(01)
① 鳥吾知其能飛(十八史略)。
② 先生不知何許人(陶潜)。
に対する「訓読」は、
① 鳥は吾其の能く飛ぶを知る。
② 先生は何許の人なるかを知らず。
である。
然るに、
(02)
然るに、
(03)
「従属節の主語」 といふのは、すなはち、
「名詞節の主語」 であって、
「名詞節の主語」 といふのは、すなはち、
「文の一部の主語」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 鳥は吾其の能く飛ぶを知る。
② 先生は何許の人なるかを知らず。
に於いて、
① 鳥 は、「 知る 」の「主語」ではないし、
② 先生 は、「知らず」の「主語」ではない。
従って、
(02)(04)により、
(05)
② 先生はいづこの人なるかを知らず(文語)。
② 先生はどこの人であるか分からない(口語)。
に於いて、
②「知らず」の「主語(私)」が、「省略」されてゐる。
然るに、
(06)
③ 先生は日本人である。
③ The teacher is Japanese.
に於いて、
③「である(is)」の「主語」は、言ふ迄もなく、「先生」である。
従って、
(02)(05)(06)により、
(07)
② 先生はどこの人であるか分からない。
③ 先生は日本人である。
に於いて、
② 先生 は、「文の一部の主語(主格)」であって、
③ 先生 は、「文の全体の主語(主格)」である。
(08)
④ 先生是我所知之唯一日本人。
④ 先生は私が知ってゐる唯一の日本人である。
④ The teacher is the only Japanese whom I know.
に於いて、
④ 先生 は、「文の全体の目的語(対格)」である(と思ふ)。
平成29年06月06日、毛利太。
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