2020年7月4日土曜日

「矛盾律」と「同一律」と「排中律」の「述語論理」。

(01)
① ~∃x(Fx&~Fx)≡(Fであって、Fでないx)は存在しない。
②  ∀x(Fx→ Fx)≡すべてxについて(xがFであるならば、xはFである)。
③  ∀x(Fx∨~Fx)≡すべてxについて(xはFであるか、または、xはFではない)。
といふ「恒真(トートロジー)」を、
①「矛盾律」といひ、
②「同一律」といひ、
③「排中律」といふ。
然るに、
(02)
(ⅰ)
1  (1)    Fa&~Fa   A
   (2)  ~(Fa&~Fa)  11RAA
 3 (3) ∃x(Fx&~Fx)  A
  4(4)    Fa&~Fa   A
  4(5)  ~(Fa&~Fa)&
         (Fa&~Fa)  24&I
 3 (6)  ~(Fa&~Fa)&
         (Fa&~Fa) 345EE
   (7)~∃x(Fx&~Fx) 36RAA
(ⅱ)
 1 (1)   Fa     A
   (2)   Fa→Fa  11CP
   (3)∀x(Fx→Fx) 2UI
(ⅲ)
 1 (1) ~(Fa∨~Fa)  A
  2(2)   Fa       A
  2(3)   Fa∨~Fa   2∨I
 12(4) ~(Fa∨~Fa)&
        (Fa∨~Fa)  12&I
 1 (5)  ~Fa       24RAA
 1 (6)   Fa∨~Fa   5∨I
 1 (7) ~(Fa∨~Fa)&
        (Fa∨~Fa)  16&I
   (8)~~(Fa∨~Fa)  17RAA
   (9)  (Fa∨~Fa)  8DN
   (ア)∀x(Fx∨~Fx)  9UI
従って、
(01)(02)により、
(03)
①「矛盾律」は、  「Fa&~Fa」 を「仮定」することによって「証明」でき、
②「同一律」は、  「Fa」     を「仮定」することによって「証明」でき、
③「排中律」は、「~(Fa∨~Fa)」を「仮定」することによって「証明」できる。
然るに、
(04)
(ⅰ)
 1  (1)    Fa&~Fa   A
    (2)  ~(Fa&~Fa)  11RAA
  3 (3) ∃x(Fx&~Fx)  A
   4(4)    Fa&~Fa   A
   4(5)  ~(Fa&~Fa)&
          (Fa&~Fa)  24&I
  3 (6)  ~(Fa&~Fa)&
          (Fa&~Fa)  345EE
    (7)~∃x(Fx&~Fx)  36RAA
(ⅱ)
 1  (1)   Fa&~Fa   A
    (2) ~(Fa&~Fa)  11RAA
  3 (3)   Fa       A
   4(4)      ~Fa   A
  34(5)   Fa&~Fa   34&I
  34(6) ~(Fa&~Fa)&
         (Fa&~Fa)  25&I
  3 (7)     ~~Fa   46RAA
  3 (8)       Fa   7DN
    (9)   Fa→ Fa   38CP
    (ア)∀x(Fx→ Fx)  9UI
(ⅲ)
1   (1)   Fa&~Fa   A
    (2) ~(Fa&~Fa)  11RAA
 3  (3) ~(Fa∨~Fa)  A
  4 (4)   Fa       A
  4 (5)   Fa∨~Fa   4∨I
 34 (6) ~(Fa∨~Fa)&
         (Fa∨~Fa)  35&I
 3  (7)  ~Fa       46RAA
   8(8)      ~Fa   A
   8(9)   Fa∨~Fa   8∨I
 3 8(ア) ~(Fa∨~Fa)&
         (Fa∨~Fa)  39&I
 3  (イ)     ~~Fa   8アRAA
 3  (ウ)       Fa   イDN
 3  (オ)   Fa&~Fa   7ウ&I
 3  (カ) ~(Fa&~Fa)&
         (Fa&~Fa)  2オ&I
    (キ)~~(Fa∨~Fa)  3カRAA
    (ク)  (Fa∨~Fa)  キDN
    (ケ)∀x(Fx∨~Fx)  クUI
従って、
(03)(04)により、
(05)
①「矛盾律」は、「Fa&~Fa(矛盾)」を「仮定」することによっても「証明」でき、
②「同一律」も、「Fa&~Fa(矛盾)」を「仮定」することによっても「証明」でき、
③「排中律」も、「Fa&~Fa(矛盾)」を「仮定」することによっても「証明」できる。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1(1)~∃x(Fx&~Fx) A
1(2)∀x~(Fx&~Fx) 1量化子の関係
1(3)  ~(Fa&~Fa) 1UI
1(4)   ~Fa∨~Fa  3ド・モルガンの法則
