2023年4月22日土曜日

「タゴール記念会は、私と彼が理事です(理事は私と彼です)。」の「述語論理」(Ⅱ)。

(01)
(ⅰ)
1 (1)  ∀x∀y(Fx&Fy→ x=y)  A
1 (2)    ∀y(Fa&Fy→ a=y)  1UE
1 (3)       Fa&Fb→ a=b   2UE
 4(4)   ~(~Fa∨~Fb)       A
 4(5)       Fa&Fb        4ド・モルガンの法則
14(6)              a=b   35MPP
1 (7)   ~(~Fa∨~Fb)→a=b   46CP
1 (8)     ~Fa∨~Fb∨(a=b)  7含意の定義
1 (9)  ∀y{~Fa∨~Fy∨(a=y)} 8UI
1 (ア)∀x∀y{~Fx∨~Fy∨(x=y)} 9UI
(ⅱ)
1 (1)∀x∀y{~Fx∨~Fy∨(x=y)} A
1 (2)  ∀y{~Fa∨~Fy∨(a=y)} 1UE
1 (3)     ~Fa∨~Fb∨(a=b)  2UE
1 (4)   ~(~Fa∨~Fb)→a=b   3含意の定義
 5(5)       Fa&Fb        A
 5(6)   ~(~Fa∨~Fb)       5ド・モルガンの法則
15(7)              a=b   46MPP
1 (8)       Fa&Fb→ a=b   57CP
1 (9)    ∀y(Fa&Fy→ a=y)  8UI
1 (ア)  ∀x∀y(Fx&Fy→ x=y)  9UI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② ∀x∀y{~Fx∨~Fy∨(x=y)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxとyについて(xがFであって、yもFであるならば、xとyは「同一」である)。
② すべてのxとyについて{xはFでないか、yはFでないか、または、xとyは「同一」である}。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(02)により、
(03)
② すべてのxとyについて{xはFでないか、yはFでないか、または、xとyは「同一」である}。
といふのであれば、
② Fであるモノの「個数」は、「0個、または、1個である」。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② ∀x∀y{~Fx∨~Fy∨(x=y)}
であるならば、両方とも、
① Fであるモノの「個数」は、「0個、または、1個」である。
② Fであるモノの「個数」は、「0個、または、1個」である。
従って、
(04)により、
(05)
①  ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
の「否定」である、
① ~∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
であるならば、
① Fであるモノの「個数」は、「2個以上」である。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1  (1)~∀x∀y(Fx&Fy→x=y)   A
1  (2)∃x~∀y(Fx&Fy→x=y)   1量化子の関係
1  (3)∃x∃y~(Fx&Fy→x=y)   2量化子の関係
 4 (4)  ∃y~(Fa&Fy→a=y)   A
  5(5)    ~(Fa&Fb→a=b)   A
  5(6)  ~{~(Fa&Fb)∨a=b}  5含意の定義
  5(7)      Fa&Fb&(a≠b)  6ド・モルガンの法則
  5(8)   ∃y{Fa&Fy&(a≠y)} 7EI
 4 (9)   ∃y{Fa&Fy&(a≠y)} 458EE
 4 (ア) ∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)} 9EI
 4 (イ) ∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)} アEI
1  (ウ) ∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)} 34イEE
(ⅱ)
1  (1) ∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)} A
 2 (2)   ∃y{Fa&Fy&(a≠y)} A
  3(3)      Fa&Fb&(a≠b)  A
  3(4)  ~{~(Fa&Fb)∨a=b}  3ド・モルガンの法則
  3(5)    ~(Fa&Fb→a=b)   4含意の定義
  3(6)  ∃y~(Fa&Fb→a=b)   5EI
 2 (7)  ∃y~(Fa&Fy→a=y)   236EE
