2021年9月8日水曜日

「象は鼻が長い。」等の「述語論理」。

(01)
① 象は鼻は長い。
② 象は鼻長い。
③ 象長い。
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
⑥ ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
⑦ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長い)}。
⑧ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。
⑨ すべてのxについて{xが象であるならば、そのときに限って、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。
に於いて、
①=④=⑦ であって、
②=⑤=⑧ であって、
③=⑥=⑨ である。
従って、
(01)により、
(02)
① 象は鼻は長い。
② 象は鼻長い。
③ 象長い。
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
⑥ ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
⑦「象の鼻は長いが、鼻以外は、不明である。」&「象以外の動物も、そうであるかは、不明である。」
⑧「象の鼻は長いが、鼻以外は、長くない。」 &「象以外の動物も、そうであるかは、不明である。」
⑨「象の鼻は長いが、鼻以外は、長くない。」 &「象以外の動物は、そうではない。」
に於いて、
①=④=⑦ であって、
②=⑤=⑧ であって、
③=⑥=⑨ である。
従って、
(02)により、
(03)
① 象は鼻は長い。然るに、兎の鼻は長くない。故に、兎は象ではない。
② 象は鼻長い。然るに、兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、(鼻以外である、耳が長いので、)兎は象ではない。
③ 象長い。然るに、兎は象ではない。従って、兎は、鼻以外(の例へば、耳)が長いか、鼻長くないか、または、その両方である。
といふ「推論」は、3つとも、「妥当」である。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1     (1) ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)} A
 2    (2) ∀x{兎x→∃y(鼻yx&~長y)} A
  3   (3) ∃x(兎x&象x)          A
1     (4)    象a→∃y(鼻ya& 長y)  1UE
 2    (5)    兎a→∃y(鼻ya&~長y)  1UE
   6  (6)    兎a&象a           A
   6  (7)    兎a              7&E
   6  (8)       象a           7&E
1  6  (9)       ∃y(鼻ya& 長y)  47MPP
 2 6  (ア)       ∃y(鼻ya&~長y)  58MPP
    イ (イ)          鼻ba& 長b   A
     ウ(ウ)          鼻ba&~長b   A
    イ (エ)               長b   イ&E
     ウ(オ)              ~長b   ウ&E
    イウ(カ)           長b&~長b   エオ&I
 2 6イ (キ)           長b&~長b   アウカEE
12 6  (ク)           長b&~長b   クイキEE
123   (ケ)           長b&~長b   36クEE
12    (コ)~∃x(兎x&象x)          3ケRAA
12    (サ)∀x~(兎x&象x)          コ含意の定義
12    (シ)  ~(兎a&象a)          サUE
12    (ス)  ~兎a∨~象a           シ、ド・モルガンの法則
12    (セ)   兎a→~象a           ス含意の定義
12    (ソ)∀x(兎x→~象x)          セUI
(ⅱ)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)∃x(兎x&象x)                      A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   兎a&象a                       A
   6  (7)   兎a                          6&E
   6  (8)      象a                       6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
 2 6  (ア)      ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)               9&E
    ウ (ウ)         鼻ba&長b                A
 2 6  (エ)      ∃y(長y&耳ya)               ア&E
     オ(オ)         長b&耳ba                A
     オ(カ)            耳ba                オ&E
 2 6  (キ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ク)                    耳ba→~鼻ba   キUE
 2 6 オ(ケ)                        ~鼻ba   カクMPP
1  6  (コ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  ア&E
1  6  (サ)                    ~鼻ba→~長b   コUE
12 6 オ(シ)                         ~長b   ケサMPP
     オ(ス)         長b                    オ&E
12 6 オ(セ)         長b&~長b                シス&I
12 6  (ソ)         長b&~長b                エオセEE
123   (タ)         長b&~長b                36ソEE
12    (チ)~∃x(兎x&象x)                     3タRAA
12    (ツ)∀x~(兎x&象x)                     チ量化子の関係
12    (テ)  ~(兎a&象a)                     ツUE
12    (ト)  ~兎a∨~象a                      テ、ド・モルガンの法則
12    (ナ)   兎a→~象a                      ト含意の定義
12    (ニ)∀x(兎x→~象x)                     ナUI
(ⅲ)
1       (1)  ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2      (2)  ∀x(兎x→~象x)                     A
1       (3)     象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
1       (4)     象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
                ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a  3Df.⇔
1       (5)     ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)→象a  4&I
  6     (6)                            ~象a  A
   7    (7)     ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)     A
1  7    (8)                             象a  57MPP
1 67    (9)                         ~象a&象a  68&I
1 6     (ア)   ~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}   79RAA
1 6     (イ)    ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)    ア、ド・モルガンの法則
1 6     (ウ)    ~∀z(~鼻za→~長z)∨~∃y(鼻ya&長y)    イ交換法則
    エ   (エ)    ~∀z(~鼻za→~長z)                A
    エ   (オ)    ∃z~(~鼻za→~長z)                エ量化子の関係
     カ  (カ)      ~(~鼻ba→~長b)                A
     カ  (キ)      ~( 鼻ba∨~長b)                カ含意の定義
     カ  (ク)        ~鼻ba& 長b                 キ、ド・モルガンの法則
     カ  (ケ)     ∃z(~鼻za& 長z)                クEI
    エ   (コ)     ∃z(~鼻za& 長z)                エカケEE
    エ   (サ)     ∃z(~鼻za& 長z)∨ ∀y(鼻ya→~長y)   コ∨I
      シ (シ)                   ~∃y(鼻ya&長y)   A
      シ (ス)                   ∀y~(鼻ya&長y)   シ量化子の関係
      シ (セ)                     ~(鼻ba&長b)   スUE
      シ (ソ)                     ~鼻ba∨~長b    セ、ド・モルガンの法則
      シ (タ)                      鼻ba→~長b    ソ含意の定義
      シ (チ)                   ∀y(鼻ya→~長y)   タUI
      シ (ツ)      ∃z(~鼻za& 長z)∨∀y(鼻ya→~長y)   チ∨I
1 6     (テ)      ∃z(~鼻za& 長z)∨∀y(鼻ya→~長y)   ウエサシツ∨E
1       (ト)  ~象a→∃z(~鼻za& 長z)∨∀y(鼻ya→~長y)   6テCP
 2      (ナ)   兎a→~象a                        2UE
       ニ(ニ)   兎a                            A
 2     ニ(ヌ)      ~象a                        ナニMPP
12     ニ(ネ)      ∃z(~鼻za& 長z)∨∀y(鼻ya→~長y)   トヌMPP
12      (ノ)   兎a→∃z(~鼻za& 長z)∨∀y(鼻ya→~長y)   ニネCP
12      (ハ)∀x{兎x→∃z(~鼻zx& 長z)∨∀y(鼻yx→~長y)}  ノUI
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 象は鼻は長い。然るに、兎の鼻は長くない。故に、兎は象ではない。
② 象は鼻長い。然るに、兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、(鼻以外である、耳が長いので、)兎は象ではない。
③ 象長い。然るに、兎は象ではない。従って、兎は、鼻以外(例へば耳)が長いか、鼻長くないか、または、その両方である。
といふ「推論」、すなはち、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)},∀x{兎x→∃y(鼻yx&~長y)}├
∀x(兎x→~象x)
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)},∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}├
∀x(兎x→~象x)
③ ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)},∀x(兎x→~象x)├∀x{兎x→∃z(~鼻zx&長z)∨∀y(鼻yx→~長y)}
といふ「推論」は、「妥当」である。
令和03年09月08日、毛利太。

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