2019年8月24日土曜日

「分配法則」と「括弧(句読点)」。

(01)
(ⅰ)
1  (1) P&(Q∨R)    A
1  (2) P          1&E
1  (3)    Q∨R     1&E
 4 (4)    Q       A
14 (5) P&Q        24&I
14 (6)(P&Q)∨(P&R) 5∨I
  7(7)      R     A
1 7(8)       P&R  27&I
1 7(9)(P&Q)∨(P&R) 8∨I
1  (ア)(P&Q)∨(P&R) 34679∨E
(ⅱ)
1  (1)(P&Q)∨(P&R) A
 2 (2)(P&Q)       A
 2 (3) P          2&E
 2 (4)   Q        2&E
 2 (5)    Q∨R     4∨I
 2 (6) P&(Q∨R)    35&I
  7(7)      (P&R) A
  7(8)       P    7&E
  7(9)         R  7&E
  7(ア)       Q∨R  9∨I
  7(イ) P&(Q∨R)    8ア&I
1  (ウ) P&(Q∨R)    1267イ∨E
従って、
(01)により、
(02)
①  P&(Q∨R)
②(P&Q)∨(P&R)
に於いて、
①=② である。
cf.
分配法則(Distribution law Ⅰ)
(03)
(ⅲ)
1  (1)(P&Q)∨R     A
 2 (2) P&Q        A
 2 (3) P          2&E
 2 (4) P∨R        3∨I
 2 (5) Q          2&E
 2 (6) Q∨R        5∨I
 2 (7)(P∨R)&(Q∨R) 45&I
  8(8)      R     A
  8(9)    P∨R     8∨I
  8(ア)    Q∨R     8∨I
  8(イ)(P∨R)&(Q∨R) 9ア&I
1  (ウ)(P∨R)&(Q∨R) 1278イ∨E
(ⅳ)
1 (1)  (P∨R)&(Q∨R) A
1 (2)   P∨R        1&E
1 (3)   R∨P        2交換法則
1 (4) ~~R∨P        3DN
1 (5)  ~R→P        4含意の定義
1 (6)         Q∨R  1&E
1 (7)         R∨Q  6交換法則
1 (8)       ~~R∨Q  7DN
1 (9)        ~R→Q  8含意の定義
 ア(ア)  ~R          A
1ア(イ)     P        5アMPP  
1ア(ウ)           Q  9アMPP
1ア(エ)     P&Q      イウ&I
1 (オ) ~R→(P&Q)     アエCP
1 (カ)~~R∨(P&Q)     オ含意の定義
1 (キ)  R∨(P&Q)     カDN
1 (ク) (P&Q)∨R      キ交換法則
従って、
(03)により、
(04)
③(P&Q)∨R
④(P∨R)&(Q∨R)
に於いて、
③=④ である。
cf.
分配法則(Distribution law Ⅱ)
従って、
(02)(04)により、
(05)
①  P&(Q∨R)
②(P&Q)∨(P&R)
③(P&Q)∨R
④(P∨R)&(Q∨R)
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
然るに、
(06)
②(P&Q)∨(P&R)
④(P∨R)&(Q∨R)
に於いて、
②(偽&Q)∨(偽&真)=(偽∨偽)=
④(偽∨真)&(Q∨真)=(真&真)=
従って、
(05)(06)により、
(07)
①  P&(Q∨R)
③(P&Q)∨R
に於いて、
①=③ ではない
従って、
(07)により、
(08)
例へば、
①  男性で(東京都民か埼玉県民)=東京都民の男性か、埼玉県民の男性。
③(男性で東京都民)か埼玉県民  =東京都民の男性か、埼玉県民(の男性と女性)。
に於いて、
①=③ ではない。
然るに、
(09)
①  男性、東京都民埼玉県民=東京都民男性、埼玉県民男性。
③ 男性東京都民、埼玉県民=東京都民男性、埼玉県民(の男性と女性)。
に於いて、
①=③ ではない
従って、
(08)(09)により、
(10)
①  男性で(東京都民か埼玉県民)=男性の、東京都民か埼玉県民。
③(男性で東京都民)か埼玉県民  =男性の東京都民か、埼玉県民。
に於いて、
①=③ ではない
従って、
(10)により、
(11)
①  男性で(東京都民か埼玉県民)
⑪  男性の、東京都民か埼玉県民。
③(男性で東京都民)か埼玉県民
⑬  男性の東京都民か、埼玉県民。
に於いて、
① ならば、そのときに限って、⑪ であり、
③ ならば、そのときに限って、⑬ である。
然るに、
(12)
⑤ 男性で東京都民か埼玉県民
であれば、
⑪  男性の東京都民か埼玉県民。
であるか、
⑬  男性の東京都民か埼玉県民(の男性と女性)。
であるかの、いづれかである。
従って、
(11)(12)により、
(13)
⑤ 男性で東京都民か埼玉県民
であれば、
①  男性で東京都民か埼玉県民
であるか、
男性で東京都民か埼玉県民
であるかの、いづれかである。
従って、
(13)により、
(14)
⑤ 男性で東京都民か埼玉県民
といふ「日本語」には、
①  男性で東京都民か埼玉県民
男性で東京都民か埼玉県民
といふ「括弧」が、無ければならない。
令和元年08月24日、毛利太。

