2023年4月27日木曜日

「同一性の"である"」について。

(01)
1     (1)∀x{仏国x→∃y[(巴里y&首都yx)&∀z(首都zx→z=y)]} A
 2    (2)∃z(里昂z&~巴里z)                        A
1     (3)   仏国a→∃y[(巴里y&首都ya)&∀z(首都za→z=y)]  1UE
  4   (4)   里昂c&~巴里c                         A
  4   (5)   里昂c                              4&E
  4   (6)       ~巴里c                         4&E
   7  (7)   仏国a                              A
1  7  (8)       ∃y[(巴里y&首都ya)&∀z(首都za→z=y)]  37MPP
    9 (9)          (巴里b&首都ba)&∀z(首都za→x=b)   A
    9 (ア)           巴里b&首都ba                 9&E
    9 (イ)           巴里b                      ア&E
    9 (ウ)                     ∀z(首都za→z=b)   9&E
    9 (エ)                        首都ca→c=b    ウUE
     オ(オ)           c=b                      A
    9オ(カ)           巴里c                      イオ=E
  4 9オ(キ)      ~巴里c&巴里c                      6カ&I
  4 9 (ク)           c≠b                      オキRAA
  4 9 (ケ)                       ~首都ca        エクMTT
  4 9 (コ)   里昂c&~首都ca                        5ケ&I
  4 9 (サ)∃z(里昂z&~首都za)                       コEI
1 47  (シ)∃z(里昂z&~首都za)                       89サEE
12 7  (ス)∃z(里昂z&~首都za)                       24シEE
12    (セ)   仏国a→∃z(里昂z&~首都za)                7スCP
12    (ソ)∀x{仏国x→∃z(里昂z&~首都zx)}               セUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{仏国x→∃y[(巴里y&首都yx)&∀z(首都zx→z=y)]}。然るに、
② ∃z(里昂z&~巴里z)。従って、
③ ∀x{仏国x→∃z(里昂z&~首都zx)}。
といふ「推論」、すなはち、
① すべてのxについて{xがフランスであるならば、あるyは[(パリであり、yはxの首都であり)、すべてのzについて(zがxの首都であるならば、zはyと「同一」である)]}。然るに、
② あるzは(リヨンであってパリではない)。従って、
③ すべてのxについて{xがフランスであるならば、あるzは(リヨンであって、xの首都ではない)}。
といふ「推論」、すなはち、
① フランスは、パリ首都である。然るに、
② リヨンはパリではない。従って、
③ フランスは、リヨンは首都ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
① フランスは、パリ首都である。
といふことは、
① パリが、フランスの、唯一の首都(the capital)である。
といふことに、「他ならない」。
然るに、
(04)
① パリが、フランスの、唯一の首都(the capital)である。
といふことは、
② フランスの首都=パリ。
といふことに、「他ならない」。
然るに、
(05)
② フランスの首都=パリ。
といふことは、
③ パリ=フランスの首都。
といふことに、「他ならない」。
従って、
(05)により、
(06)
「数学」で言ふ、「交換法則」により、
① Paris is the capital of France.
② The capital of France is Paris.
といふ「英文(命題)」は、両方とも、「」である。
然るに、
(07)
E.J.レモンは、
① Paris is the capital of France.
② The capital of France is Paris.
③ Socrates is the philosopher who tauto Plato.
④ The philosopher who tauto Plato is Socrates.
等に於ける「is」を、「"is" of identity」と呼び、竹尾・浅野 先生は、「同一性の"である"」といふ風に「訳してゐる」。
cf.
(E.J.レモン 著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、205頁)
然るに、
(08)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。 と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(07)(08)により、
(09)
⑤ タゴール記念会は、私理事長です。
⑥ タゴール記念会は、理事長は私です。
に於ける「です」は、竹尾・浅野 先生が所謂、「同一性の"です"」である。
令和5年4月27日、毛利太。

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