2019年12月25日水曜日

「吸収律(law of absorption)」の「意味」。

(01)
(ⅰ)
1  (1) P&(Q∨R)    A
1  (2) P          1&E
1  (3)    Q∨R     1&E
 4 (4)    Q       A
14 (5) P&Q        24&I
14 (6)(P&Q)∨(P&R) 5∨I
  7(7)      R     A
1 7(8)       P&R  27&I
1 7(9)(P&Q)∨(P&R) 8∨I
1  (ア)(P&Q)∨(P&R) 34679∨E
(ⅱ)
1  (1)(P&Q)∨(P&R) A
 2 (2)(P&Q)       A
 2 (3) P          2&E
 2 (4)   Q        2&E
 2 (5)    Q∨R     4∨I
 2 (6) P&(Q∨R)    35&I
  7(7)      (P&R) A
  7(8)       P    7&E
  7(9)         R  7&E
  7(ア)       Q∨R  9∨I
  7(イ) P&(Q∨R)    8ア&I
1  (ウ) P&(Q∨R)    1267イVE
従って、
(01)により、
(02)
① P&(R∨Q)
②(P& R)∨(P&Q)
に於いて、
①=② である。
cf.
分配の法則(Law of distribution)」といふ。
従って、
(02)により、
(03)
① P&(R∨Q)
②(P& R)∨(P&Q)
に於いて、
R=P
といふ「代入」を行ふと、
① P&(P∨Q)
②(P& P)∨(P&Q)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
②(P&P)は、Pに、等しい。
cf.
冪等律(idempotent law)」といふ。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① P&(P∨Q)
② P∨(P&Q)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
(ⅱ)
1  (1)P∨(P&Q) A
 2 (2)P       A
  3(3)   P&Q  A
  3(4)   P    3&E
1  (5)P       12234∨E
(ⅲ)
1  (1)P       A
1  (2)P∨(P&Q) 1∨I
従って、
(06)により、
(07)
② P∨(P&Q)
③ P
に於いて、
②=③ である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① P&(P∨Q)
② P∨(P&Q)
③ P
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(08)により、
(09)
① P⇔P&(P∨Q)
② P⇔P∨(P&Q)
である。
cf.
吸収律吸収法則(law of absorption)」といふ。
然るに、
(10)
① P⇔P&(P∨Q)
② P⇔P∨(P&Q)
に於いて、
① 真⇔真&(真∨Q)
② 真⇔真∨(真&Q)
であるならば、「⇔の働き」により、「Qの真偽に拘らず
① 真⇔真&(真∨Q)
② 真⇔真∨(真&Q)
は、「真」である。
従って、
(10)により、
(11)
① P⇔P&(P∨Q)
② P⇔P∨(P&Q)
といふことは、
① Pであるならば、Qであらうとなからうと、いづれにせよ、Pである
② Pであるならば、Qであらうとなからうと、いづれにせよ、Pである
といふ、「意味」である。
然るに、
(12)
① P⇔P&(P∨Q)
② P⇔P∨(P&Q)
に於いて、
① 偽⇔偽&(偽∨Q)
② 偽⇔偽∨(偽&Q)
であるならば、「⇔の働き」により、「Qの真偽」に拘らず
① 偽⇔偽&(偽∨Q)
② 偽⇔偽∨(偽&Q)
は、「真」である。
従って、
(12)により、
(13)
① P⇔P&(P∨Q)
② P⇔P∨(P&Q)
といふことは、
① Pでないならば、Qであらうとなからうと、いづれにせよ、Pでない
② Pでないならば、Qであらうとなからうと、いづれにせよ、Pでない
といふ、「意味」である。
従って、
(11)(13)により、
(14)
① P⇔P&(P∨Q)
② P⇔P∨(P&Q)
といふ「吸収法則」とは、両方とも、
① Pであるならば、Qであらうとなからうと、いづれにせよ、Pである
② Pでないならば、Qであらうとなからうと、いづれにせよ、Pでない
といふ、「極めて当然な、主張」である。
然るに、
(15)
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
吸収法則
きゅうしゅうほうそく
law of absorption
吸収律ともいう。集合の演算 ∪ (結び) および ∩ (交わり) について,次の法則が成り立つ。
A=A∪(A∩B),A=A∩(A∪B)
これを吸収法則という。一般に,∪ ,∩ を束演算とするとき,この法則が成り立つ。集合演算の場合は,その特別の場合で,集合束がブール束になっている。
従って、
(14)(15)により、
(16)
① A=A∩(A∪B)
② A=A∪(A∩B)
は、「集合」の「吸収律」であっても、
① Aであるならば、Bであらうとなからうと、いづれにせよ、Aである。
② Aでないならば、Bであらうとなからうと、いづれにせよ、Aでない。
といふ、「極めて当然な、主張」である。
と、思はれるものの、私には、その返のところが、分からない。
令和元年12月25日、毛利太。

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