2019年8月22日木曜日

「論理式」にも「漢文」にも「括弧」は有ります。

(01)
(ⅰ)
1   (1)  ~P& Q   A
 2  (2)   P∨~Q   A
1   (3)  ~P      1&E
  4 (4)   P      A
1 4 (5)  ~P& P   34&I
  4 (6)~(~P& Q)  15RAA
1   (7)      Q   1&E
   8(8)     ~Q   A
1  8(9)   Q&~Q   78&I
   8(ア)~(~P& Q)  19RAA
 2  (イ)~(~P& Q)  2467ア∨E
12  (ウ) (~P& Q)&
       ~(~P& Q)  1イ&I
1   (エ) ~(P∨~Q)  2ウRAA
(ⅱ)
1   (1) ~(P∨~Q)  A
 2  (2)   P      A
 2  (3)   P∨~Q   2∨I
12  (4) ~(P∨~Q)&
         (P∨~Q)  13&I
1   (5)  ~P      24RAA
  6 (6)     ~Q   A
  6 (7)   P∨~Q   6∨I
1 6 (8) ~(P∨~Q)&
         (P∨~Q)  17&I
1   (9)    ~~Q   6RAA
1   (ア)      Q   9DN
1   (イ)  ~P& Q   5ア&I
従って、
(01)により、
(02)
①   ~P& Q 
② ~(P∨~Q)
に於いて、
①=② である。
(03)
(ⅲ)
1   (1) ~( P& Q)  A
 2  (2) ~(~P∨~Q)  A
  3 (3)   ~P      A
  3 (4)   ~P∨~Q   3∨I
 23 (5) ~(~P∨~Q)&
         (~P∨~Q)  24&I
 2  (6)  ~~P      35RAA
 2  (7)    P      6DN
   8(8)      ~Q   A
   8(9)   ~P∨~Q   8∨I
 2 8(ア) ~(~P∨~Q)&
         (~P∨~Q)  29&I
 2  (イ)     ~~Q   8RAA
 2  (ウ)       Q   イDN
 2  (エ)    P& Q   7ウ&I
12  (オ) ~( P& Q)&
         ( P& Q)  1エ&I
1   (カ)~~(~P∨~Q)  2オRAA
1   (キ)   ~P∨~Q   カDN
(ⅳ)
1   (1) ~P∨~Q  A
 2  (2)  P& Q  A
  3 (3) ~P     A
 2  (4)  P     2&E
 23 (5) ~P&P   34&I
  3 (6)~(P& Q) 25RAA
   7(7)    ~Q  A
 2  (8)     Q  2&E
 2 7(9)  ~Q&Q  78&I
   7(ア)~(P& Q) 29RAA
1   (イ)~(P& Q) 1367ア∨E
従って、
(03)により、
(04)
③ ~(P& Q)
④  ~P∨~Q
に於いて、
③=④ である。
従って、
(02)(04)により、
(05)
①   ~P& Q 
② ~(P∨~Q)
③ ~(P& Q)
④  ~P∨~Q
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
cf.
ド・モルガンの法則
然るに、
(06)
②{~(真∨~偽)=~(真∨真)=~真}=
④{(~真∨~偽)= (偽∨真)= 真}=
従って、
(05)(06)により、
(07)
② ~(P∨~Q)
④  ~P∨~Q
に於いて、
②=④ ではない
従って、
(05)(07)により、
(08)
①   ~P&Q 
③ ~(P&Q)
に於いて、
①=③ ではない
然るに、
(09)
任意の表述の否定は、その表述を’~(  )’という空所にいれて書くことにしよう;しかし「括弧」はその内部が連言でないかぎり削除しよう(W.O.クワイン著、杖下隆英訳、現代論理学入門、1972年、15頁)。
従って、
(09)により、
(10)
① ~(P)&Q 
③ ~(P & Q)
であるならば、
①   ~P&Q 
③ ~(P&Q)
である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
①   ~P&Q 
③ ~(P&Q)
に於いて、
①=③ ではない。といふことは、
① ~(P)&Q 
③ ~(P & Q)
といふことに、他ならない。
従って、
(11)により、
(12)
① ~(P)&Q 
に於ける、
①  ( ) を「省略」した「形」が、
①   ~P&Q
である。といふ、ことになる。
然るに、
(13)
① ~(P)&Q 
② ~(P & Q)
といふ「2通り」を、
① 不(P)而Q 
② 不(P 而 Q)
とする。
(14)
P=有祝魲鮀之佞
Q=有宋朝之美
とする。
従って、
(11)~(14)により、
(15)
① 不(P)而Q 
② 不(P 而 Q)
に於いて、
①=② ではないが故に、
① 不(有祝魲鮀之佞)而有宋朝之美。
② 不(有祝魲鮀之佞 而 有宋朝之美)。
に於いて、
①=② ではない。
然るに、
(16)
「論理式」に、「括弧」はあるが、
「 漢文 」に、「括弧」はない
従って、
(15)(16)により、
(17)
① 不有祝魲鮀之佞而有宋朝之美。
② 不有祝魲鮀之佞而有宋朝之美。
に於いて、
①=② ではない。
従って、
(15)(17)により、
(18)
漢文」の場合は、「括弧」を書かないが故に、
① 不P而Q。
② 不P而Q。
に於いて、
①=② ではない
然るに、
(19)
実は、どちらも意味が通じるのである。
① の方は、古注といって、伝統的な解釈であるが、
② の方は、新注といって、朱熹(朱子)の解釈なのである。「返り点」をつけると、
① 不祝魲鮀之佞而有宋朝之美
② 不祝魲鮀之佞而有宋朝之美
このように「不」が頭にきてるときは、どこまでかかるのか、ということをじっくりとと押さえてみることだ。
(二畳庵主人、漢文法基礎、1984年、326頁改)
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
返り点」を用ひない「漢文」の場合は、「括弧」が無いが故に、
① 不P而Q。 
② 不P而Q。
に於いて、
①=② ではない。
といふことは、朱熹(朱子)も、「そのやうに、意識してゐた」といふ、ことになる。
従って、
(19)(20)により、
(21)
① 不P而Q。
と書かれてゐても、
① 不(P)而Q。
であるとするが、「古注」であって、
② 不P而Q。
と書かれてゐても、
② 不(P 而 Q)。
であるとするのが、「新注」である。
といふ、ことになる。
令和元年08月22日、毛利太。

