2017年3月27日月曜日

ある・ある。

(01)
① 我家。
② 我家。
に於いて、
① 在り=あり
② 有り=あり
である。
然るに、
(02)
① 我在家=我 am in 家。
② 我有家=我 have 家。
である。
cf.
「有」は「もつ」が原義だから「・・・・・がある」にあたり「・・・・・である」ではない。
(中沢希男、同訓異字辞典、1980年、21頁)
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 我在家=我 am in 家。
② 我家=我 am in 家。
に於いて、
① は、有るが、
② は、無い
然るに、
(04)
「於」は、置いたり置かれなかったりして一定していないし、いつどういうときに置くという規則もない。
(二畳庵主人、漢文法基礎、1984年、40頁)
【於】[句法]①〔於・・・・・・〕(前置詞)訓読せずにすますが、下に来る語に「・を・より」などの送り仮名を添える。
(旺文社、漢文基礎語辞典、1984年、400頁)
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 我在家=我 am in 家。
② 我有家=我 am in 家。
に於いて、
① は、有るが、
② は、無い
従って、
(05)により、
(06)
③ 我有家=我 am in 家。
が無いのであれば、
④ 有我此=我 am here。
も無いと、思はれ、
④ 有我此=我 am here。
が無いのであれば、
⑤ 有楚大夫此=楚の大夫 is here.
も無いと、思はれる。
然るに、
(07)

然るに、
(08)
「括弧」であれば、
⑤ 有楚大夫於此=
⑤ 有〔楚‐大‐夫(於此)〕⇒
⑤ 〔(於此)楚‐大‐夫〕有=
⑤ 〔(ここに)楚の大夫〕有り。
である。
因みに、
(10)
「在る・有る」に関して、更に言へば、
英語では、特定者の存在を言ふ場合は、”I am here”(私、いる、ここ)という語順だが、不特定の存在を言う場合は、”Here
is a man”(ここ、いる、ある人)と語順が逆転する。漢文でも、特定者が主語なら「我在此」(我、此に在り)という語順だが、不特定者が主語だと「此有人」(此に人有り)と語順が逆転する。漢文と英語の類似性は、偶然の産物であるご、こんな細かい点まで似ているのである(加藤徹、絵で読む漢文、2010年、118頁)。
との、事である。
(11)
⑥ 楚に楚の大夫有り。
であれば、
⑥ 楚有 楚大夫
であるため、
⑥ ここに楚の大夫有り。
であれば、
⑥ 此有 楚大夫
で良いのではと、思はれる。
平成29年03月27日、毛利太。

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