― この「記事」は、『「敢へて」について。』として、もうすぐ、書き換へます。―
(01)
あえて【敢えて】(副)①しいて、無理に dare(旺文社、英訳つき国語総合新辞典、1998年)
従って、
(02)
① 敢へて言ふ =(言ひたくないけれど)言ふ。
② 敢へて言はず=(言ひたいけれど)言はない。
従って、
(02)により、
(03)
① 言ひたい気持ちが、言ひたくない気持ちを、上回ってゐる。
② 言ひたくない気持ちが、言ひたい気持ちを、上回ってゐる。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① 敢言 =敢へて言ふ。
② 敢不言=敢へて言はず。
であらならば、二つの「否定」は、
① 不(敢言) =(言ひたい気持ちが、言ひたくない気持ちを、上回ってゐ)ないので、言はない。
② 不(敢不言)=(言ひたくない気持ちが、言ひたい気持ちを、上回ってゐ)ないので、言ふ。
然るに、
(05)
(言ひたくない気持ちが、言ひたい気持ちを、上回ってゐ)ない=
(言ひたい気持ちが、言ひたくない気持ちを、上回ってゐる)。
従って、
(04)(05)により、
(06)
② 不(敢不言)=(言ひたい気持ちが、言ひたくない気持ちを、上回ってゐる)ので言ふ。
従って、
(06)により、
(07)
② 不(敢不言)=(言ひたい気持ちが、言ひたくない気持ちを、上回ってゐる)ので言ふ。
③ 不(敢不告)=(告げたい気持ちが、告げたくない気持ちを、上回ってゐる)ので告げる。
④ 不(敢不知)=(知らせたい気持ちが、知らせたくない気持ちを、上回ってゐる)ので知らせる。
に於いて、
②=③=④
である。と、する。
従って、
(07)により、
(08)
④ 不(敢不知)=(今迄は、迷ってゐたが、知らせたい気持ちが、知らせたくない気持ちを、上回った)ので知らせる。ことを、決意した。といふ「文脈」で、
③ 不(敢不告)。
と言ふことは、「理に適ってゐる」。
然るに、
(09)
〔例文〕110
事已至此。不敢不告=事已に此に至る。敢へて告げずんばあらず。
(事態がもはやここまできてしまった。思いきって知らせないではいられない。)[日本外史]
(昇龍堂、漢文公式と問題正解法、1997年、46版、59頁)。
従って、
(01)~(09)により、
(10)
③ 不(敢不告)=(告げたい気持ちが、告げたくない気持ちを、上回ってゐる)ので告げる。
といふ「等式」は、「正しい」。
従って、
(10)により、
(11)
③ 不敢不告。
といふ「二重否定」には、少なくとも、
③ 不(敢不告)。
といふ「括弧」が、無ければ、ならない。
然るに、
(12)
任意の表述の否定は、その表述を’~( )’という空所にいれて書くことにしよう(大修館書店、現代論理学入門、1972年、15頁)。とする、W.O.クワインであれば、
③ 不(敢不(告))。
とすることに、賛成しない、はずがない。
従って、
(11)(12)により、
(13)
少なくとも、「論理的」には、
③ 不敢不告=
③ 不(敢不(告))⇒
③(敢(告)不) 不=
③(敢へて(告げ)不んばあら) 不。
といふ「括弧」は、有ります!。
従って、
(14)
「括弧」は、「実在」であるため、「単なる、返り点の代用」では、なく、むしろ、
③ 不敢不告。
に於ける、
③ 二 一レ 。
といふ「返り点」は、
③〔( )〕。
といふ「括弧」の、「代用」である。
平成26年11月15日、毛利太。
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