2019年8月21日水曜日

漢文・補足構造・返り点・ラテン語和訳。

―「昨日(令和元年08月20日)」の記事を書き直します。―
(01)
漢語文法の基礎となっている文法的な関係として、次の四つの関係をあげることができる。
(一)主述関係 主語 ―  述語
(二)修飾関係 修飾語―被修飾語
(三)補足関係 叙述語―  補語
(四)並列関係 並列語― 並列語
(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、281・282頁改)
(02)
(四)並列関係 といふのは、例へば、
花鳥=花と鳥
風雨=風と雨
死生=死と生
来見=来たり見る
等を、言ふ。
然るに、
(03)
① 非不読書=
① 非[不〔読(書)〕]。
に於いて、
① 非[ ]⇒[ ]非
① 不〔 〕⇒〔 〕不
① 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふと、
① [〔(書)読〕不]非=
① [〔(書を)読ま〕不るに]非ず=
① 書を読まないのではない。
(04)
② 非不読英文=
② 非[不〔読(英文)〕]。
に於いて、
② 非[ ]⇒[ ]非
② 不〔 〕⇒〔 〕不
② 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふと、
② [〔(英文)読〕不]非=
② [〔(英文を)読ま〕不るに]非ず=
② 英文を読まないのではない。
(05)
③ 非必不読英文=
③ 非[必不〔読(英文)〕]。
に於いて、
③ 非[ ]⇒[ ]非
③ 不〔 〕⇒〔 〕不
③ 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふと、
③ [必〔(英文)読〕不]非=
③ [必ずしも〔(英文を)読ま〕不るに]非ず=
③ 必ずしも英文を読まないのではない。
(06)
④ 我非必不読英文者=
④ 我非[必不〔読(英文)〕者]。
に於いて、
④ 非[ ]⇒[ ]非
④ 不〔 〕⇒〔 〕不
④ 読( )⇒( )読
といふ「移動」を行ふと、
④ 我[必〔(英文)読〕不者]非=
④ 我は[必ずしも〔(英文を)読ま〕不る者に]非ず=
④ 私は、必ずしも英文を読まない者ではない。
然るに、
(07)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
①  非[不〔読(文)〕]。
②  非[不〔読(英文)〕]。
③  非[必不〔読(英文)〕]。
④ 我非[必不〔読(英文)〕者]。
並びに、
① [〔(書を)読ま〕不るに]非ず。
② [〔(英文を)読ま〕不るに]非ず。
③ [必ずしも〔(英文を)読ま〕不るに]非ず。
④ 我は[必ずしも〔(英文を)読ま〕不る者に]非ず。
に於ける、
①[ 〔 ( ) 〕 ]
②[ 〔 ( ) 〕 ]
③[ 〔 ( ) 〕 ]
④[ 〔 ( ) 〕 ]
といふ「括弧」は、
(ⅰ)「漢文の補足構造」と、
(ⅱ)「国語の補足構造」と、
(ⅲ)「漢文訓読の語順」とを、表してゐる。
従って、
(08)により、
(09)
①   非文。
②  非英文
③  非必不一レ英文
④ 我非必不英文
といふ「漢文」を、
① [〔(文を)読ま〕不るに]非ず。
② [〔(英文を)読ま〕不るに]非ず。
③ [必ずしも〔(英文を)読ま〕不るに]非ず。
④ 我は[必ずしも〔(英文を)読ま〕不る者に]非ず。
といふ風に「訓読」したとしても、「語順は、変はる」一方で、「補足構造は、変はらない。」
従って、
(10)
⑤ 小蛇以一咬大牛
といふ「漢文」を、
⑤ 小蛇以(一咬)殺(大牛)⇒
⑤ 小蛇(一咬)以(大牛)殺=
⑤ 小蛇(一咬を)以て(大牛を)殺す。
といふ風に「訓読」したとしても、「語順は、変はる」一方で、「補足構造は、変はらない。」
然るに、
(11)
Q. ラテン語の語順の自由さについて
Q. 突然のメールで恐縮ですが、私がラテン語学習で感じた感想を述べさせてください。ラテン語学習で私が特に(接続法の次に)面食らったのが、語順の自由さです。
古代ローマの人たちは、この語順をはたしてどのように受け止めていたのでしょうか。
例えば、こういう一節があります。
Parva necat morsū spatiōsum vīpera taurum.
順通りの訳は「小さいのが、殺す、一咬みで、大きいのを、蛇が、牛を。」となります。
(Webサイト:山下太郎のラテン語入門)
然るに、
(12)
⑥ Parva (necat{morsū   [spatiōsum〔)vīpera〕taurum]}=
⑥ 小さな(殺す{ 一咬みで[大きい   〔)蛇が  〕牛を  ]}。
に於いて、
⑥   小さな( )⇒( )小さな
⑥     殺す{ }⇒{ }殺す
⑥ 一咬みで[ ]⇒[ ]一咬みで
⑥  大きい〔 〕⇒〔 〕大きい
といふ「移動」を行ふと、
⑥ 小さな(殺す{ 一咬みで[大きい   〔)蛇が  〕牛を  ]}⇒
⑥ ({ [  〔)小さな蛇が  〕大きい 牛を  ]一咬みで}殺す=
⑥ 小さな蛇が、大きい牛を、一咬みで、殺す。
といふ「ラテン語和訳」が、完成する。
然るに、
(13)
⑥{ [ 〔 ( ) 〕 ] }
といふ「括弧」に対して、
⑥ 小さな(殺す{ 一咬みで[大きい〔)蛇が〕牛を ]}
に於ける、
( { [ 〔 ) 〕 ] }
といふ「それ」は、「括弧」ではない。
従って、
(10)~(13)により、
(14)
⑤ 小蛇以(一咬)殺(大牛)。
⑥ Parva (necat{morsū[spatiōsum〔)vīpera〕taurum]}。
に於ける、
⑤( )( )
⑥( { [ 〔 ) 〕 ] }
に於いて、
⑤ といふ「括弧」は、「漢文の補足構造」と、「訓読の語順」を表してゐて、
⑥ といふ「それ」は、固より、「括弧」ではなく、尚且つ、「ラテン語の補足構造」を、表してはゐない。
従って、
(14)により、
(15)
⑤ 小蛇以(一咬)殺(大牛)。
といふ「漢文」を、
⑤ 小蛇(一咬を)以て(大牛を)殺す。
といふ風に「訓読」することと、
⑥ Parva (necat{morsū[spatiōsum〔)vīpera〕taurum]}。
といふ「ラテン語」を、
⑥ ({ [  〔)小さな蛇が  〕大きい 牛を  ]一咬みで}殺す。
といふ風に「和訳」することは、「同じ」ではない。
従って、
(15)により、
(16)
例へば、「ラテン語・和訳」等を例にとって行ふ、
数年前、ある言語学教育関連の新聞の連載のコラムに、西洋文化研究者の発言が載せられていた。誰もが知る、孟浩然の『春眠』「春眠暁を覚えず・・・・・・」の引用から始まるそのコラムでは、なぜ高校の教科書にいまだに漢文訓読があるのかと疑問を呈し、「返り点」をたよりに「上がったり下がったりしながら、シラミつぶしに漢字にたどる」読み方はすでに時代遅れの代物であって、早くこうした状況から脱するべきだと主張する。「どこの国に外国語を母国語の語順で読む国があろう」かと嘆く筆者は、かつては漢文訓読が中国の歴史や文学を学ぶ唯一の手段であり「必要から編み出された苦肉の知恵であった」かもしれないが、いまや中国語を日本にいても学べる時代であり「漢文訓読を卒業するとき」だと主張するのである(「訓読」論 東アジア漢文世界と日本語、中村春作・市來津由彦・田尻祐一郎・前田勉 共編、2008年、1頁)。
といふ「主張」は、「正しく」はない。
令和元年08月21日、毛利太。

