2024年1月21日日曜日

「ド・モルガンの法則」と「含意の定義」と「パースの法則」。

(01)
(ⅰ)
1  (1) (P&~Q)∨P    A
 2 (2)  P&~Q       A
 2 (3)  P          2&E
  4(4)        P    A
1  (5)  P          12344∨E
   (6)((P&~Q)∨P)→P 15CP
従って、
(01)により、
(02)
①((P&~Q)∨P)→P
といふ「論理式」は「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(02)により、
(03)
 P=花子は日本人である。
~Q=花子は男性でない(女性である)。
であるとして、
①((P&~Q)∨P)→P
といふ「命題」、すなはち、
①((花子は日本人である&~花子は男性である)∨花子は日本人である)→花子は日本人である。
といふ「命題」、すなはち、
①((花子が日本人の女性である)か、または、花子が日本人である)ならば、花子は日本人である。
といふ「命題」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1   (1) ~P∨ Q  A
 2  (2)  P&~Q  A
  3 (3) ~P     A
 2  (4)  P     2&E
 23 (5) ~P&P   34&I
  3 (6)~(P&~Q) 25RAA
   7(7)     Q  A
 2  (8)    ~Q  2&E
 2 7(9)  Q&~Q  78&I
   7(ア)~(P&~Q) 27RAA
1   (イ)~(P&~Q) 1367ア∨E
(ⅱ)
1   (1)  ~(P&~Q)  A
 2  (2) ~(~P∨ Q)  A
  3 (3)   ~P      A
  3 (4)   ~P∨ Q   3∨I
 23 (5) ~(~P∨ Q)&
         (~P∨ Q)  25&I
 2  (6)    P      35RAA
   7(7)       Q   A
   7(8)   ~P∨ Q   7∨I
 2 7(9) ~(~P∨ Q)&
         (~P∨ Q)  28&I
 2  (ア)      ~Q   79RAA
 2  (イ)    P&~Q   6ア&I
12  (ウ)  ~(P&~Q)&
         ( P&~Q)  1イ&I
1   (エ)~~(~P∨ Q)  2ウRAA
1   (オ)   ~P∨ Q   エDN
従って、
(04)により、
(05)
①  ~P∨ Q
② ~(P&~Q)
に於いて、
①=② である(ド・モルガンの法則)。
然るに、
(06)
(ⅱ)
1  (1)~(P&~Q)  A
 2 (2)  P      A
  3(3)    ~Q   A
 23(4)  P&~Q   23&I
123(5)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  14&I
12 (6)   ~~Q   35RAA
12 (7)     Q   6DN
1  (8)  P→ Q   27CP
(ⅲ)
1 (1)  P→ Q  A
 2(2)  P&~Q  A
 2(3)  P     2&E
12(4)     Q  13MPP
 2(5)    ~Q  2&E
12(6)  Q&~Q  45&I
1 (7)~(P&~Q) 26RPP
従って、
(06)により、
(07)
② ~(P&~Q)
③   P→ Q
に於いて、すなはち、
②(Pであって、Qでない)といふことはない。
③ Pであるならば、Qである。
に於いて、
②=③ である。
従って、
(05)(07)により、
(08)
①  ~P∨ Q
② ~(P&~Q)
③   P→ Q
に於いて、
に於いて、
①=②=③ であるものの、
①=② は、「ド・モルガンの法則」であって、
①=③ を、「含意の定義(α)」とし、
②=③ を、「含意の定義(β)」とする。
然るに、
(09)
(ⅰ)
1  (1)  ((P&~Q)∨P)→ P  A
1  (2)~(((P&~Q)∨P)&~P) 1「含意の定義(α)」
1  (3) ~((P&~Q)∨P)∨ P  2ド・モルガンの法則
 4 (4) ~((P&~Q)∨P)     A
 4 (5)  ~(P&~Q)&~P     4ド・モルガンの法則
 4 (6)   (P→ Q)&~P     5「含意の定義(α)」
 4 (7)~~((P→ Q)&~P)    6DN
 4 (8) ~((P→ Q)→ P)    7「含意の定義(α)」
 4 (9) ~((P→ Q)→ P)∨P  8∨I
  ア(ア)              P  A
  ア(イ) ~((P→ Q)→ P)∨P  ア∨I
1  (ウ) ~((P→ Q)→ P)∨P  349アイ∨E
1  (エ)  ((P→ Q)→ P)→P  ウ「含意の定義(β)」
(ⅱ)
1  (1)  ((P→ Q)→ P)→P  A
1  (2) ~((P→ Q)→ P)∨P  1「含意の定義(β)」
 3 (3) ~((P→ Q)→ P)    A
