2017年7月11日火曜日

「返り点」と「括弧」の関係(Ⅱ)

(01)
( )は、「括弧」である。
(02)
〔 〕の中に、1個以上の( )が有るならば、「括弧」である。
[ ]の中に、1個以上の〔 〕が有るならば、「括弧」である。
{ }の中に、1個以上の[ ]が有るならば、「括弧」である。
従って、
(03)
① ( )
② 〔 ( ) 〕
③ 〔 ( )( ) 〕
④ [ 〔 ( )( ) 〕 ]
⑤ { [ 〔 ( )( ) 〕( ) ]( )( ) }
等は、「括弧」である。
然るに、
(04)
# は、「個以上の、任意の漢字」である。
* は、「個以上の、任意の漢字」である。
然るに、
(05)
① *(*)
② *〔*(*)#〕
③ *〔*(*)*(*)#〕
④ *[*〔*(*)*(*)#〕#]
⑤ *{*[*〔*(*)*(*)#〕#(*)#]*(*)*(*)#}
等を、『括弧』とする。
従って、
(05)により、
(06)
① *(*)=読(書)。
① *(*)=二(一)。
① *(*)=我読(漢文)。
① *(*)=我二(漢一)。
② *〔*(*)#〕=我不〔読(英文)〕。
② *〔*(*)#〕=我三〔二(英一)〕。
③ *〔*(*)#〕=我非〔読(英文)者〕。
③ *〔*(*)#〕=我四〔二(英一)三〕。
④ *[*〔*(*)*(*)#〕#]=不[如〔因(其機)遂取(之)〕]
④ *[*〔*(*)*(*)#〕#]=六[五〔二(其一)遂四(三)〕]
⑤ *{*[*〔*(*)*(*)#〕#(*)#]*(*)*(*)#}=使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(財銭)以済(医薬)}。
⑤ *{*[*〔*(*)*(*)#〕#(*)#]*(*)*(*)#}=十三{籍誠八[五〔二(妻一)四(飢三)〕七(六)]十(財九)以十二(医十一)}。
等は、『括弧』である。
然るに、
(07)
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
に於いて、
(Ⅰ)を挟んで「返る」際には、(Ⅱ)を用ゐる。
(Ⅱ)を挟んで「返る」際には、(Ⅲ)を用ゐる。
(Ⅲ)を挟んで「返る」際には、(Ⅳ)を用ゐる。
ものの、
(Ⅱ)上 中 下
に於いて、「四番目以降」が「不足」するならば、
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
といふ「順番」ではなく、
(Ⅱ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅲ)上 中 下
といふ「順番」とする。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① 読(書)。
① 二(一)。
① 我読(漢文)。
① 我二(漢一)。
② 我不〔読(英文)〕。
② 我三〔二(英一)〕。
③ 我非〔読(英文)者〕。
③ 我下〔二(英一)上〕。
④ 不[如〔因(其機)遂取(之)〕]。
④ 丁[丙〔二(其一)遂乙(甲)〕]。
⑤ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(財銭)以済(医薬)}。
⑤ 人{籍誠丙[下〔二(妻一)中(飢上)〕乙(甲)]二(財一)以地(医天)}。
である。
然るに、
(09)

cf.
① 書を読む。
① 我、漢文を読む。
② 我、英文を読まず。
③ 我は英文を読む者に非ず。
④ 其の機に因りて遂に之を取るに如かず。
⑤ 籍をして誠に、妻子を畜ひ飢寒を憂ふるを以て心を乱さず、銭財有りて、以て、医薬を済さ使む。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① 読(書)
① 我読(漢文)。
② 我不〔読(英文)〕。
③ 我非〔読(英文)者〕。
④ 不[如〔因(其機)遂取(之)〕]。
⑤ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(財銭)以済(医薬)}。
対する、「返り点」は、
① 二(一)。
① 我二(漢一)。
② 我三〔二(英一)〕。
② 我下〔二(英一)上〕。
④ 丁[丙〔二(其一)遂乙(甲)〕]。
⑤ 人{籍誠丙[下〔二(妻一)中(飢上)〕乙(甲)]二(財一)以地(医天)}。
に於ける、
① 二 一
① 二 一
② 三 二 一
③ 下  二 一 上
④ 丁 丙 二 一 乙 甲
⑤ 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天
である。
然るに、
(11)
英文=英文を読まず。
に対して、
⑫ 読 英文=英文を読まず。
といふ「漢文」は「存在」しない
然るに、
(12)
(α)「(左)から(右)へ、読む」場合に、「返り点」は、「不要」であって、
(β)「下(右)から上(左)へ、読む」場合に、「返り点」は、「必要」となる。
従って、
(12)により、
(13)
⑫ 二 三 一
であれば、