2019年8月20日火曜日

「象が鼻が長い」の「述語論理」。

(01)
(ⅰ)
1   (1)   P& Q   A
 2  (2)   P→~Q   A
1   (3)   P      1&E
12  (4)     ~Q   23MPP
 2  (5)      Q   1&E
12  (6)   ~Q&Q   45&I
1   (7) ~(P→~Q)  26RAA
(ⅱ)
1   (1) ~(P→~Q)  A
 2  (2) ~(P& Q)  A
  3 (3)   P      A
   4(4)      Q   A
  34(5)   P& Q   34&I
 234(6) ~(P& Q)&
         (P& Q)  25&I
 23 (7)     ~Q   46RAA
 2  (8)   P→~Q   37CP
12  (9) ~(P→~Q)&
         (P→~Q)  28&I
1   (ア)~~(P& Q)  29RAA
1   (イ)   P& Q   アDN
従って、
(01)により、
(02)
①     P& Q
② ~(P→~Q)
に於いて、
①=② であるが、
この「等式」を、『連言の定義(Df.&)』とする。
(03)
① 象は鼻は長い。
② 象以外は鼻は長くない
③ 象は鼻以外は長くない
であるとして、
④ 象長い=①+②+③ である。とする。
従って、
(03)により、
(04)
④ 象が鼻が長い。⇔
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
従って、
(04)により、
(05)
⑤ 象長い。とは言へない。⇔
⑤ ~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
然るに、
(06)
1     (1)    ~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1     (2)    ∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 1量化子の関係
 3    (3)      ~{象a→∃y(鼻ya&長y)&~象a→~∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} A
 3    (4)  ~{象a→∃y(鼻ya&長y)}∨~{~象a→~∃y(鼻ya&長y}∨~∀z(~鼻za→~長z)} 3ド・モルガンの法則
  5   (5)  ~{象a→∃y(鼻ya&長y)}                                  A
  5   (6)    象&~∃y(鼻ya&長y)                                   5連言の定義
  5   (7)    象a                                              6&E
  5   (8)      ~∃y(鼻ya&長y)                                   6&E
  5   (9)      ∀y~(鼻ya&長y)                                   8量化子の関係
  5   (ア)        ~(鼻ba&長b)                                   9UE
  5   (イ)        ~鼻ab∨~長b                                    ア、ド・モルガンの法則
  5   (ウ)         鼻ba→~長b                                    イ含意の定義
  5   (エ)      ∀y(鼻ya→~長y)                                   ウUI
  5   (オ)   象a&∀y(鼻ya→~長y)                                   7エ&I
  5   (カ)   象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)                    オ∨I
  5   (キ)   象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z)        カ∨I
   ク  (ク)                    ~{~象a→~∃y(鼻ya&長y}                                A
      ク  (ケ)                     ~象a& ∃y(鼻ya&長y)                ク連言の定義
   ク  (コ)   象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)                    ケ∨I
   ク  (サ)   象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z)        コ∨I
    シ (シ)                                     ~∀z(~鼻za→~長z)  A
    シ (ス)                                     ∃z~(~鼻za→~長z)  サ量化子の関係
     セ(セ)                                       ~(~鼻ca→~長c)  A
     セ(ソ)                                         ~鼻ca& 長c   ス連言の定義
     セ(タ)                                      ∃z(~鼻za& 長z)  セEI
    シ (チ)                                      ∃z(~鼻za& 長z)  サスソEE
    シ (ツ)                   ~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z)                チ∨I
    シ (テ)   象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z)        ツ∨I
 3    (ト)   象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z)        45キクサシテ∨E
 3    (ナ)∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨~象x&∃y(鼻yx&長y)∨∃z(~鼻zx&長z)}       トEI
1     (ニ)∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨~象x&∃y(鼻yx&長y)∨∃z(~鼻zx&長z)}       23ナEE
1     (〃)あるxについて、
         xは象であって、すべてのyについてyがxの鼻であるならば、yは長くないか、
         xは象でなくて、あるyはxの鼻であって、長いか、
         あるzはxの鼻ではなくて、zは長い。
従って、
(05)(06)により、
(07)
⑤ 象長い。とは言へない。⇔
⑤ ~∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
⑤  ∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨~象x& ∃y(鼻yx&長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)}⇔
⑤{あるxは象であるが鼻は長くない}か、{あるxは象ではないが鼻が長い}か、{あるzはx(象)の鼻以外(例へば、耳)であるが長い}。
従って、
(07)により、
(08)
⑥ 象長い。⇔
⑥  ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
⑥ ~∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨~象x& ∃y(鼻yx&長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)}⇔
⑥{鼻が長くない象がゐる}か、{象ではないが鼻が長い動物がゐる}か、{象は鼻以外も長い}か、と言へば、さのやうなことは無い
令和元年08月20日、毛利太。

2019年8月18日日曜日

漢文にも述語論理にも、「括弧」は有ります!!

