2020年12月28日月曜日

「象は鼻が長い」と、その「対偶」の「述語論理」。

(01)
1  (1) ∀x(象x→動x)  A
1  (2)    象a→動a   1UE
 3 (3)      ~動a   A
  4(4)    象a      A
1 4(5)       動a   24MPP
134(6)   ~動a&動a   35&I
13 (7)   ~象a      46RAA
1  (8)   ~動a→~象a  37CP
1  (9)∀x(~動x→~象x) 8UI
(ⅱ)
1  (1)∀x(~動x→~象x) A
1  (2)   ~動a→~象a  1UE
 3 (3)        象a  A
  4(4)   ~動a      A
1 4(5)       ~象a  24MPP
134(6)    象a&~象a  35&I
13 (7)  ~~動a      46RAA
13 (8)    動a      7DN
1  (9)    象a→動a   38CP
1  (ア) ∀x(象x→動x)  9UI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x( 象x→ 動x)
② ∀x(~動x→~象x)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物である)。
② すべてのxについて(xが動物以外ならば、xは象ではない)。
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(02)により、
(03)
① 象は動物である。
② 動物でなければ象ではない。
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1      (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}  A
1      (2)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   1UE
 3     (3)     ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z)   A
  4    (4)     ∀y(鼻ya→~長y)                A
  4    (5)        鼻ba→~長b                 4UE
  4    (6)       ~鼻ba∨~長b                 5含意の定義
  4    (7)      ~(鼻ba& 長b)                6ド・モルガンの法則
  4    (8)    ∀y~(鼻ya& 長y)                7UI
  4    (9)    ~∃y(鼻ya& 長y)                8量化子の関係
  4    (ア)    ~∃y(鼻ya& 長y)∨∃z(~鼻za& 長z)   9∨I
   イ   (イ)                 ∃z(~鼻za& 長z)   A
 3     (ウ)    ~∃y(鼻ya& 長y)∨∃z(~鼻za& 長z)   34アイウ∨E
    エ  (エ)                 ∃z(~鼻za& 長z)   A
     オ (オ)                    ~鼻ba& 長b    A
     オ (カ)                  ~( 鼻ba∨~長b)   オ、ド・モルガンの法則
     オ (キ)                  ~(~鼻ba→~長b)   カ含意の定義
     オ (ク)                ∃z~(~鼻za→~長z)   EI
    エ  (ケ)                ∃z~(~鼻za→~長z)   エオクEE
    エ  (コ)                ~∀z(~鼻za→~長z)   ケ量化子の関係
    エ  (サ)   ~∃y(鼻ya& 長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   コ∨I
     シ (シ)   ~∃y(鼻ya& 長y)                 A
     シ (ス)   ~∃y(鼻ya& 長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   シ∨I
 3     (セ)   ~∃y(鼻ya& 長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   ウエサシス∨E
 3     (ソ)  ~{∃y(鼻ya& 長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}  サ、ド・モルガンの法則
13     (タ)  ~象a                           2ソMTT
1      (チ)   ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za&長z)→~象a  3タCP
1      (ツ)∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)→~象x} チUI
(ⅱ)
1      (1)∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)→~象a} A
1      (2)   ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za&長z)→~象a  1UE
 2     (3)                            象a  A
 2     (4)                          ~~象a  3DN
12     (5) ~{∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻za&長z)}    4MTT
12     (6)  ~∀y(鼻ya→~長y)&~∃z(~鼻za&長z)     5ド・モルガンの法則
12     (7)  ~∀y(鼻ya→~長y)                  6&E
12     (8)  ∃y~(鼻ya→~長y)                  7量化子の関係
  9    (9)    ~(鼻ba→~長b)                  A
  9    (ア)   ~(~鼻ba∨~長b)                  9含意の定義
  9    (イ)      鼻ba& 長b                   ア、ド・モルガンの法則
  9    (ウ)   ∃y(鼻ya& 長y)                  イEI
12     (エ)   ∃y(鼻ya& 長y)                  89ウEE
12     (オ)               ~∃z(~鼻za&長z)     6&E
12     (カ)               ∀z~(~鼻za&長z)     オ量化子の関係
12     (キ)                 ~(~鼻ba&長b)     カUE
12     (ク)                   鼻ba∨~長b      キ、ド・モルガンの法則
12     (ケ)                  ~鼻ba→~長b      ク含意の定義
12     (コ)               ∀z(~鼻za→~長z)     ケUI
12     (サ)      ∃y(鼻ya& 長y)&∀z(~鼻za→~長z)  エコ&I
1      (シ)   象a→∃y(鼻ya& 長y)&∀z(~鼻za→~長z)  2サCP
1      (ス)∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)  シUI
従って、
(04)により、
(05)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)→~象x}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが象ならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)。}
② すべてのxについて{すべてのyについて(yがxの鼻であるならば、yは長くない)か、あるzが(xの鼻以外で、長い)ならば、xは象ではない。}
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(05)により、
(06)
① 象は鼻が長く、 鼻以外は長くない。
