(01)
1 (1) ∀x{象x→~∃z(~鼻zx&長z)} A
2 (2) ∀x{兎x→ ∃z(~鼻zx&長z)} A
3 (3) ∃x(象x&兎x) A
1 (4) 象a→~∃z(~鼻za&長z) 1UE
2 (5) 兎a→ ∃z(~鼻za&長z) 2UE
6(6) 象a&兎a A
6(7) 象a 6&E
6(8) 兎a 6&E
1 6(9) ~∃z(~鼻za&長z) 47MPP
2 6(ア) ∃z(~鼻za&長z) 58MPP
12 6(イ) ~∃z(~鼻za&長z)&
∃z(~鼻za&長z) 9ア&I
123 (ウ) ~∃z(~鼻za&長z)&
∃z(~鼻za&長z) 36イEE
12 (エ)~∃x(象x&兎x) 3ウRAA
12 (オ)∀x~(象x&兎x) エ量化子の関係
12 (カ) ~(象a&兎a) オUE
12 (キ) ~象a∨~兎a カ、ド・モルガンの法則
12 (ク) 象a→~兎a キ含意の定義
12 (ケ)∀x(象x→~兎x) クUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{象x→~∃z(~鼻zx&長z)}。然るに、
② ∀x{兎x→ ∃z(~鼻zx&長z)}。従って、
③ ∀x(象x→~兎x)。
といふ「演繹推理」、すなはち、
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるzが(xの鼻でなくて、長い)といふことはない}。然るに、
② すべてのxについて{xが兎であるならば、あるzは(xの鼻でなくて、長い)}。従って、
③ すべてのxについて(xが象であるならば、xは兎ではない)。
といふ「演繹推理」は、「妥当」である。
然るに、
(03)
「演繹推理」は、「前提」に含まれる「もの」だけを「導出」するため、
「演繹推理」は、「前提」を「追加」しても「結論」は「不変」である。
然るに、
(02)(03)により、
(04)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。然るに、
② ∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}。従って、
③ ∀x(象x→~兎x)。
といふ「演繹推理」は「妥当」である。
然るに、
(05)
1 (1) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)} A
2 (2) ∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)} A
3 (3) ∃x(象x&兎x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃z(耳za&~鼻za&長z) 2UE
6 (6) 象a&兎a A
6 (7) 象a 6&E
6 (8) 兎a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 47MPP
1 6 (ア) ~∃z(~鼻za&長z) 9&E
2 6 (イ) ∃z(耳za&~鼻za&長z) 58MPP
ウ(ウ) 耳ba&~鼻ba&長b A
ウ(エ) ~鼻ba&長b ウ&E
ウ(オ) ∃z(~鼻za&長z) エEI
2 6 (カ) ∃z(~鼻za&長z) イウオEE
12 6 (キ) ∃z(~鼻za&長z)&~∃z(~鼻za&長z) アカ&I
123 (ク) ∃z(~鼻za&長z)&~∃z(~鼻za&長z) 36キEE
12 (ケ)~∃x(象x&兎x) 3クRAA
12 (コ)∀x~(象x&兎x) ケ量化子の関係
12 (サ) ~(象a&兎a) コUE
12 (シ) ~象a∨~兎a サ、ド・モルガンの法則
12 (ス) 象a→~兎a シ含意の定義
12 (セ)∀x(象x→~兎x) スUI
従って、
(04)(05)により、
(06)
果たして、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。然るに、
② ∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}。従って、
③ ∀x(象x→~兎x)。
といふ「演繹推理」、すなはち、
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、あるzが(xの鼻でなくて、長い)といふことはない}。然るに、
② すべてのxについて{xが兎であるならば、あるzは(xの耳であって、鼻ではなくて、長い)}。従って、
③ すべてのxについて(xが象であるならば、xは兎ではない)。
といふ「演繹推理」は「妥当」である。
然るに、
(07)
(ⅰ)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)} A
1 (2) 象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 1UE
3(3) 象a A
13(4) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 23MPP
13(5) ∃y(鼻ya&長y) 4&E
13(6) ~∃z(~鼻za&長z) 4&E
13(7) ∀z~(~鼻za&長z) 6量化子の関係
13(8) ~(~鼻ba&長b) 7UE
12(9) ~~鼻ba∨~長b 8ド・モルガンの法則
12(ア) ~鼻ba→~長b 9含意の定義
12(イ) ∀z(~鼻za→~長z) アUI
12(ウ) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 5イ&I
1 (エ) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 2ウCP
1 (オ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} エUI
(ⅱ)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yb&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
3(3) 象a A
13(4) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 23MPP
13(5) ∃y(鼻ya&長y) 4&E
13(6) ∀z(~鼻za→~長z) 4&E
13(7) ~鼻ba→~長b 6UE
13(8) 鼻ba∨~長b 7含意の定義
13(9) ~(~鼻ba& 長b) 8ド・モルガンの法則
13(ア) ∀z~(~鼻za& 長z) 9UI
13(イ) ~∃z(~鼻za& 長z) ア量化子の関係
13(ウ) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 5イ&I
1 (エ) 象a→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z) 3ウCP
1 (オ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)} エUI
従って、
(07)により、
(08)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
② ∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}。従って、
③ ∀x(象x→~兎x)。
といふ「演繹推理」は「妥当」である。
然るに、
(10)
1 (1) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2) ∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)} A
3 (3) ∃x(象x&兎x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃z(耳za&~鼻za&長z) 2UE
6 (6) 象a&兎a A
6 (7) 象a 6&E
6 (8) 兎a 6&E
1 6 (9) ∀z(~鼻za→~長z) 47MPP
1 6 (ア) ~鼻ba→~長b 9UI
2 6 (イ) ∃z(耳za&~鼻za&長z) 58MPP
ウ (ウ) 耳ba&~鼻ba&長b A
ウ (エ) ~鼻ba ウ&E
ウ (オ) 長b ウ&E
1 6ウ (カ) ~長b アエMPP
1 6ウ (キ) 長b&~長b オカ&I
12 6 (ク) 長b&~長b イウキEE
123 (ケ) 長b&~長b 36クEE
12 (コ)~∃x(象x&兎x) 3ケRAA
12 (サ)∀x~(象x&兎x) コ量化子の関係
12 (シ) ~(象a&兎a) サUE
ス (ス) 象a A
セ(セ) 兎a A
スセ(ソ) 象a&兎a スセ&I
12 スセ(タ) ~(象a&兎a)&(象a&兎a) シソ&I
12 ス (チ) ~兎a セタRAA
12 (ツ) 象a→~兎a スチCP
12 (テ)∀x(象x→~兎x) ツUI
従って、
(09)(10)により、
(11)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
② ∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}。従って、
③ ∀x(象x→~兎x)。