(01)
(ⅰ)
1 (1)~∀x(Fx→ ∃y(Gyx&~Hxy)) A
1 (2)∃x~(Fx→ ∃y(Gyx&~Hxy)) 1量化子の関係
 3(3)  ~(Fa→ ∃y(Gya&~Hay)) A
 3(4) ~(~Fa∨ ∃y(Gya&~Hay)) 3含意の定義
 3(5)    Fa&~∃y(Gya&~Hay)) 4ド・モルガンの法則
 3(6)    Fa                5&E
 3(7)       ~∃y(Gya&~Hay)  5&E
 3(8)       ∀y~(Gya&~Hay)  7量化子の関係
 3(9)         ~(Gba&~Hab)  8UE
 3(ア)          ~Gba∨ Hab   9ド・モルガンの法則
 3(イ)           Gba→ Hab   ア含意の定義
 3(ウ)        ∀y(Gya→ Hay)  イUI
 3(エ)    Fa& ∀y(Gya→ Hay)  6ウ&I
 3(オ) ∃x(Fx& ∀y(Gya→ Hxy)) エEI
1 (カ) ∃x(Fx& ∀y(Gyx→ Hxy)) 13オEE
(ⅱ)
1  (1) ∃x(Fx& ∀y(Gyx→ Hxy)) A
 2 (2)    Fa& ∀y(Gya→ Hay)  A
 2 (3)    Fa                2&E
 2 (4)        ∀y(Gya→ Hay)  2&E
 2 (5)           Gba→ Hab   4UE
  6(6)           Gba&~Hab   A
  6(7)           Gba        6&E
 26(8)                Hab   57MPP
  6(9)               ~Hab   6&E
 26(ア)           Hab&~Hab   89&I
 2 (イ)         ~(Gba&~Hab)  6アRAA
 2 (ウ)       ∀y~(Gba&~Hay)  イUI
 2 (エ)       ~∃y(Gba&~Hay)  ウ量化子の関係
 2 (オ)    Fa&~∃y(Gba&~Hay)  3エ&I
 2 (カ) ~(~Fa∨ ∃y(Gba&~Hay)  オ、ド・モルガンの法則
 2 (キ)∃x~(Fx→ ∃y(Gyx&~Hxy)) カ含意の定義
1  (ク)∃x~(Fx→ ∃y(Gyx&~Hxy)) 12キEE
1  (ケ)~∀x(Fx→ ∃y(Gyx&~Hxy)) ク量化子の関係
従って、
(01)により、
(02)
① ~∀x(Fx→∃y(Gyx&~Hxy))
②   ∃x(Fx&∀y(Gyx→ Hxy))
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
そこで述語論理学では「人間」と「動物」のような関係をあらわすのに、
 動物(人間)
と表示する。そしてこれを記号化して、
 F(a) または( )を省略して Fa
というように書く。
(沢田 允茂、現代論理学入門、1962年、116頁改)
(04)
任意の表述の否定は、その表述を’~(  )’という空所にいれて書くことにしよう;しかし「括弧」はその内部が連言でないかぎり削除しよう。
(W.O.クワイン著、杖下隆英訳、現代論理学入門、1972年、15頁)
(05)
むやみに括弧多くなること我慢ができないのである(human being cannot stand too much proliferation of bracket)。― 中略 ―、結合記号に一定の順序でランクをつけることにしよう。~は&または∨よりも「より強く結合」する。&と∨は→よりも「より強く結合する」。(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、59頁)
従って、
(02)~(05)により、
(06)
①  ~∀x(Fx→∃y(Gyx&~Hxy))
②    ∃x(Fx&∀y(Gyx→ Hxy))
といふ「論理式」は、「むやみに括弧が多くなること」を我慢して、「括弧」を「省略」しないのであれば、
① ~(∀x(F(x)→∃y(G(yx)&~(H(xy)))))
②     ∃x(F(x)&∀y(G(yx)→  H(xy)))
といふ風に、書くのが、「正しい」。
然るに、
(07)
(ⅰ)
1 (1)~∀x(弟子x→ ∃y(師yx&~如xy)) A
1 (2)∃x~(弟子x→ ∃y(師yx&~如xy)) 1量化子の関係
 3(3)  ~(弟子a→ ∃y(師ya&~如ay)) A
 3(4) ~(~弟子a∨ ∃y(師ya&~如ay)) 3含意の定義
 3(5)    弟子a&~∃y(師ya&~如ay)) 4ド・モルガンの法則
 3(6)    弟子a                 5&E
 3(7)        ~∃y(師ya&~如ay)  5&E
 3(8)        ∀y~(師ya&~如ay)  7量化子の関係
 3(9)          ~(師ba&~如ab)  8UE
 3(ア)           ~師ba∨ 如ab   9ド・モルガンの法則
 3(イ)            師ba→ 如ab   ア含意の定義
 3(ウ)         ∀y(師ya→ 如ay)  イUI
 3(エ)    弟子a& ∀y(師ya→ 如ay)  6ウ&I
 3(オ) ∃x(弟子x& ∀y(師ya→ 如xy)) エEI
1 (カ) ∃x(弟子x& ∀y(師yx→ 如xy)) 13オEE
1 (〃)あるxは弟子であって、すべてのxについて、yがxが師ならば、xはyに及んでゐる。
(ⅱ)
1  (1) ∃x(弟子x& ∀y(師yx→ 如xy)) A
 2 (2)    弟子a& ∀y(師ya→ 如ay)  A
 2 (3)    弟子a                 2&E
 2 (4)         ∀y(師ya→ 如ay)  2&E
 2 (5)            師ba→ 如ab   4UE
  6(6)            師ba&~如ab   A
  6(7)            師ba        6&E
 26(8)                  如ab   57MPP
  6(9)                 ~如ab   6&E
 26(ア)             如ab&~如ab   89&I
 2 (イ)          ~(師ba&~如ab)  6アRAA
 2 (ウ)        ∀y~(師ba&~如ay)  イUI
 2 (エ)        ~∃y(師ba&~如ay)  ウ量化子の関係
 2 (オ)    弟子a&~∃y(師ba&~如ay)  3エ&I
 2 (カ) ~(~弟子a∨ ∃y(師ba&~如ay)  オ、ド・モルガンの法則
 2 (キ)∃x~(弟子x→ ∃y(師yx&~如xy)) カ含意の定義
1  (ク)∃x~(弟子x→ ∃y(師yx&~如xy)) 12キEE
1  (ケ)~∀x(弟子x→ ∃y(師yx&~如xy)) ク量化子の関係
1  (〃)すべてのxについて、xが弟子であるならば、あるyはxの師であって、xはyに及ばない。といふわけではない。
従って、
(06)(07)により、
(08)
①   ~∀x(弟子x→∃y(師yx&~如xy))
②     ∃x(弟子x&∀y(師yx→ 如xy))
といふ「論理式」は、「むやみに括弧が多くなること」を我慢して、「括弧」を「省略」しないのであれば、
① ~(∀x(弟子(x)→∃y(師(yx)&~(如(xy)))))
②     ∃x(弟子(x)&∀y(師(yx)→  如(xy)))
といふ風に、「書いて」、
① すべてのxについて、xが弟子であるならば、あるyはxの師であるが、xはyに及ばない。といふわけではない。
② あるxは弟子であって、すべてのxについて、yがxが師ならば、xはyに及んでゐる。
といふ風に、「読む」のが、「正しい」。
従って、
(09)
①   ~∀x(弟子x→∃y(師yx&~如xy))
②     ∃x(弟子x&∀y(師yx→ 如xy))
のやうに、「括弧が書かれてゐる論理式」であっても、実際には、「すべての括弧が、書かれてゐる」といふ、わけではない
然るに、
(10)
① 弟子不必不一レ師=
① 弟子不[必不〔如(師)〕]。
に於いて、
① 不[ ]⇒[ ]不
① 不〔 〕⇒〔 〕不
① 如( )⇒( )如
といふ「移動」を行ふと、
① 弟子不[必不〔如(師)〕]⇒
① 弟子[必〔(師)如〕不]不=
① 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕ずんば]あらず=
① 弟子は必ずしも師匠に及ばないというわけではない(韓愈、師説)。
cf.
〔通釈〕弟子は必ずしも師に及ばないというわけではなく、(弟子の方がすぐれている場合もある)。
(三省堂、明解古典学習シリーズ20、1973年、56頁改)
然るに、
(11)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① 弟子不[必不〔如(師)〕]。
① 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕ずんば]あらず。
に於ける、
①[ 〔 ( ) 〕 ]
①[ 〔 ( ) 〕 ]
といふ「括弧」は、
① 弟子不必不如師。
① 弟子は必ずしも師に如かずんばあらず。
といふ、
①「漢文補足構造」に加へて、
①「国語補足構造」を、表してゐる。
従って、
(12)により、
(13)
① 弟子不[必不〔如(師)〕]。
① 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕ずんば]あらず。
に於ける、「括弧」は、
①「漢文補足構造」と、
①「訓読語順」を、示してゐる。
従って、
(08)(10)~(13)により、
(14)
①  ~∀x(弟子x→∃y(師yx&~如xy))
といふ「論理式」に、
① ~(∀x(弟子(x)→∃y(師(yx)&~(如(xy)))))
といふ「補足構造」が有るやうに、
① 弟子不必不如師。
といふ「漢文」には、初めから、
① 弟子不[必不〔如(師)〕]。
といふ「補足構造」が有って、その上で、「たまたま、偶然に補足構造に於ける語順が、漢文国語とでは、全く反対であった」が故に、「結果」として、
① 弟子不必不一レ師=
① 弟子不[必不〔如(師)〕]⇒
① 弟子[必〔(師)如〕不]不=
① 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕ずんば]あらず=
① 弟子は必ずしも師匠に及ばないというわけではない(韓愈、師説)。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
従って、
(14)により、
(15)
① 弟子不必不如師。
といふ「漢文」は、
① Dìzǐbùbìbùrúshī。
といふ風に、読もうと、
① 弟子は必ずしも師に如かずんばあらず。
といふ風に、読むまいと、それ自体として、
① 弟子不[必不〔如(師)〕]。
といふ「括弧(補足構造)」を、持ってゐる。
令和元年08月18日、毛利太。

