2019年12月18日水曜日

Aなので(Bでなくとも、Aである)。

(01)
ルカジェビィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(Q→R)]
(3)(~P→~Q)→(Q→P)
(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、173頁)
従って、
(01)により、
(02)
(1)Pならば(QならばPである)。
は、「ルカジェビィッツによる公理(1)」である。
(03)
1     (1)  P      A
1     (2)  P∨~Q   1∨I
1     (3) ~Q∨ P   1交換法則
 4    (4)  Q&~P   A
  5   (5) ~Q      A
 4    (6)  Q      4&E
 45   (7) ~Q& Q   56&I
  5   (8)~(Q&~P)  47RAA
   9  (9)     P   A
 4    (ア)    ~P   4&E
 4 9  (イ)  P&~P   9ア&I
   9  (ウ)~(Q&~P)  4イRAA
1     (エ)~(Q&~P)  3589ウ∨E
    オ (オ)  Q      A
     カ(カ)    ~P   A
    オカ(キ)  Q&~P   オカ&I
1   オカ(ク)~(Q&~P)&
          (Q&~P)  エキ&I
1   オ (ケ)   ~~P   カクRAA
1   オ (コ)     P   ケDN
1     (サ)   Q→P   オコCP
      (ス)P→(Q→P)  1サCP
然るに、
(04)
1     (1)  P      A
      (ス)P→(Q→P)  1サCP
に於いて、「(1)の仮定の数」は「1個」であって、
     「(ス)の仮定の数」は「0個」である。
然るに、
(05)
定理(theorem)とは、仮定(assumptions)の数がゼロ個の証明可能な連式の結論である。
(E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学入門、65頁改)
従って、
(01)~(05)により、
(06)
(1)Pならば(QならばPである)≡P→(Q→P)。
(ス)Pならば(QならばPである)≡P→(Q→P)。
は、「ルカジェビィッツによる公理(axiom)」であって、「E.J.レモンの言ふ定理(theorem)」である。
然るに、
(03)により、
(07)
(03)に於いて、Qに、~Qを「代入」すると、
1     (1)   P       A
1     (2)   P∨~~Q   1∨I
1     (3) ~~Q∨  P   1交換法則
 4    (4)  ~Q& ~P   A
  5   (5) ~~Q       A
 4    (6)  ~Q       4&E
 45   (7) ~~Q& ~Q   56&I
  5   (8)~(~Q& ~P)  47RAA
   9  (9)       P   A
 4    (ア)      ~P   4&E
 4 9  (イ)    P&~P   9ア&I
   9  (ウ)~(~Q& ~P)  4イRAA
1     (エ)~(~Q& ~P)  3589ウ∨E
    オ (オ)  ~Q       A
     カ(カ)      ~P   A
    オカ(キ)  ~Q& ~P   オカ&I
1   オカ(ク)~(~Q& ~P)&
          (~Q& ~P)  エキ&I
1   オ (ケ)     ~~P   カクRAA
1   オ (コ)       P   ケDN
1     (サ)   ~Q→ P   オコCP
      (ス) P→(~Q→P)  1サCP
従って、
(03)(06)(07)により、
(08)
(1)Pならば(QでないならばPである)≡P→(~Q→P)。
(ス)Pならば(QでないならばPである)≡P→(~Q→P)。
は、「ルカジェビィッツによる公理(axiom)」であって、「E.J.レモンの言ふ定理(theorem)」である。
従って、
(06)(08)により、
(09)
(1)Pならば(Qであらうと、Qでなからうと、Pである)≡P→(Q∨~Q→P)。
(ス)Pならば(Qであらうと、Qでなからうと、Pである)≡P→(Q∨~Q→P)。
は、「ルカジェビィッツによる公理(axiom)」であって、「E.J.レモンの言ふ定理(theorem)」である。
然るに、
(10)
「明日が晴れならば、明日が土曜ならば、明日は晴れである。」は、「変な言ひ方」であるが、
「明日が晴れならば、明日が土曜であろうと、明日が土曜でなかろうと、明日は晴れである。」は、「普通の言ひ方」である。
従って、
(11)
「Pならば(QならばPである)。」は、「変な言ひ方」であるが、
「Pならば(Qであらうと、Qでなからうと、Pである)。」は、「普通」である。
従って、
(02)(11)により、
(12)
(1)P→(Q→P)
といふ、「ルカジェビィッツによる公理(1)」は、
(1)Pならば(QならばPである)。
といふ「日本語」に訳す限りは、固より、「変な言ひ方」である。
従って、
(06)(13)により
(14)
(1)P→(Q→P)
といふ、「ルカジェビィッツによる公理(1)」は、
(1)Pならば(QならばPである)。
といふ「日本語」に訳す限りは、「変な言ひ方」であるが、「命題論理」としては、「恒に真(トートロジー)」である。
といふ、ことになる。
令和元年12月18日、毛利太。

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