(01)
数学の命題は、大抵の場合、定数を表す記号と関数を表す記号と述語記号を定めて、
変数および論理記号を用いて書き表すことができる。
例えば、「正の実数の相乗平均は相加平均以下である」は、
∀x∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)}
と書ける(上江洲忠弘、述語論理入門、2007年、14頁)
然るに、
(02)
(ⅰ)
1 (1)~∀x∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} A
1 (2)∃x~∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} 1量化子の関係
1 (3)∃x∃y~{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} 2量化子の関係
4 (4) ∃y~{(0<a∧0<y)⊃√a・y≦(a+y)} A
5(5) ~{(0<a∧0<b)⊃√a・b≦(a+b)} A
5(6) ~{~(0<a∧0<b)∨√a・b≦(a+b)} 5含意の定義
5(7) (0<a∧0<b)∧~{√a・b≦(a+b) 6ド・モルガンの法則
5(8) (0<a∧0<b) 7∧E
5(9) ~{√a・b≦(a+b) 7∧E
5(ア) √a・b>(a+b) 9DN
5(イ) (0<a∧0<b)∧√a・b>(a+b) 8ア∧I
5(ウ) ∃y{(0<a∧0<y)∧√a・y>(a+y)} イEI
4 (エ) ∃y{(0<a∧0<y)∧√a・y>(a+y)} 45ウEE
4 (オ) ∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)} エEI
1 (カ) ∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)} 14オEE
(ⅱ)
1 (1) ∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)} A
2 (2) ∃y{(0<a∧0<y)∧√a・y>(a+y)} A
3(3) (0<a∧0<b)∧√a・b>(a+b) A
3(4) (0<a∧0<b) 3∧E
3(5) √a・b>(a+b) 3∧E
3(6) ~{√a・b≦(a+b)} 5DN
3(7) (0<a∧0<b)&~{√a・b≦(a+b)} 46∧I
3(8) ~{~(0<a∧0<b)∨√a・b≦(a+b)} 7ド・モルガンの法則
3(9) ~{(0<a∧0<b)⊃√a・b≦(a+b)} 8含意の定義
3(ア) ∃y~{(0<a∧0<y)⊃√a・y≦(a+y)} 9EI
2 (イ) ∃y~{(0<a∧0<y)⊃√a・y≦(a+y)} 23アEE
2 (ウ)∃x∃y~{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} イEI
1 (エ)∃x∃y~{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} 12ウEE
1 (オ)∃x~∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} エ量化子の関係
1 (カ)~∀x∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)} オ量化子の関係
従って、
(02)により、
(03)
① ~∀x∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)}
② ∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
① ~~∀x∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)}
② ~∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)により、
(05)
「二重否定律」により、
① ∀x∀y{(0<x∧0<y)⊃√x・y≦(x+y)}
② ~∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(05)により、
(06)
①「正の実数の相乗平均は相加平均以下である。」
② ~∃x∃y{(0<x∧0<y)∧√x・y>(x+y)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(06)により、
(07)
①「正の実数の相乗平均は相加平均以下である。」
②「正の実数の相乗平均が相加平均以下よりも大きい」といふことは無い。
に於いて、
①=② ある。
令和5年4月10日、毛利太。
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