2019年8月17日土曜日

「聖人所不知未必不為愚人所知也」の「述語論理」。

(01)
(ⅰ)
1  (1)~∀x{∃y(聖人y&~知yx)→ ∀z(愚人z→~知zx)} A
1  (〃)すべてのxについて、あるyが聖人であって、yがxを知らなければ、すべてのzについて、zが愚人であるならば、zはxを知らない。といふわけではない。
1  (2)∃x~{∃y(聖人y&~知yx)→ ∀z(愚人z→~知zx)} 1含意の定義
 3 (3)  ~{∃y(聖人y&~知ya)→ ∀z(愚人z→~知za)} A
 3 (4) ~{~∃y(聖人y&~知ya)∨ ∀z(愚人z→~知za)} 3含意の定義
 3 (5)    ∃y(聖人y&~知ya)&~∀z(愚人z→~知za)  4ド・モルガンの法則
 3 (6)    ∃y(聖人y&~知ya)                5&E
 3 (7)                 ~∀z(愚人z→~知za)  5&E
 3 (8)                 ∃z~(愚人z→~知za)  7量化子の関係
  9(9)                   ~(愚人c→~知ca)  A
  9(ア)                  ~(~愚人c∨~知ca)  9含意の定義
  9(イ)                     愚人c& 知ca   ア、ド・モルガンの法則
  9(ウ)                  ∃z(愚人c& 知za)  イEI
 3 (エ)                  ∃z(愚人c& 知za)  89ウEE
 3 (オ)    ∃y(聖人y&~知ya)& ∃z(愚人c& 知za)  6エ&I
1  (カ)    ∃y(聖人y&~知ya)& ∃z(愚人c& 知za)  23オEE
1  (キ) ∀x{∃y(聖人y&~知yx)& ∃z(愚人c& 知zx)} カUI
1  (〃)いかなるxであっても、xを知らない聖人が存在し、xを知ってゐる愚人が存在する。
(ⅱ)
1  (1) ∀x{∃y(聖人y&~知yx)& ∃z(愚人c& 知zx)} A
1  (2)    ∃y(聖人y&~知ya)& ∃z(愚人c& 知za)  1UE
1  (3)    ∃y(聖人y&~知ya)                2&E
1  (4)                  ∃z(愚人c& 知za)  2&E
 5 (5)                     愚人c& 知ca   A
 5 (6)                  ~(~愚人c∨~知ca)  5ド・モルガンの法則
 5 (7)                   ~(愚人c→~知ca)  6含意の定義
 5 (8)                 ∃z~(愚人c→~知za)  7EI
 5 (9)                 ~∀z(愚人c→~知za)  8量化子の関係
1  (ア)                 ~∀z(愚人c→~知za)  459EE
1  (イ)    ∃y(聖人y&~知ya)&~∀z(愚人c→~知za)  3ア&I
1  (ウ) ~{~∃y(聖人y&~知ya)∨ ∀z(愚人z→~知za)} イ、ド・モルガンの法則
1  (エ)  ~{∃y(聖人y&~知ya)→ ∀z(愚人z→~知za)} ウ含意の定義
1  (オ)∃x~{∃y(聖人y&~知ya)→ ∀z(愚人z→~知za)} エEI
1  (カ)~∀x{∃y(聖人y&~知yx)→ ∀z(愚人z→~知zx)} オ量化子の関係
1  (〃)すべてのxについて、あるyが聖人であって、yがxを知らなければ、すべてのzについて、zが愚人であるならば、zはxを知らない。といふわけではない。
従って、
(01)により、
(02)
① ~∀x{∃y(聖人y&~知yx)→ ∀z(愚人z→~知zx)}
②   ∀x{∃y(聖人y&~知yx)& ∃z(愚人c& 知zx)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、あるyが聖人であって、yがxを知らなければ、すべてのzについて、zが愚人であるならば、zはxを知らない。といふわけではない。
② いかなるxであっても、xを知らない聖人が存在し、xを知ってゐる愚人が存在する。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
③ 聖人所知未必不一レ愚人所一レ知也=
③ 聖人所〔不(知)〕未〈必不{為[愚人〔所(知)〕]}〉也⇒
③ 聖人〔(知)不〕所未〈必{[愚人〔(知)所〕]為}不〉不也=
③ 聖人の〔(知ら)不る〕所未だ〈必ずしも{[愚人の〔(知る)所と〕]為さ}不んば〉あら不る也。
然るに、
(04)
[訳]聖人の知らないことでも、必ずしも愚人が知らないとは限らない(愚人が既に知っている場合もある)。
(教学社、風呂で覚える漢文、1998年、26頁)
然るに、
(05)
② いかなるxであっても、xを知らない聖人が存在し、xを知ってゐる愚人が存在する。
③ 聖人の知らないことでも、必ずしも愚人が知らないとは限らない。
に於いて、
②=③ ではない。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① ~∀x{∃y(聖人y&~知yx)→∀z(愚人z→~知zx)}
③ 聖人所知未必不一レ愚人所一レ知也。
に於いて、
①=③ ではない。
(07)
良くは知らないものの、あるいは、
③ 聖人所知未必不一レ愚人所一レ知也。⇔
③ 聖人の知らないことでも、必ずしも愚人が知らないとは限らない。
のやうな「命題」を「翻訳」する場合は、「様相論理学」が用ひられるのかも知れない。
令和元年08月17日、毛利太。

