(01)
一昨昨日にも示した通り、
(ⅰ)
1 (1) ((P→Q)→P)→P A
1 (2) ((~P∨Q)→P)→P 1含意の定義
1 (3) (~(~P∨Q)∨P)→P 2含意の定義
1 (4)~(~(~P∨Q)∨P)∨P 3含意の定義
5 (5)~(~(~P∨Q)∨P) A
5 (6)~~(~P∨Q)&~P 5ド・モルガンの法則
5 (7) (~P∨Q)&~P 6DN
5 (8) ~P&(~P∨Q) 7交換法則
5 (9)(~P&~P)∨(~P∨Q) 8分配法則
5 (ア) ~P ∨(~P∨Q) 9冪等律
5 (イ) (~P∨(~P∨Q))∨P ア∨I
ウ(エ) P A
ウ(オ) (~P∨(~P∨Q))∨P エ∨I
1 (カ) (~P∨(~P∨Q))∨P 45イウオ∨E
1 (キ) P∨(~P∨(~P∨Q)) カ交換法則
1 (ク) P∨(~P∨~P)∨Q 1結合法則
1 (ケ) P∨(~P)∨Q ク冪等律
1 (コ)(P∨~P)∨Q ケ結合法則
(ⅱ)
1 (1)(P∨~P)∨Q A
1 (2) P∨(~P)∨Q 1結合法則
1 (3) P∨(~P∨~P)∨Q 2冪等律
1 (4)(P∨~P)∨(~P∨Q) A
1 (5) P∨(~P∨(~P∨Q)) 1結合法則
1 (6)(~P∨(~P∨Q))∨P 2交換法則
7 (7) ~P∨(~P∨Q) A
8 (8) ~P A
8 (9) ~P&~P 8冪等律
8 (ア)(~P&~P)∨(~P∨Q) 9∨I
イ (イ) (~P∨Q) A
イ (ウ)(~P&~P)∨(~P∨Q) イ∨I
7 (エ)(~P&~P)∨(~P∨Q) 78アイウ∨E
7 (オ) ~P&(~P∨Q) エ分配法則
7 (カ) (~P∨Q)&~P オ交換法則
7 (キ) ~~(~P∨Q)&~P カDN
7 (ク) ~(~(~P∨Q)∨~~P) キ、ド・モルガンの法則
7 (ケ) ~(~(~P∨Q)∨P) クDN
7 (コ) ~(~(~P∨Q)∨P)∨P ケ∨I
サ(サ) P A
サ(シ) ~(~(~P∨Q)∨P)∨P サ∨I
1 (ス) ~(~(~P∨Q)∨P)∨P 67コサシ∨E
1 (セ) (~(~P∨Q)∨P)→P ス含意の定義
1 (ソ) ((~P∨Q)→P)→P セ含意の定義
1 (タ) ((P→Q)→P)→P ソ含意の定義
従って、
(01)により、
(02)
①((P→Q)→P)→P
②(P∨~P)∨Q
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)
①((P→Q)→P)→P
②(排中律)か、Qである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
パースの法則
排中律や二重否定の除去と等価な命題のひとつで、変なものとして、パースの法則があります。
任意の命題P, Qについて、
((P→Q)→P)→P
が成り立つ
『「PならばQ」ならばP』ならばP
なんか、パズルのような命題ですね(@gyu-don 2019年12月11日に更新)。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① パースの法則。
②(排中律)か、Qである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1 (1) ((P→Q)→P)→P A
1 (2) ((~P∨Q)→P)→P 1含意の定義
1 (3) (~(~P∨Q)∨P)→P 2含意の定義
1 (4)~(~(~P∨Q)∨P)∨P 3含意の定義
5 (5)~(~(~P∨Q)∨P) A
5 (6)~~(~P∨Q)&~P 5ド・モルガンの法則
5 (7) (~P∨Q)&~P 6DN
5 (8) ~P&(~P∨Q) 7交換法則
5 (9)(~P&~P)∨(~P∨Q) 8分配法則
5 (ア) ~P ∨(~P∨Q) 9冪等律
5 (イ) (~P∨(~P∨Q))∨P ア∨I
ウ(エ) P A
ウ(オ) (~P∨(~P∨Q))∨P エ∨I
1 (カ) (~P∨(~P∨Q))∨P 45イウオ∨E
1 (キ) P∨(~P∨(~P∨Q)) カ交換法則
1 (ク) P∨(~P∨~P)∨Q 1結合法則
1 (ケ) P∨(~P)∨Q ク冪等律
1 (コ)(P∨~P)∨Q ケ結合法則
といふやうな「(分配法則を使った)計算」は、「機械的」であって、「自然演繹的」ではない。
cf.
