2019年12月20日金曜日

「排中律」は「正しく」はない!?

(01)
1(1)P     A
1(2)P∨Q   1∨I(選言導入)
 (3)P→P∨Q 12CP
然るに、
(02)
1(1)P     A
 (3)P→P∨Q 12CP
に於いて、「(1)の仮定の数」は「1個」であって、
     「(3)の仮定の数」は「0個」である。
(03)
1 (1)  ~P         A
1 (2)  ~P∨~Q      1∨I(選言導入)
  (3)  ~P→~P∨~Q   12CP
  4(4) ~~P&~~Q     A
 4(5)~(~P∨~Q)     4ド・モルガンの法則
 4(6) ~~P         35MTT
  (7) ~~P&~~Q→~~P 46CP
  (8)   P&  Q→  P 7DN
然るに、
(04)
1 (1)~P     A
  (8) P&Q→P 7DN
に於いて、「(1)の仮定の数」は「1個」であって、
     「(8)の仮定の数」は「0個」である。
(05)
1 (1) ~(P∨~P)  A
 2(2)   P      A
 2(3)   P∨~P   2∨I(選言導入)
12(4) ~(P∨~P)&
       (P∨~P)  23&I
1 (5)  ~P      A
1 (6)   P∨~P   5∨
1 (7) ~(P∨~P)&
       (P∨~P)  16&I
  (8)~~(P∨~P)  17RAA
  (9)   P∨~P   8DN
然るに、
(06)
1 (1) ~(P∨~P)  A
  (9)   P∨~P   8DN
に於いて、「(1)の仮定の数」は「1個」であって、
     「(9)の仮定の数」は「0個」である。
然るに、
(07)
定理(theorem)とは、仮定(assumptions)の数がゼロ個の証明可能な連式の結論である。
(E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学入門、65頁改)
従って、
(01)~(07)により、
(08)
① P→P∨Q≡Pであるならば、PかQである。 
② P&Q→P≡PであってQであるならば、Pである。
③ P∨~P ≡Pであるか、Pでない。
といふ「論理式」、すなはち、
① 付加律
② 単純化律
排中律
は、三つとも、「定理(theorem)」である。
然るに、
(09)
① 付加律
すなはち、
① P→P∨Q≡Pであるならば、PかQである。 
は、「ヒルベルト・アッカーマンの、公理2」である。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① P→P∨Q≡Pであるならば、PかQである。 
② P&Q→P≡PであってQであるならば、Pである。
③ P∨~P ≡Pであるか、Pでない。
といふ「論理式」は、3つとも、「公理(axiom)」であるとしても、「不自然」ではない。
然るに、
(11)
(1)Pならば、PかQである。 然るに、
(2)Pである。        従って、
(3)      PかQである。
といふ「推論」は、明らかに、「妥当」である。
然るに、
(12)
(2)Pである。        従って、
(3)      PかQである。
といふのであれば、いづれにせよ
(2)Pである
従って、
(12)により、
(13)
(2)Pである。        従って、
(3)      PかQである。
といふのであれば、「正しく」は、
(2)Pであるが、
(3)Qであるどうかは、分からない
といふ。ことになる。
従って、
(01)~(13)により、
(14)
1(1)P   A
1(2)P∨Q 1∨I(選言導入)
といふ「計算」は、
(1)Pであるが、
(2)Qであるどうかは、分からない
といふ、ことであり、
1(1)~P    A
1(2)~P∨~Q 1∨I(選言導入)
といふ「計算」は、
(1)Pでないが、
(2)Qでないかどうかは、分からない
といふ、ことであり、
2(2)P    A
2(3)P∨~P 2∨I(選言導入)
といふ「計算」は、
(2)Pであるが、
(3)Pでないどうかは、分からない
といふ、ことである。
然るに、
(15)
Pであるが、Qであるかどうかは、分からない
Pでないが、Qでないかどうかは、分からない
であれば、二つとも、「正常」であるが、
Pであるが、Pでないかどうかは、分からない
の場合は、
Pである。と「断定」してゐながら、そのことを「否定」してゐる。
といふ点に於いて、明らかに、「異常」である。
従って、
(01)(03)(05)(14)(15)により、
(16)
① P→P∨Q≡Pであるならば、PかQである。 
② P&Q→P≡PであってQであるならば、Pである。
③ P∨~P ≡Pであるか、Pでない。
といふ「定理」の「証明」に於いて、
① には「問題」はなく、
② にも「問題」はないものの、
③ には「問題」がある
従って、
(10)(16)により、
(17)
① P→P∨Q≡Pであるならば、PかQである。 
② P&Q→P≡PであってQであるならば、Pである。
③ P∨~P ≡Pであるか、Pでない。
といふ「論理式」は、すなはち、
① 付加律
② 単純化律
排中律
といふ「法則」は、3つとも、「公理(axiom)」であるとしても、「不自然」ではない。
とは言ふものの、実際には、
③ に関しては、「計算の過程」で、
Pであるが、Pでないかどうかは、分からない
としているため、あるいは、「公理(axiom)」であるとしては、ならないのかも、知れない
然るに、
(18)
④ ~(~P&P)≡~~P∨~P≡P∨~P
は、「ド・モルガンの法則」であって、
④ ~(~P&P)
は、「矛盾律」である。
従って、
(19)
③       P∨~P ≡Pであるか、Pでない。
④ ~(~P&  P)≡Pでなくて、Pである。といふことはない。
に於いて、
③「矛盾律」を「否定」することは、
④ Pではないが、Pである。といふこともある
といふことを、「肯定」することに、「等しい」。
従って、
(20)
④ Pではないが、Pである。といふこともある
といふことは、ない
とするならば、
③ Pであるか、Pでない。
といふ「排中律も、認めざるを、得ない
令和元年12月20日、毛利太。

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