2024年1月27日土曜日

「ちょうど2個のものがFである」の「述語論理」。

(01)
① ∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}⇔
① あるxとあるyについて{(xはFであり、yもFであるが)、xはyではない。}⇔
① 少なくとも、2個以上の対象(objects)がFである。
然るに、
(02)
② ∃x∃y∃z{(Fx&Fy&Fz)&(x≠y&x≠z&y≠z)}⇔
② あるxとあるyとあるzについて{(xはFであり、yもFであり、zもFであるが)、xはyではなく、xはzでもなく、zもyではない。}⇔
② 少なくとも、3個以上の対象(objects)がFである。
従って、
(02)により、
(03)
③ ~∃x∃y∃z{(Fx&Fy&Fz)&(x≠y&x≠z&y≠z)}⇔
③(3個以上の対象(objects)がFである)といふことはない。⇔
③ Fである対象(objects)は、多くとも、高々、2個以下である。
然るに、
(04)
(ⅲ)
1 (1)~∃x∃y∃z{(Fx&Fy&Fz)& (x≠y&x≠z&y≠z)} A
1 (2)∀x~∃y∃z{(Fx&Fy&Fz)& (x≠y&x≠z&y≠z)} 1量化子の関係
1 (3)∀x∀y~∃z{(Fx&Fy&Fz)& (x≠y&x≠z&y≠z)} 2量化子の関係
1 (4)∀x∀y∀z~{(Fx&Fy&Fz)& (x≠y&x≠z&y≠z)} 3量化子の関係
1 (5)  ∀y∀z~{(Fa&Fy&Fz)& (a≠y&a≠z&y≠z)} 4UE
1 (6)    ∀z~{(Fa&Fb&Fz)& (a≠b&a≠z&b≠z)} 5UE
1 (7)      ~{(Fa&Fb&Fc)& (a≠b&a≠c&b≠c)} 6UE
1 (8)       ~(Fa&Fb&Fc)∨~(a≠b&a≠c&b≠c)  7ド・モルガンの法則
1 (9)        (Fa&Fb&Fc)→~(a≠b&a≠c&b≠c)  8含意の定義
 ア(ア)        (Fa&Fb&Fc)                 A
1ア(イ)                   ~(a≠b&a≠c&b≠c)  9アMPP
1ア(ウ)                    (a=b∨a=c∨b=c)  イ、ド・モルガンの法則
1 (エ)        (Fa&Fb&Fc)→ (a=b∨a=c∨b=c)  アウCP
1 (オ)     ∀z{(Fa&Fb&Fz)→ (a=b∨a=z∨b=z)} エUI
1 (カ)   ∀y∀z{(Fa&Fy&Fz)→ (a=y∨a=z∨y=z)} オUI
1 (キ) ∀x∀y∀z{(Fx&Fy&Fz)→ (x=y∨x=z∨y=z)} カUI
(ⅳ)
1 (1) ∀x∀y∀z{(Fx&Fy&Fz)→ (x=y∨x=z∨y=z)} A
1 (2)   ∀y∀z{(Fa&Fy&Fz)→ (a=y∨a=z∨y=z)} 1UE
1 (3)     ∀z{(Fa&Fb&Fz)→ (a=b∨a=z∨b=z)} 2UE
1 (4)        (Fa&Fb&Fc)→ (a=b∨a=z∨b=z)  3UE
 5(5)        (Fa&Fb&Fc)                 A
15(6)                    (a=b∨a=z∨b=z)  45MPP
15(7)                   ~(a≠b&a≠c&b≠c)  6ド・モルガンの法則
1 (8)        (Fa&Fb&Fc)→~(a≠b&a≠c&b≠c)  57CP
1 (9)       ~(Fa&Fb&Fc)∨~(a≠b&a≠c&b≠c)  8含意の定義
1 (ア)      ~{(Fa&Fb&Fc)& (a≠b&a≠c&b≠c)} 9ド・モルガンの法則
1 (イ)    ∀z~{(Fa&Fb&Fz)& (a≠b&a≠z&b≠z)} アUI
1 (ウ)  ∀y∀z~{(Fa&Fy&Fz)→ (a=y∨a=z∨y=z)} イUI
1 (エ)∀x∀y∀z~{(Fx&Fy&Fz)& (x≠y&x≠z&y≠z)} ウUI
1 (オ)∀x∀y~∃z{(Fx&Fy&Fz)& (x≠y&x≠z&y≠z)} エ量化子の関係
1 (カ)∀x~∃y∃z{(Fx&Fy&Fz)& (x≠y&x≠z&y≠z)} オ量化子の関係
1 (キ)~∃x∃y∃z{(Fx&Fy&Fz)& (x≠y&x≠z&y≠z)} カ量化子の関係
従って、
(03)(04)により、
(05)
③ ~∃x∃y∃z{(Fx&Fy&Fz)&(x≠y&x≠z&y≠z)}≡Fである対象(objects)は、多くとも、2個以下である。
