2017年7月21日金曜日

「漢文の、補足構造」と「返り点・括弧」。

(01)
( )は、『括弧』である。
(02)
{ }の中には、1個以上の[ ]が、無ければ、ならない。
[ ]の中には、1個以上の〔 〕が、無ければ、ならない。
〔 〕の中には、1個以上の( )が、無ければ、ならない。
(03)
( )は、〔 〕と[ ]と{ }の中に入ることが出来、
〔 〕は、    [ ]と{ }の中に入ることが出来、
[ ]は、        { }の中に入ることが出来る。
(04)
(01)~(03)を「満たす」ならば、『括弧』である。
従って、
(04)により、
(05)
①    ( )
②   〔( )〕
③  [〔( )〕]
④ {[〔( )〕( )]}
等は、『括弧』である。
(06)
1=1
2=2
3=3
4=4
5=5
6=6
7=7
8=8
9=9
A=10
B=11
C=12
D=13
E=14
F=15
は、「16進数(Hexadecimal)」である。
従って、
(07)
④ 1 E 2 C 8 6 3 4 5 7 B 9 A D F。
は、「15個の、16進数数」である。
然るに、
(08)
④ 1 E 2 C 8 6 3 4 5 7 B 9 A D F。
に於いて、
1=囗
E=囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗
2=囗囗
C=囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗
8=囗囗囗囗囗囗囗囗
6=囗囗囗囗囗囗
3=囗囗囗
4=囗囗囗囗
5=囗囗囗囗囗
7=囗囗囗囗囗囗囗
B=囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗
9=囗囗囗囗囗囗囗囗囗
A=囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗
D=囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗
F=囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗囗
従って、
(08)により、
(09)
④ 1 E{2 C 8 6 3 4 5 7 B 9 A D}F。
に於いて、
④ 1 より、「小さな数」は無い。
(10)
{2 C 8 6 3 4 5 7 B 9 A
に於いて、
の間に、 より、「きな数」は無い。
(11)
④ 2 C[8 6 3 4 5 7 B 9 A]
に於いて、
④ 2 より、「さな数」は無い。
(12)
[8 6 3 4 5 7 B 9
に於いて、
の間に、 より、「きな数」は無い。
(13)
〔6 3 4 5
に於いて、
の間に、 より、「きな数」は無い。
(14)
(34
に於いて、
の間に、 より、「きな数」は無い。
(15)
④ (345)
に於いて、
④ (3<4<5)
である。
(16)
(9
に於いて、
の間に、 より、「きな数」は無い。
(17)
④ (9A)
④ (9<A)
である。
(18)
④ D}E。
に於いて、
④ D より、「小さな数」は無い。
然るに、
(19)
④ # は、
④ 1 E 2 C 8 6 3 4 5 7 B 9 A D F。
の中の「一個の、任意の16進数」であるとする。
従って、
(06)~(19)により、
(20)
④ 1 E 2 C 8 6 3 4 5 7 B 9 A D F。
に於いて、
④ #の「右(下)側」にあって、#よりも「小さな#」があれば、それらを、『括弧』で「括る」ならば、「結果」として、
④ 1E{2C[8〔6(345)7〕B(9A)]D}F。
といふ『括弧』を、得ることになる。
従って、
(20)により、
(21)
④ 1E{2C[8〔6(345)7〕B(9A)]D}F。
といふ『括弧』は、
④ 1 E 2 C 8 6 3 4 5 7 B 9 A D F。
といふ「異なる、15個の、16進数数」の、「左右に於ける、大小関係」を表してゐる。
従って、
(20)(21)により、
(22)
④ 1E{2C[8〔6(345)7〕B(9A)]D}F。
に於いて、
④ E{ }⇒{ }E
④ C[ ]⇒[ ]C
④ 8〔 〕⇒〔 〕8
④ 6( )⇒( )6
④ B( )⇒( )B
といふ「移動」を行ふと、「左右に於ける、大小関係」は、「逆転」し、それ故、
④ 1E{2C[8〔6(345)7〕B(9A)]D}F⇒
④ 1{2[〔(345)67〕8(9A)B]CD}EF=
④ 1<2<3<4<5<6<7<8<9<A<B<C<D<E<F。
といふ「並び替へ(ソート)」が、成立する。
然るに、
(23)
④ 1十四C8十一十三十五
従って、
(23)により、
(24)
④ 1 E 2 C 8 6 3 4 5 7 B 9 A D F。
といふ「数列」は、「それ自身」が「返り点」を兼ねてゐる、「文字」であると、見做すことが出来る。
従って、
(22)(24)により、
(25)
④ 我 非 必 求 以 解 中 国 語 法 解 漢 文 者 也=
④ 我非{必求[以〔解(中国語)法〕解(漢文)]者}也=
④ 1E{2C[8〔6(345)7〕B(9A)]D}F。
に於いて、
④ E{ }⇒{ }E
④ C[ ]⇒[ ]C
④ 8〔 〕⇒〔 〕8
④ 6( )⇒( )6
④ B( )⇒( )B
といふ「移動」を行ふと、
④ 1{2[〔(345)67〕8B(9A)]CD}EF=
④ 我{必[〔(中国語)解法〕以(漢文)解]求者}非也=
④ 我は{必ずしも[〔(中国語を)解する法を〕以て(漢文を)解せんことを]求むる者に}非ざるなり。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