といふ「演繹推理」、すなはち、
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。然るに、
② すべてのxについて{xが兎であるならば、あるzは(xの耳であって、鼻ではなく、長い)}。従って、
③ すべてのxについて(xが象であるならば、xは兎ではない)。
といふ「演繹推理」は「妥当」である。
従って、
(01)~(11)により、
(12)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。然るに、
② ∀x{兎x→∃z(耳zx&長z)}。従って、
③ ∀x(象x→~兎x)。
といふ「推論」、すなはち、
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長い)}。然るに、
② すべてのxについて{xが兎であるならば、あるzは(xの耳であって、長い)}。従って、
③ すべてのxについて(xが象であるならば、xは兎ではない)。
といふ「推論」は、「妥当」ではない。
然るに、
(13)
① 象は鼻が長い。然るに、
② 兎は耳が長い。従って、
③ 象は兎ではない。
といふ「演繹推理」は「妥当」である。
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
① 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「意味」ではなく、
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「意味」である。
令和5年4月14日、毛利太。
2023年4月14日金曜日
2023年4月13日木曜日
「象は鼻が長い」の「述語論理」の「説明」(其のX)。
(01)
1 (1) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2) ∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)} A
3 (3) ∃x(象x&兎x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃z(耳za&~鼻za&長z) 2UE
6 (6) 象a&兎a A
6 (7) 象a 6&E
6 (8) 兎a 6&E
1 6 (9) ∀z(~鼻za→~長z) 47MPP
1 6 (ア) ~鼻ba→~長b 9UI
2 6 (イ) ∃z(耳za&~鼻za&長z) 58MPP
ウ (ウ) 耳ba&~鼻ba&長b A
ウ (エ) ~鼻ba ウ&E
ウ (オ) 長b ウ&E
1 6ウ (カ) ~長b アエMPP
1 6ウ (キ) 長b&~長b オカ&I
12 6 (ク) 長b&~長b イウキEE
123 (ケ) 長b&~長b 36クEE
12 (コ)~∃x(象x&兎x) 3ケRAA
12 (サ)∀x~(象x&兎x) コ量化子の関係
12 (シ) ~(象a&兎a) サUE
ス (ス) 象a A
セ(セ) 兎a A
スセ(ソ) 象a&兎a スセ&I
12 スセ(タ) ~(象a&兎a)&(象a&兎a) シソ&I
12 ス (チ) ~兎a セタRAA
12 (ツ) 象a→~兎a スチCP
12 (テ)∀x(象x→~兎x) ツUI
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}。従って、
(ⅲ)∀x(象x→~兎x)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるzは(xの耳であって、鼻ではなく、長い)}。従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが象であるならば、xは兎ではない)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。然るに、
(ⅱ)兎の耳は鼻ではないが長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は「妥当」である。
然るに、
(03)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は鼻ではないが長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は「妥当」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 象は鼻が長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(05)
① 象は鼻が長く、
② 兎は耳が長く、
③ 馬は顔が長い。
従って、
(05)により、
(06)
(象、兎、馬}であれば、
① 象が鼻が長く(、象以外の鼻は長くない)。
② 兎が耳が長く(、兎以外の鼻は長くない)。
③ 馬が顔が長く(、馬以外の顔は長くない)。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
① AがBである。
② AはBであり、A以外はBでない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(08)
② A以外はBでない。
③ BはAである。
に於いて、
②=③ は「対偶(contraposition)」である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① AがBである。
② AはBであり、A以外はBでない。
③ AはBであり、BはAである。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(09)により、
(10)
① AはBである。
と言はずに、敢へて、
① AがBである。
と言ふのであれば、
② BはAである。
といふ、ことになる。
従って、
(10)により、
(11)
③ 私は大野です。
と言はずに、敢へて、
① 私が大野です。
と言ふのであれば、
② 大野は私です。
といふ、ことになる。
然るに、
(12)
(3) 未知と既知
この組み合わせは次のような場合に現われる。
私が大野です。
これは、「大野さんはどちらですか」というような問いに対する答えとして使われる。つまり文脈において、「大野」なる人物はすでに登場していて既知である。ところが、それが実際にどの人物なのか、その帰属する先が未知である。その未知の対象を「私」と表現して、それをガで承けた。それゆえこの形は、
大野は私です。
に置きかえてもほぼ同じ意味を表わすといえる(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、34頁)。
従って、
(11)(12)により、
(13)
① 私が大野です(私以外は大野ではない)。
② 大野は私です(私以外は大野ではない)。
といふことと、「既知と未知」とは、「関係」が無い。
令和5年4月13日、毛利太。
1 (1) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2) ∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)} A
3 (3) ∃x(象x&兎x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃z(耳za&~鼻za&長z) 2UE
6 (6) 象a&兎a A
6 (7) 象a 6&E
6 (8) 兎a 6&E
1 6 (9) ∀z(~鼻za→~長z) 47MPP
1 6 (ア) ~鼻ba→~長b 9UI
2 6 (イ) ∃z(耳za&~鼻za&長z) 58MPP
ウ (ウ) 耳ba&~鼻ba&長b A
ウ (エ) ~鼻ba ウ&E
ウ (オ) 長b ウ&E
1 6ウ (カ) ~長b アエMPP
1 6ウ (キ) 長b&~長b オカ&I
12 6 (ク) 長b&~長b イウキEE
123 (ケ) 長b&~長b 36クEE
12 (コ)~∃x(象x&兎x) 3ケRAA
12 (サ)∀x~(象x&兎x) コ量化子の関係
12 (シ) ~(象a&兎a) サUE
ス (ス) 象a A
セ(セ) 兎a A
スセ(ソ) 象a&兎a スセ&I
12 スセ(タ) ~(象a&兎a)&(象a&兎a) シソ&I
12 ス (チ) ~兎a セタRAA
12 (ツ) 象a→~兎a スチCP
12 (テ)∀x(象x→~兎x) ツUI
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}。従って、
(ⅲ)∀x(象x→~兎x)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるzは(xの耳であって、鼻ではなく、長い)}。従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが象であるならば、xは兎ではない)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。然るに、
(ⅱ)兎の耳は鼻ではないが長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は「妥当」である。
然るに、
