2024年1月20日土曜日

「源氏物語の作者は二人とはゐない」の「述語論理」。

(01)
(ⅰ)源氏物語の作者(G)は、二人とはゐないat most one person)。然るに、
(ⅱ)紫式部(m)は源氏物語の作者(G)である。然るに、
(ⅲ)清少納言(n)は紫式部(m)ではない。従って、
(ⅳ)清少納言(n)は源氏物語の作者(G)ではない
然るに、
(02)
1     (1)~∃x∃y{(Gx&Gy)&(x≠y)} A
1     (2)∀x~∃y{(Gx&Gy)&(x≠y)} 1量化子の関係
1     (3)∀x∀y~{(Gx&Gy)&(x≠y)} 2量化子の関係
1     (4)∀x∀y{~(Gx&Gy)∨(x=y)} 3ド・モルガンの法則
1     (5)∀x∀y{ (Gx&Gy)→(x=y)} 4含意の定義
1     (6)∀x∀y{ (Gx&Gy)→(x=y)} 5DN
1     (7)  ∀y{ (Gm&Gy)→(m=y)} 6UE
1     (8)      (Gm&Gn)→(m=n)   7UE
 9    (9)       Gm            A
  ア   (ア)               m≠n   A
1 ア   (イ)     ~(Gm&Gn)        89MTT
   ウ (ウ)       Gm             A
    エ(オ)          Gn          A
   ウエ(カ)       Gm&Gn          ウオ&I
1 アウエ(キ)~(Gm&Gn)&(Gm&Gn)      イカ&I
1 アウ (ク)         ~Gn          エキRAA
1 ア  (ケ)      Gm→~Gn          ウクCP
19ア  (コ)         ~Gn          9ケMPP
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)~∃x∃y{(Gx&Gy)&(x≠y)}。然るに、
(ⅱ)       Gm。           然るに、
(ⅲ)               m≠n。  従って、
(ⅳ)               ~Gn。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)あるxとあるyについて{(xが源氏物語の著者であって、yも源氏物語であって)、尚且つ、(xはyと「同一人物」ではない)。}といふことはない。然るに、
(ⅱ)mは源氏物語の著者である。  然るに、
(ⅲ)mとnは「同一人物」ではない。従って、
(ⅳ)nは源氏物語の著者ではない
といふ「推論」は「妥当」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
(ⅰ)源氏物語の作者は、二人とはゐない。然るに、
(ⅱ)紫式部は源氏物語の作者である。然るに、
(ⅲ)清少納言は紫式部ではない。従って、
(ⅳ)清少納言は源氏物語の作者ではない
といふ「推論」は「妥当」である。
然るに、
(02)(03)により、
(05)
(ⅰ)∃x∃y{(Gx&Gy)&(x≠y)}。然るに、
(ⅱ)      Gm。           然るに、
(ⅲ)              m≠n。  従って、
(ⅳ)              ~Gn。
といふ「推論」は、「妥当(invalid)」である。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
(ⅰ)源氏物語の作者は、一人とは限らない。然るに、
(ⅱ)紫式部は源氏物語の作者である。然るに、
(ⅲ)清少納言は紫式部ではない。従って、
(ⅳ)清少納言は源氏物語の作者ではない
といふ「推論」は「妥当(invalid)」である。
令和6年1月20日、毛利太。

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