2019年12月10日火曜日

「鼻は象が長い」の「述語論理」の「主語(MAIN WORD)」。

― しばらく、「返り点」に関する「記事」を書いてゐません。「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他」を、お読み下さい。―

(01)
① 鼻   象   長い。
② 鼻ならば、象ならば、長い。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(02)
③ ∀x∀y(鼻xy→象y→長x)⇔
③ すべてのxとyについて、xがyの鼻ならば、yが象ならば、xは長い。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 鼻   象   長い。
② 鼻ならば、象ならば、長い。
③ ∀x∀y(鼻xy→象y→長x)⇔
③ すべてのxとyについて、xがyの鼻ならば、yが象ならば、xは長い。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(04)
(ⅲ)
1  (1)∀x∀y(鼻xy→象y→長x) A
1  (2)  ∀y(鼻ay→象y→長a) 1UE
1  (3)     鼻ab→象b→長a  1UE
 4 (4)     鼻ab&象b     A
 4 (5)     鼻ab        4&E
14 (6)         象b→長b  35MPP
 4 (7)         象b     4&E
14 (8)            長b  67MPP
1  (9)     鼻ab&象b→長b  48CP
1  (ア)  ∀y(鼻ay&象y→長y) 9UI 
1  (イ)∀x∀y(鼻xy&象y→長y) アUI
(ⅳ)
1  (1)∀x∀y(鼻xy&象y→長y) A
1  (2)  ∀y(鼻ay&象y→長y) 1UE
1  (3)     鼻ab&象b→長b  2UE
 4 (4)     鼻ab        A
  5(5)         象b     A
 45(6)     鼻ab&象b     45&I
145(7)            長b  36MPP
14 (8)         象b→長b  57CP
1  (9)     鼻ab→象b→長b  48CP
従って、
(04)により、
(05)
③ ∀x∀y(鼻xy→象y→長x)
④ ∀x∀y(鼻xy&象y→長y)
に於いて、すなはち、
③ すべてのxとyについて、xがyの鼻ならば、 yが象ならば、xは長い。
④ すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長い。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(03)(05)により、
(06)
①      鼻は  象は 長い。
② ∀x∀y(鼻xy&象y→長y)。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(07)
(ⅲ)
1    (1)∀x∀y(鼻xy&象y→長x&鼻xy&~象y→~長x) A
1    (2)  ∀y(鼻ay&象y→長a&鼻ay&~象y→~長a) 1UE
1    (3)     鼻ab&象b→長a&鼻ab&~象b→~長a  2UE
1    (4)     鼻ab&象b→長a              3&E
1    (5)               鼻ab&~象b→~長a  3&E
 6   (6)                        長a  A
 6   (7)                      ~~長a  6DN
16   (8)             ~(鼻ab&~象b)     57MTT
16   (9)              ~鼻ab∨ 象b      8ド・モルガンの法則
16   (ア)               象b∨~鼻ab      9交換法則
  イ  (イ)               象b           A
  イ  (ウ)             ~~象b           イDN
  イ  (エ)             ~~象b∨~鼻ab      ウ∨I
   オ (オ)                  ~鼻ab      A
   オ (カ)             ~~象b∨~鼻ab      オ∨I
16   (キ)             ~~象b∨~鼻ab      アイエオカ∨E
16   (ク)              ~象b→~鼻ab      キ含意の定義
1    (ケ)           長a→~象b→~鼻ab      6クCP
    コ(コ)           ~象b&長a           A
    コ(サ)           長a               コ&E
1   コ(シ)              ~象b→~鼻ab      ケサMPP
    コ(ス)              ~象b           コ&E
1   コ(セ)                  ~鼻ab      シスMPP
1    (ソ)           ~象a&長b→~鼻ab      コセCP
1    (タ)     鼻ab&象b→長a&~象b&長a→~鼻ab  4ソ&I
1    (チ)  ∀y(鼻ay&象y→長a&~象y&長a→~鼻ay) タUI
1    (ツ)∀x∀y(鼻xy&象y→長x&~象y&長x→~鼻xy) チUI
(ⅳ)
1    (1)∀x∀y(鼻xy&象y→長x&~象y&長x→~鼻xy) A
1    (2)  ∀y(鼻ay&象y→長a&~象y&長a→~鼻ay) 1UE
1    (3)     鼻ab&象b→長a&~象b&長a→~鼻ab  2UE
1    (4)     鼻ab&象b→長a              3&E
1    (5)               ~象b&長a→~鼻ab  3&E
 6   (6)                       鼻ab  A
 6   (7)                     ~~鼻ab  6DN
16   (8)             ~(~象b&長a)      57MTT
16   (9)               象b∨~長a       8ド・モルガンの法則
  ア  (ア)               象b           A
  ア  (イ)             ~~象b           アDN
  ア  (ウ)             ~~象b∨~長a       イ∨I
   エ (エ)                  ~長a       A
   エ (オ)             ~~象b∨~長a       エ∨I
16   (カ)             ~~象b∨~長a       9アウエオ∨E
16   (キ)              ~象b→~長a       カ含意の定義
1    (ク)               鼻ab→~象b→~長a  6キCP
    ケ(ケ)               鼻ab&~象b      A
    ケ(コ)               鼻ab          ケ&E
1   ケ(サ)                   ~象b→~長a  クコMPP
    ケ(シ)                   ~象b      ケ&E