(03)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は鼻ではないが長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は「妥当」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 象は鼻が長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(05)
① 象は鼻が長く、
② 兎は耳が長く、
③ 馬は顔が長い。
従って、
(05)により、
(06)
(象、兎、馬}であれば、
① 象が鼻が長く(、象以外の鼻は長くない)。
② 兎が耳が長く(、兎以外の鼻は長くない)。
③ 馬が顔が長く(、馬以外の顔は長くない)。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
① AがBである。
② AはBであり、A以外はBでない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(08)
② A以外はBでない。
③ BはAである。
に於いて、
②=③ は「対偶(contraposition)」である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① AがBである。
② AはBであり、A以外はBでない。
③ AはBであり、BはAである。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(09)により、
(10)
① AはBである。
と言はずに、敢へて、
① AがBである。
と言ふのであれば、
② BはAである。
といふ、ことになる。
従って、
(10)により、
(11)
③ 私は大野です。
と言はずに、敢へて、
① 私が大野です。
と言ふのであれば、
② 大野は私です。
といふ、ことになる。
然るに、
(12)
(3) 未知と既知
この組み合わせは次のような場合に現われる。
私が大野です。
これは、「大野さんはどちらですか」というような問いに対する答えとして使われる。つまり文脈において、「大野」なる人物はすでに登場していて既知である。ところが、それが実際にどの人物なのか、その帰属する先が未知である。その未知の対象を「私」と表現して、それをガで承けた。
大野は私です。
に置きかえてもほぼ同じ意味を表わすといえる(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、34頁)。
従って、
(11)(12)により、
(13)
① 私が大野です(私以外は大野ではない)。
② 大野は私です(私以外は大野ではない)。
といふことと、「既知と未知」とは、「関係」が無い。
令和5年4月13日、毛利太。
2023年4月10日月曜日
「相乗平均≦相加平均」の「述語論理」。
(01)
数学の命題は、大抵の場合、定数を表す記号と関数を表す記号と述語記号を定めて、
変数および論理記号を用いて書き表すことができる。
例えば、「正の実数の相乗平均は相加平均以下である」は、
∀x∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)}
と書ける(上江洲忠弘、述語論理入門、2007年、14頁)
然るに、
(02)
(ⅰ)
1 (1)~∀x∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} A
1 (2)∃x~∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} 1量化子の関係
1 (3)∃x∃y~{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} 2量化子の関係
4 (4) ∃y~{(0<a∧0<y)⊃√a・y≦(a+y)} A
5(5) ~{(0<a∧0<b)⊃√a・b≦(a+b)} A
5(6) ~{~(0<a∧0<b)∨√a・b≦(a+b)} 5含意の定義
5(7) (0<a∧0<b)∧~{√a・b≦(a+b) 6ド・モルガンの法則
5(8) (0<a∧0<b) 7∧E
5(9) ~{√a・b≦(a+b) 7∧E
5(ア) √a・b>(a+b) 9DN
5(イ) (0<a∧0<b)∧√a・b>(a+b) 8ア∧I
5(ウ) ∃y{(0<a∧0<y)∧√a・y>(a+y)} イEI
4 (エ) ∃y{(0<a∧0<y)∧√a・y>(a+y)} 45ウEE
4 (オ) ∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)} エEI
1 (カ) ∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)} 14オEE
(ⅱ)
1 (1) ∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)} A
2 (2) ∃y{(0<a∧0<y)∧√a・y>(a+y)} A
3(3) (0<a∧0<b)∧√a・b>(a+b) A
3(4) (0<a∧0<b) 3∧E
3(5) √a・b>(a+b) 3∧E
3(6) ~{√a・b≦(a+b)} 5DN
3(7) (0<a∧0<b)&~{√a・b≦(a+b)} 46∧I
3(8) ~{~(0<a∧0<b)∨√a・b≦(a+b)} 7ド・モルガンの法則
3(9) ~{(0<a∧0<b)⊃√a・b≦(a+b)} 8含意の定義
3(ア) ∃y~{(0<a∧0<y)⊃√a・y≦(a+y)} 9EI
2 (イ) ∃y~{(0<a∧0<y)⊃√a・y≦(a+y)} 23アEE
2 (ウ)∃x∃y~{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} イEI
1 (エ)∃x∃y~{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} 12ウEE
1 (オ)∃x~∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} エ量化子の関係
1 (カ)~∀x∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} オ量化子の関係
従って、
(02)により、
(03)
① ~∀x∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)}
② ∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
① ~~∀x∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)}
② ~∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)により、
(05)
「二重否定律」により、
① ∀x∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)}
② ~∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(05)により、
(06)
①「正の実数の相乗平均は相加平均以下である。」
② ~∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(06)により、
(07)
①「正の実数の相乗平均は相加平均以下である。」
②「正の実数の相乗平均が相加平均以下よりも大きい」といふことは無い。
に於いて、
①=② ある。
令和5年4月10日、毛利太。
数学の命題は、大抵の場合、定数を表す記号と関数を表す記号と述語記号を定めて、
変数および論理記号を用いて書き表すことができる。
例えば、「正の実数の相乗平均は相加平均以下である」は、
∀x∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)}
と書ける(上江洲忠弘、述語論理入門、2007年、14頁)
然るに、
(02)
(ⅰ)
1 (1)~∀x∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} A
1 (2)∃x~∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} 1量化子の関係
1 (3)∃x∃y~{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} 2量化子の関係
4 (4) ∃y~{(0<a∧0<y)⊃√a・y≦(a+y)} A
5(5) ~{(0<a∧0<b)⊃√a・b≦(a+b)} A
5(6) ~{~(0<a∧0<b)∨√a・b≦(a+b)} 5含意の定義
5(7) (0<a∧0<b)∧~{√a・b≦(a+b) 6ド・モルガンの法則
5(8) (0<a∧0<b) 7∧E
5(9) ~{√a・b≦(a+b) 7∧E
5(ア) √a・b>(a+b) 9DN
5(イ) (0<a∧0<b)∧√a・b>(a+b) 8ア∧I
5(ウ) ∃y{(0<a∧0<y)∧√a・y>(a+y)} イEI
4 (エ) ∃y{(0<a∧0<y)∧√a・y>(a+y)} 45ウEE
4 (オ) ∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)} エEI
1 (カ) ∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)} 14オEE