② 鼻が長くないか、鼻以外が長いならば、象ではない。
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(07)
1   (1)∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1   (2)∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)→~象x} 1対偶
1   (3)   ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za&長z)→~象a   2UE
 4  (4)∀x{馬x→~∃y(鼻yx&長y)}              A
 4  (5)   馬a→~∃y(鼻ya&長y)               4UE
  6 (6)   馬a                           A
 46 (7)      ~∃y(鼻ya&長y)               56MPP
 46 (8)      ∀y~(鼻ya&長y)               7量化子の関係
 46 (9)        ~(鼻ba&長b)               8UE
 46 (ア)        ~鼻ba∨~長b                9ド・モルガンの法則
 46 (イ)         鼻ba→~長b                ア含意の定義
 46 (ウ)      ∀y(鼻ya→~長b)               イUI
 46 (エ)      ∀y(鼻ya→~長b)∨∃z(~鼻za&長z)   ウ∨I
146 (オ)                           ~象a  3エMPP
14  (カ)   馬a→~象a                       6オCP
14  (キ)∀x(馬x→~象x)                      カUI
従って、
(07)により、
(08)
(ⅰ)∀x{象x→ ∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{馬x→~∃y(鼻yx&長y)}。従って、
(ⅲ)∀x(馬x→~象x)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象ならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)。}然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが馬ならば、あるyが(xの鼻であって、長い)といふことは無い。}従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが馬ならば、xは象ではない。)
といふ「推論」は、「正しい」。
従って、
(08)により、
(09)
(ⅰ)「象は鼻が長く、鼻以外は長くない。」然るに、
(ⅱ)「馬の鼻は長くない。」従って、
(ⅲ)「馬は象ではない。」
といふ「推論」は、「正しい」。
然るに、
(10)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)∃x(兎x&象x)                      A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   兎a&象a                       A
   6  (7)      象a                       6&E
   6  (8)   兎a                          6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
 2 6  (ア)      ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)               9&E
    ウ (ウ)         鼻ba&長b                A
 2 6  (エ)      ∃y(耳ya&長y)               ア&E
     オ(オ)         耳ba&長b                A
     オ(カ)         耳ba                   オ&E
 2 6  (キ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ク)                    耳ba→~鼻ba   キUE
 2 6 オ(ケ)                        ~鼻ba   オクMPP
1  6  (コ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  ア&E
1  6  (サ)                    ~鼻ba→~長b   コUE
12 6 オ(シ)                         ~長b   ケサMPP
     オ(ス)             長b                オ&E
12 6 オ(セ)             長b&~長b            シス&I
12 6  (ソ)             長b&~長b            エオセEE
123   (タ)             長b&~長b            36ソEE
12    (チ)~∃x(兎x&象x)                     3タRAA
12    (ツ)∀x~(兎x&象x)                     チ量化子の関係
12    (テ)  ~(兎a&象a)                     ツUE
12    (ト)  ~兎a∨~象a                      テ、ド・モルガンの法則
12    (ナ)   兎a→~象a                      ト含意の定義
12    (ニ)∀x(兎x→~象x)                     ナUI
従って、
(10)により、
(11) (ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象ならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)。}   然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎ならば、あるyは(xの耳であって、長く)、すべてのzについて(zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない)。}従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎ならば、xは象ではない。)
といふ「推論」は、「正しい」。
従って、
(11)により、
(12)
(ⅰ)「象は鼻が長く、鼻以外は長くない。」  然るに、
(ⅱ)「兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。」従って、
(ⅲ)「兎は象ではない。」
といふ「推論」は、「正しい」。
従って、
(07)(09)(10)(12)により、
(13)
① 象は鼻長い。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
に於いて、
①=② であるならば、そのときに限って、
(α)象は鼻が長い。然るに、馬の鼻は長くない。従って、馬は象ではない。
(β)象は鼻が長い。然るに、兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、兎は象ではない。
といふ「推論」は、「正しい」。
然るに、
(14)
(α)象は鼻が長い。然るに、馬の鼻は長くない。従って、馬は象ではない。
(β)象は鼻が長い。然るに、兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、兎は象ではない。
といふ「推論」は、「正しい」。
従って、
(13)(14)により、
(15)
① 象は鼻長い。⇔
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
③ すべてのxについて{xが象ならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)。}
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない
令和02年12月28日、毛利太。

0 件のコメント:

コメントを投稿