(01)
{a、b、c}を{xの、変域}とし、
{a、b、c}は{3人の個人}であるとする。
従って、
(01)により、
(02)
① ∃x(Fx&Gx)≡(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc)
② ∃xFx&∃xGx≡(Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc)
然るに、
(03)
①(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc)
②(Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc)
を見れば、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない。
といふことが、「一目瞭然」である。
然るに、
(04)
どのやうに、「一目瞭然」であるのか、といふことを、「説明」すると「長くなる」。
然るに、
(01)により、
(05)
① ∃x(Fx&Gx)
② ∃xFx&∃xGx
に於いて、
F=フランス人である。
G=学生である。
とすると、
① ∃x(Fx&Gx)
② ∃xFx&∃xGx
は、それぞれ、
① あるフランス人は学生である。
② フランス人は存在し、学生も存在する。
といふ風に、読むことが、出来る。
然るに、
(06)
① あるフランス人は学生である。
といふのであれば、
② フランス人は存在するし、学生も存在する。
然るに、
(07)
② フランス人(2歳)は存在し、学生(20歳)も存在する。
としても、
① ある(2歳の)フランス人は、(20歳の)学生である。
といふことは、有り得ない。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① ∃x(Fx&Gx)
② ∃xFx&∃xGx
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない。
然るに、
(09)
(ⅰ)
1 (1) ∃x(Fx&Gx) A
2 (2) Fa&Ga A
2 (3) Fa 2&E
2 (4) ∃xFx 3EI
1 (5) ∃xFx 124EE
6(6) Ga 2&E
6(7) ∃xGx 6&E
1 (8) ∃xGx 167EE
1 (9)∃xFx&∃xGx 57&I
従って、
(08)(09)により、
(10)
「述語計算」の「結果」も、
① ∃x(Fx&Gx)
② ∃xFx&∃xGx
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(11)
(ⅱ)
1 (1) ∃xFx&∃xGx A
1 (2) ∃xFx 1&E
1 (3) ∃xGx 1&E
4 (4) Fa A
5(5) Ga A
45(6) Fa&Ga 45&I
45(7)∃x(Fx&Gx) 6EI
14 (8)∃x(Fx&Gx) 357EE
然るに、
(12)
EEを適用する際には、任意の名前aが、結論(8)を得るために用いられた(代表的選言項以外の)仮定のなかに現われてはならない。
(E.J.レモン著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、147頁改)
従って、
(11)(12)により、
(13)
(ⅱ)
1 (1) ∃xFx&∃xGx A
1 (2) ∃xFx 1&E
1 (3) ∃xGx 1&E
4 (4) Fa A
5(5) Ga A
45(6) Fa&Ga 45&I
45(7)∃x(Fx&Gx) 6EI
14 (8)∃x(Fx&Gx) 357EE
といふ「計算」は、
『結論(8)を得るために用いられた(代表的選言項以外の)仮定(4)のなかに「任意の名前a」現われている。』ため、「マチガイ」である。
従って、
(08)(13)により、
(14)
「述語計算」の「結果」も、
① ∃x(Fx&Gx)
② ∃xFx&∃xGx
に於いて、
② ならば、① であるとは、限らない。
従って、
(08)(10)(14)により、
(15)
「計算」の「結果」も、
① ∃x(Fx&Gx)
② ∃xFx&∃xGx
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない。
然るに、
(16)
(ⅱ)
1 (1) ∃xFx&∃yGy A
1 (2) ∃xFx 1&E
1 (3) ∃xGy 1&E
4 (4) Fa A
5(5) Gb A
45(6) Fa&Gb 45&I
45(7) ∃y(Fa&Gb) 6EI
14 (8) ∃y(Fa&Gy) 357EE
14 (9)∃x∃y(Fx&Gy) 8EI
1 (ア)∃x∃y(Fx&Gy) 249EE
(ⅲ)
1 (1)∃x∃y(Fx&Gy) A
2 (2) ∃y(Fa&Gy) A
3(3) Fa&Gb A
3(4) Fa 3&E
3(5) ∃xFx 4EI
3(6) Gb 3&E
3(7) ∃yGy 6EI
3(8) ∃xFx&∃yGy 57&I
2 (9) ∃xFx&∃yGy 238EE
1 (ア) ∃xFx&∃yGy 129EE
従って、
(16)により、
(17)
② ∃xFx&∃yGy
③ ∃x∃y(Fx&Gy)
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(18)
性質Fをもつ少なくとも2つの相異なった対象が存在する、ということを表現するためには、われわれは符号を必要とする。すなわち、
∃x∃y{(Fx&Fy)&~(x=y)}
― どちらもFをもつ同一でないxとyが存在する。
(E.J.レモン著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、210頁)
従って、
(18)により、
(19)
性質Fと性質Gをもつ少なくとも2つの相異なった対象が存在する、ということを表現するためには、われわれは符号を必要とする。すなわち、
∃x∃y{(Fx&Gy)&~(x=y)}
従って、
(19)により、
(20)
性質Fと性質Gをもつ少なくとも1つの対象が存在する、ということを表現するためには、われわれは符号を必要とする。すなわち、
∃x∃y{(Fx&Gy)&(x=y)}
然るに、
(21)
(ⅴ)
1 (1)∃x∃y{(Fx&Gy)&(x=y)} A
2 (2) ∃y{(Fa&Gy)&(a=y)} A
3(3) Fa&Gb &(a=b) A
3(4) Fa 3&E
3(5) Gb 3&E
3(6) a=b 3&E
3(7) Ga 56=E
3(8) Fa&Ga 57&I
3(9) ∃x(Fx&Gx) 8EI
2 (ア) ∃x(Fx&Gx) 239EE
1 (イ) ∃x(Fx&Gx) 12アEE
従って、
(14)(17)(21)により、
(22)
① ∃x(Fx&Gx)
② ∃xFx&∃xGx
③ ∃x∃y{(Fx&Gy)}
④ ∃x∃y{(Fx&Gy)&(x=y)}
に於いて、
① ⇒ ②
② = ③
④ ⇒ ①
である。
従って、
(22)により、
(23)
① ∃x(Fx&Gx)
② ∃xFx&∃xGx&(x=y)
であるならば、
①=② である。
従って、
(05)(23)により、
(24)
① ∃x(Fx&Gx)
② ∃xFx&∃xGx&(x=y)
であるならば、すなはち、
① あるフランス人は学生である。
② フランス人は存在し、学生も存在し、そのフランス人と学生は「同一人物」である。
であるならば、そのときに限って、
①=② である。
従って、
(24)により、
(25)
① あるフランス人は学生である。
② フランス人は存在し、学生も存在する(が、そのフランス人と学生は「同一人物」ではない)。
であるならば、
①=② ではない。
然るに、
(03)(05)(25)により、
(26)
①(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc)
②(Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc)
を見れば、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない。
といふことが、「一目瞭然」である。
といふことと、
① あるフランス人は学生である。
② フランス人は存在し、学生も存在する(が、そのフランス人と学生は「同一人物」ではない)。
ならば、
①=② ではない。
といふことは、「同じこと」である。
令和02年7月25日、毛利太。
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