(ⅱ)
1 (1) ∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)} A
2 (2) ∃y{(0<a∧0<y)∧√a・y>(a+y)} A
3(3) (0<a∧0<b)∧√a・b>(a+b) A
3(4) (0<a∧0<b) 3∧E
3(5) √a・b>(a+b) 3∧E
3(6) ~{√a・b≦(a+b)} 5DN
3(7) (0<a∧0<b)&~{√a・b≦(a+b)} 46∧I
3(8) ~{~(0<a∧0<b)∨√a・b≦(a+b)} 7ド・モルガンの法則
3(9) ~{(0<a∧0<b)⊃√a・b≦(a+b)} 8含意の定義
3(ア) ∃y~{(0<a∧0<y)⊃√a・y≦(a+y)} 9EI
2 (イ) ∃y~{(0<a∧0<y)⊃√a・y≦(a+y)} 23アEE
2 (ウ)∃x∃y~{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} イEI
1 (エ)∃x∃y~{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} 12ウEE
1 (オ)∃x~∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} エ量化子の関係
1 (カ)~∀x∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} オ量化子の関係
従って、
(02)により、
(03)
① ~∀x∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)}
② ∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
① ~~∀x∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)}
② ~∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)により、
(05)
「二重否定律」により、
① ∀x∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)}
② ~∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(05)により、
(06)
①「正の実数の相乗平均は相加平均以下である。」
② ~∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(06)により、
(07)
①「正の実数の相乗平均は相加平均以下である。」
②「正の実数の相乗平均が相加平均以下よりも大きい」といふことは無い。
に於いて、
①=② ある。
令和5年4月10日、毛利太。
2023年4月9日日曜日
~∃x∃y(x≠y&Px&Py)≡ ∀x∀y(Px&Py→x=y)
(01)
① ∃x∃y(x≠y&Px&Py)
といふ「論理式」は、
① 性質Pを持つものが「少なくとも2個有る」。
といふ「命題」に「等しい」。
然るに、
(02)
① 少なくとも、2個有る。
といふことは、
① 2個以上有る。
といふことである。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∃x∃y(x≠y&Px&Py)
の「否定」である、
② ~∃x∃y(x≠y&Px&Py)
といふ「論理式」は、
② 性質Pを持つものが「0個か1個しか無い」。
といふ「命題」に「等しい」。
然るに、
(04)
(ⅱ)
1(1)~∃x∃y(x≠y&Px&Py) A
1(2)∀x~∃y(x≠y&Px&Py) 1量化子の関係
1(3)∀x∀y~(x≠y&Px&Py) 2量化子の関係
1(4) ∀y~(a≠y&Pa&Py) 3UE
1(5) ~(a≠b&Pa&Pb) 4UE
1(6) a=b∨~Pa∨~Pb 5ド・モルガンの法則
1(7) a=b∨(~Pa∨~Pb) 6結合法則
1(8) (~Pa∨~Pb)∨a=b 7交換法則
1(9) ~(Pa&Pb)∨a=b 8ド・モルガンの法則
1(ア) Pa&Pb →a=b 9含意の定義
1(イ) ∀y(Pa&Py →a=y) アUI
1(ウ)∀x∀y(Px&Py →x=y) イUI
(ⅲ)
1(1)∀x∀y(Px&Py →x=y) A
1(2) ∀y(Pa&Py →a=y) 1UE
1(3) Pa&Pb →a=b 2UE
1(4) ~(Pa&Pb)∨a=b 3含意の定義
1(5) (~Pa∨~Pb)∨a=b 4ド・モルガンの法則
1(6) a=b∨(~Pa∨~Pb) 5交換法則
1(7) a=b∨~Pa∨~Pb 6結合法則
1(8) ~(a≠b&Pa&Pb) 7ド・モルガンの法則
1(9) ∀y~(a≠y&Pa&Py) 8UI
1(ア)∀x∀y~(x≠y&Px&Py) 9UI
1(イ)∀x~∃y(x≠y&Px&Py) 1量化子の関係
1(ウ)~∃x∃y(x≠y&Px&Py) イ量化子の関係
従って、
(04)により、
(05)
① ~∃x∃y(x≠y&Px&Py)
② ∀x∀y(Px&Py→x=y)
に於いて、すなはち、
① ~∃x∃y(x≠y&Px&Py)
② いかなるxとyであっても(xがPでyもPであるならば、xとyは「等しい」)。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
② ∀x∀y(Px&Py→x=y)⇔
② いかなるxとyであっても(xがPでyもPであるならば、xとyは「等しい」)。
の場合は、「仮言命題」であるため、
②(xがPでyもPである)
といふ「前提」が「偽」であるとしても「真」である。
従って、
(03)(05)(06)により、
(07)
① ∃x∃y(x≠y&Px&Py)
の「否定」である所の、
② ∀x∀y(Px&Py→x=y)⇔
② いかなるxとyであっても(xがPでyもPであるならば、xとyは「等しい」)。
といふ「命題」は、
② 性質Pを持つものが「0個か1個しか無い」。
といふ場合に於いて、「真」になる。
令和5年4月9日、毛利太。
① ∃x∃y(x≠y&Px&Py)
といふ「論理式」は、
① 性質Pを持つものが「少なくとも2個有る」。
といふ「命題」に「等しい」。
然るに、
(02)
① 少なくとも、2個有る。
といふことは、
① 2個以上有る。
といふことである。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∃x∃y(x≠y&Px&Py)
の「否定」である、
② ~∃x∃y(x≠y&Px&Py)
といふ「論理式」は、
② 性質Pを持つものが「0個か1個しか無い」。
といふ「命題」に「等しい」。
然るに、
(04)
(ⅱ)
1(1)~∃x∃y(x≠y&Px&Py) A
1(2)∀x~∃y(x≠y&Px&Py) 1量化子の関係
1(3)∀x∀y~(x≠y&Px&Py) 2量化子の関係
1(4) ∀y~(a≠y&Pa&Py) 3UE
1(5) ~(a≠b&Pa&Pb) 4UE
1(6) a=b∨~Pa∨~Pb 5ド・モルガンの法則
1(7) a=b∨(~Pa∨~Pb) 6結合法則
1(8) (~Pa∨~Pb)∨a=b 7交換法則
1(9) ~(Pa&Pb)∨a=b 8ド・モルガンの法則
1(ア) Pa&Pb →a=b 9含意の定義
1(イ) ∀y(Pa&Py →a=y) アUI
1(ウ)∀x∀y(Px&Py →x=y) イUI
(ⅲ)
1(1)∀x∀y(Px&Py →x=y) A
1(2) ∀y(Pa&Py →a=y) 1UE
1(3) Pa&Pb →a=b 2UE
1(4) ~(Pa&Pb)∨a=b 3含意の定義
1(5) (~Pa∨~Pb)∨a=b 4ド・モルガンの法則
1(6) a=b∨(~Pa∨~Pb) 5交換法則
1(7) a=b∨~Pa∨~Pb 6結合法則
1(8) ~(a≠b&Pa&Pb) 7ド・モルガンの法則
1(9) ∀y~(a≠y&Pa&Py) 8UI
1(ア)∀x∀y~(x≠y&Px&Py) 9UI
1(イ)∀x~∃y(x≠y&Px&Py) 1量化子の関係
1(ウ)~∃x∃y(x≠y&Px&Py) イ量化子の関係
従って、
(04)により、
(05)
① ~∃x∃y(x≠y&Px&Py)
② ∀x∀y(Px&Py→x=y)
に於いて、すなはち、
① ~∃x∃y(x≠y&Px&Py)
② いかなるxとyであっても(xがPでyもPであるならば、xとyは「等しい」)。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
② ∀x∀y(Px&Py→x=y)⇔
② いかなるxとyであっても(xがPでyもPであるならば、xとyは「等しい」)。
の場合は、「仮言命題」であるため、
②(xがPでyもPである)
といふ「前提」が「偽」であるとしても「真」である。
従って、
(03)(05)(06)により、
(07)
① ∃x∃y(x≠y&Px&Py)
の「否定」である所の、
② ∀x∀y(Px&Py→x=y)⇔
② いかなるxとyであっても(xがPでyもPであるならば、xとyは「等しい」)。
といふ「命題」は、
② 性質Pを持つものが「0個か1個しか無い」。
といふ場合に於いて、「真」になる。
令和5年4月9日、毛利太。
「天下英雄唯君与我。」の「述語論理」。
(01)
{変数xの変域}={a,b,c} であるとする。