2019年8月15日木曜日

「当世士大夫無不知有劉老人者」の「述語論理」(Ⅱ)。

(01)
(ⅰ)
1   (1) ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)   A
1   (2)    士大夫a→∀y(劉老人y→ 知ay)   1UE
 3  (3)    士大夫a                 A
13  (4)         ∀y(劉老人y→ 知ay)   23MPP
13  (5)           (劉老人b→ 知ab)   4UE
  6 (6)            劉老人b&~知ab    A
  6 (7)            劉老人b         6&E
136 (8)                  知ab    57MPP
  6 (9)                 ~知ab    6&E
136 (ア)             知ab&~知ab    89&I
13  (イ)          ~(劉老人b&~知ab)   6アRAA
13  (ウ)        ∀y~(劉老人y&~知ay)   イUI
13  (エ)        ~∃y(劉老人y&~知ay)   ウ量化子の関係
1   (オ)   士大夫a→~∃y(劉老人y&~知ay)   3エCP
1   (カ)  ~士大夫a∨~∃y(劉老人y&~知ay)   オ含意の定義
1   (キ)  ~{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)}  カ、ド・モルガンの法則
1   (ク)∀x~{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}  キUI
1   (ケ)~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}  ク量化子の関係
1   (〃)あるxは士大夫であって、あるyは劉老人であって、xがyを知らない。といふことはない。
(ⅱ)
1   (1)~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}  A
1   (2)∀x~{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}  1量化子の関係
1   (3)  ~{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)}  1UE
 4  (4)    士大夫a                 A
  5 (5)         ∃y(劉老人y&~知ay)     A
 45 (6)    士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)   A
145 (7)  ~{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)}&
          {士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)}  45&I
14  (8)        ~∃y(劉老人y&~知ay)    57RAA
14  (9)        ∀y~(劉老人y&~知ay)   8量化子の関係
14  (ア)          ~(劉老人b&~知ab)   9UE
  イ (イ)            劉老人b         A
   ウ(ウ)                 ~知ab    A
  イウ(エ)            劉老人b&~知ab    ウエ&I
14イウ(オ)          ~(劉老人b&~知ab)&
                  (劉老人b&~知ab)   アエ&I
14イ (カ)                ~~知ab    ウオRAA
14イ (キ)                  知ab    カDN
14  (ク)            劉老人b→ 知ab    イキCP
14  (ケ)         ∀y(劉老人y→ 知ay)   クUI
1   (コ)    士大夫a→∀y(劉老人y→ 知ay)   4ケCP
1   (サ) ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)   コUI
1   (〃)すべてのxについて、xが士大夫であるならば、すべてyについて、yが劉老人であるならば、xはyを知ってゐる。
従って、
(01)により、
(02)
①   ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)}
② ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}
に於いて、
① ならば ② であり、
② ならば ① である。
従って、
(02)により、
(03)
①   ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)}
② ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
①   ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)}&∃x(士大夫x)&∃y(劉老人y)⇒∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy)
② ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}&∃x(士大夫x)&∃y(劉老人y)⇒∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy)
に於いて、
① だけが「正しく」、
② が「正しくない」。といふことはない。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1   (1) ∀x{士大夫x→ ∀y(劉老人y→ 知xy)} A
 2  (2) ∃x(士大夫x)&∃y(劉老人y)       A
1   (3)    士大夫a→ ∀y(劉老人y→ 知ay)  1UE
 2  (4) ∃x(士大夫x)                2&E
  5 (5)    士大夫a                 A
1 5 (6)          ∀y(劉老人y→ 知ay)  35MPP
1 5 (7)             劉老人b→ 知ab   6UE
 2  (8)          ∃y(劉老人y)       2&E
 2  (9)             劉老人b        A
125 (ア)                   知ab   79MPP
125 (イ)        士大夫a&劉老人b        59&I
125 (ウ)        士大夫a&劉老人b&知ab    アイ&I
125 (エ)     ∃y(士大夫a&劉老人y&知ay)   ウEI
1 5 (オ)     ∃y(士大夫a&劉老人y&知ay)   89エEE
1 5 (カ)   ∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy)   オEI
12  (キ)   ∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy)   45カEE
12  (〃)あるxとあるyについて、xは士大夫であって、yは劉老人であって、xはyを知ってゐる。 
(ⅱ)
1   (1)~∃x{士大夫x &∃y(劉老人y&~知xy)} A
 2  (2) ∃x(士大夫x)&∃y(劉老人y)       A
1   (3)∀x~{士大夫x &∃y(劉老人y&~知xy)} 1量化子の関係
1   (4)  ~{士大夫a &∃y(劉老人y&~知ay)} 3UE
1   (5)   ~士大夫a∨~∃y(劉老人y&~知ay)  4ド・モルガンの法則
1   (6)    士大夫a→~∃y(劉老人y&~知ay)  5含意の定義
 2  (7) ∃x(士大夫x)                2&E
  3 (8)    士大夫a                 A
1 3 (9)         ~∃y(劉老人y&~知ay)  68MPP
1 3 (ア)         ∀y~(劉老人y&~知ay)  9含意の定義
1 3 (イ)           ~(劉老人b&~知ab)  アUE
1 3 (ウ)            ~劉老人b∨ 知ab   イ、ド・モルガンの法則
1 3 (エ)             劉老人b→ 知ab   ウ含意の定義
 2  (カ)          ∃y(劉老人y)       2&E
   キ(キ)             劉老人b        A
1 3キ(ク)                   知ab   エキMPP
1 3キ(ケ)        士大夫a&劉老人b        8キ&I
1 3キ(コ)        士大夫a&劉老人b&知ab    クケ&I
1 3キ(サ)     ∃y(士大夫a&劉老人y&知ay)   コEI
123 (シ)     ∃y(士大夫a&劉老人y&知ay)   カキサEE
123 (ス)   ∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy)   シEI
12  (セ)   ∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy)   78スEE
12  (〃)あるxとあるyについて、xは士大夫であって、yは劉老人であって、xはyを知ってゐる。
従って、
(04)(05)により、
(06)
果たして、確かに、
①   ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)}&∃x(士大夫x)&∃y(劉老人y)⇒∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy)
② ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}&∃x(士大夫x)&∃y(劉老人y)⇒∃x∃y(士大夫x&劉老人y&知xy)
に於いて、
① は「正しく」、
② も「正しい」。
然るに、
(07)
∃とは、存在限定子の事を指す。決して、決して「ヨ」ではない。
概要
数学・論理学において適当な、ある、を表す記号。存在限定子(existential quantifier)と呼ぶ。読み方は意味の通り、適当な、ある~と読まれる(英語だとthere exists, there is)。
(ニコニコ大百科)
従って、
(08)
有る
であって、それ故、
② ~x{士大夫x&y(劉老人y&~知xy)}
であれば、
② ~x{士大夫x&y(劉老人y&~知xy)}
である。
然るに、
(09)