1   ケ(ス)                       ~長a  サシMPP
1    (セ)               鼻ab&~象b→~長a  ケスCP
1    (ソ)     鼻ab&象b→長a&鼻ab&~象b→~長a  4セ&I
1    (タ)  ∀y(鼻ay&象y→長a&鼻ay&~象y→~長a) ソUI
1    (チ)∀x∀y(鼻xy&象y→長x&鼻xy&~象y→~長x) タUI
従って、
(07)により、
(08)
③ ∀x∀y(鼻xy&象y→長x&鼻xy&~象y→~長x)
④ ∀x∀y(鼻xy&象y→長x&~象y&長x→~鼻xy)
に於いて、
③ すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象以外であれば、xは長くはない。
④ すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象以外であって、xが長いならば、xはyの鼻ではない。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(09)
③ すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、
④ すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、
といふことは、
③ 象の鼻は長く、
④ 象の鼻は長く、
といふ、ことである。
然るに、
(10)
③ xがyの鼻であって、yが象以外であれば、xは長くはない
④ yが象以外であって、xが長いならば、xはyの鼻ではない
といふことは、
③ 象以外の鼻は長くない
④ 象以外で長いのは鼻ではない
といふ、ことである。
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
「番号」を付け直すと、
① ∀x∀y(鼻xy&象y→長x&鼻xy&~象y→~長x)
② ∀x∀y(鼻xy&象y→長x&~象y&長x→~鼻xy)
に於いて、すなはち、
① 象の鼻は長く、象以外の鼻は長くない。
② 象の鼻は長く、象以外で長いのは鼻ではない
に於いて、
①=② である。
然るに、
(12)
{象、兎、馬}であるならば、
① 鼻は、象長く、
② 耳は、兎長く、
③ 顔は、馬長い。
然るに、
(13)
{象、兎、馬}であるならば、
① 象の鼻は長く、象以外(兎と馬)の鼻は長くない
② 兎の耳は長く、兎以外(象と馬)の耳は長くない
③ 馬の顔は長く、馬以外(象と兎)の顔は長くない
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
① 鼻は、象長い。⇔
① 象の鼻は長く、象以外の鼻は長くない。⇔
① ∀x∀y(鼻xy&象y→長x&鼻xy&~象y→~長x)⇔
① すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象以外であれば、xは長くはない
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(15)
1   (1)∀x∀y(鼻xy&象y→長x&鼻xy&~象y→~長x) A
1   (2)  ∀y(鼻ay&象y→長a&鼻ay&~象y→~長a) 1UE
1   (3)     鼻ab&象b→長a&鼻ab&~象b→~長a  2UE
1   (4)     鼻ab&象b→長a              3&E
1   (5)               鼻ab&~象b→~長a  3&E
 6  (6)  ∀y{兎y→~象y&∃x(鼻xy)}        A
 6  (7)     兎b→~象b&∃x(鼻xb)         1UE
  8 (8)     兎b                     A
 68 (9)        ~象b&∃x(鼻xb)         78MPP
 68 (ア)        ~象b                 9&E
 68 (イ)            ∃x(鼻xb)         9&E
   ウ(ウ)               鼻ab          A
 68ウ(エ)        ~象b&鼻ab             アウ&I
 68ウ(カ)        鼻ab&~象b             エ交換法則
168ウ(キ)                       ~長a  5カMPP
168ウ(ク)               鼻ab&~長a      ウキ&I
168ウ(ケ)            ∃x(鼻xb&~長x)     クEI   
168 (コ)            ∃x(鼻xb&~長x)     イウケEE
16  (サ)      兎b→∃x(鼻xb&~長x)          8コCP
16  (シ)  ∀y{兎y→∃x(鼻xy&~長x)}        サUI
従って、
(14)(15)により、
(16)
(1)すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象以外であれば、xは長くはない。
(6)すべてのyについて、yが兎であるならば、yは象ではなく、あるxはyの鼻である。
(シ)すべてのyについて、yが兎であるならば、あるxはyの鼻であって、yは長くない。
といふ「推論」、すなはち、
(1)鼻は、象長い。 然るに、
(6)兎は象ではないが、鼻がある。 従って、
(シ)兎には鼻があるが、長くはない
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(06)(14)(16)により、
(17)
① 鼻は、象は長い≡∀x∀y(鼻xy&象y→長y)。
② 鼻は、象長い≡∀x∀y(鼻xy&象y→長x&鼻xy&~象y→~長x)。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(18)
① ∀x∀y(鼻xy&象y→長y)
② ∀x∀y(鼻xy&象y→長x&鼻xy&~象y→~長x)
といふ「論理式」は、「連言(&)の、連言(&)」であるため、「正確」には、
① ∀x{∀y(鼻xy&象y→長y)}
② ∀x{∀y(鼻xy&象y→長x&鼻xy&~象y→~長x)}
と書くのが、「正しい」。
然るに、
(19)
(ⅰ)論理式または命題関数において、量記号が現れる任意の箇所の作用範囲は、問題になっている変数が現れる少なくとも2つの箇所を含むであろう(その1つの箇所は量記号そのもののなかにある);
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、183頁)
従って、
(18)(19)により、
(20)
① ∀x{∀y(鼻xy&象y→長y)}
② ∀x{∀y(鼻xy&象y→長x&鼻xy&~象y→~長x)}
に於いて、
①「x=」といふ「語の意味」は、∀x{∀y(鼻xy&象y→長y)}の「全体」に及んでゐて、
②「x=」といふ「語の意味」は、∀x{∀y(鼻xy&象y→長x&鼻xy&~象y→~長x)}の「全体」に及んでゐる。
従って、
(17)~(20)により、
(21)
① 鼻は、象は長い≡∀x{∀y(鼻xy&象y→長y)}。
② 鼻は、象長い≡∀x{∀y(鼻xy&象y→長x&鼻xy&~象y→~長x)}。
に於いて、
①「鼻」は、「語(MAIN WORD)」である。
②「鼻」は、「語(MAIN WORD)」である。
令和元年12月10日、毛利太。

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