 { ( ) 〕 ] }
の場合は、「漢文」ではなく、「返り点」でもなく、「括弧」でもない。
平成30年08月25日、毛利太。
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