④  ∀x∀y∀z{(Fx&Fy&Fz)→(x=y∨x=z∨y=z)}≡Fである対象(objects)は、多くとも、2個以下である。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(01)(05)により、
(06)
①   ∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}             ≡少なくとも、2個以上の対象(objects)がFである。
④ ∀x∀y∀z{(Fx&Fy&Fz)→(x=y∨x=z∨y=z)}≡Fである対象(objects)は、多くとも、2個以下である。
従って、
(06)により、
(07)
⑤ ちょうど2個の対象がFである。
といふ「日本語」は、①&④ である所の、
⑤ ∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}&∀x∀y∀z{(Fx&Fy&Fz)→(x=y∨x=z∨y=z)}
といふ「論理式」に「翻訳」出来る。
然るに、
(08)
(ⅴ)
1   (1)∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)&∀x∀y∀z{(Fx&Fy&Fz)→(x=y∨x=z∨y=z)} A
1   (2)∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)                                  1&E
 3  (3)  ∃y(Fa&Fy&a≠y)                                  A
  4 (4)     Fa&Fb&a≠b                                   A
1   (5)                ∀x∀y∀z{(Fx&Fy&Fz)→(x=y∨x=z∨y=z)} 1&E
1   (6)                  ∀y∀z{(Fa&Fy&Fz)→(a=y∨a=z∨y=z)} 5UE
1   (7)                    ∀z{(Fa&Fb&Fz)→(a=b∨a=z∨b=z)} 6UE
1   (8)                       (Fa&Fb&Fc)→(a=b∨a=c∨b=c)  7UE
  4 (9)     Fa&Fb                                       4&E
   ア(ア)           Fc                                    A
  4ア(イ)     Fa&Fb&Fc                                    9ア&I
1 4ア(ウ)                                  (a=b∨a=c∨b=c)  8イMPP
1 4ア(エ)                                (a=b)∨(a=c∨b=c)  ウ結合法則
1 4ア(オ)                               ~(a≠b)∨(a=c∨b=c)  エDN
1 4ア(カ)                                (a≠b)→(a=c∨b=c)  オ含意の定義
  4 (キ)           a≠b                                    4&E
1 4ア(ク)                                      (a=c∨b=c)  カキMPP
1 4 (ケ)             Fc→(a=c∨b=c)                        アクCP
1 4 (コ)          ∀z(Fz→(a=z∨b=z)                        ケUI
1 4 (サ)     (Fa&Fb&a≠b)&∀z[Fz→(a=z∨b=z)]                4コ&I
1 4 (シ)  ∃y{(Fa&Fy&a≠y)&∀z[Fz→(a=z∨y=z)]}               サEI
13  (ス)  ∃y{(Fa&Fy&a≠y)&∀z[Fz→(a=z∨y=z)]}               34シEE
13  (セ)∃x∃y{(Fa&Fy&a≠y)&∀z[Fz→(a=z∨y=z)]}               スEI
1   (ソ)∃x∃y{(Fx&Fy&x≠y)&∀z[Fz→(x=z∨y=z)]}               13セEE
(ⅵ)
1   (1)∃x∃y{(Fx&Fy&x≠y)&∀z[Fz→(x=z∨y=z)]}               A
 2  (2)  ∃y{(Fa&Fy&a≠y)&∀z[Fz→(a=z∨y=z)]}               A
