2019年8月9日金曜日

「鼻は象が長い。」の「鼻は」は「主格」であって「主題」ではない。

(01)
{象、兎、馬、キリン}を「変域(ドメイン)」とすると、
「鼻は象長く、耳は兎長く、顔は馬長く、首はキリン長い。」
従って、
(01)により、
(02)
① 鼻は、象長い。⇔
① 鼻は、象は長く、象以外(兎、馬、キリン)は長くない。⇔
① ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}⇔
① すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1    (1)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x} A
1    (2)  ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a} 1UE
1    (3)     (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a  2UE
1    (4)     (鼻ab&象b)→長a                3&E
1    (5)                 (鼻ab&~象b)→~長a  4&E
 6   (6)                            長a  A
 6   (7)                          ~~長a  6DN
16   (8)                ~(鼻ab&~象b)      56MTT
16   (9)                 ~鼻ab∨ 象b       8ド・モルガンの法則
16   (ア)                  鼻ab→ 象b       9含意の定義
1    (イ)              長a→(鼻ab→ 象b)      6アCP
  ウ  (ウ)              長a& 鼻ab           A
  ウ  (エ)              長a                ウ&E
1 ウ  (オ)                  鼻ab→ 象b       イエMPP
  ウ  (カ)                  鼻ab           ウ&E
1 ウ  (キ)                       象b       カキMPP
1    (ク)             (長a& 鼻ab)→象b       ウキCP
   ケ (ケ)                      ~象b       A
1  ケ (コ)            ~(長a& 鼻ab)          クケMTT
1  ケ (サ)             ~長a∨~鼻ab           コ、ド・モルガンの法則
1  ケ (シ)              長a→~鼻ab           サ含意の定義
1    (ス)             ~象b→(長a→~鼻ab)      ケシCP
    セ(セ)             ~象b& 長a            A
1   セ(ソ)             ~象b                セ&E
1   セ(タ)                  長a→~鼻ab       スゾMPP
    セ(チ)                  長a            セ&E
1   セ(ツ)                     ~鼻ab       タチMPP
1    (テ)            (~象b&長a)→~鼻ab       セツ
1    (ト)     (鼻ab&象b)→長a&(~象b&長a)→~鼻ab  4テ
1    (ナ)  ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(~象y&長a)→~鼻ay} トUI
1     (ニ)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy} ナUI
(ⅱ)
1     (1)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy} A
1    (2)  ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(~象y&長a)→~鼻ay} 1UE
1    (3)     (鼻ab&象b)→長a&(~象b&長a)→~鼻ab  2UE
1    (4)     (鼻ab&象b)→長a                3&E
1    (5)                 (~象b&長a)→~鼻ab  3&E
 6   (6)                           鼻ab  A
 6   (7)                         ~~鼻ab  6DN
16   (8)                ~(~象b&長a)       67MTT
16   (9)                  象b∨~長a        8ド・モルガンの法則
16   (ア)                ~~象b∨~長a        9DN
16   (イ)                 ~象b→~長a        ア含意の定義
1    (ウ)            鼻ab→(~象b→~長a)       6ウCP
  エ  (エ)            鼻ab& ~象b            A
  エ  (オ)            鼻ab                 エ&E
1 エ  (カ)                 ~象b→~長a        ウオMPP
  エ  (キ)                 ~象b            エ&E
1 エ  (ク)                     ~長a        カキMPP
1    (ケ)           (鼻ab&~象b)→~長a        エクCP
1    (コ)     (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a  4ケ&I
1    (サ)  ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a} コUI
1    (シ)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x} サUI
従って、
(03)により、
(04)
① ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}
② ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy}
に於いて、
①=② である。
然るに、
(01)により、
(05)
② yが兎であって、  xが長いならば、xは、yの鼻ではなく耳であり、
② yが馬であって、  xが長いならば、xは、yの鼻ではなく顔であり、
② yがキリンであって、xが長いならば、xは、yの鼻ではなく首であり、
それ故に、
① xがyの鼻であって、yが象以外(兎、馬、キリン)であるならば、xは長くない
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 鼻は、象長い。⇔
① 鼻は、象が長く、象以外(兎、馬、キリン)は長くない。⇔
① ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}⇔
① すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない。
② 鼻は、象長い。⇔
② 鼻は、象が長く、象以外(兎、馬、キリン)で長いとすれば、鼻ではない。⇔
② ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy}⇔ 
② すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象ではなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)により、
(07)
② 鼻は、象長い。
に於いて、
②「長い」のは、「(x)」であって、
②「長い」のは、「象(y)」ではない
従って、
然るに、
(08)
「象」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する(この場合は「長い」までをスコープとする)。また、「鼻」は主格の補語にすぎなく、数ある補語と同じ格であるとする。基本文は述語である「長い」だけだ(三上文法! : wrong, rogue and log)。
従って、
(07)(08)により、
(09)
② 鼻、象が長い。
③ 象は、鼻長い。
に於いて、
②「長い(述語)」の「主格の補語」は、「象」であって、
②「長い(述語)」の「主格の補語」は、「象」である。
従って、
(09)により、
(10)
② 鼻、象が長い。
に於いて、
②「長い(述語)」の「主格の補語」は、「象」であって、「象」ではない
令和元年08月09日、毛利太。

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