(01)
(ⅰ)源氏物語の作者(G)は、二人とはゐない(at most one person)。然るに、
(ⅱ)紫式部(m)は源氏物語の作者(G)である。然るに、
(ⅲ)清少納言(n)は紫式部(m)ではない。従って、
(ⅳ)清少納言(n)は源氏物語の作者(G)ではない。
然るに、
(02)
1 (1)~∃x∃y{(Gx&Gy)&(x≠y)} A
1 (2)∀x~∃y{(Gx&Gy)&(x≠y)} 1量化子の関係
1 (3)∀x∀y~{(Gx&Gy)&(x≠y)} 2量化子の関係
1 (4)∀x∀y{~(Gx&Gy)∨(x=y)} 3ド・モルガンの法則
1 (5)∀x∀y{ (Gx&Gy)→(x=y)} 4含意の定義
1 (6)∀x∀y{ (Gx&Gy)→(x=y)} 5DN
1 (7) ∀y{ (Gm&Gy)→(m=y)} 6UE
1 (8) (Gm&Gn)→(m=n) 7UE
9 (9) Gm A
ア (ア) m≠n A
1 ア (イ) ~(Gm&Gn) 89MTT
ウ (ウ) Gm A
エ(オ) Gn A
ウエ(カ) Gm&Gn ウオ&I
1 アウエ(キ)~(Gm&Gn)&(Gm&Gn) イカ&I
1 アウ (ク) ~Gn エキRAA
1 ア (ケ) Gm→~Gn ウクCP
19ア (コ) ~Gn 9ケMPP
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)~∃x∃y{(Gx&Gy)&(x≠y)}。然るに、
(ⅱ) Gm。 然るに、
(ⅲ) m≠n。 従って、
(ⅳ) ~Gn。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)あるxとあるyについて{(xが源氏物語の著者であって、yも源氏物語であって)、尚且つ、(xはyと「同一人物」ではない)。}といふことはない。然るに、
(ⅱ)mは源氏物語の著者である。 然るに、
(ⅲ)mとnは「同一人物」ではない。従って、
(ⅳ)nは源氏物語の著者ではない。
といふ「推論」は「妥当」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
(ⅰ)源氏物語の作者は、二人とはゐない。然るに、
(ⅱ)紫式部は源氏物語の作者である。然るに、
(ⅲ)清少納言は紫式部ではない。従って、
(ⅳ)清少納言は源氏物語の作者ではない。
といふ「推論」は「妥当」である。
然るに、
(02)(03)により、
(05)
(ⅰ)∃x∃y{(Gx&Gy)&(x≠y)}。然るに、
(ⅱ) Gm。 然るに、
(ⅲ) m≠n。 従って、
(ⅳ) ~Gn。
といふ「推論」は、「不妥当(invalid)」である。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
(ⅰ)源氏物語の作者は、一人とは限らない。然るに、
(ⅱ)紫式部は源氏物語の作者である。然るに、
(ⅲ)清少納言は紫式部ではない。従って、
(ⅳ)清少納言は源氏物語の作者ではない。
といふ「推論」は「不妥当(invalid)」である。
令和6年1月20日、毛利太。
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