2021年9月3日金曜日

「パースの法則」は、「変」ではない。

―「昨日(令和03年09月02日)」の「記事」を書き直します。―
(01)
パースの法則
排中律や二重否定の除去と等価な命題のひとつで、変なものとして、パースの法則があります。
任意の命題P, Qについて、
((P→Q)→P)→P
が成り立つ。
『「PならばQ」ならばP』ならばP
なんか、パズルのような命題ですね。
(排中律、二重否定の除去、パースの法則 - Qiita)
然るに、
(02)
(ⅰ)
1   (1)    (P→Q)→P A
 2  (2)   (~P∨Q)   A
 2  (3)    (P→Q)   2含意の定義
12  (4)          P 23MPP
1   (5)   (~P∨Q)→P 24CP
1   (6)  ~(~P∨Q)∨P 5含意の定義
  7 (7)  ~(~P∨Q)   A
  7 (8)    P&~Q    7ド・モルガンの法則
  7 (9)    P       8&E
   ア(ア)          P A
1   (イ)          P 179アア∨E
    (ウ)((P→Q)→P)→P 1イCP
(ⅱ)
1   (1)    (P→~Q)→P A
 2  (2)   (~P∨~Q)   A
 2  (3)    (P→~Q)   2含意の定義
12  (4)           P 23MPP
1   (5)   (~P∨~Q)→P 24CP
1   (6)  ~(~P∨~Q)∨P 5含意の定義
  7 (7)  ~(~P∨~Q)   A
  7 (8)    P&~~Q    7ド・モルガンの法則
  7 (9)    P        8&E
   ア(ア)           P A
1   (イ)           P 179アア∨E
    (ウ)((P→~Q)→P)→P 1イCP
従って、
(01)(02)により、
(03)
①((P→ Q)→P)→P
②((P→~Q)→P)→P
といふ「論理式」、すなはち、
①((PならばQである)ならばPである)ならばPである。
②((PならばQでない)ならばPである)ならばPである。
といふ「命題(パースの法則))」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(04)
①((PならばQである)ならばPである)ならばPである。
であって、尚且つ、
②((PならばQでない)ならばPである)ならばPである。
といふことは、
③((Pならば、Qであっても、Qでなくとも)Pである)ならばPである。
といふことに、他ならない。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
「パースの法則」とは、
①((P→ Q)→P)→P
②((P→~Q)→P)→P
③((Pならば、Qであっても、Qでなくとも、)Pである)ならばPである。
といふことに、他ならない。
然るに、
(06)
例へば、
③((日本人ならば、男性であっても、女性であっても)日本人である)ならば日本人である。
であるといふ「命題(パースの法則)」は、「明らかに、真」である。
従って、
(01)~(06)により、
(07)
①((P→ Q)→P)→P
②((P→~Q)→P)→P
③((Pならば、Qであっても、Qでなくとも、)Pである)ならばPである。
である所の「パースの法則」は、「変」ではなく、「普通」である。
然るに、
(08)
(ⅲ)
1   (1)  (P→Q)→P A
 2  (2)  ~P∨Q    A
 2  (3)   P→Q    2含意の定義
12  (4)        P 13MPP
1   (5) (~P∨Q)→P 24CP
1   (6)~(~P∨Q)∨P 5含意の定義
  7 (7)~(~P∨Q)   A
  7 (8)  P&~Q    7ド・モルガンの法則
  7 (9) (P&~Q)∨P 8∨I
   ア(ア)        P A
   ア(イ) (P&~Q)∨P ア∨I
1   (ウ) (P&~Q)∨P 179アイ∨E
(ⅳ)
1   (1) (P&~Q)∨P A
 2  (2) (P&~Q)   A
   3 (3)  P→ Q    A
 2  (4)  P       2&E
 23 (5)     Q    34&I
 2  (6)    ~Q    2&E
 23 (7)  Q&~Q    56
 2  (8)~(P→ Q)   3RAA
 2  (9)~(P→ Q)∨P 2∨I
   ア(ア)        P A
   ア(イ)~(P→ Q)∨P ア∨I
1   (ウ)~(P→ Q)∨P 129アイ∨E
1   (エ) (P→ Q)→P ウ含意の定義
従って、
(08)により、
(09)
③(P→ Q)→P
④(P&~Q)∨P
に於いて、
③=④ である。
(10)
③((P→ Q)→P)→P
④((P&~Q)∨P)→P
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(11)
④((P&~Q)∨P)→P
といふ「論理式」は、「日本語」で言ふと、
④((PであってQでない)か、Pである)ならば、Pである。
といふ「意味」である。
然るに、
(12)
例へば、
④((日本人であって男性でない)か、日本人である)ならば、いづれにせよ、日本人である。
といふ「命題」は、「明らかに、真である」。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
③((P→ Q)→P)→P
④((P&~Q)∨P)→P
に於いて、
③=④ であって、尚且つ、
④ は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(13)により、
(14)
③((P→ Q)→P)→P
④((P&~Q)∨P)→P
に於ける、
③ も、必然的に、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(05)(14)により、
(15)
①((P→ Q)→P)→P
②((P→~Q)→P)→P
③((P→ Q)→P)→P
④((P&~Q)∨P)→P
といふ「4通りの、恒真式」を、「1つの、パースの法則」と、捉える限り、「パースの法則」は、「変」ではなく、「普通」である。
令和03年09月02日、毛利太。

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