2018年8月22日水曜日

「返り点」と「括弧」の用法(略)。

(a)『返り点と括弧』については、『「括弧」の「順番」(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html)』他もお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
① 非[不〔読(書)〕]。
に於いて、
① 非[ ]⇒[ ]非
① 不〔 〕⇒〔 〕不
① 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふならば、
① 非[不〔読(書)〕]⇒
① [〔(書)読〕不]非=
① [〔(書を)読ま〕ざる]非ず=
① [〔(書を)読ま〕ないのでは]ない。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
従って、
(01)により、
(02)
① 非不読書。
② 我非必不読漢文者也。
に於いて、
① 読 を、書 の「直後」に 読み、
② 読 を、文 の「直後」に、読みたいのであれば、
① 非不読(書)。
② 我非必不読(漢文)者也。
といふ風に、「括弧」で括ることになる。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 非不読(書)。
② 我非必不読(漢文)者也。
に於いて、
① 不 を、読 の「直後」に 読み、
② 不 を、読 の「直後」に 読みたいのであれば、
① 非不〔読(書)〕。
② 我非必不〔読(漢文)〕者也。
といふ風に、「括弧」で括ることになる。
従って、
(01)(03)により、
(04)
① 非不〔読(書)〕。
② 我非必不〔読(漢文)〕者也。
に於いて、
① 非 を、不 の「直後」に 読み、
② 非 を、者 の「直後」に 読みたいのであれば、
① 非[不〔読(書)〕]。
② 我非[必不〔読(漢文)〕者]也。
といふ風に、「括弧」で括ることになる。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
② 我非[必不〔読(漢文)〕者]也。
に於いて、
② 非[ ]⇒[ ]非
② 不〔 〕⇒〔 〕不
② 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふならば、
② 我非[必不〔読(漢文)〕者]也⇒
② 我[必〔(漢文)読〕不者]非也=
② 我は[必ずしも〔(漢文を)読ま〕ざる者に]非ざるなり=
② 我は[必ずしも〔(漢文を)読ま〕ない者では]ないのである。
といふ、「漢文訓読」が成立する。
従って、
(02)~(05)により、
(06)
③ 我非必求以解中文法解漢文者也。
といふ「漢文(作例)」を、
③ 我 必 中文 解 法 以 漢文 解 求 者 非 也。
といふ「語順」で、
③ 我は必ずしも中文を解する法を以て漢文を解せんことを求むる者に非ざる也。
③ 私は必ずしも中文を読解する法を用ゐて漢文を読解しようとする者ではないのである。
といふ風に、読みたいのであれば、
③ 我非必求以解中文法解漢文者也。
に対して、
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
にといふ「括弧」を加へて、
③ 非{ }⇒{ }非
③ 求[ ]⇒[ ]求
③ 以〔 〕⇒〔 〕以
③ 解( )⇒( )解
③ 解( )⇒( )解
といふ「移動」を行ふことになる。
然るに、
(07)

従って、
(01)(05)(06)(07)により、
(08)
① 非[不〔読(書)〕]。
② 我非[必不〔読(漢文)〕者]也。
③ 我非{必求[以〔解(中文)法〕解(漢文)]者}也。
に於ける、
①[〔( )〕]
②[〔( )〕]
③{[〔( )〕( )]}
といふ「括弧」は、
① レ レ レ
② 下 レ 二 一 上
③ 地 丙 下 二 一 上 乙 甲 天
といふ「返り点」に相当する。

然るに、
(09)
「結論」だけを述べるものの、
(ア)「 括弧 」は、「漢文自体の、補足構造」と、「訓読の順番」を表してゐて、
(イ)「返り点」は、「訓読の順番」を表してゐる一方で、「漢文の補足構造」は、表してはゐない。
平成30年08月22日、毛利太。

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