(01)
① お爺さんと御婆さんがゐる。
といふのであれば、
①(今、目の前に)お爺さんと御婆さんがゐる。
といふ「意味」である。
従って、
(01)により、
(02)
① お爺さんと御婆さんがゐる。
といふのであれば、
①(あるの時間の、ある場所に於いて)お爺さんと御婆さんがゐる。
といふ「意味」である。
従って、
(02)により、
(03)
① お爺さんと御婆さんがゐた。
といふのであれば、
①(あるの時間の、ある場所に於いて)お爺さんと御婆さんがゐた。
といふ「意味」である。
従って、
(03)により、
(04)
①(昔々、ある所に、)お爺さんとお婆さん_ゐました。
といふのであれば、
①(昔々、ある所に、)お爺さんとお婆さんがゐました。
といふのであって、
①(昔々、ある所に、)お爺さんとお婆さんはゐました。
とは、言はない。
然るに、
(05)
「(普通の)桃太郎」であれば、
① お爺さんは山に、薪を集めに、お婆さんは川へ、洗濯をしに行きました。
である。
然るに、
(06)
②(お婆さんではなく、)お爺さん_川へ洗濯へ行き、御婆さん_山に、薪を集めに行きました。
といふのであれば、
②(お婆さんではなく、)お爺さんが川へ洗濯へ行き、御婆さんが山に、薪を集めに行きました。
といふのであって、
①(お婆さんではなく、)お爺さんは川へ洗濯へ行き、御婆さんは山に、薪を集めに行きました。
とは、言はない。
従って、
(06)により、
(07)
② 川へ洗濯へ行きに行ったのは、お爺さんであって、御婆さんではない。
といふことを、「確認」したいのであれば、その場合は、
② お爺さんが川へ洗濯へ行き、御婆さんが山に、薪を集めに行きました。
といふ風に、言ふことになる。
然るに、
(08)
② 川へ洗濯へ行ったのは、お爺さんである。
③ お爺さん以外は、川へ洗濯へ行かなかった。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
② お婆さん(お爺さん以外)は、川へ洗濯へ行かなかった。
といふことを、「確認」したいのであれば、その場合は、
② お爺さんが川へ洗濯へ行ました。
といふ風に、言ふことになる。
従って、
(09)により、
(10)
② お婆さん(お爺さん以外)は、川へ洗濯へ行かなかった。
といふことを、「確認」したいのであれば、
② 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんがゐましたが、
②(お婆さんではなく)お爺さんが川へ洗濯へ行き、(お爺さんではなく)御婆さんが山に、薪を集めに行きました。
といふ「日本語」は、「少しも、不自然ではない」。
従って、
(05)(10)により、
(11)
① Once upon a time, there lived an old man and an old woman. The old man went to the mountains to gather wood, and the old woman went to the river to do the washing.
② Once upon a time, there lived an old man and an old woman. The old man went to the river to do the washing, and the old woman went to the mountains to gather wood.
に対する、
① 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでゐました。 お爺さんは山に、薪を集めに、お婆さんは川へ、洗濯をしに行きました。
② 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでゐましたが、お爺さんが川へ、洗濯に行き、お婆さんが山に、薪を集めに行きました。
といふ「翻訳」は、「両方も、不自然ではない」。
従って、
(11)により、
(12)
① The old man(お爺さんは)
② The old man(お爺さんが)
であるため、
①「The ~」と「~ は」が、「既知」に対応するのであれば、
②「The ~」と「~ が」も、「既知」に対応する。
従って、
(12)により、
(13)
「The ~」の「The」が「既知」を表してゐるやうに、
「~ は」 の「は」 も「既知」を表してゐる。
といふことには、ならない。
従って、
(13)により、
(14)
次の例を見てください。
例1:「むかしむかし、あるところに おじいさんと おばあさんが いました。
おじいさんは 山へ 芝刈りに、おばあさんは 川へ 洗濯に . . . 」
初めの方の文では、「おじいさん」と「おばあさん」は(話し手は知っているが、
聞き手はまだ知らない)新しい情報として提示されているために「が」が使われ、
後の方の文では、(話し手だけでなく、聞き手も既に知っている)情報であると
いうことで「は」が使われています(日本語を考える by takashi hayashi)。
といふことには、ならない。
令和02年12月08日、毛利太。
0 件のコメント:
コメントを投稿