に於いて、
(α)「上()から下()へ、返ってゐる」。
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
⑫ 読 英文=英文を読まず 。
に於ける、
⑫ 二  一
といふ「それ」は、

といふ「順番」を含んでゐるが故に、「返り点」ではない。
然るに、
(15)
② 三〔二(一)〕。
に於いて、
② 二( )⇒( )二
② 三〔 〕⇒〔 〕三
といふ「移動」を行ふならば
② 〔(一)二〕三。
然るに、
(16)
⑫ 二(三〔一)〕。
に於いて、
⑫ 二( )⇒( )二
⑫ 三〔 〕⇒〔 〕三
といふ「移動」を行ふならば、
⑫ (〔一)二〕三。
然るに、
(01)(02)により、
(17)
② 三〔二(一)〕。
に於ける、
②  〔 ( )〕
といふ「括弧」に対して、
⑫ 二(〔一)〕。
に於ける、
⑫  (  )〕
といふ「それ」は、「括弧」ではない。
従って、
(11)(14)(17)により、
(18)
⑫ 読 英文=英文を読まず。
といふ「それ」は、「 漢文 」ではなく
⑫ 二  一
といふ「それ」は、「返り点」ではなく
⑫  (  )〕
といふ「それ」は、「 括弧 」ではない
従って、
(18)により、
(19)
いづれにせよ、
⑫ 2<>1
のやうな「順番」をふくむ「順番」を、「返り点括弧」は、
⑫ 1<2<3
のやうな「順番」に、「並び替へ(ソートす)」ることは、出来ない。
然るに、
(06)(10)により、
(20)
① 二 一
② 三 二 一
③ 下  二 一 上
④ 丁 丙 二 一 乙 甲
⑤ 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天
といふ「返り点」は、
① 2 1
② 3 2 1
③ 4 2 1 3
④ 6 5 2 1 4 3
⑤ 13 2 8 7 5 4 3 7 6 10 9 12 11
といふ「順番」に、「相当」する。
然るに、
(21)
① 2 1
② 3 2 1
③ 4 2 1 3
④ 6 5 2 1 4 3
⑤ 13 2 8 7 5 4 3 7 6 10 9 12 11
の中には、
⑫   2<>1
のやうな「順番」、すなはち、
⑫ N+1<M>N
のやうな「順番」は、「一つ」も無い
従って、
(07)(10)(21)により、
(22)
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
に於いて、
(Ⅰ)を挟んで「返る」際には、(Ⅱ)を用ゐる。
(Ⅱ)を挟んで「返る」際には、(Ⅲ)を用ゐる。
(Ⅲ)を挟んで「返る」際には、(Ⅳ)を用ゐる。
ものの、
(Ⅱ)上 中 下
に於いて、「四番目以降」が「不足」するならば、
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
といふ「順番」ではなく、
(Ⅱ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅲ)上 中 下
といふ「順番」とする。
といふ『ルール』に従ってゐる限り、
⑫ N+1<M>N
のやうな「順番」は、「一つ」も「表れ」ず、尚且つ、
⑫ N+1<M>N
のやうな「順番」は、「一つ」も「表れ」ないのであれば、その時に限って、「それらの順番」には、「返り点括弧」を、付けることが、出来る。
然るに、
(23)

従って、
(23)により、
(24)
① 2 1
① 2 1
② 3 2 1
③ 4 2 1 3
④ 6 5 2 1 4 3
⑤ 13 2 8 7 5 4 3 7 6 10 9 12 11
といふ「順番」の中の、「ある順番」は、
(Ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ「レ点」を含む「返り点」で、「並び替へ(ソートす)」ることが、出来る。
然るに、
(25)
(Ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
の場合は、
(β)「下(右)から上(左)へしか、返れない」。
従って、
(07)(25)により、
(26)
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
(Ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ「返り点」で、表すことが出来る「順番」であれば、
⑫ N+1<M>N
のやうな「順番」は、「一つも無く」、
⑫ N+1<M>N
のやうな「順番」は、「一つ無い」のであれば、その時に限って、「それらの順番」には、
① ( )
② 〔 〕
③ [ ]
④ { }
からなる、「括弧」を、付けることが、出来る。
平成29年07月11日、毛利太。
―「関連記事」―
「返り点」と「括弧」の関係(https://kannbunn.blogspot.com/2017/07/blog-post_9.html)。