従って、
(25)により、
(26)
④ 我 非 必 求 以 解 中 国 語 法 解 漢 文 者 也。
といふ「漢文」に対して、
④ 我非{必求[以〔解(中国語)法〕解(漢文)]者}也。
といふ『括弧』を与へることは、
④ 我 非 必 求 以 解 中 国 語 法 解 漢 文 者 也。
といふ「漢文」に対して、
④ 1 E 2 C 8 6 3 4 5 7 B 9 A D F。
といふ「順番」を与へることに、「等しい」。
然るに、
(27)
④ 我非{必求[以〔解(中国語)法〕解(漢文)]者}也。
④ 1E{2C[8〔6(345)7〕B(9A)]D}F。
④ #地{#丙[下〔二(##一)上〕乙(#甲)]天}#。
に於いて、
④  地  丙 下 二   一 上 乙  甲  天
は、「返り点」である。
従って、
(27)により、
(28)
④ 我 非 必 求 以 解 中 国 語 法 解 漢 文 者 也。
といふ「漢文」に対して、
④ 1 E 2 C 8 6 3 4 5 7 B 9 A D F。
といふ「順番」を与へることは、
④ 我 非 必 求 以 解 中 国 語 法 解 漢 文 者 也。
といふ「漢文」に対して、
④   地  丙 下 二     一 上 乙  甲 天
といふ「返り点」を与へることに、「等しい」。
従って、
(26)(28)により、
(29)
④ 我 非 必 求 以 解 中 国 語 法 解 漢 文 者 也。
といふ「漢文」に対して、
④   地  丙 下 二     一 上 乙  甲 天
といふ「返り点」を与へるこは、
④ 我 非 必 求 以 解 中 国 語 法 解 漢 文 者 也。
といふ「漢文」に対して、
④ 我非{必求[以〔解(中国語)法〕解(漢文)]者}也。
といふ『括弧』を与へることに、「等しい」。
然るに、
(30)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(29)(30)により、
(31)
④ 我 非 必 求 以 解 中 国 語 法 解 漢 文 者 也=
④ 我非{必求[以〔解(中国語)法〕解(漢文)]者}也=
④ 1E{2C[8〔6(345)7〕B(9A)]D}F⇒
④ 1{2[〔(345)67〕8B(9A)]CD}EF=
④ 我{必[〔(中国語)解法〕以(漢文)解]求者}非也=
④ 我は{必ずしも[〔(中国語を)解する法を〕以て(漢文を)解せんことを]求むる者に}非ざるなり。
といふ「漢文訓読」に於ける、『括弧』は、
④ 我 非 必 求 以 解 中 国 語 法 解 漢 文 者 也。
といふ「漢文」の、「補足構造」を表してゐる。
然るに、
(32)
我 非 生 而 知 之 (金谷治 訳注、論語、1963年)。
非 必 怪 奇 偉 麗 者 也(天野成之、漢文基本語辞典、1999年)。
⑦ 求 以 解 英 文 法 解 漢 文(赤塚忠・遠藤哲夫、漢文の基礎、1973年)。
従って、
(32)により、
(33)
我 非 必 怪 奇 偉 麗 者 也
我 非 必 求 以 解 中 国 語 法 解 漢 文
といふ「作例」は、「漢文として、正しい」。
然るに、
(34)
仮に、
我 非 必 求 以 解 中 国 語 法 解 漢 文 者 也
といふ「作例」が、万が一、「マチガイ」であったとしても、いづれにせよ、
⑤ 我 非 生 而 知 之 者。
といふ「論語」は、「漢文として、正しい」。
然るに、
(35)
【非】①(動)・・・にあらず。・・・ではない。・・・ということはない。:後にくる名詞やクローズを打ち消すことば。
(学研 漢和大辞典、1978年、1457頁)
従って、
(34)(35)により、
(36)
⑤ 我 非 生 而 知 之 者。
といふ「漢文」は、
⑤ I am not 生 而 知 之 者。
⑤ I am not a person who knows this naturally.
といふ「意味」である。
従って、
(37)
⑤ 我 非 生 而 知 之 者。
といふ「漢文」は、
⑤ 私は〔a person who knows this naturally〕ではない。
といふ、「意味」である。
然るに、
(38)
⑤ 生 而=生まれながらにして
であるため、
⑤ 生 而=naturally
である。
然るに、
(39)
⑤ 生 而=naturally
は、「修飾語(副詞)」であるため、
⑤ 生 而=naturally
は、「補足構造」には、与らない。
然るに、
(40)
⑤ 知 之=knows this
であるため、
⑤ 知 之=knows this
には、「補足構造」が、有ることになる。
然るに、
(41)
⑤ 知(之)=knows(this)
といふ「補足構造」が有るとする。
従って、
(37)(41)により、
(42)
⑤ 我 非 生 而 知 之 者。
といふ「漢文」には、
⑤ 我 非〔生 而 知(之)者〕。
といふ「補足構造」が有る。
然るに、
(30)により、
(43)
漢文の補足構造」に於ける「語順」は、「国語の補足構造」の「語順」と、「反対」である。
従って、
(41)(42)(43)により、
(44)
⑤ 我 非 生 而 知 之 者=
⑤ 我 非〔生 而 知(之)者〕=
⑤ 1 7〔2 3 5(4)6〕。
に於いて、
⑤ 7〔 〕⇒〔 〕7
⑤ 5( )⇒( )5
といふ「移動」を行ふと、
⑤ 1 〔2 3 (4)56〕7=
⑤ 我 〔生 而 (之)知者〕非=
⑤ 我は〔生まれながらにして(之を)知る者に〕非ず。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
平成29年07月21日、毛利太。

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