1(5)    Fa→  Fa  4含意の定義
1(6) ∀x(Fx→  Fx) 5UI
(Ⅰ)
1(1) ∀x(Fx→ Fx) A
1(2)    Fa→ Fa  1UE
1(3)   ~Fa∨ Fa  2含意の定義
1(4)  ~(Fa&~Fa) 3ド・モルガンの法則
1(5)∀x~(Fx&~Fx) 4UI
1(6)~∃x(Fx&~Fx) 5量化子の関係
従って、
(06)により、
(07)
① ~∃x(Fx&~Fx)
⑪   ∀x(Fx→  Fx)
に於いて、
①=⑪ である。
然るに、
(08)
②  ∀x(Fx→ Fx)
⑫  ∀x(Fx→ Fx)
の場合は、それこそ、
②=⑫ は、「同一律」である。
然るに、
(09)
(ⅲ)
1     (1)∀x(Fx∨~Fx)  A
1     (2)   Fa∨~Fa   1UE
1     (3)  ~Fa∨ Fa   2交換法則
 4    (4)   Fa&~Fa   A
  5   (5)  ~Fa       A
 4    (6)   Fa       4&E
 45   (7)  ~Fa& Fa   56&I
   8  (8)       Fa   A
 4    (9)      ~Fa   4&E
 4 8  (ア)  ~Fa& Fa   89&I
14    (イ)  ~Fa& Fa   3578ア∨E
1     (ウ) ~(Fa&~Fa)  4イRAA
    エ (エ)   Fa       A
     オ(オ)      ~Fa   A
    エオ(カ)   Fa&~Fa   エオ&I
1   エオ(キ) ~(Fa&~Fa)&
           (Fa&~Fa)  ウカ&I
1   エ (ク)     ~~Fa   オキRAA
1   エ (ケ)       Fa   クDN
1     (コ)   Fa→ Fa   エケCP
1     (サ)∀x(Fx→ Fx)  コUI
(Ⅳ)
1 (1)∀x(Fx→ Fx)  A
1 (2)   Fa→ Fa   1UE
 3(3) ~(Fa∨~Fa)  A
1 (4)  ~Fa∨ Fa   2含意の定義
1 (5)   Fa∨~Fa   4交換法則
13(6) ~(Fa∨~Fa)&
       (Fa∨~Fa)  35&I
1 (7)~~(Fa∨~Fa)  36RAA
1 (8)  (Fa∨~Fa)  7DN
1 (9)∀x(Fx∨~Fx)  8UI
従って、
(09)により、
(10)
③ ∀x(Fx→ Fx)
⑬ ∀x(Fx∨~Fx)
に於いて、
③=⑬ である。
従って、
(07)(08)(10)により、
(11)
① ~∃x(Fx&~Fx)
⑪  ∀x(Fx→  Fx)
②  ∀x(Fx→ Fx)
⑫  ∀x(Fx→ Fx)
③  ∀x(Fx∨~Fx)
⑬  ∀x(Fx→ Fx)
に於いて、
①=⑪=∀x(Fx→Fx)
②=⑫=∀x(Fx→Fx)
③=⑬=∀x(Fx→Fx)
である。
従って、
(01)(11)により、
(12)
① ~∃x(Fx&~Fx)は「矛盾律」。
②  ∀x(Fx→ Fx)は「同一律」。
③  ∀x(Fx∨~Fx)は「排中律」。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(12)により、
(13)
ある「論理体系」に於いて、「排中律」が成り立たないのであれば、
ある「論理体系」に於いては「同一律」も、「矛盾律」も成り立たないに、違ひない。
然るに、
(14)
排中律(はいちゅうりつ、英: Law of excluded middle、仏: Principe du tiers exclu)とは、論理学において、任意の命題 P に対し、
"P∨~P"(Pであるか、またはPでない)が成り立つことを主張する法則である。これは、論理の古典的体系では基本的な属性であり、
同一律、無矛盾律とともに、(古典的な)思考の三原則のひとつに数えられる。しかし、論理体系によっては若干異なる法則となっている場合もあり、場合によっては排中律が全く成り立たないこともある(例えば直観論理)[1][2]。(ウィキペディア)
然るに、
(15)
証明論的な視点から見ると、直観主義論理は古典論理の制限であって排中律や二重否定除去が公理として許容されないものである。排中律や二重否定除去はいくつかの論理式に対しては個別に証明できることがあるけれども、古典論理のように普遍的に成立することはない。(ウィキペディア)
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
「直観主義論理」に於いては、「同一律」も、「矛盾律」も成り立たないに、違ひない。
といふことは、「本当」なのだらうか?
令和02年07月04日、毛利太。

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