  3 (3)     (Fa&Fb&a≠b)&∀z[Fz→(a=z∨b=z)]}               A
  3 (4)     (Fa&Fb&a≠b)                                 3&E
  3 (5)                 ∀z[Fz→(a=z∨b=z)]                3&E
  3 (6)                    Fc→(a=c∨b=c)                 5UE
   7(7)      Fa&Fb&Fc                                   A
   7(8)            Fc                                   7&E
  37(9)                    a=c∨b=c                      68MPP
  37(ア)                a=b∨a=c∨b=c                      9∨I
  3 (イ)                       (Fa&Fb&Fc)→(a=b∨a=c∨b=c)  7アCP
  3 (ウ)                    ∀z{(Fa&Fb&Fz)→(a=b∨a=z∨b=z)} イUI
  3 (エ)                  ∀y∀z{(Fa&Fy&Fz)→(a=y∨a=z∨y=z)} ウUI
  3 (オ)                ∀x∀y∀z{(Fx&Fy&Fz)→(x=y∨x=z∨y=z)} エUI
  3 (カ)    (Fa&Fb&a≠b)&∀x∀y∀z{(Fx&Fy&Fz)→(x=y∨x=z∨y=z)} 4オ&I
  3 (キ)  ∃y(Fa&Fb&a≠b)&∀x∀y∀z{(Fx&Fy&Fz)→(x=y∨x=z∨y=z)} カEI
 2  (ク)  ∃y(Fa&Fb&a≠b)&∀x∀y∀z{(Fx&Fy&Fz)→(x=y∨x=z∨y=z)} 23キEE
 2  (コ)∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)&∀x∀y∀z{(Fx&Fy&Fz)→(x=y∨x=z∨y=z)} クEI
1   (サ)∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)&∀x∀y∀z{(Fx&Fy&Fz)→(x=y∨x=z∨y=z)} 12コEE
従って、
(08)により、
(09)
⑤ ∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}&∀x∀y∀z{(Fx&Fy&Fz)→(x=y∨x=z∨y=z)}
⑥ ∃x∃y{(Fx&Fy&x≠y)&∀z[Fz→(x=z∨y=z)]}
に於いて、
⑤=⑥ である。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
⑥ ちょうど2個の対象がFである。⇔
⑥ ∃x∃y{(Fx&Fy&x≠y)&∀z[Fz→(x=z∨y=z)]}⇔
⑥ あるxとあるyについて{(xはFであり、yもFであるが、xとyは同一ではなく)、すべてのzについて[zがFであるならば、xがzであるか、または、yがzである]}。
といふ「等式」が「成立」する。
従って、
(10)により、
(11)
⑥ ちょうど2人の人物が犯人である。⇔
⑥ ∃x∃y{(犯人x&犯人y&x≠y)&∀z[犯人z→(x=z∨y=z)]}⇔
⑥ あるxとあるyについて{(xは犯人であり、yも犯人であるが、xとyは同一人物ではなく)、すべてのzについて[zが犯人であるならば、xがzであるか、または、yがzである]}。
といふ「等式」が「成立」する。
因みに、
(12)
⑤ ∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}&∀x∀y∀z{(Fx&Fy&Fz)→(x=y∨x=z∨y=z)}
⑥ ∃x∃y{(Fx&Fy&x≠y)&∀z[Fz→(x=z∨y=z)]}
に於いて、
⑤=⑥ である。
といふことは、「昭和堂、論理学の基礎、1994年、177頁」に書かれてゐるのもの、「述語計算(証明)」自体は、載ってゐない。
(13)
私の「愛読書」である「E.J.レモン著、論理学初歩、1973年」は、「問題に対する解答」が載ってないし、最近、ブックオフで買った「論理学の書籍」は、「誤植」がふんだんに有って、「答え」に、マチガイがある。
令和6年1月27日、毛利太。

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