2023年4月24日月曜日

「偶数は1つしかない」の「述語論理」。

(01)
① ∀x{偶数x→∃y(偶数y&x≠y)}。
といふ「命題」、すなはち、
① いかなるxであっても{xが偶数であるならば、あるyは(偶数であって、尚且つ、xとyは、「同じ数」ではない)}。
といふ「命題」は、
① 偶数は「1つ」でない。
といふ「命題」に、「他ならない」。
従って、
(01)により、
(02)
①  ∀x{偶数x→∃y(偶数y&x≠y)}。
といふ「命題の否定」、すなはち、
② ~∀x{偶数x→∃y(偶数y&x≠y)}。
といふ「命題」は、
② 偶数は「1つ」である。
といふ「命題」に、「他ならない」。
cf.
素数2は、唯一の偶数の素数であり、これを「偶素数」と呼ぶ。
即ち、2以外の偶数は、2で割り切れるので、合成数である。
然るに、
(03)
(ⅱ)
1 (1)~∀x{偶数x→∃y(偶数y&x≠y)} A
1 (2)∃x~{偶数x→∃y(偶数y&x≠y)} 1量化子の関係
 3(3)  ~{偶数a→∃y(偶数y&a≠y)} A
 3(4) ~{~偶数a∨∃y(偶数y&a≠y)} 3含意の定義
 3(5)   偶数a&~∃y(偶数y&a≠y)  4ド・モルガンの法則
 3(6)   偶数a               5&E
 3(7)       ~∃y(偶数y&a≠y)  5&E
 3(8)       ∀y~(偶数y&a≠y)  7量化子の関係
 3(9)         ~(偶数b&a≠b)  8UE
 3(ア)          ~偶数b∨a=b   9ド・モルガンの法則
 3(イ)           偶数b→a=b   ア含意の定義
 3(ウ)        ∀y(偶数y→a=y)  イUI
 3(エ)    偶数a&∀y(偶数y→a=y)  6ウ&I
 3(オ) ∃x{偶数x&∀y(偶数y→x=y)} エEI
1 (カ) ∃x{偶数x&∀y(偶数y→x=y)} 13オEE
(ⅲ)
1 (1) ∃x{偶数x&∀y(偶数y→x=y)} 13オEE
 2(2)    偶数a&∀y(偶数y→a=y)  A
 2(3)    偶数a              2&E
 2(4)        ∀y(偶数y→a=y)  2&E
 2(5)           偶数b→a=b   4UI
 2(6)          ~偶数b∨a=b   5含意の定義
 2(7)         ~(偶数b&a≠b)  6ド・モルガンの法則
 2(8)       ∀y~(偶数y&a≠y)  7UI
 2(9)       ~∃y(偶数y&a≠y)  8量化子の関係
 2(ア)   偶数a&~∃y(偶数y&a≠y)  39&I
 2(イ) ~(~偶数a∨∃y(偶数y&a≠y)  ア、ド・モルガンの法則
 2(ウ)  ~{偶数a→∃y(偶数y&a≠y)} イ含意の定義
 2(エ)∃x~{偶数c→∃y(偶数y&x≠y)} ウEI
1 (オ)∃x~{偶数x→∃y(偶数y&x≠y)} 12エEE
1 (カ)~∀x{偶数x→∃y(偶数y&x≠y)} オ量化子の関係
従って、
(03)により、
(04)
① 偶数(の素数)は1つ(2)だけである。
② ~∀x{偶数x→∃y(偶数y&x≠y)}
③   ∃x{偶数x&∀y(偶数y→x=y)}
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(04)により、
(05)
一般に、
① 性質Fを持つ対象は、1つしか無い。
② ~∀x{Fx→∃y(Fy&x≠y)}
③   ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(06)
(ⅲ)
1  (1)∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}    A
 2 (2)   Fa&∀y(Fy→a=y)     A
 2 (3)      ∀y(Fy→a=y)     2&E
 2 (4)         Fb→a=b      3UE
  5(5)      Fa&Fb          A
  5(6)         Fb          5&E
 25(7)            a=b      46MPP
 2 (8)      Fa&Fb→a=b      57CP
 2 (9)   ∀y(Fa&Fy→a=y)     8UI
 2 (ア) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)     9UI
 2 (イ)   Fa                2&E
 2 (ウ)∃xFx                 イEI
 2 (エ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) アウ&I
1  (ウ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 12エEE
(ⅳ)
1  (1)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) A
1  (2)∃xFx                 1&E
 3 (3)  Fa                 A
1  (4)     ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 1&E
1  (5)       ∀y(Fa&Fy→a=y) 4UE
1  (6)          Fa&Fb→a=b  5UE
  7(7)             Fb      A
 37(8)          Fa&Fb      37&I
137(9)                a=b  68MPP
13 (ア)          Fb→a=b     79CP
13 (イ)       ∀y(Fy→a=y)    アUI
13 (ウ)    Fa&∀y(Fy→a=y)    3イ&I
13 (エ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}   ウEI
1  (オ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}   23エEE
従って、
(06)により、
(07)
③ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
④ ∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
に於いて、
③=④ である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① 性質Fを持つ対象は、1つしか無い。
② ~∀x{Fx→∃y(Fy&x≠y)}
③ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
④ ∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)}
に於いて、すなはち、
① 性質Fを持つ対象は、1つしか無い。
② いかなるxであっても{xが偶数であるならば、あるyは(偶数であって、尚且つ、xとyは、「同一」ではない)}。といふことはない。
③ あるxは{Fであって、すべてのyについて(yがFであるならば、xとyは「同一」である)}。
④ あるxはFであって、すべてのxとyについて{xがFであって、yもFであるならば、 xとyは「同一」である)}。
に於いて、
①=②=③=④ である。
令和5年4月24日、毛利太。

0 件のコメント:

コメントを投稿