然るに、
(01)により、
(02)
② ∃x∃y(Px&Py)⇔
②{(Pa&Pa)∨(Pa&Pb)∨(Pa&Pc)}∨{(Pb&Pa)∨(Pb&Pb)∨(Pb&Pc)}∨{(Pc&Pa)∨(Pc&Pb)∨(Pc&Pc)}
然るに、
(03)
① Pa⇔Pa&Pa
②{(Pa&Pa)∨(Pa&Pb)∨(Pa&Pc)}∨{(Pb&Pa)∨(Pb&Pb)∨(Pb&Pc)}∨{(Pc&Pa)∨(Pc&Pb)∨(Pc&Pc)}
に於いて、
① ならば、② である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① Pa
② ∃x∃y(Px&Py)
に於いて、
① ならば、② である。
従って、
(01)(04)により、
(05)
①{a,b,c}の中の、{a}だけが、{Pa}であるとしても、
② ∃x∃y(Px&Py) である。
従って、
(05)により、
(06)
② ∃x∃y(Px&Py)
③ 性質Pを持つものが、少なくとも、二つ有る。
に於いて、
② であるとしても、
③ であるとは、限らない。
然るに、
(07)
② ∃x∃y(Px&Py)
ではなく、
③ ∃x∃y(x≠y&Px&Py)
であるならば、
②{(Pa&Pa)∨(Pa&Pb)∨(Pa&Pc)}∨{(Pb&Pa)∨(Pb&Pb)∨(Pb&Pc)}∨{(Pc&Pa)∨(Pc&Pb)∨(Pc&Pc)}
ではなく、
③{(Pa&Pb)∨(Pa&Pc)}∨{(Pb&Pa)∨(Pb&Pc)}∨{(Pc&Pa)∨(Pc&Pb)}
である。
然るに、
(08)
③{(Pa&Pb)∨(Pa&Pc)}∨{(Pb&Pa)∨(Pb&Pc)}∨{(Pc&Pa)∨(Pc&Pb)}
であるならば、
③ 性質Pを持つものが、少なくとも、二つ有る。
従って、
(07)(08)により、
(09)
③ ∃x∃y(x≠y&Px&Py)
といふ「命題」は、
③ 性質Pを持つものが、少なくとも、二つ有る。
といふ「命題」に「等しい」。
然るに、
(10)
(ⅳ)
1 (1)∀z(Pz→ z=x∨z=y) A
1 (2) Pa→ a=x∨a=y A
3(3) a≠x&a≠y A
3(4) ~(a=x∨a=y) 3ド・モルガンの法則
13(5) ~Pa 24MTT
1 (6) a≠x&a≠y→~Pa 35CP
1 (7)∀z(z≠x&z≠y→~Pz) 6UI
(ⅴ)
1 (1)∀z(z≠x&z≠y→~Pz) A
1 (2) a≠x&a≠y→~Pa 1UE
3(3) Pa A
3(4) ~~Pa 3DN
13(5) ~(a=x∨a=y) 14MTT
13(6) a≠x&a≠y 5ド・モルガンの法則
1 (7) Pa→ a=x∨a=y 36CP
1 (8)∀z(Pz→ z=x∨z=y) 7UI
従って、
(11)
④ ∀z(Pz→ z=x∨z=y)
⑤ ∀z(z≠x&z≠y→~Pz)
に於いて、すなはち、
④ すべてのzについて(zがPであるならば、zはxであるか、または、zはyである)。
⑤ すべてのzについて(zがxではなく、 zがyでもないならば、zはPではない)。
に於いて、
④=⑤ である。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
④ ∃x∃y{x≠y&Px&Py&∀z(Pz→z=x∨z=y)}
といふ「命題」は、
④ 性質Pを持つものが、少なくとも、二つ有るが、その二つ以外にはない。
といふ「命題」、すなはち、
④ 性質Pを持つものが、ちょうど二つだけある。
といふ「命題」に、「等しい」。
従って、
(01)~(12)により、
(13)
例題1.5. 「性質Pを持つものが、二つだけある。」という主張を記号を用いて表せ。
[別解] ∃x∃y{x≠y&Px&Py&∀z(Pz→z=x∨z=y)}
(上江洲忠弘、述語論理入門、2007年、9頁)
に於ける、[別解]は、「正しい」。
従って、
(13)により、
(14)
⑤ ∃x∃y{x≠y&君x&我y&天下英雄x&天下英雄y&∀z(天下英雄z→z=x∨z=y)}
といふ「命題」は、
⑤ あるxは君であり、あるyは我であり、xは天下の英雄であり、yは天下の英雄であり、天下の英雄は、他にはゐない。
といふ「命題」に、「等しい」。
従って、
(14)により、
(15)
⑤ 天下英雄唯君与我(天下の英雄は唯、君と我のみ)。
といふ「漢文」は、
⑤ ∃x∃y{x≠y&君x&我y&天下英雄x&天下英雄y&∀z(天下英雄z→z=x∨z=y)}
といふ「述語論理式」に、「等しい」。
令和5年4月9日、毛利太。
{変数xの変域}={a,b,c} であるとする。
然るに、
(01)により、
(02)
② ∃x∃y(Px&Py)⇔
②{(Pa&Pa)∨(Pa&Pb)∨(Pa&Pc)}∨{(Pb&Pa)∨(Pb&Pb)∨(Pb&Pc)}∨{(Pc&Pa)∨(Pc&Pb)∨(Pc&Pc)}
然るに、
(03)
① Pa⇔Pa&Pa
②{(Pa&Pa)∨(Pa&Pb)∨(Pa&Pc)}∨{(Pb&Pa)∨(Pb&Pb)∨(Pb&Pc)}∨{(Pc&Pa)∨(Pc&Pb)∨(Pc&Pc)}
に於いて、
① ならば、② である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① Pa
② ∃x∃y(Px&Py)
に於いて、
① ならば、② である。
従って、
(01)(04)により、
(05)
①{a,b,c}の中の、{a}だけが、{Pa}であるとしても、
② ∃x∃y(Px&Py) である。
従って、
(05)により、
(06)
② ∃x∃y(Px&Py)
③ 性質Pを持つものが、少なくとも、二つ有る。
に於いて、
② であるとしても、
③ であるとは、限らない。
然るに、
(07)
② ∃x∃y(Px&Py)
ではなく、
③ ∃x∃y(x≠y&Px&Py)
であるならば、
②{(Pa&Pa)∨(Pa&Pb)∨(Pa&Pc)}∨{(Pb&Pa)∨(Pb&Pb)∨(Pb&Pc)}∨{(Pc&Pa)∨(Pc&Pb)∨(Pc&Pc)}
ではなく、
③{(Pa&Pb)∨(Pa&Pc)}∨{(Pb&Pa)∨(Pb&Pc)}∨{(Pc&Pa)∨(Pc&Pb)}
である。
然るに、
(08)
③{(Pa&Pb)∨(Pa&Pc)}∨{(Pb&Pa)∨(Pb&Pc)}∨{(Pc&Pa)∨(Pc&Pb)}
であるならば、
③ 性質Pを持つものが、少なくとも、二つ有る。
従って、
(07)(08)により、
(09)
③ ∃x∃y(x≠y&Px&Py)
といふ「命題」は、
③ 性質Pを持つものが、少なくとも、二つ有る。
といふ「命題」に「等しい」。
然るに、
(10)
(ⅳ)
1 (1)∀z(Pz→ z=x∨z=y) A
1 (2) Pa→ a=x∨a=y A
3(3) a≠x&a≠y A
3(4) ~(a=x∨a=y) 3ド・モルガンの法則
13(5) ~Pa 24MTT
1 (6) a≠x&a≠y→~Pa 35CP
1 (7)∀z(z≠x&z≠y→~Pz) 6UI
(ⅴ)
1 (1)∀z(z≠x&z≠y→~Pz) A
1 (2) a≠x&a≠y→~Pa 1UE
3(3) Pa A
3(4) ~~Pa 3DN
13(5) ~(a=x∨a=y) 14MTT
13(6) a≠x&a≠y 5ド・モルガンの法則
1 (7) Pa→ a=x∨a=y 36CP
1 (8)∀z(Pz→ z=x∨z=y) 7UI
従って、
(11)
④ ∀z(Pz→ z=x∨z=y)
⑤ ∀z(z≠x&z≠y→~Pz)
に於いて、すなはち、
④ すべてのzについて(zがPであるならば、zはxであるか、または、zはyである)。
⑤ すべてのzについて(zがxではなく、 zがyでもないならば、zはPではない)。
に於いて、
④=⑤ である。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
④ ∃x∃y{x≠y&Px&Py&∀z(Pz→z=x∨z=y)}
といふ「命題」は、
④ 性質Pを持つものが、少なくとも、二つ有るが、その二つ以外にはない。
といふ「命題」、すなはち、
④ 性質Pを持つものが、ちょうど二つだけある。
といふ「命題」に、「等しい」。
従って、
(01)~(12)により、
(13)
例題1.5. 「性質Pを持つものが、二つだけある。」という主張を記号を用いて表せ。
[別解] ∃x∃y{x≠y&Px&Py&∀z(Pz→z=x∨z=y)}
(上江洲忠弘、述語論理入門、2007年、9頁)
に於ける、[別解]は、「正しい」。
従って、
(13)により、
(14)
⑤ ∃x∃y{x≠y&君x&我y&天下英雄x&天下英雄y&∀z(天下英雄z→z=x∨z=y)}
といふ「命題」は、
⑤ あるxは君であり、あるyは我であり、xは天下の英雄であり、yは天下の英雄であり、天下の英雄は、他にはゐない。
といふ「命題」に、「等しい」。
従って、
(14)により、
(15)
⑤ 天下英雄唯君与我(天下の英雄は唯、君と我のみ)。
といふ「漢文」は、
⑤ ∃x∃y{x≠y&君x&我y&天下英雄x&天下英雄y&∀z(天下英雄z→z=x∨z=y)}
といふ「述語論理式」に、「等しい」。
令和5年4月9日、毛利太。
2023年4月7日金曜日
「ド・モルガンの法則」と「二畳庵主人」の「誤訳(藤文公章句上 五十一節)」について。
(01)
遂に出た!二畳庵主人『漢文法基礎』
まだ現物を見ていませんが、幻の書と言われた漢文の解説本が復刊されました。
2chの漢文参考書スレには必ずといっていいほど登場する本。
そして古本では必ず1万円以上する!!
