2019年8月20日火曜日

「象が鼻が長い」の「述語論理」。

(01)
(ⅰ)
1   (1)   P& Q   A
 2  (2)   P→~Q   A
1   (3)   P      1&E
12  (4)     ~Q   23MPP
 2  (5)      Q   1&E
12  (6)   ~Q&Q   45&I
1   (7) ~(P→~Q)  26RAA
(ⅱ)
1   (1) ~(P→~Q)  A
 2  (2) ~(P& Q)  A
  3 (3)   P      A
   4(4)      Q   A
  34(5)   P& Q   34&I
 234(6) ~(P& Q)&
         (P& Q)  25&I
 23 (7)     ~Q   46RAA
 2  (8)   P→~Q   37CP
12  (9) ~(P→~Q)&
         (P→~Q)  28&I
1   (ア)~~(P& Q)  29RAA
1   (イ)   P& Q   アDN
従って、
(01)により、
(02)
①     P& Q
② ~(P→~Q)
に於いて、
①=② であるが、
この「等式」を、『連言の定義(Df.&)』とする。
(03)
① 象は鼻は長い。
② 象以外は鼻は長くない
③ 象は鼻以外は長くない
であるとして、
④ 象長い=①+②+③ である。とする。
従って、
(03)により、
(04)
④ 象が鼻が長い。⇔
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
従って、
(04)により、
(05)
⑤ 象長い。とは言へない。⇔
⑤ ~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
然るに、
(06)
1     (1)    ~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1     (2)    ∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 1量化子の関係
 3    (3)      ~{象a→∃y(鼻ya&長y)&~象a→~∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} A
 3    (4)  ~{象a→∃y(鼻ya&長y)}∨~{~象a→~∃y(鼻ya&長y}∨~∀z(~鼻za→~長z)} 3ド・モルガンの法則
  5   (5)  ~{象a→∃y(鼻ya&長y)}                                  A
  5   (6)    象&~∃y(鼻ya&長y)                                   5連言の定義
  5   (7)    象a                                              6&E
  5   (8)      ~∃y(鼻ya&長y)                                   6&E
  5   (9)      ∀y~(鼻ya&長y)                                   8量化子の関係
  5   (ア)        ~(鼻ba&長b)                                   9UE
  5   (イ)        ~鼻ab∨~長b                                    ア、ド・モルガンの法則
  5   (ウ)         鼻ba→~長b                                    イ含意の定義
  5   (エ)      ∀y(鼻ya→~長y)                                   ウUI
  5   (オ)   象a&∀y(鼻ya→~長y)                                   7エ&I
  5   (カ)   象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)                    オ∨I
  5   (キ)   象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z)        カ∨I
   ク  (ク)                    ~{~象a→~∃y(鼻ya&長y}                                A
      ク  (ケ)                     ~象a& ∃y(鼻ya&長y)                ク連言の定義
   ク  (コ)   象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)                    ケ∨I
   ク  (サ)   象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z)        コ∨I
    シ (シ)                                     ~∀z(~鼻za→~長z)  A
    シ (ス)                                     ∃z~(~鼻za→~長z)  サ量化子の関係
     セ(セ)                                       ~(~鼻ca→~長c)  A
     セ(ソ)                                         ~鼻ca& 長c   ス連言の定義
     セ(タ)                                      ∃z(~鼻za& 長z)  セEI
    シ (チ)                                      ∃z(~鼻za& 長z)  サスソEE
    シ (ツ)                   ~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z)                チ∨I
    シ (テ)   象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z)        ツ∨I
 3    (ト)   象a&∀y(鼻ya→~長y)∨~象a&∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z)        45キクサシテ∨E
 3    (ナ)∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨~象x&∃y(鼻yx&長y)∨∃z(~鼻zx&長z)}       トEI
1     (ニ)∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨~象x&∃y(鼻yx&長y)∨∃z(~鼻zx&長z)}       23ナEE
1     (〃)あるxについて、
         xは象であって、すべてのyについてyがxの鼻であるならば、yは長くないか、
         xは象でなくて、あるyはxの鼻であって、長いか、
         あるzはxの鼻ではなくて、zは長い。
従って、
(05)(06)により、
(07)
⑤ 象長い。とは言へない。⇔
⑤ ~∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
⑤  ∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨~象x& ∃y(鼻yx&長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)}⇔
⑤{あるxは象であるが鼻は長くない}か、{あるxは象ではないが鼻が長い}か、{あるzはx(象)の鼻以外(例へば、耳)であるが長い}。
従って、
(07)により、
(08)
⑥ 象長い。⇔
⑥  ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
⑥ ~∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨~象x& ∃y(鼻yx&長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)}⇔
⑥{鼻が長くない象がゐる}か、{象ではないが鼻が長い動物がゐる}か、{象は鼻以外も長い}か、と言へば、さのやうなことは無い
令和元年08月20日、毛利太。

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