 3 (4)~~((P→ Q)&~P)    3「含意の定義(α)」
 3 (5)   (P→ Q)&~P     4DN
 3 (6)  ~(P&~Q)&~P     5「含意の定義(α)」
 3 (7) ~((P&~Q)∨P)     6ド・モルガンの法則
 3 (8) ~((P&~Q)∨P)∨ P  7∨I
  9(9)              P  A
  9(ア) ~((P&~Q)∨P)∨ P  9∨I
1  (イ) ~((P&~Q)∨P)∨ P  1389ア∨E
1  (ウ)~(((P&~Q)∨P)&~P) イ、ド・モルガンの法則
1  (エ)  ((P&~Q)∨P)→ P  1「含意の定義(α)」
従って、
(09)により、
(10)
①((P&~Q)∨P)→P
②((P→ Q)→P)→P
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)(10)により、
(11)
 P=花子は日本人である。
~Q=花子は男性でない(女性である)。
であるとして、
①((P&~Q)∨P)→P
②((P→ Q)→P)→P
といふ「命題」、すなはち、
①((花子は日本人である&~花子は男性である)∨花子は日本人である)→花子は日本人である。
②((花子は日本人である→ 花子は男性である)→花子は日本人である)→花子は日本人である。
といふ「命題」、すなはち、
①((花子が日本人の女性である)か、または、花子が日本人である)ならば、花子は日本人である。
②((花子が日本人であるならば、花子が男性である)ならば、花子が日本人である)ならば、花子は日本人である。
といふ「命題」は、2つとも、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(12)
直観主義の論理体系NJ」では、次の諸性質は「同値」である。
├ ~~P→P        二重否定除去律
├    P∨~P       排中律
├ ((P→Q)→P)→P  パースの法則
(大阪教育図書、論理と思考、2021年、85頁)
従って、
(11)(12)により、
(13)
①((花子が日本人の女性である)か、または、花子が日本人である)ならば、花子は日本人である。
②((花子が日本人であるならば、花子が男性である)ならば、花子が日本人である)ならば、花子は日本人である。
といふ「命題」は、2つとも、「恒真式(トートロジー)」であって、特に、
② は、「直観主義の論理体系NJ」では、「排中律(P∨~P)」に「等しい」。
然るに、
(13)により、
(14)
①((花子が日本人の女性である)か、または、花子が日本人である)ならば、花子は日本人である。
②((花子が日本人であるならば、花子が男性である)ならば、花子が日本人である)ならば、花子は日本人である。
といふ「命題」は、2つとも、「恒真式(トートロジー)」である。
とするならば、「当然」、
①((太郎が日本人の男性である)か、または、太郎が日本人である)ならば、太郎は日本人である。
②((太郎が日本人であるならば、太郎が女性である)ならば、太郎が日本人である)ならば、太郎は日本人である。
といふ「命題」は、2つとも、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(14)により、
(15)
①((花子が日本人の女性である)か、または、花子が日本人である)ならば、花子は日本人である。
②((花子が日本人であるならば、花子が男性である)ならば、花子が日本人である)ならば、花子は日本人である。
といふ「命題」に於いて、
① 女性である。
② 男性である。
といふ「部分」は、実際には、「意味が無い(不要である)」。
然るに、
(01)(09)により、
(16)
(ⅰ)
1  (1) (P&~Q)∨P    A
 2 (2)  P&~Q       A
 2 (3)  P          2&E
  4(4)        P    A
1  (5)  P          12344∨E
   (6)((P&~Q)∨P)→P 15CP
(ⅰ)
1  (1)  ((P&~Q)∨P)→ P  A
1  (2)~(((P&~Q)∨P)&~P) 1「含意の定義(α)」
1  (3) ~((P&~Q)∨P)∨ P  2ド・モルガンの法則
 4 (4) ~((P&~Q)∨P)     A
 4 (5)  ~(P&~Q)&~P     4ド・モルガンの法則
 4 (6)   (P→ Q)&~P     5「含意の定義(α)」
 4 (7)~~((P→ Q)&~P)    6DN
 4 (8) ~((P→ Q)→ P)    7「含意の定義(α)」
 4 (9) ~((P→ Q)→ P)∨P  8∨I
  ア(ア)              P  A
  ア(イ) ~((P→ Q)→ P)∨P  ア∨I
1  (ウ) ~((P→ Q)→ P)∨P  349アイ∨E
1  (エ)  ((P→ Q)→ P)→P  ウ「含意の定義(β)」
(ⅱ)
1  (1)  ((P→ Q)→ P)→P  A
1  (2) ~((P→ Q)→ P)∨P  1「含意の定義(β)」