というのも、いわゆる受験参考書だったために一般に流布せず、従って、国会図書館にも蔵書がなければ、地域や大学図書館などにもほぼ蔵書がないというものでした。扱いとしては図録と同じですね。でも、最近は図録は図書館でも見かけるようになりました。知る人ぞ知る、『漢文法基礎』です。久々に「買い」の本が出ましたよ。本は買わない宣言しちゃいましたが、今年はこの1冊だけ買って打ち止めにしようとすら思ってます。たぶんあまり数を刷っていないででしょうから、学術文庫版も早晩、品切れになるかと思われます。買うなら今です(古田島洋介、FC2ブログ、古代中国箚記)。
然るに、
(02)
豈以為非是、而不貴也。
この傍線部分をどう読むかが問題である。
― 中略、―
「以為」は、ふつうなら「もって・・・・・となす」と読み、要するに「おもう、おもえらく」と同じことだから、全体的にはさして重要なことばではない。
そこで代数でいこう。「是」をa、「貴」をbとする。「豈」はどうなるかというと、これは反語表現マイナスで表せる。すると、
① -(-a)+(-b)、
② -(-a-b) の二つが考えられる。
そこで括弧を解いてみよう。
① の場合、a-b となり、a・bにもとの意味を入れてみると「是、而不貴」である。訳してみると「(薄葬を)よろしいと考えるが、(薄葬を)尊重しない」というわけのわからないことになってしまって、アウト。
② の場合、-(-a-b)=a+b となるから「是、而貴」となる。訳してみると「(薄葬を)よろしいと考えて、尊重している」となって、墨家の立場をはっきりしめすことになる。
だからこの文章の場合、必ず②のように、「豈」(反語表現だから「不」は全体にかからねばならない。
(二畳庵主人、漢文法基礎、1984年10月、326・327頁)
従って、
(01)(02)により、
(03)
『(知る人ぞ知る)漢文法基礎』によると、
① 豈(非是而不貴)
② ( 是而 貴)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(02)により、
(04)
① 豈(非是而不貴)
に於いて、
豈=否定(~)
非=否定(~)
不=否定(~)
而=&
従って、
(03)(04)により、
(05)
『(知る人ぞ知る)漢文法基礎』によると、
① ~(~是&~貴)
② ( 是& 貴)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
(ⅱ)
1 (1) 是& 貴 A
2 (2) ~是∨~貴 A
3 (3) ~是 A
1 (4) 是 1&E
1 3 (5) ~是& 是 34&I
3 (6) ~(是& 貴) 1RAA
7(7) ~貴 A
1 (8) 貴 1&E
1 7(9) ~貴&貴 78&I
7(ア) ~(是& 貴) 79RAA
2 (イ) ~(是& 貴) 2367ア∨E
12 (ウ) (是& 貴)&
~(是& 貴) 1イ&I
1 (エ)~(~是∨~貴) 2ウRAA
(ⅲ)
1 (1)~(~是∨~貴) A
2 (2) ~(是& 貴) A
3 (3) ~是 A
3 (4) ~是∨~貴 3∨I
1 3 (5)~(~是∨~貴)&
(~是∨~貴) 14&I
1 (6) ~~是 35RAA
1 (7) 是 6DN
8(8) ~貴 8
8(9) ~是∨~貴 8∨I
1 8(ア)~(~是∨~貴)&
(~是∨~貴) 19&I
1 (イ) ~~貴 8アRAA
1 (ウ) 貴 イDN
1 (エ) 是& 貴 7ウ&I
12 (オ) ~(是& 貴)&
(是& 貴) 2エ&I
1 (カ)~~(是& 貴) 2オRAA
1 (キ) 是& 貴 カDN
従って、
(06)により、
(07)
② 是& 貴
③ ~(~是∨~貴)
に於いて、
②=③ は、「ド・モルガンの法則」である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① ~(~是&~貴)
② ( 是& 貴)
③ ~(~是∨~貴)
に於いて、
①=② は『(知る人ぞ知る)漢文法基礎』 であって、
②=③ は『(有名な)ド・モルガンの法則』である。
然るに、
(08)により、
(09)
① ~(~是&~貴)
② ( 是& 貴)
③ ~(~是∨~貴)
に於いて、
①=② であって、
②=③ であるとすれば、
① ~(~是&~貴)
③ ~(~是∨~貴)
に於いて、
①=③ である。
然るに、
(10)
① ~(~是&~貴)
③ ~(~是∨~貴)
に於いて、
① は「連言(&)の否定」であって、
③ は「選言(∨)の否定」である。
従って、
(10)により、
(11)
① ~(~是&~貴)
③ ~(~是∨~貴)
に於いて、
①=③ ではなく、
①≠③ である。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
① ~(~是&~貴)
② ( 是& 貴)
③ ~(~是∨~貴)
に於いて、
①≠③ であって、
③=② は、「ド・モルガンの法則」であるため、
①≠② である。
従って、
(02)~(12)により、
(13)
豈以為非是、而不貴也。
この傍線部分をどう読むかが問題である。
① -(-a)+(-b)、
② -(-a-b) の二つが考えられる。
② の場合、-(-a-b)=a+b となるから「是、而貴」となる。訳してみると「(薄葬を)よろしいと考えて、尊重している」となって、墨家の立場をはっきりしめすことになる。
といふ「解釈」は、「ド・モルガンの法則」からすると、『誤解』である。
然るに、
(14)
(ⅰ)
1 (1)~(~是&~貴) A
2 (2) ~貴 A
3(3) ~是 A
23(4) ~是&~貴 23&I
123(5)~(~是&~貴)&
(~是&~貴) 14&I
12 (6) ~~是 35RAA
12 (7) 是 6DN
1 (8) ~貴→ 是 27CP
(ⅱ)
1 (1) ~貴→ 是 A
2 (2) ~是&~貴 A
2 (3) ~貴 2&E
12 (4) 是 13MPP
2 (5) ~是 2&E
12 (6) ~是& 是 45&I
1 (7)~(~是&~貴) 26RAA
従って、
(14)により、
(15)
① ~(~是&~貴)
② ~貴→ 是
に於いて、
①=② は、「含意の定義」である。
従って、
(04)(15)により、
(16)
① 豈〔非(是)而不(貴)〕也。
② 不(貴)則為(是)也。
に於いて、すなはち、
① 豈に、是に非ずとして、貴ばざらんや。
② 貴ばずんば、則ち、是と為すなり。
に於いて、すなはち、
① どうして、正しくないとして、貴ばないことがあらうか。
② 貴ばないとしたら、正しいとしてゐるのである。
に於いて、
①=② であるが、これだけでは、「分けがわからない」。
然るに、
(17)
吾聞夷子墨者。墨之治喪也、以薄為其道也。夷子思以易天下。豈以為非是而不貴也。然而夷子葬其親厚。則是以所賤事親也=
吾聞夷子墨者。墨之治(喪)也、以(薄)為(其道)也。夷子思〔以易(天下)〕。豈以為〔非(是)〕而不(貴)也。然而夷子葬(其親)厚。則是以〔所(賤)〕事(親)也=
吾聞く、夷子は墨者なり。墨の喪を治むるや、薄きを以て其の道と為す。夷子は以て天下を易へんと思ふ。豈に以て是に非ずと為して貴ばざらんや。然り而して夷子は其の親を葬ること厚し、と。則ち是れ賤しむ所を以て親に事ふるなり。
(『孟子』巻第五藤文公章句上 五十一節)
従って、
(16)(17)により、
(18)
「薄葬」=「墨子の主義」
「厚葬」=「孟子の主義」
であるとして、
① どうして、正しくないとして、貴ばないことがあらうか。
②(墨子の主義を)貴ばないとしたら、(孟子の主義を)正しいとしてゐるのである。
に於いて、
①=② であるならば、「意味が分かる」。
令和5年4月8日、毛利太。
遂に出た!二畳庵主人『漢文法基礎』
まだ現物を見ていませんが、幻の書と言われた漢文の解説本が復刊されました。
2chの漢文参考書スレには必ずといっていいほど登場する本。
そして古本では必ず1万円以上する!!
