2024年1月22日月曜日

「量化子(∀,∃)」と「ド・モルガンの法則」について。

(01)
(ⅰ)
1  (1) ∀x( Fx) A
 2 (2) ∃x(~Fx) A
1  (3)     Fa  1UE
  4(4)    ~Fa  A
1 4(5) Fa&~Fa  34&I
  4(6)~∀x( Fx) 15RAA
 2 (7)~∀x( Fx) 246EE
12 (8) ∀x( Fx)&
      ~∀x( Fx) 17&I
1  (9)~∃x(~Fx) 28RAA
(ⅱ)
1  (1) ~∃x(~Fx)  A
 2 (2) ~∀x( Fx)  A
  3(3)     ~Fa   A
  3(4)  ∃x(~Fx)  3EI
1 3(5) ~∃x(~Fx)&
        ∃x(~Fc)  14&I
1  (6)    ~~Fa   35RAA
1  (7)      Fa   6DN
1  (8)  ∀x( Fx)  7UI
12 (9)  ∀x( Fx)&
       ~∀x( Fx)  28&I
1  (ア)~~∀x( Fx)  29RAA
1  (イ)  ∀x( Fx)  アDN
従って、
(01)により、
(02)
①  ∀x( Fx)
② ~∃x(~Fx)
に於いて、すなはち、
① すべての(xはFである)。
②((Fでないx)が存在する)といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
(ⅲ)
1     (1)  Fa& Fb&  Fc  A
 2    (2) ~Fa∨~Fb∨ ~Fc  A
1     (3)( Fa& Fb)& Fc  1結合法則
 2    (4)(~Fa∨~Fb)∨~Fc  2結合法則
1     (5)( Fa& Fb)      3&E
  6   (6)(~Fa∨~Fb)      A
1     (7)  Fa           5&E
   8  (8) ~Fa           A
1  8  (9)  Fa&~Fa       78&I
   8  (ア)~(Fa& Fb&  Fc) 19RAA
1     (イ)      Fb       5&E
    ウ (ウ)     ~Fb       A
1   ウ (エ)  Fb&~Fb       イウ&I
    ウ (オ) ~(Fa&Fb&  Fc) 1エRAA
  6   (カ) ~(Fa&Fb&  Fc) 68アウオ∨E
1     (キ)           Fc  3&E
     ク(ク)          ~Fc  A
1    ク(ケ)       Fc&~Fc  キク&I
     ク(コ) ~(Fa& Fb& Fc) 1ケRAA
 2    (サ) ~(Fa& Fb& Fc) 46カクコ∨E
12    (シ)  (Fa& Fb& Fc)&
          ~(Fa& Fb& Fc) 1サ&I
1     (ス)~(~Fa∨~Fb∨~Fc) 2シRAA
(ⅳ)
1     (1) ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)  A
 2    (2) ~( Fa& Fb& Fc)  A
  3   (3)   ~Fa           A
  3   (4)   ~Fa∨~Fb       3∨I
  3   (5)   ~Fa∨~Fb∨~Fc   4∨I
1 3   (6) ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)&
           (~Fa∨~Fb∨~Fc)  15&I
1     (7)  ~~Fa           36RAA
1     (8)    Fa           7DN
   9  (9)       ~Fb       A
   9  (ア)   ~Fa∨~Fb       9∨I
   9  (イ)   ~Fa∨~Fb∨~Fc   ア∨I
1  9  (ウ) ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)&
           (~Fa∨~Fb∨~Fc)  1イ&I
1     (エ)      ~~Fb       9ウRAA
1     (オ)        Fb       エDN
     カ(カ)           ~Fc   A
     カ(キ)       ~Fb∨~Fc   カ∨I
     カ(ク)   ~Fa∨~Fb∨~Fc   キ∨I
1    カ(ケ) ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)&
           (~Fa∨~Fb∨~Fc)  1ク&I
1     (コ)          ~~Fc   カケRAA
1     (サ)            Fc   コDN
1     (シ)    Fa& Fb       8オ&I
1     (ス)    Fa& Fb& Fc   サシ&I
12    (セ) ~( Fa& Fb& Fc)&
           ( Fa& Fb& Fc)  2ス&I
1     (ソ)~~( Fa& Fb& Fc)  2セRAA
1     (タ)  ( Fa& Fb& Fc)  ソDN
従って、
(03)により、
(04)
③  ( Fa& Fb& Fc)
④ ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)
に於いて、
③=④ である(ド・モルガンの法則)。
然るに、
(05)
{xの変域)={a,b,c}
であるとして、
①  ∀x( Fx)
② ~∃x(~Fx)
③  ( Fa& Fb& Fc)
④ ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)
に於いて、
①=③ であって、
②=④ である(ド・モルガンの法則)。
然るに、
(06)
③  ( Fa& Fb& Fc)
④ ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)
といふ「論理式」は、
③(aはFであり、bもFであり、cもFである)。
④(aがFでないか、bがFでないか、cがFでないかの、いづれかである)といふことはない。
といふ「意味」である。
従って、
(06)により、
(07)
{xの変域)={a,b,c}
であるならば、そのときに限って、
③  ( Fa& Fb& Fc)
④ ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)
といふ「論理式」は、
① すべての(xはFである)。
②((Fでないx)が存在する)といふことはない。
といふ「意味」である。
従って、
(02)(06)(07)により、
(08)
{xの変域)={a,b,c}
であるならば、そのときに限って、
①  ∀x( Fx)
② ~∃x(~Fx)
③  ( Fa& Fb& Fc)
④ ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)
に於いて、
①=② であって、
③=④ であって、
①=②=③=④ である。
従って、
(08)により、
(09)
{xの変域)={a,b,c,
であるならば、そのときに限って、
① ∀x(Fx)
② すべてのxは、Fである。
③(Fa&Fb&Fc&F
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(10)
第1に、固有名詞を つぎの符号のひとつとして定義する。
 ,n,・・・・・
第2に、任意の名前をつぎの符号のひとつとして定義する。
 a,b,c,・・・・・
第3に、個体変数を つぎの符号のひとつとして定義する。
 x,y,z,・・・・・
第4に、述語文字を つぎの符号のひとつとして定義する。
 F,G,H,・・・・・
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、176頁)
然るに、
(11)
100 F,∀x(Fx→Gx)├ G
1 (1)F        A
 2(2)∀x(Fx→Gx) A
 2(3)   F→G  2UE
12(4)      G  13MPP
100は論理学では有名なつぎの論証に見られるような、明らかに健全な論証の形式を示している。
 (3)ソクラテスは人間である。すべての人間は死すべきものである。故にソクラテスは死すべきものである。
(固有名詞はソクラテス、述語文字Fは人間であること、そして述語文字Gは死すべきものであること、を表すものとする。)
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、135頁)
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
{xの変域)={a,b,c,
であるならば、そのときに限って、
100 F,∀x(Fx→Gx)├ G
1 (1)F        A
 2(2)∀x(Fx→Gx) A
 2(3)   F→G  2UE
12(4)      G  13MPP
といふ「計算」は、
1 (1)F        A
 2(2)   Fa→Ga&
        Fb→Gb&
        Fc→Gc&
        F→G  A
 2(3)   F→G  2&E
12(4)      G  13MPP
といふ「計算」に「他ならない」。
令和6年1月22日、毛利太。

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