 3 (3) ~((P→ Q)→ P)    A
 3 (4)~~((P→ Q)&~P)    3「含意の定義(α)」
 3 (5)   (P→ Q)&~P     4DN
 3 (6)  ~(P&~Q)&~P     5「含意の定義(α)」
 3 (7) ~((P&~Q)∨P)     6ド・モルガンの法則
 3 (8) ~((P&~Q)∨P)∨ P  7∨I
  9(9)              P  A
  9(ア) ~((P&~Q)∨P)∨ P  9∨I
1  (イ) ~((P&~Q)∨P)∨ P  1389ア∨E
1  (ウ)~(((P&~Q)∨P)&~P) イ、ド・モルガンの法則
1  (エ)  ((P&~Q)∨P)→ P  1「含意の定義(α)」
といふ「計算」は、
自然演繹論理のあるバージョンには、公理が存在しない。ジョン・レモンが開発した体系(ウィキペディア)。
で言ふ所の、『自然演繹の体系』である。
従って、
(14)(15)(16)により、
(17)
自然演繹の体系』からすると、
①((花子が日本人の女性である)か、または、花子が日本人である)ならば、花子は日本人である。
②((花子が日本人であるならば、花子が男性である)ならば、花子が日本人である)ならば、花子は日本人である。
といふ「命題」は、「実質的」に、
①((花子が日本である)か、または、花子が日本人である)ならば、花子は日本人である。
②((花子が日本人である)ならば、花子が日本人である) ならば、花子は日本人である。
といふ「命題」に、「等しい」。
然るに、
(18)
①((花子が日本である)か、または、花子が日本人である)ならば、花子は日本人である。
②((花子が日本人である)ならば、花子が日本人である) ならば、花子は日本人である。
といふ「命題」は、② を含めて、「少なくともではない」。
然るに、
(19)
排中律や二重否定の除去と等価な命題のひとつで、変なものとして、パースの法則があります。
任意の命題P, Qについて、
((P→Q)→P)→P
が成り立つ
『「PならばQ」ならばP』ならばP
なんか、パズルのような命題ですね。
(背理法を絶対に認めない人たちの会)
然るに、
(19)により、
(20)
確かに、任意の命題P, Qについての、例へば、
②((花子が日本人であるならば、花子が男性である)ならば、花子が日本人である)ならば、花子は日本人である。
といふ「パースの法則(合成命題)」は、「(パズルみたいで)変である」が、
②((花子が日本人である)ならば、花子が日本人である)ならば、花子は日本人である。
といふ「命題」が「恒真命題(トートロジー)」であることには、「何らの違和感」も無い。
従って、
(17)~(20)により、
(21)
②((花子が日本人であるならば、花子が男性である)ならば、花子が日本人である)ならば、花子は日本人である。
といふ「パースの法則」が、「ヘンテコ」である「理由」は、
②((花子が日本人である)ならば、花子が日本人である)ならば、花子は日本人である。
といふ「命題」に対して、
②「(不要である所の)花子は男性である。」
といふ「命題」を加へたからである。
(22)
(ⅰ)
1  (1) P∨P    A
 2 (2) P      A
  3(3)   P    A
1  (4) P      12233∨E
   (5)(P∨P)→P 14CP
であると「同時」に、
(ⅱ)
1  (1) (P&~Q)∨P    A
 2 (2)  P&~Q       A
 2 (3)  P          2&E
  4(4)        P    A
1  (5)  P          12344∨E
   (6)((P&~Q)∨P)→P 15CP
である。
従って、
(01)(10)(22)により、
(23)
① (P    ∨P)→P
②((P&~Q)∨P)→P
③((P→ Q)→P)→P
といふ「3つの論理式」は、すなはち、
① (Pであるか、Pである)ならばPである。
②((Pであって、Qでない)か、Pである)ならば、Pである。
③((Pであるならば、Qである)ならば、Pである)ならば、Pである。
といふ「3つの命題」は、「3つ」とも、「恒真命題(トートロジー)」であって、尚且つ、
②=③ であって、特に、
③ を、「パースの法則」と言ふ。
令和6年1月21日、毛利太。

―「補足」をします。―
(24)
(ⅰ)
1(1)P   A
 (2)P→P 11CP
(ⅲ)
1 (1) (P→P)→P    A
 2(2)  P         A
  (3)  P→P       22CP
1 (4)       P    13MPP
  (5)((P→P)→P)→P 14CP
従って、
(24)により、
(25)
①   P→P
③((P→P)→P)→P
は、「2つ」とも「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(26)
②(偽→偽)→偽
は「偽」であるため、
②(P→P)→P
は、「恒真式(トートロジー)」ではない。
15:37 2024/01/21

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