(a)『返り点と括弧』については、『「括弧」の「順番」(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html)』他をお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
固有名(Proper name)を用いて次の「論証の健全性」を確立せよ。
プリンピキア・マテマティカの著者は、アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドとバートランド・ラッセルである。
然るに、ドナルド・トランプは、アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドではないし、バートランド・ラッセルでもない。
故に、 ドナルド・トランプは、プリンキピア・マテマティカの著者ではない。
(02)
〔解答〕
PM=プリンキピア・マテマティカの著者
r=バートランド・ラッセル
w=アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド
t=ドナルド・トランプ米国大統領
であるとして、
1 (1)∀x{PMx→(x=w)∨(x=r)} A
2 (2) (t≠w)&(t≠r) A
3 (3) PMt A
1 (4) PMt→(t=w)∨(t=r) 1UE
1 3 (5) (t=w)∨(t=r) 34MPP
6 (6) (t=w) A
2 (7) (t≠w) 2&E
2 6 (8) (t=w)&(t≠w) 67&I
6 (9) ~{(t≠w)&(t≠r)} 28RAA
ア(ア) (t=r) A
2 (イ) (t≠r) 2&E
2 ア(ウ) (t=r)&(t≠r) アイ&I
ア(エ) ~{(t≠w)&(t≠r)} 2ウRAA
1 3 (オ) ~{(t≠w)&(t≠r)} 569アEVI
123 (カ) {(t≠w)&(t≠r)}&
~{(t≠w)&(t≠r)} 2オ&I
12 (キ) ~PMt 3カRAA
12 (〃)ドナルド・トランプ米国大統領はプリンキピア・マテマティカの著者ではない。
従って、
(02)により、
(03)
1 (1)すべてのxについて、xがプリンキピア・マテマティカの著者であるならば、xはアルフレッド・ノース・ホワイトヘッドか、バートランド・ラッセルである。 A
2 (2)ドナルド・トランプ米国大統領は、アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドではないし、バートランド・ラッセルでもない。 A
12の故に、(キ)ドナルド・トランプ米国大統領はプリンキピア・マテマティカの著者ではない。 3カRAA
といふ「推論」は、「正しい」。
従って、
(03)により、
(04)
「プリンピキア・マテマティカの著者は、アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドとバートランド・ラッセルである。然るに、ドナルド・トランプ米国大統領は、アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドではないし、バートランド・ラッセルでもない。故に、ドナルド・トランプ米国大統領はプリンキピア・マテマティカの著者ではない。」といふ「推論」は、「正しい」。
然るに、
(05)
1 (1)∀x{PMx→(x=w)∨(x=r)} A
2 (2) (t≠w)&(t≠r) A
といふ「仮定」から、
2 (2) (t≠w)&(t≠r) A
といふ「仮定」を「除く」ならば、
12 (キ) ~PMt 3カRAA
12 (〃)ドナルド・トランプ米国大統領はプリンキピア・マテマティカの著者ではない。
といふ「結論」は、「帰結」しない。
従って、
(01)(05)により、
(06)
① プリンピキア・マテマティカの著者は、アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドとバートランド・ラッセルである。
② ドナルド・トランプは、アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドではないし、バートランド・ラッセルでもない。
といふ「仮定」から、
② ドナルド・トランプは、アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドではないし、バートランド・ラッセルでもない。
といふ「仮定」を「除く」ならば、
③ ドナルド・トランプは、プリンキピア・マテマティカの著者ではない。
といふ「結論」は、「帰結」しない。
然るに、
(07)
① プリンピキア・マテマティカの著者は、アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドとバートランド・ラッセルである。
といふ風に、聞けば、我々は直ちに、
③ ドナルド・トランプは、プリンキピア・マテマティカの著者ではない。
といふ風に、思ふことになる。
従って、
(08)
① プリンピキア・マテマティカの著者は、アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド(固有名)とバートランド・ラッセル(固有名)である。
といふ「日本語」は、
② ドナルド・トランプ(固有名)は、アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド(固有名)ではないし、バートランド・ラッセル(固有名)でもない。
といふ「情報」を「含意」する。
平成30年08月06日、毛利太。
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