2019年12月30日月曜日

「象の鼻は長い・鼻は象が長い」の「述語論理」。

(01)
① 象の鼻は長い。   然るに、
② 兎の鼻は長くない。従って、
③ 象の鼻は兎の鼻ではない。
といふ「推論」は「妥当」である。
然るに、
(02)
1  (1)∀x∀y(象x&鼻yx→ 長y)     A
 2 (2)∀x∀y(兎x&鼻yx→~長y)     A
1  (3)  ∀y(象a&鼻ya→ 長y)     1UE
1  (4)     象a&鼻ba→ 長b      3UE
 2 (5)  ∀y(兎a&鼻ya→~長b)     2UE
 2 (6)     兎a&鼻ba→~長b      5UE
  7(7)     象a&鼻ba          A
1 7(8)             長b      47MPP
1 7(9)           ~~長b      8DN
127(ア)   ~(兎a&鼻ba)         69MTT
127(イ)    ~兎a∨~鼻ba         ア、ド・モルガンの法則
127(ウ)    ~鼻ba∨~兎a         イ交換法則
127(エ)     鼻ba→~兎a         ウ含意の定義
  7(オ)     鼻ba             7&E
127(カ)         ~兎a         エオMPP
127(キ)    ~兎a&鼻ba          オカ&I
12 (ク)     象a&鼻ba→~兎a&鼻ba  7キCP
12 (ケ)     象a&鼻ba→~兎a&鼻ba  7クCP
12 (コ)  ∀y(象a&鼻ya→~兎a&鼻ya) ケUI
12 (サ)∀x∀y(象x&鼻yx→~兎x&鼻yx) コUI
従って、
(02)により、
(03)
① ∀x∀y(象x&鼻yx→ 長y)。然るに、
② ∀x∀y(兎x&鼻yx→~長y)。従って、
③ ∀x∀y(象x&鼻yx→~兎x&鼻yx)。
といふ「推論」、すなはち、
① すべてのxとyについて、xが象であって、yがxの鼻であるならば、yは長い。   然るに、
② すべてのxとyについて、xが兎であって、yがxの鼻であるならば、yは長くない。 従って、
③ すべてのxとyについて、xが象であって、yがxの鼻であるならば、xは兎ではなく、yはxの鼻である。
といふ「推論」は「妥当」である。
然るに、
(04)
① すべてのxとyについて、xが象であって、yがxの鼻であるならば、yは長い。   然るに、
② すべてのxとyについて、xが兎であって、yがxの鼻であるならば、yは長くない。 従って、
③ すべてのxとyについて、xが象であって、yがxの鼻であるならば、xは兎ではなく、yはxの鼻である。
といふことは、
① 象の鼻は長い。   然るに、
② 兎の鼻は長くない。従って、
③ 象の鼻は兎の鼻ではない。
といふ、ことである。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 象の鼻は長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x∀y(象x&鼻yx→長y)。
といふ「述語論理」に、相当する。
然るに、
(06)
① 鼻は象長い。
② 鼻は兎は長くない。
③ 兎の鼻は象の鼻ではない。
といふ「推論」は「妥当」である。
然るに、
(07)
1  (1)∀x∀y(鼻xy&象y⇔ 長y)     A
 2 (2)∀x∀y(鼻xy&兎y→~長y)     A
1  (3)  ∀y(鼻ay&象y⇔ 長y)     1UE
1  (4)     鼻ab&象b⇔ 長b      3UE
1  (5)    (鼻ab&象b→ 長b)&
          (長b→鼻ab& 象b)     4Df.⇔
1  (6)     鼻ab&象b→ 長b      5&E
 2 (7)  ∀y(鼻ay&兎y→~長y)     2UE
 2 (8)     鼻ab&兎b→~長b      7UE
  9(9)     兎b&鼻ab          A
  9(ア)     鼻ab&兎b          9交換法則
 29(イ)            ~長b      89MPP
129(ウ)   ~(鼻ab&象b)         6アMTT
129(エ)    ~鼻ab∨~象b         イ、ド・モルガンの法則
129(オ)     鼻ab→~象b         ウ含意の定義
  9(カ)     鼻ab             9&E
129(キ)         ~象b         エオMPP
129(ク)    ~象b&鼻ab          オカ&I
12 (ケ)     兎b&鼻ab→~象b&鼻ab  9クCP
12   (コ)  ∀x(兎b&鼻xb→~象b&鼻xb) ケUI
12 (サ)∀y∀x(兎y&鼻xy→~象y&鼻xy) コUI
cf.
∀x∀y(Fxy)と、
∀y∀x(Fxy)は、「等しい」。
従って、
(07)により、
(08)
① ∀x∀y(鼻xy&象y⇔ 長y)。然るに、
② ∀x∀y(鼻xy&兎y→~長y)。従って、
③ ∀y∀x(兎y&鼻xy→~象y&鼻xy)。
といふ「推論」、すなはち、
① すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、そのときに限って、yは長い。   然るに、
② すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、         yは長くない。 従って、
③ すべてのyとxについて、yが兎であって、xがyの鼻であるならば、yは象ではなく、 xはyの鼻である。
といふ「推論」は「妥当」である。
然るに、
(09)
① すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、そのときに限って、yは長い。   然るに、
② すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、         yは長くない。 従って、
③ すべてのyとxについて、yが兎であって、xがyの鼻であるならば、yは象ではなく、 xはyの鼻である。
といふことは、
① 鼻は象長い。
② 鼻は兎は長くない。
③ 兎の鼻は象の鼻ではない。
といふ、ことである。
従って、
(06)~(09)により、
(10)
① 鼻は象長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x∀y(鼻xy&象y⇔長y)。
といふ「述語論理」に、相当する。
従って、
(05)(10)により、
(11)
① 象の鼻は長い。
② 鼻は象長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x∀y(象x&鼻yx→長y)。
② ∀x∀y(鼻xy&象y⇔長y)。
といふ「述語論理」に、相当する。
令和元年12月30日、毛利太。

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