2021年9月9日木曜日

「鼻は象が長い」の「論理構造(Predeicate logic)」。

(01)
①{象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
②{兎の耳、象の耳、馬の耳}
③{馬の顔、象の顔、兎の顔}
に於いて、
① 鼻は、象長い。
② 耳は、兎長い。
③ 顔は、馬長い。
従って、
(01)により、
(02)
① 鼻は、象長い。
といふ「日本語」は、
① 象の鼻は長く、象以外(兎や馬)の鼻は長くなく、
② 象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻以外(耳や顔)である。
といふ「命題」の、「複合命題(連言)」である。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1    (1)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x} A
1    (2)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a} 1UE
 3   (3)     (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a  A
 3   (4)     (鼻ab&象b)→長a                3&E
 3   (5)                 (鼻ab&~象b)→~長a  3&E
 3   (6)                ~(鼻ab&~象b)∨~長a  5含意の定義
  7  (7)                ~(鼻ab&~象b)      A
  7  (8)                ~鼻ab∨~~象b       7ド・モルガンの法則
  7  (9)                ~~象b∨~鼻ab       8交換法則
  7  (ア)                 ~象b→~鼻ab       9含意の定義
  7  (イ)            ~長a∨(~象b→~鼻ab)      ア∨I
   ウ (ウ)                           ~長a  A
   ウ (エ)            ~長a∨(~象b→~鼻ab)      ウ∨I
 3   (オ)            ~長a∨(~象b→~鼻ab)      37イウエ∨E
 3   (カ)             長a→(~象b→~鼻ab)      オ含意の定義
    キ(キ)             ~象b&長a             A
    キ(ク)                 長a             キ&E
 3  キ(ケ)                 ~象b→~鼻ab       カクMPP
    キ(コ)             ~象b                キ&E
 3  キ(サ)                     ~鼻ab       ケコMPP
 3   (シ)            (~象b&長a)→~鼻ab       キサCP
 3   (ス)     (鼻ab&象b)→長a&(~象b&長a)→~鼻ab  3シ&I
 3   (セ)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(~象y&長a)→~鼻ay} スEI
1    (ソ)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(~象y&長a)→~鼻ay} 13セEE
1    (タ)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy} ソUI
(ⅱ)
1    (1)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy} A
1    (2)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(~象y&長x)→~鼻ay} 1UE
 3   (3)     (鼻ab&象b)→長a&(~象b&長a)→~鼻ab  A
 3   (4)     (鼻ab&象b)→長a                3&E
 3   (5)                 (~象b&長a)→~鼻ab  3&E
 36  (6)                           鼻ab  A
 36  (7)                         ~~鼻ab  6DN
 36  (8)                ~(~象b&長a)       57MTT
 36  (9)                ~~象b∨~長a        8ド・モルガンの法則
 36  (ア)                 ~象b→~長a        9含意の定義
 3   (イ)            鼻ab→(~象b→~長a)       6アCP
   ウ (ウ)            鼻ab& ~象b            A
   ウ (エ)            鼻ab                 ウ&E
 3 ウ (オ)                 ~象b→~長a        イエMPP
   ウ (カ)                 ~象b            ウ&E
 3 ウ (キ)                     ~長a        オカMPP
 3   (ク)           (鼻ab&~象b)→~長a        ウキCP
 3   (ケ)     (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a  4ク&I
 3   (コ)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a} ケEI
1    (サ)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a} 13コEE
1    (シ)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x} サUI
従って、
(03)により、
(04)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}
② ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&長x)→~鼻xy}
に於いて、すなはち、
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない}。
② すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xは、yの鼻でない}。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
① 象の鼻は長く、象以外(兎や馬)の鼻は長くなく、
② 象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻以外(耳や顔)である。
といふことは、
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない}。
② すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xは、yの鼻でない}。
といふことである。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 鼻は象長い。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
1    (1)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x} A
1    (2)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a} 1UE
 3   (3)     (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a  A
 3   (4)                 (鼻ab&~象b)→~長a  &E
  5  (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)                A
   6 (6)  ∃y(兎y&~象y&鼻ay)                A
    7(7)     兎b&~象b&鼻ab                 A
    7(8)     兎b&                        7&E
    7(9)        ~象b                     7&E
    7(ア)            鼻ab                 7&E
    7(イ)        鼻ab&~象b                 9ア&I
 3  7(ウ)                          ~長a   4イMPP
 3  7(エ)     兎b&鼻ab                     8ア&I
 3  7(オ)     兎b&鼻ab&~長a                 ウエ&I
 3  7(カ)  ∃y(兎y&鼻ay&~長a)                オEI
 3 6 (キ)  ∃y(兎y&鼻ay&~長a)                67カEE
 3 6 (ク)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)                キEI
 35  (ケ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)                56クEE
1 5  (コ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)                23ケEE
従って、
(06)により、
(07)
(ⅰ)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}。然るに、
(ⅱ)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)。従って、
(ⅲ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない}。
(ⅱ) あるxと、あるyについて(yは兎であって、象ではなく。xはyの鼻である)。従って、
(ⅲ) あるxと、あるyについて(yは兎であって、xはyの鼻であって、xは長くない)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(07)により、
(08)
(ⅰ)鼻は象長い。然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻がある。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は、長くない。
といふ「日本語の推論」は、「述語論理」としても、「妥当」である。
令和03年09月09日、毛利太。

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