であって、それ故、
~有x{士大夫x&y(劉老人y&~知xy)}
であれば、
不有x{士大夫x&y(劉老人y&不知xy)}
である。
然るに、
(10)
不有
であって、それ故、
不有x{士大夫x&y(劉老人y&不知xy)}
であれば、
②  x{士大夫x&y(劉老人y&不知xy)}
である。
然るに、
(11)
②  x{士大夫x&y(劉老人y&不知xy)}
といふ「式」は、
②  {士大夫不[知〔(劉老人)〕]者}。
といふ「漢文」に、よく似てゐる
従って、
(07)~(11)により、
(12)
~∃x{士大夫x&y(劉老人y&~知xy)}。
といふ「述語論理式」は、
{士大夫不[知〔(劉老人)〕]者}⇒
② {士大夫[〔(劉老人)〕知]不者}無=
② {士大夫にして[〔(劉老人)有るを〕知ら]不る者}無し
② 士大夫であって、劉老人の存在を知らない者は存在しない。
といふ「漢文・訓読」を、「想起」させる。
令和元年08月15日、毛利太。

「当世士大夫無不知有劉老人者」の「述語論理」。

(01)
① 当世士大夫無不知有劉老人者=
① 当世士大夫無劉老人
① 当世の士大夫、劉老人有るを知らざる者無し(助字弁略)=
① 当時の士大夫(知識人)であって、劉老人の存在を知らない者は存在しない
(02)
② 無当世士大夫不知有劉老人者=
② 無{当世士大夫不[知〔有(劉老人)〕]者}⇒
② {当世士大夫[〔(劉老人)有〕知]不者}無=
② {当世士大夫にして[〔(劉老人)有るを〕知ら]不る者}無し=
② 当時の士大夫(知識人)であって、劉老人の存在を知らない者は存在しない
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 当世士大夫不知有劉老人者。
当世士大夫不知有劉老人者。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
③ ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}=当世の士大夫、劉老人有るを知らざる者無し。⇔
③ xは士大夫であって、あるyは劉老人であって、xがyを知らない。といふ、そのやうなxは存在しない
従って、
(03)(04)により、
(05)
② 無当世士大夫不知有劉老人者。
③ ~∃x{当世士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}=
③ xは士大夫であって、あるyは劉老人であって、xがyを知らない。といふ、そのやうなxは存在しない
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(06)
(ⅲ)
1   (1)~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}  A
1   (2)∀x~{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}  1量化子の関係
1   (3)  ~{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)}  1UE
 4  (4)    士大夫a                 A
  5 (5)         ∃y(劉老人y&~知ay)     A
 45 (6)    士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)   A
145 (7)  ~{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)}&
          {士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)}  45&I
14  (8)        ~∃y(劉老人y&~知ay)    57RAA
14  (9)        ∀y~(劉老人y&~知ay)   8量化子の関係
14  (ア)          ~(劉老人b&~知ab)   9UE
  イ (イ)            劉老人b         A
   ウ(ウ)                 ~知ab    A
  イウ(エ)            劉老人b&~知ab    ウエ&I
14イウ(オ)          ~(劉老人b&~知ab)&
                  (劉老人b&~知ab)   アエ&I
14イ (カ)                ~~知ab    ウオRAA
14イ (キ)                  知ab    カDN
14  (ク)            劉老人b→ 知ab    イキCP
14  (ケ)         ∀y(劉老人y→ 知ay)   クUI
1   (コ)    士大夫a→∀y(劉老人y→ 知ay)   4ケCP
1   (サ) ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)   コUI
1   (〃)すべてのxについて、xが士大夫であるならば、すべてyについて、yが劉老人であるならば、xはyを知ってゐる。
(ⅳ)
1   (1) ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)   A
1   (2)    士大夫a→∀y(劉老人y→ 知ay)   1UE
 3  (3)    士大夫a                 A
13  (4)         ∀y(劉老人y→ 知ay)   23MPP
13  (5)           (劉老人b→ 知ab)   4UE
  6 (6)            劉老人b&~知ab    A
  6 (7)            劉老人b         6&E
136 (8)                  知ab    57MPP
  6 (9)                 ~知ab    6&E
136 (ア)             知ab&~知ab    89&I
13  (イ)          ~(劉老人b&~知ab)   6アRAA
13  (ウ)        ∀y~(劉老人y&~知ay)   イUI
13  (エ)        ~∃y(劉老人y&~知ay)   ウ量化子の関係
1   (オ)   士大夫a→~∃y(劉老人y&~知ay)   3エCP
1   (カ)  ~士大夫a∨~∃y(劉老人y&~知ay)   オ含意の定義
1   (キ)  ~{士大夫a&∃y(劉老人y&~知ay)}  カ、ド・モルガンの法則
1   (ク)∀x~{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}  キUI
1   (ケ)~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}  ク量化子の関係
1   (〃)xは士大夫であって、あるyは劉老人であって、xがyを知らない。といふ、そのやうなxは存在しない
従って、
(06)により、
(07)
③ ~∃x{士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}
④   ∀x{士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)}
に於いて、すなはち、
③ xは士大夫であって、あるyは劉老人であって、xがyを知らない。といふ、そのやうなxは存在しない
④ すべてのxについて、xが士大夫であるならば、すべてyについて、yが劉老人であるならば、xはyを知ってゐる。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
① 当世士大夫無不知有劉老人者。
といふ「漢文(助字弁略)」は、
③ ~∃x{当世士大夫x&∃y(劉老人y&~知xy)}
④  ∀x{当時士大夫x→∀y(劉老人y→ 知xy)}
といふ「述語論理」に、相当する。
令和元年08月15日、毛利太。