―「先程の記事(令和6年1月14日)」の記事を書き直します。―
(01)
{個体変数の変域}={a、b、c}
であるとするならば、
① ∃x(Fx)
② Fa∨Fb∨Fc
に於いて、
①=② である。
然るに、
(02)
{個体変数の変域}={a、b、c}
であるとするならば、
③ ∃x∃y(Fx&Fy)
④(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)∨(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)∨(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(03)
①(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
③(Fb&Fc)
④(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)∨(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)∨(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)
に於いて、
① が「真」であれば、④ も「真」であり、
② が「真」であれば、④ も「真」であり、
③ が「真」であれば、④ も「真」である。
然るに、
(04)
「冪等律」により、
①(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
③(Fb&Fc)
は、それぞれ、
①(Fa)
②(Fb)
③(Fc)
に「等しい」。
従って、
(03)(04)により、
(05)
①(Fa)
②(Fb)
③(Fc)
といふ「3つ内の、1つが真」であれば、それだけで、
④(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)∨(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)∨(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)
も「真」になるし、次の『説明』、
142 ∃x(Fx)├ ∃x∃y(Fx&Fy)
1 (1) ∃x(Fx) A
2(2) Fa A
2(3) Fa&Fa 22&I
2(4) ∃y(Fa&Fy) 3EI
2(5)∃x∃y(Fx&Fy) 4EI
1 (6)∃x∃y(Fx&Fy) 125EE
この連式の妥当性から、ひとつだけの対象がFがもっているならば、 ∃x∃y(Fx&Fy)が帰結する。言い換えると、相異なった変数、「x」と「y」を用いる場合に、そのことから、それに対応する相異なる対象が存在するということは帰結しないのである(E.J.レモン著 論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、210頁)。
といふ『説明』は、「そのこと」を述べてゐる。
然るに、
(06)
④ ∃x∃y(Fx&Fy)
ではなく、
⑤ ∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
であるとするならば、すなはち、
④(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)∨(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)∨(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)
ではなく、
⑤(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)∨(Fb&Fc)
であるとするならば、
①(Fa&Fb)
②(Fa&Fc)
③(Fb&Fc)
といふ「3つの内の、少なくとも1つは、真」である。
然るに、
(07)
{個体変数の変域}={a、b、c}
であるとして、例へば、
①(Fa&Fb)
であるならば、
①(aはFであり、aではない、bもFである)。
といふことになる。
従って、
(06)(07)により、
(08)
⑤ ∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
とするならば、すなはち、
⑤(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)∨(Fb&Fc)
とするならば、例へば、
①(aはFであり、aではない、bもFである)。
といふことになる。
従って、
(01)(06)(07)(08)により、
(09)
⑤ ∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
とするならば、
{個体変数の変域}={a、b、c}
の中の、「2個以上の個体が、Fである」。
然るに、
(10)
「2個以上の個体が、Fである」の「否定」は、
「1個以下の個体が、Fである」の「肯定」である。
然るに、
(11)
⑤ ∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
⑥ ~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
に於いて、
⑤ の「否定」は、
⑥ である。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
⑤ ∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
ではなく、
⑥ ~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
であるならば、
⑥「1個以下の個体が、Fである」。
然るに、
(13)
(ⅵ)
1(1) ~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y) A
1(2) ∀x~∃y(Fx&Fy&x≠y) 1量化子の関係
1(3) ∀x∀y~(Fx&Fy&x≠y) 2量化子の関係
1(4) ∀y~(Fa&Fy&a≠y) 3UE
1(5) ~(Fa&Fb&a≠b) 4UE
1(6) ~{(Fa&Fb)&a≠b} 5結合法則
1(7) ~(Fa&Fb)∨a=b 6ド・モルガンの法則
1(8) (Fa&Fb)→a=b 7含意の定義
1(9) ∀y{(Fa&Fy)→a=y} 8UI
1(ア)∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y} 9UI
(ⅶ)
1(1)∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y} A
1(2) ∀y{(Fa&Fy)→a=y} 1UE
1(3) (Fa&Fb)→a=b 2UE
1(4) ~(Fa&Fb)∨a=b 3含意の定義
1(5) ~{(Fa&Fb)&a≠b} 4ド・モルガンの法則
1(6) ~(Fa&Fb&a≠b) 5結合法則
1(7) ∀y~(Fa&Fy&a≠y) 6UI
1(8) ∀x∀y~(Fx&Fy&x≠y) 7UI
1(9) ∀x~∃y(Fx&Fy&x≠y) 8量化子の関係
1(ア) ~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y) 9量化子の関係
従って、
(13)により、
(14)
⑥ ~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
⑦ ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
に於いて、
⑥=⑦ である。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
⑥ ~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
が「そうである」やうに、
⑦ ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
であるならば、
⑦「1個以下の個体が、Fである」。
然るに、
(16)
⑧ ∃x(Fx)
であるならば、
⑧「1個以上の個体が、Fである」。
従って、
(15)(16)により、
(17)
⑧ ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
であるならば、
⑧「1個以上で、1個以下の個体が、Fである」。
然るに、
(18)
⑧「1個以上で、1個以下の個体が、Fである」。
といふことは、
⑧「ちょうど1個(exactly one)の個体が、Fである」。
といふことに、「他ならない」。
然るに、
(19)
次に示す通り、
⑧ ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
⑨ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
に於いて、
⑧=⑨ である。
(20)
(ⅷ)
1 (1)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) A
1 (2)∃xFx 1&E
3 (3) Fa A
1 (4) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 1&E
1 (5) ∀y(Fa&Fy→a=y) 4UE
1 (6) Fa&Fb→a=b 5UE
7(7) Fb A
37(8) Fa&Fb 37&I
137(9) a=b 68MPP
13 (ア) Fb→a=b 79CP
13 (イ) ∀y(Fy→a=y) アUI
13 (ウ) Fa&∀y(Fy→a=y) 3イ&I
13 (エ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} ウEI
1 (オ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} 23エEE
(ⅸ)
1 (1)∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} A
2 (2) Fa&∀y(Fy→a=y) A
2 (3) ∀y(Fy→a=y) 2&E
2 (4) Fb→a=b 3UE
5(5) Fa&Fb A
5(6) Fb 5&E
25(7) a=b 46MPP
2 (8) Fa&Fb→a=b 57CP
2 (9) ∀y(Fa&Fy→a=y) 8UI
2 (ア) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 9UI
2 (イ)Fa 2&E
2 (ウ)∃xFx イEI
2 (エ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) アウ&I
1 (ウ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 12エEE
従って、
(18)(19)(20)により、
(21)
⑨ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
といふ「論理式」は、
⑨「ちょうど1個(exactly one)の個体が、Fである」。
といふことを、「示して」ゐる。
従って、
(21)により、
(22)
例へば、
⑨ 日本の山は富士山が最高峰である。
といふ「命題」は、
⑨ ∀x{日本の山x→∃y[(富士山y&最高峰yx)&∀z(最高峰zx→z=y)]}。
といふ「命題」、すなはち、
⑨ すべてのxについて{xが日本の山であるならば、あるyは[(富士山であって、xの最高峰であって)、すべてのzについて(zがxの最高峰であるならば、zはyと「同一」である)]}。
といふ「命題」に「等しい」。
令和6年1月14日、毛利太。
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