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
自然演繹(しぜんえんえき、英: Natural deduction)は、「自然な」ものとしての論理的推論の形式的モデルを提供する証明理論の手法であり、哲学的論理学の用語である。
然るに、
(07)
(ⅰ)
1 (1) ((P→ Q)→P)→P A
2 (2) (P&~Q)∨P A
3 (3) (P&~Q) A
3 (4) ~(~P∨Q) 3ド・モルガンの法則
3 (5) ~(~P∨Q)∨P 4∨I
6 (6) P A
6 (7) ~(~P∨Q)∨P 6∨I
2 (8) ~(~P∨Q)∨P 23567∨E
2 (9) (~P∨Q)→P 8含意の定義
2 (ア) ( P→Q)→P 9含意の定義
12 (イ) P 1アMPP
1 (ウ) ((P&~Q)∨P)→P 2イCP
エ (エ) ~P A
1 エ (オ)~((P&~Q)∨P) ウエMTT
1 エ (カ) ~(P&~Q)&~P オ、ド・モルガンの法則
1 エ (キ) ~(P&~Q) カ&E
1 エ (ク) ~P∨ Q キ、ド・モルガンの法則
1 (ケ)~P→(~P∨Q) エクCP
1 (コ) P∨(~P∨Q) ケ含意の定義
1 (サ)(P∨~P)∨Q コ結合法則
(ⅱ)
1 (1) (P∨~P)∨Q A
1 (2) P∨(~P∨Q) 1結合法則
1 (3) ~P→(~P∨Q) 2含意の定義
4 (4) ~P A
14 (5) ~P∨Q 34MPP
14 (6) ~(P&~Q) 5ド・モルガンの法則
14 (7) ~(P&~Q)&~P 46&I
14 (8) ~((P&~Q)∨P) 7ド・モルガンの法則
1 (9) ~P→~((P&~Q)∨P) 48CP
ア (ア) ((P&~Q)∨P) A
ア (イ) ~~((P&~Q)∨P) アDN
1 ア (エ)~~P 9イMTT
1 ア (オ) P エDN
1 (カ)((P&~Q)∨P)→P アオCP
キ (キ)~(~P∨Q)∨P A
ク (ク)~(~P∨Q) A
ク (ケ) (P&~Q) ク、ド・モルガンの法則
ク (コ) (P&~Q)∨P ケ∨I
サ (サ) P A
サ (シ) (P&~Q)∨P サ∨I
キ (ス) (P&~Q)∨P キクコサシ∨E
1 キ (セ) P カスMPP
1 (ソ)(~(~P∨Q)∨P)→P キセCP
セ(セ) (P→Q)→P A
セ(ソ) ~(P→Q)∨P セ含意の定義
セ(タ) ~(~P∨Q)∨P ソ含意の定義
1 セ(チ) P
1 (ツ) ((P→Q)→P)→P セチCP
従って、
(07)により、
(08)
①((P→Q)→P)→P
②(P∨~P)∨Q
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)(04)(08)により、
(09)
① パースの法則。
②(排中律)か、Qである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(10)
パースの法則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
パースの法則(パースのほうそく)は哲学者であり論理学者であるチャールズ・サンダース・パースにちなむ論理学における法則である。彼の最初の命題論理の公理化において、この法則を公理に採用した。この公理は、含意と呼ばれるただひとつの結合子を持つ体系における排中律であると考えることもできる。
然るに、
(11)
(ⅰ)
1 (1) P→ P A
2(2) P&~P A
2(3) P 2&E
2(4) ~P 2&E
12(5) P 13MPP
12(6) ~P&P 45&I
1 (7) ~P 36RAA
1 (8) ~P∨P 8∨I
(ⅰ)
1 (1) ~P∨ P A