というのも、いわゆる受験参考書だったために一般に流布せず、従って、国会図書館にも蔵書がなければ、地域や大学図書館などにもほぼ蔵書がないというものでした。扱いとしては図録と同じですね。でも、最近は図録は図書館でも見かけるようになりました。知る人ぞ知る、『漢文法基礎』です。久々に「買い」の本が出ましたよ。本は買わない宣言しちゃいましたが、今年はこの1冊だけ買って打ち止めにしようとすら思ってます。たぶんあまり数を刷っていないででしょうから、学術文庫版も早晩、品切れになるかと思われます。買うなら今です(古田島洋介、FC2ブログ、古代中国箚記)。
然るに、
(02)
豈以為非是、而不貴也。
この傍線部分をどう読むかが問題である。
― 中略、―
「以為」は、ふつうなら「もって・・・・・となす」と読み、要するに「おもう、おもえらく」と同じことだから、全体的にはさして重要なことばではない。
そこで代数でいこう。「是」をa、「貴」をbとする。「豈」はどうなるかというと、これは反語表現マイナスで表せる。すると、
① -(-a)+(-b)、
② -(-a-b) の二つが考えられる。
そこで括弧を解いてみよう。
① の場合、a-b となり、a・bにもとの意味を入れてみると「是、而不貴」である。訳してみると「(薄葬を)よろしいと考えるが、(薄葬を)尊重しない」というわけのわからないことになってしまって、アウト。
② の場合、-(-a-b)=a+b となるから「是、而貴」となる。訳してみると「(薄葬を)よろしいと考えて、尊重している」となって、墨家の立場をはっきりしめすことになる。
だからこの文章の場合、必ず②のように、「豈」(反語表現だから「不」は全体にかからねばならない。
(二畳庵主人、漢文法基礎、1984年10月、326・327頁)
従って、
(01)(02)により、
(03)
『(知る人ぞ知る)漢文法基礎』によると、
① 豈(非是而不貴)
② ( 是而 貴)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(02)により、
(04)
① 豈(非是而不貴)
に於いて、
豈=否定(~)
非=否定(~)
不=否定(~)
而=&
従って、
(03)(04)により、
(05)
『(知る人ぞ知る)漢文法基礎』によると、
① ~(~是&~貴)
② ( 是& 貴)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
(ⅱ)
1 (1) 是& 貴 A
2 (2) ~是∨~貴 A
3 (3) ~是 A
1 (4) 是 1&E
1 3 (5) ~是& 是 34&I
3 (6) ~(是& 貴) 1RAA
7(7) ~貴 A
1 (8) 貴 1&E
1 7(9) ~貴&貴 78&I
7(ア) ~(是& 貴) 79RAA
2 (イ) ~(是& 貴) 2367ア∨E
12 (ウ) (是& 貴)&
~(是& 貴) 1イ&I
1 (エ)~(~是∨~貴) 2ウRAA
(ⅲ)
1 (1)~(~是∨~貴) A
2 (2) ~(是& 貴) A
3 (3) ~是 A
3 (4) ~是∨~貴 3∨I
1 3 (5)~(~是∨~貴)&
(~是∨~貴) 14&I
1 (6) ~~是 35RAA
1 (7) 是 6DN
8(8) ~貴 8
8(9) ~是∨~貴 8∨I
1 8(ア)~(~是∨~貴)&
(~是∨~貴) 19&I
1 (イ) ~~貴 8アRAA
1 (ウ) 貴 イDN
1 (エ) 是& 貴 7ウ&I
12 (オ) ~(是& 貴)&
(是& 貴) 2エ&I
1 (カ)~~(是& 貴) 2オRAA
1 (キ) 是& 貴 カDN
従って、
(06)により、
(07)
② 是& 貴
③ ~(~是∨~貴)
に於いて、
②=③ は、「ド・モルガンの法則」である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① ~(~是&~貴)
② ( 是& 貴)
③ ~(~是∨~貴)
に於いて、
①=② は『(知る人ぞ知る)漢文法基礎』 であって、
②=③ は『(有名な)ド・モルガンの法則』である。
然るに、
(08)により、
(09)
① ~(~是&~貴)
② ( 是& 貴)
③ ~(~是∨~貴)
に於いて、
①=② であって、
②=③ であるとすれば、
① ~(~是&~貴)
③ ~(~是∨~貴)
に於いて、
①=③ である。
然るに、
(10)
① ~(~是&~貴)
③ ~(~是∨~貴)
に於いて、
① は「連言(&)の否定」であって、
③ は「選言(∨)の否定」である。
従って、
(10)により、
(11)
① ~(~是&~貴)
③ ~(~是∨~貴)
に於いて、
①=③ ではなく、
①≠③ である。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
① ~(~是&~貴)
② ( 是& 貴)
③ ~(~是∨~貴)
に於いて、
①≠③ であって、
③=② は、「ド・モルガンの法則」であるため、
①≠② である。
従って、
(02)~(12)により、
(13)
豈以為非是、而不貴也。
この傍線部分をどう読むかが問題である。
① -(-a)+(-b)、
② -(-a-b) の二つが考えられる。
② の場合、-(-a-b)=a+b となるから「是、而貴」となる。訳してみると「(薄葬を)よろしいと考えて、尊重している」となって、墨家の立場をはっきりしめすことになる。
といふ「解釈」は、「ド・モルガンの法則」からすると、『誤解』である。
然るに、
(14)
(ⅰ)
1 (1)~(~是&~貴) A
2 (2) ~貴 A
3(3) ~是 A
23(4) ~是&~貴 23&I
123(5)~(~是&~貴)&
(~是&~貴) 14&I
12 (6) ~~是 35RAA
12 (7) 是 6DN
1 (8) ~貴→ 是 27CP
(ⅱ)
1 (1) ~貴→ 是 A
2 (2) ~是&~貴 A
2 (3) ~貴 2&E
12 (4) 是 13MPP
2 (5) ~是 2&E
12 (6) ~是& 是 45&I
1 (7)~(~是&~貴) 26RAA
従って、
(14)により、
(15)
① ~(~是&~貴)
② ~貴→ 是
に於いて、
①=② は、「含意の定義」である。
従って、
(04)(15)により、
(16)
① 豈〔非(是)而不(貴)〕也。
② 不(貴)則為(是)也。
に於いて、すなはち、
① 豈に、是に非ずとして、貴ばざらんや。
② 貴ばずんば、則ち、是と為すなり。
に於いて、すなはち、
① どうして、正しくないとして、貴ばないことがあらうか。
② 貴ばないとしたら、正しいとしてゐるのである。
に於いて、
①=② であるが、これだけでは、「分けがわからない」。
然るに、
(17)
吾聞夷子墨者。墨之治喪也、以薄為其道也。夷子思以易天下。豈以為非是而不貴也。然而夷子葬其親厚。則是以所賤事親也=
吾聞夷子墨者。墨之治(喪)也、以(薄)為(其道)也。夷子思〔以易(天下)〕。豈以為〔非(是)〕而不(貴)也。然而夷子葬(其親)厚。則是以〔所(賤)〕事(親)也=
吾聞く、夷子は墨者なり。墨の喪を治むるや、薄きを以て其の道と為す。夷子は以て天下を易へんと思ふ。豈に以て是に非ずと為して貴ばざらんや。然り而して夷子は其の親を葬ること厚し、と。則ち是れ賤しむ所を以て親に事ふるなり。
(『孟子』巻第五藤文公章句上 五十一節)
従って、
(16)(17)により、
(18)
「薄葬」=「墨子の主義」
「厚葬」=「孟子の主義」
であるとして、
① どうして、正しくないとして、貴ばないことがあらうか。
②(墨子の主義を)貴ばないとしたら、(孟子の主義を)正しいとしてゐるのである。
に於いて、
①=② であるならば、「意味が分かる」。
令和5年4月8日、毛利太。
2023年4月6日木曜日
不[有〔人而不(死)〕]≡~∃x(人x&~死x)
(01)
(ⅰ)
1 (1)~∃x(人x&~死x) A
1 (2)∀x~(人x&~死x) 1量化子の関係
1 (3) ~(人a&~死a) 1UE
4 (4) 人a A
5(5) ~死a A
45(6) 人a&~死a 45&I
145(7) ~(人a&~死a)&
(人a&~死a)
14 (8) ~~死a 57RAA
14 (9) 死a 8DN
1 (ア) 人a→ 死a 49CP
1 (イ) ∀x(人x→ 死x) アUI
(ⅱ)
1 (1) ∀x(人x→ 死x) A
2 (2) ∃x(人x&~死x) A
3 (3) 人a&~死a A
