2023年5月3日水曜日

「唯一のxがFである」場合の「述語論理」。

(01)
性質Fをもつ「すくなくとも2つの相異なる対象が存在する」ということを表現するするためには、われわれは符号を必要とする。
すなわち、
  ∃x∃y{Fa&Fy&~(x=y)}
― どちらもFをもつ同一でないxとyが存在する。
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、210頁)
従って、
(01)により、
(02)
① ∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
② 性質Fを持つモノの個数は「2個以上」である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
① ~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
② 性質Fを持つモノの個数が「2個以上」である。 といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
② 性質Fを持つモノの個数が「2個以上」である。 といふことはない。
③ 性質Fを持つモノの個数は「1個以下」である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① ~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
② 性質Fを持つモノの個数は「1個以下」である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
(ⅱ)
1(1)~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y) A
1(2)∀x~∃y(Fx&Fy&x≠y) 1量化子の関係
1(3)∀x∀y~(Fx&Fy&x≠y) 2量化子の関係
1(4)  ∀y~(Fa&Fy&a≠y) 3UE
1(5)    ~(Fa&Fb&a≠b) 4UE
1(6)    ~Fa∨~Fb∨a=b  5ド・モルガンの法則
1(7)  (~Fa∨~Fb)∨a=b  6結合法則
1(8)   ~(Fa&Fb)∨a=b  7ド・モルガンの法則
1(9)    (Fa&Fb)→a=b  8含意の定義
1(ア)  ∀y(Fa&Fy →a=y) 9UI
1(イ)∀x∀y(Fx&Fy →x=y) アUI
(ⅲ)
1(1)∀x∀y(Fx&Fy →x=y) A
1(2)  ∀y(Fa&Fy →a=y) 1UE
1(3)     Fa&Fb →a=b  2UE
1(4)   ~(Fa&Fb)∨a=b  3含意の定義
1(5)    ~Fa∨~Fb∨a=b  4ド・モルガンの法則
1(6)    ~(Fa&Fb&a≠b) 5ド・モルガンの法則
1(7)  ∀y~(Fa&Fy&a≠y) 6UI
1(8)∀x∀y~(Fx&Fy&x≠y) 7UI
1(9)∀x~∃y(Fx&Fy&x≠y) 8量化子の関係
1(ア)~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y) 9量化子の関係
従って、
(06)により、
(07)
① ~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
②  ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
に於いて、
①=② である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② 性質Fを持つモノの個数は「1個以」である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(09)
① ∃x(Fx)
② 性質Fを持つモノの個数は「1個以」である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② 性質Fを持つモノの個数は、「1個以」であって、尚且つ「1個以」である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(11)
① 性質Fを持つモノの個数は、「1個以」であって、尚且つ「1個以」である。
② 性質Fを持つモノの個数は、「0個でも、2個でもなく、ちょうど1個」である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② 性質Fを持つモノの個数は、「ちょうど1個」である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(13)
つぎの相互に導出可能な結果を確立せよ。
(a):正確に1のものがFをもつ。
∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)┤├ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、215頁)
〔私による解答〕
(ⅰ)
1  (1)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) A
1  (2)∃xFx                 1&E
 3 (3)  Fa                 A
1  (4)     ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 1&E
1  (5)       ∀y(Fa&Fy→a=y) 4UE
1  (6)          Fa&Fb→a=b  5UE
  7(7)             Fb      A
 37(8)          Fa&Fb      37&I
137(9)                a=b  68MPP
13 (ア)          Fb→a=b     79CP
13 (イ)       ∀y(Fy→a=y)    アUI
13 (ウ)    Fa&∀y(Fy→a=y)    3イ&I
13 (エ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}   ウEI
1  (オ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}   23エEE
(ⅱ)
∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}├ ∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
1  (1)∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}    A
 2 (2)   Fa&∀y(Fy→a=y)     A
 2 (3)      ∀y(Fy→a=y)     2&E
 2 (4)         Fb→a=b      3UE
  5(5)      Fa&Fb          A
  5(6)         Fb          5&E
 25(7)            a=b      46MPP
 2 (8)      Fa&Fb→a=b      57CP
 2 (9)   ∀y(Fa&Fy→a=y)     8UI
 2 (ア) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)     9UI
 2 (イ)   Fa                2&E
 2 (ウ)∃xFx                 イEI
 2 (エ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) アウ&I
1  (ウ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 12エEE
従って、
(13)により、
(14)
① ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
① ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
② 性質Fを持つモノの個数は、「ちょうど1個」である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(16)
 (22)∃x{(Ix&Ox)&∀y(Iy→x=y)}
― ある人はイリアスを書いた、そしてオデュッセイアを書いて、そしてその人はイリアスを書いたただ1人の人である
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、213頁)
従って、
(15)(16)により、
(17)
① ∃x{(Ix&Ox)&∀y(Iy→x=y)}
② イリアスの作者であってオデュッセイアの作者でもある人物は、一人しかゐない
に於いて、
①=② である。
従って、
(17)により、
(18)
① ∃x{(Nx&Ox)&∀y(Ny→x=y)}
②「忍者ハットリくん」の作者であって「オバケのQ太郎」の作者でもある人物は、一人しかゐない
に於いて、
①=② である。
然るに、
(19)
藤子 不二雄(ふじこ ふじお)は、日本の漫画家。藤本弘(ふじもと ひろし)と安孫子素雄(あびこ もとお)の共同ペンネーム。1951年コンビ結成。コンビ解消後の1988年以降はそれぞれ藤子・F・不二雄、藤子 不二雄Ⓐと名乗った。代表作は『オバケのQ太郎』(合作)、『ドラえもん』(藤本)、『パーマン』(藤本、コンビ解消後はF名義となったが旧作は合作)、『忍者ハットリくん』(安孫子)、『怪物くん』(安孫子)など多数。
1976年に執筆された『オバケのQ太郎』の読切作品(合作)を最後に、1987年にコンビ解消を表明するまでの約12年間は、ほぼ全作品をそれぞれ単独で描き、藤子不二雄名義で発表していた。
(ウィキペディア)
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
②「忍者ハットリくん」の作者であって「オバケのQ太郎」の作者でもある人物は、一人(藤子 不二雄Ⓐ)しかゐない。
といふ「命題」は「真(本当)」であるが、
②「オバケのQ太郎」の作者である人物は、一人(藤子 不二雄Ⓐ)しかゐない
といふ「命題」は「偽(ウソ)」である。
従って、
(17)~(20)により、
(21)
① ∃x{(Nx&Ox)&∀y(Ny→x=y)}
② ∃x{(Nx&Ox)&∀y(Ny&Oy→x=y)}
に於いて、
①=② ではない
(22)
① ∃x{(Nx&Ox)&∀y(Ny→x=y)}
② ∃x{(Nx&Ox)&∀y(Ny&Oy→x=y)}
に於いて、
② であるならば、そのときに限って、
②「忍者ハットリくん」の作者。
③「オバケのQ太郎」 の作者。
に於いて、
②=③ であるが、「実際」には、
②=③ ではない
(23)
③「オバケのQ太郎」 の作者(ふじもと ひろし)は、
②「忍者ハットリくん」の作者(あびこ もとお)ではない
令和5年5月3日、毛利太。

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