 2 (8)∃x∃y~(Fx&Fy→x=y)   7EI
1  (9)∃x∃y~(Fx&Fy→x=y)   128EE
1  (ア)∃x~∀y(Fx&Fy→x=y)   9量化子の関係
1  (イ)~∀x∀y(Fx&Fy→x=y)   ア量化子の関係
従って、
(06)により、
(07)
① ~∀x∀y(Fx&Fy→ x=y)
② ∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① ~∀x∀y(Fx&Fy→ x=y)
② ∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)}
であるならば、両方とも、
① Fであるモノの「個数」は、「2個以上」である。
② Fであるモノの「個数」は、「2個以上」である。
然るに、
(09)
① Fであるモノの「個数」は、「2個以上」である。
② Fであるモノの「個数」は、「2個以上」である。
といふことは、
① 性質Fをもつ少なくとも2つの対象が存在する。
② 性質Fをもつ少なくとも2つの対象が存在する。
といふことである。
従って、
(08)(09)により、
(10)
② ∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)}
ではなく、
③ ∃x∃y(Fx&Fy)
であるならば、
① 性質Fをもつ少なくとも2つの対象が存在する。
といふことには、ならない
然るに、
(11)
142 ∃x(Fx)├ ∃x∃y(Fx&Fy)
1 (1)  ∃x(Fx)    A
 2(2)     Fa     A
 2(3)     Fa&Fa  22&I
 2(4)  ∃y(Fa&Fy) 3EI
 2(5)∃x∃y(Fa&Fy) 4EI
1 (6)∃x∃y(Fa&Fy) 125EE
(この結果は事実上、強化して相互導出可能にすることができる。)この連式の妥当性から、
ひとつだけの対象がFをもっているならば、∃x∃y(Fx&Fy)ということが帰結する。
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英、1973年、210頁)
従って、
(10)(11)により、
(12)
① 性質Fをもつ少なくとも2つの対象が存在する。
といふことを、「示したい」のであれば、
② ∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)}
といふ「論理式」を、
③ ∃x∃y(Fx&Fy)
といふ風に、「書き換へ」ては、ならない
然るに、
(13)
∀z(Fz→z=x∨z=y)
といふことは、
{a,b,c}が{変域(ドメイン)」であるとして、
① Fa&Fb
② Fa&Fc
③ Fb&Fc
といふことは、有り得ても、
④ Fa&Fb&Fc
⑤ Fa&Fc&Fb
⑥ Fb&Fc&Fa
といふことは、「有り得ない」。
といふ「意味」である。
従って、
(12)(13)により、
(14)
ところで、Fをもつ正確に2つのものが存在すると言いたいならば、幾つかの道が開かれている。
恐らく最も簡単なのはつぎのように書くことであろう。
 (19)∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)&∀z(Fz→z=x∨z=y)}
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英、1973年、212頁)
従って、
(14)により、
(15)
① ∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)&∀z(Fz→z=x∨z=y)}
を「書き換へる」と、
② ∃y∃z[y≠z&私y&彼z&理事yx&理事zx&∀u(理事ux→u=y∨u=z)]
といふ「命題関数」は、すなはち、
② あるyとあるzについて[yとzは同一ではなく、yは私、zは彼であって、yはxの理事であって、zもxの理事であって、すべてのuについて(uがxの理事であるならば、uはyであるか、または、zである)]。
といふ「命題関数」は、
② xの理事は、私と彼だけある。
といふ、「意味」になる。
従って、
(15)により、
(16)
③ ∀x{T会の会員x→∃y∃z[y≠z&私y&彼z&理事yx&理事zx&∀u(理事ux→u=y∨u=z)]}。
といふ「命題」、すなはち、
③ すべてのxについて{xがタゴール記念会の会員であるならば、あるyとあるzについて[yとzは同一ではなく、yは私、zは彼であって、yはxの理事であって、zもxの理事であって、すべてのuについて(uがxの理事であるならば、uはyであるか、または、zである)]}。
といふ「命題」は、
③ タゴール記念会は、私と彼だけ理事である。
といふ、「意味」になる。
令和5年4月22日、毛利太。

0 件のコメント:

コメントを投稿