4 (4) 人a→ 死a A
3 (5) 人a 3&E
34 (6) 死a 45MPP
3 (7) ~死a 3&E
34 (8) 死a&~死a 67&I
3 (9) ~(人a→ 死a) 48RAA
3 (ア)∃x~(人x→ 死x) 3EI
2 (イ)∃x~(人x→ 死x) 23AEE
2 (ウ)~∀x(人x→ 死x) イ量化子の関係
12 (エ) ∀x(人x→ 死x)&
~∀x(人x→ 死x) 1ウ&I
1 (オ)~∃x(人x&~死x) 2エRAA
従って、
(01)により、
(02)
① ~∃x(人x&~死x)
② ∀x(人x→ 死x)
に於いて、すなはち、
①(人であるxで、死なないxは)存在しない。
② すべてのxについて(xが人ならば、xは死ぬ)。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
③ 不レ有二人而不一レ死=
③ 不[有〔人而不(死)〕]⇒
③ [〔人而(死)不〕有]不=
③ [〔人にして(死せ)不る〕有ら]不=
③ [〔人であって(死な)ない者は〕ゐ]ない。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① ~∃x(人x&~死x)
② ∀x(人x→ 死x)
③ 不[有〔人而不(死)〕]
に於いて、
①=②=③ である。
令和5年4月6日、毛利太。
(ⅰ)
1 (1)~∃x(人x&~死x) A
1 (2)∀x~(人x&~死x) 1量化子の関係
1 (3) ~(人a&~死a) 1UE
4 (4) 人a A
5(5) ~死a A
45(6) 人a&~死a 45&I
145(7) ~(人a&~死a)&
(人a&~死a)
14 (8) ~~死a 57RAA
14 (9) 死a 8DN
1 (ア) 人a→ 死a 49CP
1 (イ) ∀x(人x→ 死x) アUI
(ⅱ)
1 (1) ∀x(人x→ 死x) A
2 (2) ∃x(人x&~死x) A
3 (3) 人a&~死a A
4 (4) 人a→ 死a A
3 (5) 人a 3&E
34 (6) 死a 45MPP
3 (7) ~死a 3&E
34 (8) 死a&~死a 67&I
3 (9) ~(人a→ 死a) 48RAA
3 (ア)∃x~(人x→ 死x) 3EI
2 (イ)∃x~(人x→ 死x) 23AEE
2 (ウ)~∀x(人x→ 死x) イ量化子の関係
12 (エ) ∀x(人x→ 死x)&
~∀x(人x→ 死x) 1ウ&I
1 (オ)~∃x(人x&~死x) 2エRAA
従って、
(01)により、
(02)
① ~∃x(人x&~死x)
② ∀x(人x→ 死x)
に於いて、すなはち、
①(人であるxで、死なないxは)存在しない。
② すべてのxについて(xが人ならば、xは死ぬ)。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
③ 不レ有二人而不一レ死=
③ 不[有〔人而不(死)〕]⇒
③ [〔人而(死)不〕有]不=
③ [〔人にして(死せ)不る〕有ら]不=
③ [〔人であって(死な)ない者は〕ゐ]ない。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① ~∃x(人x&~死x)
② ∀x(人x→ 死x)
③ 不[有〔人而不(死)〕]
に於いて、
①=②=③ である。
令和5年4月6日、毛利太。
2023年4月2日日曜日
「日本人以外はマスクをしていない。」の「述語論理」。
(01)
1 (1) ∀x{マスクx→(x=t)∨(x=h)} A
1 (2) マスクa→(a=t)∨(a=h) 1UE
3 (3) 日本人t&日本人h A
4 (4) マスクa A
1 4 (5) (a=t)∨(a=h) 24MPP
6 (6) a=t A
3 (7) 日本人t 3&E
3 6 (8) 日本人a 67=E
9 (9) a=h A
3 (ア) 日本人h 3&E
3 9 (イ) 日本人a 9ア=E
134 (ウ) 日本人a 5689イ∨E
13 (エ) マスクa→日本人a 4ウCP
オ(オ) ~日本人a A
13 オ(カ) ~マスクa エオMTT
13 (キ) ~日本人a→~マスクa オカCP
13 (ク)∀x(~日本人x→~マスクx) キUI
従って、
(02)
t=太郎。
h=花子。
マスク=マスクをする。
日本人=日本人である。
として、
① ∀x{マスクx→(x=t)∨(x=h)}。然るに、
② 日本人t&日本人h、従って、
③ ∀x(~日本人x→~マスクx)。
という「推論」、すなわち、
① すべてのxについて{xがマスクをしているならば(xは太郎か、xは花子である)}。然るに、
② 太郎は日本人であって、花子も日本人である。従って、
③ すべてのxについて(xが日本人でないならば、xはマスクをしていない)。
という「推論」は「妥当」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 誰かがマスクをしているとすれば、その誰かとは、太郎か花子である。然るに、
② 太郎は日本人であって、花子も日本人である。従って、
③ 日本人以外は、マスクをしていない。
という「推論」は、「日本語」としてだけでなく、「述語論理」としても、「妥当」である。
然るに、
(04)
「述語論理」ならぬ「命題論理」の場合は、
「命題の内部構造(Internal structure)」を扱うことが出来ないため、「命題論理」では、
① 誰かがマスクをしているとすれば、その誰かとは、太郎か花子である。然るに、
② 太郎は日本人であって、花子も日本人である。従って、
③ 日本人以外は、マスクをしていない。
というような「推論」の「妥当性」を「示す」ことは、出来ない。
(05)
「述語論理」は、「言語」と言うのに、「相応しい」が、
「命題論理」は、「言語」と言うには、「力不足」である。
令和5年4月2日、毛利太。
1 (1) ∀x{マスクx→(x=t)∨(x=h)} A
1 (2) マスクa→(a=t)∨(a=h) 1UE
3 (3) 日本人t&日本人h A
4 (4) マスクa A
1 4 (5) (a=t)∨(a=h) 24MPP
6 (6) a=t A
3 (7) 日本人t 3&E
3 6 (8) 日本人a 67=E
9 (9) a=h A
3 (ア) 日本人h 3&E
3 9 (イ) 日本人a 9ア=E
134 (ウ) 日本人a 5689イ∨E
13 (エ) マスクa→日本人a 4ウCP
オ(オ) ~日本人a A
13 オ(カ) ~マスクa エオMTT
13 (キ) ~日本人a→~マスクa オカCP
13 (ク)∀x(~日本人x→~マスクx) キUI
従って、
(02)
t=太郎。
h=花子。
マスク=マスクをする。
日本人=日本人である。
として、
① ∀x{マスクx→(x=t)∨(x=h)}。然るに、
② 日本人t&日本人h、従って、
③ ∀x(~日本人x→~マスクx)。
という「推論」、すなわち、
① すべてのxについて{xがマスクをしているならば(xは太郎か、xは花子である)}。然るに、
② 太郎は日本人であって、花子も日本人である。従って、
③ すべてのxについて(xが日本人でないならば、xはマスクをしていない)。
という「推論」は「妥当」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 誰かがマスクをしているとすれば、その誰かとは、太郎か花子である。然るに、
② 太郎は日本人であって、花子も日本人である。従って、
③ 日本人以外は、マスクをしていない。
という「推論」は、「日本語」としてだけでなく、「述語論理」としても、「妥当」である。
然るに、
(04)
「述語論理」ならぬ「命題論理」の場合は、
「命題の内部構造(Internal structure)」を扱うことが出来ないため、「命題論理」では、
① 誰かがマスクをしているとすれば、その誰かとは、太郎か花子である。然るに、
② 太郎は日本人であって、花子も日本人である。従って、
③ 日本人以外は、マスクをしていない。
というような「推論」の「妥当性」を「示す」ことは、出来ない。
(05)
「述語論理」は、「言語」と言うのに、「相応しい」が、
「命題論理」は、「言語」と言うには、「力不足」である。
令和5年4月2日、毛利太。
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