2023年6月8日木曜日

「太陽系は地球が第三惑星である」の「述語論理」と「漢文」と「強調形」。

(01)
(ⅰ)太陽系は、地球第三惑星である。然るに、
(ⅱ) 火星は、地球ではない。    従って、
(ⅲ)太陽系は、地球は第三惑星であって、火星は第三惑星ではない。
といふ「推論」は「妥当」である。
然るに、
(02)
① 第一惑星は、一つしかないし、
② 第二惑星も、一つしかないし、
第三惑星も、一つしかないし
④ 第四惑星も、一つしかないし、
⑤ 第五惑星は、一つしかないし、
⑥ 第六惑星も、一つしかないし、
⑦ 第七惑星も、一つしかないし、
⑧ 第八惑星も、一つしかない。
従って、
(02)により、
(03)
第三惑星は、一つしかない
といふ「理由」により、
(ⅰ)太陽系は、地球第三惑星である。
といふ「日本語」を、
(ⅰ)太陽系 地球 第三惑星
といふ『漢文』に「翻訳」したとしても、
(ⅰ)太陽系は、地球、(唯一の第三惑星である。
といふ「意味」になる。
cf.
主語・述語の順で並べられた文章で、述語の上に置かれる語が一つの主語だけでなく、
漢 兵 盛。
に於ける、
漢 兵
のやうに、(二つの主語が重なっている場合がある。
(西田太一郎、漢文の語法、1980年、120頁改)
然るに、
(04)
1     (1)∀x{太陽系x→∃y[地球y&惑星yx&~∃z(z≠y&惑星zx)]} A
1     (2)   太陽系a→∃y[地球y&惑星ya&~∃z(z≠y&惑星za)]  1UE
 3    (3)   太陽系a                             A
13    (4)        ∃y[地球y&惑星ya&~∃z(z≠y&惑星za)]  23MPP
  5   (5)           地球b&惑星ba&~∃z(z≠b&惑星za)   A
  5   (6)           地球b&惑星ba                 5&E
  5   (7)           地球b                      6&E
  5   (8)               惑星ba                 6&E
  5   (9)                      ~∃z(z≠b&惑星za) 5&E
  5   (ア)                      ∀z~(z≠b&惑星za) 9量化子の関係
  5   (イ)                        ~(c≠b&惑星ca) アUE
  5   (ウ)                        ~c≠b∨~惑星ca  イ、ド・モルガンの法則
  5   (エ)                         c≠b→~惑星ca  ウ含意の定義
   オ  (オ)        ∃z(火星z&~地球z)                A
    カ (カ)           火星c&~地球c                 オUE
    カ (キ)           火星c                      カ&E
    カ (ク)               ~地球c                 キ&E
  5 カ (ケ)           地球b&~地球c                 7ク&I
     コ(コ)             c=b                    A
  5 カコ(サ)           地球b&~地球b                 ケコ=E
  5 カ (シ)             c≠b                    コサRAA
  5 カ (ス)                             ~惑星ca  エシMPP
  5 カ (セ)           火星c&~惑星ca                キス&I
  5 カ (ソ)        ∃z(火星z&~惑星za)               セEI
  5オ  (タ)        ∃z(火星z&~惑星za)               オカソEE
  5   (チ)        ∃y(地球y&惑星ya)                6EI
  5オ  (ツ)        ∃y(地球y&惑星ya)&∃z(火星z&~惑星za)  タチ&I
13 オ  (テ)        ∃y(地球y&惑星ya)&∃z(火星z&~惑星za)  45ツEE
1  オ  (ト)   太陽系a→∃y(地球y&惑星yx)&∃z(火星z&~惑星zx)  3テCP
1  オ  (ナ)∀x{太陽系x→∃y(地球y&惑星yx)&∃z(火星z&~惑星zx)} トUI
従って、
(04)により、
(05)
(ⅰ)∀x{太陽系x→∃y[地球y&惑星yx&~∃z(z≠y&惑星zx)]}。然るに、
(ⅱ)∃z(火星z&~地球z)。従って、
(ⅲ)∀x{太陽系x→∃y(地球y&惑星yx)&∃z(火星z&~惑星zx)}。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが太陽系であるならば、あるyは[地球であって、xの惑星であって、あるzが(y以外であって、xの惑星である)といふことはない]}。
(ⅱ)あるz(火星であって、地球ではない)。従って、
(ⅲ)すべてのxについて{xが太陽系であるならば、あるyは(地球であって、xの惑星であって)、あるzは(火星であって、xの惑星でない)}。
といふ「推論(の形式)」は、「妥当」である。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
(ⅰ)太陽系 地球 惑星。
といふ「漢文」に「相当」する、
(ⅰ)太陽系は、地球惑星である。
といふ「日本語」が、
(ⅰ)∀x{太陽系x→∃y[地球y&惑星yx&~∃z(z≠y&惑星zx)]}。
(〃)すべてのxについて{xが太陽系であるならば、あるyは[地球であって、xの惑星であって、あるzが(y以外であって、xの惑星である)といふことはない]}。
といふ「意味」であるならば、
(ⅰ)太陽系は、地球惑星である。
といふ「日本語」は、
(ⅰ)太陽系は、地球以外は惑星でない
といふ、「意味」になる。
然るに、
(07)
(ⅰ)太陽系 地球 惑星。
に於ける、「地球」を、「殊更に、大きな声」で「発音」したとすれば、
(ⅰ)太陽系 地球 惑星。
といふ「漢文」は、
(ⅰ)太陽系は、地球以外は惑星ではない
といふ「意味」になったに、「違ひない」。
然るに、
(08)
① 地球は(清音)
② 地球音)
である。
然るに、
(09)
清音の方は、小さくきれいで速い感じで、コロコロと言うと、ハスの上を水玉がころがるような時の形容である。ロと言うと、大きく荒い感じで、力士が土俵でころがる感じである(金田一春彦、日本語(上)、1988年、131頁)。もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「音=大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、音とことばの不思議な世界、2015年、13頁)。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① 地球は(清音)
② 地球音)
であれば、
② の方が、「心理的な音量」が、「大きい」。
従って、
(07)(10)により、
(11)
「我々の先人」が、例へば、
(ⅰ)太陽系 地球 第三惑星。
といふ『漢文』を、
(ⅰ)太陽系は、地球以外は第三惑星でない
(〃)∀x{太陽系x→∃y[地球y&第三惑星yx&~∃z(z≠y&第三惑星zx)]}。
といふ風に「訳したかった」のであれば、その場合は、
(ⅰ)太陽系は 地球は 第三惑星である。
とはせずに、
(ⅰ)太陽系は 地球 第三惑星である。
といふ風に、「訳した」はずであり、次第に、「そうした」が、「定着」していった。
といふに、「推測」出来る。
令和5年6月8日、毛利太。

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