2 (2) P&~P A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P&P 34&
3 (6)~(P&~P) 25RAA
7 (7) P A
2 (8) ~P 2&E
2 7 (9) P&~P 78&I
7 (ア)~(P&~P) 27RAA
1 (イ)~(P&~P) 1367ア∨
ウ (ウ) P A
エ(エ) ~P A
ウエ(オ) P&~P ウエ&I
1 ウ (カ) ~~P エオRAA
1 ウ (キ) P カDN
1 (ク) P→ P ウキCP
従って、
(11)により、
(12)
「含意の定義」により、
① P→P は「同一律」。
② ~P∨P は「排中律」。
に於いて、
①=② である。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
「パースの法則」は、 「含意」と呼ばれるただひとつの「結合子(→)」を持つ体系における「排中律」であると考えることもできる。
といふのであれば、
「同一律」こそが、正に「含意」と呼ばれるただひとつの「結合子(→)」を持つ体系における「排中律」である。
(14)
パースの法則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
命題計算では、パースの法則は ((P→Q)→P)→P のことを言う。この意味するところを書き出すと、命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる。
といふ「説明」は、私には、「全く、理解できない」。
(15)
(ⅰ)
1 (1) (P→Q)→P A
2 (2) ~P∨Q A
2 (3) P→Q 2含意の定義
12 (4) P 13MPP
1 (5) (~P∨Q)→P 24CP
1 (6)~(~P∨Q)∨P 5含意の定義
7 (7)~(~P∨Q) A
7 (8) P&~Q 7ド・モルガンの法則
7 (9) P 8&E
ア(ア) P A
1 (イ) P 679アア∨E
(ウ)((P→Q)→P)→P 1イCP
(ⅱ)
1 (1) (P→~Q)→P A
2 (2) ~P∨~Q A
2 (3) P→~Q 2含意の定義
12 (4) P 13MPP
1 (5) (~P∨~Q)→P 24CP
1 (6)~(~P∨~Q)∨P 5含意の定義
7 (7)~(~P∨~Q) A
7 (8) P&~~Q 7ド・モルガンの法則
7 (9) P 8&E
ア(ア) P A
1 (イ) P 679アア∨E
(ウ)((P→~Q)→P)→P 1イCP
然るに、
(15)により、
(16)
①((P→ Q)→P)→P
②((P→~Q)→P)→P
に於いて、
① は、「恒真式(トートロジー)」であって、
② も、「恒真式(トートロジー)」である。
といふことは、要するに、
①((Pならば、Qであらうと、Qでなからうと)Pなので)Pである。
②((Pならば、Qでなからうと、Qであらうと)Pなので)Pである。
といふ「命題」は、「恒真式(トートロジー)」である。
といふことに、他ならない。
従って、
(04)(16)により、
(17)
①((P→ Q)→P)→P
②((P→~Q)→P)→P
に於ける、
① だけが、「パースの法則」であると、思ってしまふが故に、
①『「PならばQ」ならばP』ならばP
なんか、パズルのような命題ですね。
といふことになる。
従って、
(17)により、
(18)
「パースの法則」は、
①((P→Q)→P)→P
といふ「命題」ではなく、
①((P→ Q)→P)→P
②((P→~Q)→P)→P
といふ「命題(のペア)」であると、「理解」すべきである。
令和02年07月09日、毛利太。
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