2021年9月5日日曜日

「パースの法則」よりも「パラドキシカルな論理式」。

(01)
(ⅰ)
1  (1) P&(Q∨~Q)    A
1  (2) P           1&E
1  (3)    Q∨~Q     A
 4 (4)    Q        A
14 (5) P&Q         24&I
14 (6)(P&Q)∨(P&~Q) 5∨I
  7(7)         ~Q  A
1 7(8)       P&~Q  27&I
1 7(9)(P&Q)∨(P&~Q) 8∨I
1  (ア)(P&Q)∨(P&~Q) 34679∨E
(ⅱ)
1  (1)(P&Q)∨(P&~Q) A
 2 (2) P&Q         A
 2 (3) P           2&E
 2 (4)   Q         2&E
 2 (5)   Q∨~Q      4∨I
 2 (6)P&(Q∨~Q)     35&I
  7(7)       P&~Q  A
  7(8)       P     7&E
  7(9)         ~Q  7&E
  7(ア)       Q∨~Q  9∨I
  7(イ)    P&(Q∨~Q) 8ア&I
1  (ウ)    P&(Q∨~Q) 1267イ∨E
従って、
(01)により、
(02)
① P&(Q∨~Q)
②(P&Q)∨(P&~Q)
に於いて、
①=② である(分配法則)。
然るに、
(03)
(ⅱ)
1   (1) (P& Q)∨(P&~Q) A
 2  (2) (P& Q)        A
  3 (3)  P→~Q         A
 2  (4)  P            2&E
 23 (5)    ~Q         34MPP
 2  (6)     Q         2&E
 23 (7)  ~Q&Q         56&I
 2  (8)~(P→~Q)        37RAA
 2  (9)~(P→~Q)∨(P&~Q) 8∨I
   ア(ア)        (P&~Q) A
   ア(イ)~(P→~Q)∨(P&~Q) ア∨I
1   (ウ)~(P→~Q)∨(P&~Q) 129アイE
1   (エ) (P→~Q)→(P&~Q) ウ含意の定義
(ⅲ)
1   (1)  (P→~Q)→(P&~Q) A
 2  (2)  ~P∨~Q         A
 2  (3)   P→~Q         2含意の定義
12  (4)          P&~Q  13MPP
1   (5) (~P∨~Q)→(P&~Q) 24CP
1   (6)~(~P∨~Q)∨(P&~Q) 5含意の定義
  7 (7)~(~P∨~Q)        A
  7 (8)   P& Q         7ド・モルガンの法則
  7 (9)  (P& Q)∨(P&~Q) 8∨I
   ア(ア)         (P&~Q) A
   ア(イ)  (P& Q)∨(P&~Q) ア∨I
1   (ウ)  (P& Q)∨(P&~Q) 179アイ∨E
従って、
(03)により、
(04)
②(P& Q)∨(P&~Q)
③(P→~Q)→(P&~Q)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① P&(Q∨~Q)
②(P& Q)∨(P&~Q)
③(P→~Q)→(P&~Q)
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1(1) P&(Q∨~Q)    A
1(2) P           1UE
 (3){P&(Q∨~Q)}→P 12CP
(ⅱ)
1  (1) (P&Q)∨(P&~Q)    A
 2 (2)  P&Q            A
 2 (3)  P              2&E
  4(4)        P&~Q     A
  4(5)        P        4&E
1  (6)        P        12345∨E
   (7){(P&Q)∨(P&~Q)}→P 16CP
(ⅲ)
1 (1) (P→~Q)→(P&~Q)    A
 2(2) ~P               A
 2(3) ~P∨~Q            2∨I
 2(4)  P→~Q            3含意の定義
12(5)         P&~Q     14MPP
12(6)         P        5&E
12(7) ~P&P             26&I
1 (8)~~P               27RAA
1 (9)  P               8DN
  (ア){(P→~Q)→(P&~Q)}→P 19CP
従って、
(05)(06)により、
(07)
① {P&(Q∨~Q)}→P
②{(P& Q)∨(P&~Q)}→P
③{(P→~Q)→(P&~Q)}→P
に於いて、
①=②=③ であって、尚且つ、
これらは、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(07)により、
(08)
 P=学生である。
 Q=男子である。
~Q=女子である。
として、
①{学生であって(男子か、女子)である}ならば、学生である。
②{(男子学生)か、(女子学生)である}ならば、学生である。
③{(学生ならば、女子である)ならば、(女子学生)である}ならば、学生である。
に於いて、
①=②=③ であって、尚且つ、
これらの「命題」は、「真」である。
然るに、
(09)
①{学生であって(男子か、女子)である}ならば、学生である。
②{(男子学生)か、(女子学生)である}ならば、学生である。
といふ「命題」が、「真」であることは、「当然」である。
然るに、
(10)
①{学生であって(男子か、女子)である}ならば、学生である。
②{(男子学生)か、(女子学生)である}ならば、学生である。
であるならば、
① 男子学生も、女子学生も、学生である。
② 男子学生も、女子学生も、学生である。
と言ってゐるものの、
③{(学生ならば、女子である)ならば、(女子学生)である}ならば、学生である。
の場合は、
③ 女子学生だけに、言及してゐて、男子学生には、言及がない
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
①{学生であって(男子か、女子)である}ならば、学生である。
②{(男子学生)か、(女子学生)である}ならば、学生である。
③{(学生ならば、女子である)ならば、(女子学生)である}ならば、学生である。
に於いて、
[①=②=③] であって、尚且つ、
これらの「命題」は、「真」である。
といふことは、「論理的」には、「正しい」ものの、「日本語」としては、
[①=②]≠③ であるとしか、思へない。
従って、
(01)~(11)により、
(12)
① {P&(Q∨~Q)}→P
②{(P& Q)∨(P&~Q)}→P
といふ「論理式」は、そうではないが、
③{(P→~Q)→(P&~Q)}→P
といふ「論理式」は、「背理的(paradoxical)」であると、言はざるを得ない。
令和03年09月05日、毛利太。

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